背景に置かれたのは「決まっていなかった」こと
原因の章では、地震動評価の手法の詳細が必ずしも法令や規則などで明確に定められていないことが背景にある、と説明されています。
基準地震動は、その原発の敷地で想定する揺れの大きさです。過去の地震や周辺の断層をもとに複数の計算をして決めますが、どの計算をどう選ぶかには幅があります。中部電力は9月11日の時点で、審査の場で「平均に最も近い波」を選ぶと説明しながら、実際には別の波を動かしていたと明らかにしていました。選び方に幅があること自体が、今回の問題の土台にある、というのが委員会の見方です。
会社が挙げた再発防止の3本柱
中部電力は、経営改革として3つを挙げています。
| 柱 | 中身として書かれていること |
|---|---|
| 意識・行動の変革 | 一人ひとりの向き合い方を変える |
| 組織風土の改革 | 問題を言い出せる組織にする |
| ガバナンス・牽制機能の変革・強化 | 外から見て確かめられる仕組みにする |
3つとも「これから取り組む」という書き方で、具体的な期限や体制はこの公表資料の中では示されていません。
自分の家の揺れやすさは、別の物差しで見る
基準地震動は原発の設備を設計するための数値で、住宅の耐震基準とは別の体系です。今回の件で「浜岡の想定が甘かったのか」が気になっても、そこから自宅の安全性は読み取れません。
自宅について知りたいのは、その土地が揺れやすい地盤かどうかと、建物がいつの基準で建っているかの2つです。地盤は住所単位のハザード情報で調べられます。建物は、1981年6月以降の新耐震基準か、2000年6月以降の木造の基準を満たしているかが目安になります。原発の話と家の話は、同じ「地震」でも見る場所が違います。
生活・仕事にどう効くか
- 審査:中部電力は浜岡3・4号機の審査について申請の取り下げを検討していると9月11日に明らかにしている。審査が振り出しに戻れば、再稼働の時期はさらに遠のく。
- 電気料金:原発が動かない間は火力での発電が続く。燃料費の上下が料金に反映される仕組みは変わらないので、燃料価格の影響を受けやすい状態が続く。
- 住まい:基準地震動は原発の設計に使う数値であって、住宅の耐震基準とは別のものさし。自宅の揺れやすさは、地盤と建築年で見ることになる。
結局どうすればよいか
- 報告書は開示版がPDFで公開されている。要約ではなく本体の第4章を読むと、何を問題としたのかが分かる
- 自宅の地震リスクを知りたいときは、原発の基準地震動ではなく、住所単位のハザード情報で見る
- 静岡県内で住まいを探しているなら、再稼働の見通しではなく、地盤と建築年を先に確認する
公式出典
- 中部電力「浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動策定に係る不適切事案に関する調査報告書の公表」(2026年9月14日発表)
- 中部電力「同 調査報告書の受領」(2026年9月11日発表)
更新履歴
- 2026年9月14日 初版を公開
※本記事は2026年9月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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