「通知表は学校が必ず出すもの」と思われがちですが、法令で作ることが決まっている書類ではありません。文部科学省は、通知表は「法令上の作成義務はなく」各学校が作っているものだと説明しています。静岡県掛川市は2026年度から、市立小学校の1〜3年生の通知表をやめました。
通知表に法的根拠はない
文部科学省の「学習評価に関するQ&A」(令和元年11月5日時点)は、通知表と指導要録(しどうようろく)の違いをこう書いています。

学校が作る成績の書類は2つあります。法律で決まっているのは指導要録のほうです。
| 指導要録 | 通知表 | |
|---|---|---|
| 法令の決まり | 学校教育法施行規則にある公簿 | 決まりなし |
| だれのもの | 学校が作って保管する | 保護者に渡す |
| 目的 | 指導の資料・外部への証明の原本 | 学習や生活の様子を家庭に伝える |
| やめられるか | やめられない | 学校・自治体の判断 |
出典:文部科学省「学習評価に関するQ&A」、学校教育法施行規則 第28条。神戸新聞NEXT(ネクスト)の2022年7月の記事では、文部科学省の話として、通知表を作るのは校長で、様式や中身も校長の裁量だと紹介しています。
読者
通知表がなくなったら、子どもの成績はどこにも残らないの?
学校には指導要録が残るのよ。こちらは法律で作ることが決まっている記録だから、通知表をやめてもなくならないの。
子どもにかかるお金を通しで見るなら
給食費は子育ての費用のごく一部です。市町ごとの差を調べ始めた人ほど、助成金や学費の全体像が先に要ります。
給食費や医療費のような自治体の助成は、調べる場所がばらばらで全体像がつかめません。助成金・保険・進学費用をまとめて1冊で見渡せるので、市町ごとの差を調べる前の下地になります。
書き込みながら自分の家の数字を出す形式です。中学の給食費が年5万円かかる市とかからない市で、家計にどう響くかを手を動かして確かめられます。
共働き世帯を想定した配分の話が中心です。住む場所を変えると教育費だけでなく通勤費や保育の使い方も変わるので、引っ越しを含めて考えるときに読みやすい1冊です。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
掛川市は小1〜3でやめた
静岡朝日テレビの2025年9月23日の報道では、掛川市は市立21校の1〜3年生、約3,500人の通知表を2026年度からやめ、2027年度からは4年生もやめます。9月22日の校長会で正式に決まり、自治体ごとやめるのは静岡県で初めてです。掛川市も「令和7年 かけがわ市政10大ニュース」に、通知表などの教育課程のあり方を9月に発表したと載せています。
- 代わりに、先生・子ども・保護者の三者面談を年2回開く
- AIが子どもごとの得意・不得意をグラフで示す学習アプリも使う
- 今の通知表は3段階ほどの評価と短いコメントで、努力や成長を伝えきれない
- 学期末の作成に時間がかかり、先生の負担になっている
佐藤嘉晃教育長は、通知表を作る時間を減らして、子どもや保護者と向き合う時間に回したいと説明しています。学校単位で通知表をやめた例は前からあり、同じ神戸新聞の記事は、長野県の公立小学校が約60年前に、神奈川県の公立小学校が2020年度にやめた例を挙げています。
なくさず減らす学校が多い
全部やめる自治体はまだ少なく、多いのは回数や所見(先生の文章のコメント)を減らす形です。東京都豊島区教育委員会が2025年3月に出した資料に、区立学校の通知表の実態が載っています。

小学校22校のうち、通知表を年3回出しているのは21校、年2回が1校です。ところが総合所見を3回とも書いているのは3校だけで、年1回が8校、年2回が11校でした。道徳と総合的な学習の時間の所見は18校が年1回です。中学校8校は、すべて年3回出していました。
私は、ここ数年は「通知表をやめる」より「所見を年1回にする」「年2回渡しにする」という減らし方のほうが先に広がると見ています。子どもの学校がどちらなのかは、学期はじめの学校だよりに書かれていることが多いです。
廃止のメリットとデメリット
神戸新聞の記事には、保護者と先生の両方の意見が載っています。
| 立場 | 意見の中身(要旨) |
|---|---|
| 続けてほしい保護者 | 先生の評価を知りたい。子どもががんばるときの目安になる |
| やめてもいい保護者 | 低学年の「できている・できていない」の評価はいらない。中身は面談で聞きたい |
| 保護者 | 性格や意欲の評価は、子どもの自信をなくす。数字で示せる学習面だけでよい |
| 先生 | 生活態度の評価は主観が入りやすく、文字で残すのが不安 |
| 先生 | 通知表は先生からのメッセージで、子どものやる気につながる |
出典:神戸新聞(まいどなニュース)2022年7月13日。手元に紙が残らなくなるのは、なくす側のいちばん大きな変化です。面談の日に行けない家庭は、学校に別の日や電話での面談を頼めるかを先に聞いておくと安心です。
読者
面談だけだと、あとで「何て言われたっけ」ってなりそう。
掛川市は学習アプリのグラフを見せながら話すそうよ。面談のときはメモを取るか、画面を見せてもらって、その場で写真を撮ってよいか聞いてみてね。
高校入試の内申点は別
「通知表がなくなると内申点もなくなる」と心配する声がありますが、そうではありません。高校入試に出す調査書(内申書)は学校教育法施行規則 第78条で作ることが決まっている別の書類で、豊島区の資料も通知表とは分けて書いています。掛川市がやめたのは評定(1〜5の数字)がまだない小学校の低学年です。
内申点が中学何年の成績から入るかは都道府県でちがいます。内申点 計算方法/中1から入る県と中3だけの県にまとめました。
調査書に欠席日数を書くかどうかも県で分かれます。転校で評定がどう引き継がれるかは中学 転校 内申点/前の学校の評定で入る県で書きました。
出典
- 文部科学省「平成29・30年改訂の学習指導要領下における学習評価に関するQ&A」(PDF)(令和元年11月5日時点)
- 豊島区教育委員会「豊島区立学校の通知表(通信簿)の実態について」(PDF)(令和7年3月11日)
- 掛川市「令和7年 かけがわ市政10大ニュース」(PDF)
- 静岡朝日テレビ「小学1年~3年生の通知表廃止 静岡県内初! 掛川市が来年度から実施」(2025年9月23日)
- 神戸新聞NEXT「実は…学校の裁量で廃止できる『通知表』」(2022年7月13日)
- e-Gov法令検索「学校教育法施行規則」
アイキャッチ写真の出典
放課後の小学校の教室(2009年9月撮影・イメージ)。撮影 ajari/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0(ウィキメディア・コモンズ)。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。












コメント