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通知表 廃止/学校の判断でやめられる

「通知表は学校が必ず出すもの」と思われがちですが、法令で作ることが決まっている書類ではありません。文部科学省は、通知表は「法令上の作成義務はなく」各学校が作っているものだと説明しています。静岡県掛川市は2026年度から、市立小学校の1〜3年生の通知表をやめました。

i文部科学省の学習評価Q&A、豊島区教育委員会の資料、掛川市の資料と報道を2026年11月8日に確認しました。
目次

通知表に法的根拠はない

文部科学省の「学習評価に関するQ&A」(令和元年11月5日時点)は、通知表と指導要録(しどうようろく)の違いをこう書いています。

文部科学省の学習評価Q&A。指導要録は法令に基づく公簿、通知表は法令上の作成義務はないと書かれている
文部科学省「学習評価に関するQ&A」p12の抜粋。「通知表は法令上の作成義務はなく実態として各学校で作成するもの」とあります(文部科学省のPDFから切り出し)

学校が作る成績の書類は2つあります。法律で決まっているのは指導要録のほうです。

指導要録 通知表
法令の決まり 学校教育法施行規則にある公簿 決まりなし
だれのもの 学校が作って保管する 保護者に渡す
目的 指導の資料・外部への証明の原本 学習や生活の様子を家庭に伝える
やめられるか やめられない 学校・自治体の判断

出典:文部科学省「学習評価に関するQ&A」、学校教育法施行規則 第28条。神戸新聞NEXT(ネクスト)の2022年7月の記事では、文部科学省の話として、通知表を作るのは校長で、様式や中身も校長の裁量だと紹介しています。

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読者

通知表がなくなったら、子どもの成績はどこにも残らないの?

おかあさん

学校には指導要録が残るのよ。こちらは法律で作ることが決まっている記録だから、通知表をやめてもなくならないの。

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掛川市は小1〜3でやめた

静岡朝日テレビの2025年9月23日の報道では、掛川市は市立21校の1〜3年生、約3,500人の通知表を2026年度からやめ、2027年度からは4年生もやめます。9月22日の校長会で正式に決まり、自治体ごとやめるのは静岡県で初めてです。掛川市も「令和7年 かけがわ市政10大ニュース」に、通知表などの教育課程のあり方を9月に発表したと載せています。

  • 代わりに、先生・子ども・保護者の三者面談を年2回開く
  • AIが子どもごとの得意・不得意をグラフで示す学習アプリも使う
  • 今の通知表は3段階ほどの評価と短いコメントで、努力や成長を伝えきれない
  • 学期末の作成に時間がかかり、先生の負担になっている

佐藤嘉晃教育長は、通知表を作る時間を減らして、子どもや保護者と向き合う時間に回したいと説明しています。学校単位で通知表をやめた例は前からあり、同じ神戸新聞の記事は、長野県の公立小学校が約60年前に、神奈川県の公立小学校が2020年度にやめた例を挙げています。

なくさず減らす学校が多い

全部やめる自治体はまだ少なく、多いのは回数や所見(先生の文章のコメント)を減らす形です。東京都豊島区教育委員会が2025年3月に出した資料に、区立学校の通知表の実態が載っています。

豊島区立小学校の通知表の発行回数と所見回数の表(令和6年度)
豊島区立小学校の通知表の状況(令和6年度)。発行は年3回が21校、総合所見は年1回が8校です(豊島区教育委員会の資料から切り出し)

小学校22校のうち、通知表を年3回出しているのは21校、年2回が1校です。ところが総合所見を3回とも書いているのは3校だけで、年1回が8校、年2回が11校でした。道徳と総合的な学習の時間の所見は18校が年1回です。中学校8校は、すべて年3回出していました。

私は、ここ数年は「通知表をやめる」より「所見を年1回にする」「年2回渡しにする」という減らし方のほうが先に広がると見ています。子どもの学校がどちらなのかは、学期はじめの学校だよりに書かれていることが多いです。

廃止のメリットとデメリット

神戸新聞の記事には、保護者と先生の両方の意見が載っています。

立場 意見の中身(要旨)
続けてほしい保護者 先生の評価を知りたい。子どもががんばるときの目安になる
やめてもいい保護者 低学年の「できている・できていない」の評価はいらない。中身は面談で聞きたい
保護者 性格や意欲の評価は、子どもの自信をなくす。数字で示せる学習面だけでよい
先生 生活態度の評価は主観が入りやすく、文字で残すのが不安
先生 通知表は先生からのメッセージで、子どものやる気につながる

出典:神戸新聞(まいどなニュース)2022年7月13日。手元に紙が残らなくなるのは、なくす側のいちばん大きな変化です。面談の日に行けない家庭は、学校に別の日や電話での面談を頼めるかを先に聞いておくと安心です。

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読者

面談だけだと、あとで「何て言われたっけ」ってなりそう。

おかあさん

掛川市は学習アプリのグラフを見せながら話すそうよ。面談のときはメモを取るか、画面を見せてもらって、その場で写真を撮ってよいか聞いてみてね。

高校入試の内申点は別

「通知表がなくなると内申点もなくなる」と心配する声がありますが、そうではありません。高校入試に出す調査書(内申書)は学校教育法施行規則 第78条で作ることが決まっている別の書類で、豊島区の資料も通知表とは分けて書いています。掛川市がやめたのは評定(1〜5の数字)がまだない小学校の低学年です。

内申点が中学何年の成績から入るかは都道府県でちがいます。内申点 計算方法/中1から入る県と中3だけの県にまとめました。

調査書に欠席日数を書くかどうかも県で分かれます。転校で評定がどう引き継がれるかは中学 転校 内申点/前の学校の評定で入る県で書きました。

アイキャッチ写真の出典

放課後の小学校の教室(2009年9月撮影・イメージ)。撮影 ajari/クリエイティブ・コモンズ 表示 2.0(ウィキメディア・コモンズ)。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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