🗨️「ChatGPTで作った画像を、仕事のチラシや自社サイトに使っても大丈夫でしょうか」
利用規約には「お客様は(b)アウトプットを所有します」と書いてあります。ただし同じ規約の別の場所に、権利の非侵害は保証しないと書いてあり、会社として使う場合は第三者から請求が来たときの弁護士費用までこちらが引き受ける形になっています。譲られているのは権利であって、安全ではありません。
[AI] この記事の要点
2026年9月22日 発表
- 生成AIで作った画像を、仕事の資料やチラシ、自社サイトに使おうとしている人
- 会社の名前で発信するものにAIの生成物を混ぜている人
- 「規約で商用利用OKと書いてあるから平気」と説明されて、そのまま受け取っている人
「アウトプットを所有します」——規約にはそう書いてある
先に答えを書きます。ChatGPTを提供しているOpenAI(オープンエーアイ)の利用規約には、生成物はユーザーのものだと書いてあります。日本語版の「コンテンツの所有権限」という項の原文はこうです。
お客様と OpenAI との間において、適用される法律で認められる範囲において、お客様は、(a)インプットに対する所有権を保持し、(b)アウトプットを所有します。当社はアウトプットに関する権利、権原、及び利益がある場合、これらすべての権限をお客様に譲渡します。
OpenAI 利用規約(日本語版・2026年1月1日発効)より
ここだけを読むと、話は終わったように見えます。実際、この一文を根拠に「商用利用できます」と書いている解説はたくさんあります。
ただ、同じ規約を最後まで読むと、この文の前後に別のことが書いてあります。
同じ規約が、権利を侵害していないことは保証していない
所有権の項のすぐ手前に、責任の分担が書かれています。
お客様は、本コンテンツが適用法令又は本利用規約に違反していないことを確認することを含め、本コンテンツに対して責任を負います。
同・「お客様のコンテンツ情報」より
さらに「保証の否認」の項には、否認する保証の一覧が並んでいて、そのなかに「権利の非侵害」が入っています。つまり、出てきた絵が誰かの権利を侵していないことは、サービス側が引き受けていません。禁止事項の側にも「他者の権利を侵害、流用、またはこれに違反する方法で本サービスを利用すること」と書かれています。
整理すると、規約は3つのことを同時に言っています。
| 規約のどこ | 書いてあること | 使う人から見ると |
|---|---|---|
| コンテンツの所有権限 | アウトプットを所有する。権利は譲渡する | 自分のものとして使ってよい |
| お客様のコンテンツ情報 | 法令や規約に違反していないことの確認を含め、責任を負う | 中身を見るのは自分 |
| 保証の否認 | 権利の非侵害を保証しない | 侵していないことの裏づけは付いてこない |
譲られているのは権利です。安全ではありません。ここが「商用利用OK」という短い要約で落ちている部分です。
もうひとつ、所有権の文には条件が付いています。「適用される法律で認められる範囲において」。日本では、人が指示を出しただけの生成物に著作権が生じるかどうかが場面ごとの判断になります。譲る側に権利が無ければ、譲られるものもありません。
AIを自分の側に置くなら、最初の1冊
3冊とも入口が違います。手が止まっている場所で選んでください。
最初の1円までがいちばん短い本です。第1章がLINEスタンプ作りから始まるので、何から触ればいいか分からずに止まっている段階なら、ここから手が動きます。巻末の20ジャンル一覧がそのままアイデア帳になります。
自分の経験や知識を有料記事にして売る型を、集客から書き方まで通しで扱っています。AIの章は8章のうち1章だけで、残りは「何を誰に売るか」の設計です。売る場所をnoteに決めた人向け。
AIの話は出てきません。2023年刊で、売るものを決める・商品にする・集客する・売る、という土台だけを会話形式で扱います。AIの手順書を読んでも手が止まる人は、たいていここが空いています。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
会社として使うと、弁護士費用まで引き受ける約束になる
仕事で使う人に直接効くのは、賠償責任の項です。ここだけ主語が切り替わります。
お客様が企業又は組織であるときには、お客様による本サービス及び本コンテンツの使用、又は本利用規約の違反に起因若しくは関連する費用、損失、責任、及び経費(弁護士費用を含む)について第三者から請求がある場合、お客様は、これらすべてについて、法令で認められている範囲で、当社、当社の関連会社、及び当社の従業員を補償し、損害を与えないものとします。
同・「賠償責任」より
個人が趣味で描くぶんには出てこない条項です。会社の名前で出した瞬間に、第三者から請求が来たときの費用を、サービス側のぶんまで自社が持つ取り決めに入ります。
責任を制限する項も同じ方向を向いていて、サービス側の総責任額は「責任発生前の12か月間にお客様が支払った金額、又は100米ドルのいずれか大きい額」を超えないと書かれています。月20ドルのプランを1年使っていれば240ドル、それ以下なら100ドルです。チラシを刷り直す費用の話をするには、桁が違います。
同じ絵が、ほかの人のところにも出る
規約には「コンテンツの類似性」という項もあります。
当社の本サービス及び一般的な人工知能の性質上、アウトプットは特有のものではない場合があり、他のユーザーが当社の本サービスから同様のアウトプットを受け取る場合があります。上記の当社による権限譲渡は、他のユーザーのアウトプット又はサードパーティのアウトプットには適用されません。
同・「コンテンツの類似性」より
所有はしているけれど、独占はしていない、ということです。名刺の絵柄やチラシの挿絵なら困りません。看板、ロゴ、商品のパッケージのように「うちだけのもの」であることが前提の用途とは、かみ合いません。

画像を仕事に出したあと、現地や実物との差でつまずく話は、写真の加工でも同じ形で起きています。
「法律的には問題ないです。契約的には問題ありです」
この見出しは、Yahoo!知恵袋に付いた回答の一文です。質問のほうは2025年9月に投稿され、6,122回読まれています。
AIの画像生成について質問です よく注意書きに著作権のあるものは気をつけましょうみたいな事が書いてあります。生成したものをネットで公開したり販売したりするのは当然問題ですがどこにも公開せず個人で楽しむだけなら著作権のあるものを生成する事は問題ないのですか?
Yahoo!知恵袋の質問より
公開しないなら法律の問題にはなりにくい。けれど規約のほうには引っかかる。回答はその2つを分けて答えています。法律と契約は別の物差しで、片方が白でももう片方が黒になることがある——この記事でここまで見てきたのも、結局は同じ構造でした。
学習されるほうの話は、条文のただし書きで決まる
「自分の絵がAIに学習されるのは違法ではないのか」も、同じ場所でよく打たれている問いです。こちらは著作権法の条文に答えがあります。第三十条の四です。
著作物は、次に掲げる場合その他の当該著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
著作権法 第三十条の四(条見出しは「著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用」)
前半だけを読むと「学習は自由」に見えます。この条文が有名になったのもそこです。ただ、条文はただし書きで終わっています。著作権者の利益を不当に害する場合は、この規定では使えません。前半とただし書きは常にセットで、片方だけを引いた説明は途中で切れています。
なお、この第二号にある「情報解析」の定義は、第四十七条の五でもそのまま使われます。学習まわりの話は、この2つの条文を行き来して読む作りになっています。
2026年8月に政府が出した枠組みは、使う側に何も言っていない
2026年8月25日、知的財産戦略本部が「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」を公表しました。全14ページの文書で、原則は3つです。
| 原則 | 誰が何をする |
|---|---|
| 原則1 | 生成AI事業者が、使用モデル・学習データ・責任の所在などの概要を自社サイトで公開する |
| 原則2 | 訴訟などを起こしている・準備している権利者から照会があれば、そのURLが学習データに含まれていたかを答える |
| 原則3 | 生成した本人から照会があれば、同じ内容を答える |
原則3を見て「自分でも聞けるのか」と思った人に、先に条件を書いておきます。原則3で照会するには、回答を「訴訟提起、調停申立て、ADR(裁判外紛争解決手続)の申立てに用いる目的で利用しない旨を誓約」することが求められています。訴訟に使わないと約束しないと聞けません。いっぽう原則2の権利者は、訴訟を準備している最中でも照会できます。同じ質問なのに、聞ける条件が反対を向いています。
そして、この文書には自分の性格が書いてあります。
この文書は、…(中略)…生成AI事業者に帰属する機微な情報(営業秘密及び安全性・セキュリティに関するものをいう。)の強制的な開示を求めるものではなく、法的拘束力を有する規範ではない。
プリンシプル・コード 1(3)より
採るか、採らないなら理由を説明するか。コンプライ・オア・エクスプレインというやり方です。届出は受け付けるものの、内閣府知的財産戦略推進事務局は届出の内容を審査せず、第三者からの照会にも回答しないと本文に書かれています。
大事なのは相手です。この文書が原則を求めているのは「生成AI開発者」と「生成AI提供者」で、使う側の義務は1つも書かれていません。「政府がルールを作った」というニュースを見て安心した人にとっては、ここが肩透かしになります。ただ、原則1の中に、事業者が利用者へ周知すべき事項として、こういう一行があります。
生成AI利用者に対して、生成物が他者の知的財産権を侵害するものと考えられる場合には、これを利用すべきでない旨を周知すること。
プリンシプル・コード 原則1(2)より
侵害しそうなものは使うな、と利用者に伝えておけ——事業者への注文の形を借りて、判断する人が誰なのかがはっきり書かれています。
出す前に確認する4つ
ここまでを、手を動かす順番に置き直します。
| 順番 | 確認すること | 見る場所 |
|---|---|---|
| 1 | そのサービスの規約が、生成物の権利をどう扱っているか | 所有権の項ではなく「保証の否認」と「賠償責任」の項 |
| 2 | 無料版と有料版で条件が違わないか | 同じ会社でも個人向けと事業者向けで規約が分かれている |
| 3 | 出てきた絵が、既にある作品に似ていないか | 画像検索にかける。キャラクター・ロゴ・建築物は特に見る |
| 4 | あとで説明できる記録があるか | プロンプトと生成日。誰かに聞かれたときの答えになる |
2について1つ補足します。OpenAIの場合、個人向けの利用規約とは別に事業者用取引規約があり、法人向けのChatGPT Enterprise(エンタープライズ)や開発者向けのサービスはそちらが適用されると規約の冒頭に書かれています。会社で契約しているなら、読む文書がそもそも違います。
私はこう読みました
私は、この面で答えを探している人が本当に知りたいのは「合法かどうか」ではなく「誰が責任を持つのか」だと考えています。規約も条文もプリンシプル・コードも、読み比べると全部が同じ方向を指していました。判断するのは出す人です。
そう考えると、確認の手間はAIを入れたことで減る側ではなく、増える側に立っています。絵を描く時間は数分に縮んだのに、出す前に見る項目は前より増えた、という形です。職場にAIを入れたのに仕事の総量が減らない話とも、たぶん同じ場所でつながっています。そちらはAIを入れたのに仕事が減らないのはなぜ?にまとめました。
使うなと言いたいわけではありません。ただ「規約に商用利用OKと書いてあった」を根拠として持ち出すのは、規約の実際の書きぶりとずれています。根拠にするなら、規約のどの項を読んで、何を自分で確かめたのかを言えるようにしておくほうが、後々こちらを守ってくれます。
よくある質問
Q. 生成した画像に著作権はありますか。
A. 場面によります。指示を出しただけのものと、人が創作的に手を入れたものでは扱いが変わります。規約の所有権の項も「適用される法律で認められる範囲において」という条件付きで書かれています。
Q. 無料版で作った画像も仕事に使えますか。
A. OpenAIの個人向け利用規約は、プランで所有権の扱いを分けていません。ただし会社として契約している場合は事業者用取引規約が適用されるので、読む文書が変わります。
Q. CanvaやGeminiで作った画像はどうですか。
A. 規約はサービスごとに違います。この記事で引いたのはOpenAIの日本語版利用規約(2026年1月1日発効)だけなので、ほかのサービスはそのサービスの規約を直接読んでください。見る項は同じで、所有権より先に保証の否認と賠償責任です。
Q. プリンシプル・コードに違反すると罰則がありますか。
A. 文書に「法的拘束力を有する規範ではない」と明記されています。原則を実施しない場合は理由を説明する、という作りです。また求められている相手は生成AI事業者で、使う側ではありません。
Q. 学習に使われたくない場合はどうすればよいですか。
A. 著作権法第三十条の四には、著作権者の利益を不当に害する場合を除くというただし書きがあります。あわせて、プリンシプル・コードの原則1は、事業者に対してアクセス制限やrobots.txtなどの機械可読な指示に従うクローラの採用に取り組むことを挙げています。
生活・仕事にどう効くか
- 個人の趣味で使う:公開しないなら著作権法の問題になりにくい。ただし規約違反はアカウント停止の対象になり、法律と契約で判断の向きが変わる。
- 会社の名前で使う:規約の賠償責任の条項は「お客様が企業又は組織であるときには」と主語を切り替えている。第三者から請求が来たとき、サービス側の弁護士費用まで負担する取り決めになっている。
- ロゴや看板に使う:同じ絵が他の利用者にも出る可能性があると規約に書かれており、権利の譲渡は他の利用者の生成物には及ばない。独占して使う前提の用途とはかみ合わない。
結局どうすればよいか
- 使うサービスの利用規約を、所有権の条項ではなく「保証の否認」と「賠償責任」の条項から読む
- 会社の名前で出すものは、既存の作品に似ていないかを画像検索で先に当たる
- 生成に使ったプロンプトと日付を残しておく。あとで出どころを説明するときに要る
公式出典
- OpenAI 利用規約(日本語版・2026年1月1日発効)(2026年1月1日発表)
- 知的財産戦略本部「生成AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル・コード」(2026年8月25日発表)
- 著作権法 第三十条の四(e-Gov法令検索)(2026年9月22日発表)
- 文化庁「AIと著作権について」(2026年9月22日発表)
- Yahoo!知恵袋「AIの画像生成について質問です…」(2025年9月14日発表)
更新履歴
- 2026年9月22日 初版を公開
※本記事は2026年9月22日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント