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南房総市 土砂崩れ/地すべりは富山地区に集中

南房総市で土砂災害の危険があるとして千葉県が指定している場所は1,490か所。千葉県の市町村で、いすみ市に次いで2番目に多い数です。多いのは山名(やまな)82か所、宮下(みやした)50か所、沓見(くつみ)47か所です。

がけ崩れと土石流に加えて、地すべりの区域が48か所あります。県内では鴨川市(83か所)に次ぐ数です。市の地域防災計画は、地すべり危険箇所が「市内では主として富山地区に集中している」と書いています。

2026年9月20日の夜、台風第25号の雨で、県内で最も早い23時09分にレベル4土砂災害危険警報が出ました。市はその8分後、市内全域に避難指示を出しています。

先に結論

  •  93%がレッドゾーン。地すべりの48か所はすべてイエロー。字別では荒川・大井・平久里中が7か所ずつ(市境をまたぐ区域を含む)
  •  市の計画の数は令和7年12月現在の1,184か所。いまの県の一覧は1,490か所で、うち318か所が2026年の告示
  •  最新の指定は「ちば情報マップ」、境界は安房土木事務所に聞く
目次

南房総市で土砂崩れが危ない場所

南房総市の町・字ごとの土砂災害警戒区域の数を円で示した地図
円が大きいほど区域が多い町・字。地すべりの区域がある町(橙)は、市の北半分に集まります
町・字 区域の数(うちレッド) 主な種類
山名 82(79) がけ崩れ・土石流2・地すべり1
宮下 50(46) がけ崩れ・地すべり4・土石流1
沓見 47(45) がけ崩れ・土石流1
千倉町大貫 42(41) がけ崩れ
和田町上三原 42(34) がけ崩れ・地すべり6・土石流5
荒川 41(34) がけ崩れ・地すべり7・土石流2
加茂 40(39) がけ崩れ・土石流1
珠師ケ谷 40(35) がけ崩れ・土石流3・地すべり1
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千葉県「土砂災害警戒区域等指定箇所一覧」(令和8年8月7日現在)で、南房総市が主たる市になっている1,490か所を1件ずつ数えました(市境をまたいで隣の市に数えられている13か所は含みません)。町・字別の数は、2つの町にまたがる区域を両方に数え、隣の市が主たる区域でも南房総市の字にかかるもの(荒川の2か所など)はその字に入れています。

続く千倉町大貫(ちくらちょうおおぬき)、和田町上三原(わだちょうかみみはら)、荒川(あらかわ)、加茂(かも)、珠師ケ谷(しゅしがやつ)も40か所台です。

南房総市の町別の土砂災害警戒区域数を並べた棒グラフ
上位10の町・字
南房総市山名のまわりの土砂災害警戒区域の地図
山名は82か所で市内最多。北の山には地すべりの区域もあります

山名(82か所)

点は字のおよその中心です。自宅の番地まで寄せて、谷の斜面との位置関係を見てください。

山名をGoogleマップで開く ›

台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの

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台風第25号:県内で最初のレベル4、8分後に全域へ避難指示

千葉県の資料で、20日のうちにレベル4土砂災害危険警報が出たのは南房総市(23時09分)と大多喜町(23時57分)だけです。市は23時17分、安全安心メールで市内全域への避難指示を伝え、7つの地区の避難所を案内しました。

メールは「夜間ですので、周囲の安全確認を行い、十分注意をして、避難行動をとってください」と添えていました。市内にアメダスはなく、市に囲まれた館山では48時間雨量433.0ミリで観測史上最大でした。

市は21日19時10分のメールで、千倉町北朝夷で道路の崩落に伴い水道が破損し、千倉地区で断水が起きていると伝えました(県の資料で約90戸)。23日に更新された市のお知らせでは、千倉地区の断水は解消しています。市道千倉111号線は片側交互通行、市道北朝夷23号線は通行止めで、どちらも復旧時期は「未定」です。

県の資料に、南房総市の人的被害や住家の全壊・半壊は載っていません。崩れた道路が土砂災害警戒区域の中か外かも、公表されていません。

土砂崩れと土砂災害の違い:南房総は地すべりが多い

土砂災害防止法の区域は、崩れ方で「急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)」「土石流」「地滑り」に分かれます。南房総市は、このうち地滑りの区域が県内で2番目に多い市です。

急傾斜地の崩壊・土石流・地すべりの違いを並べた模式図
「土砂崩れ」は、法律上この3つに分かれます

南房総市の1,490か所は、がけ崩れ1,365か所、土石流77か所、地すべり48か所です。土石流の区域は、和田町上三原・二部・合戸・白浜町白浜に5か所ずつあります。

イエローゾーンとレッドゾーンの違いを並べた図
危険度の段階ではなく、かかる規制が違います

1,490か所のうち1,387か所、93%がレッドゾーンです。地すべりの48か所にはレッドの指定がなく、すべてイエローです。イエローだから崩れにくい、という区分ではありません。

地すべりの区域は荒川・大井・平久里中に多い

地すべりの区域が多いのは荒川7、大井7、平久里中7、和田町上三原6、平久里下5、吉沢5です。市の計画の資料編(令和7年12月26日現在の県の一覧)では、48か所のうち25か所が富山地区にあります。

荒川(地すべり7か所)

地すべりの区域が市内で最も多い字のひとつです。点は字のおよその中心です。

荒川をGoogleマップで開く ›

計画は和田地区についても「房総半島で最も古い地質が分布する地域であり、これらの地質は風化が著しく、断層により破壊されているため山腹斜面には地すべり地形が良く発達しているのが特徴」と書いています。

地すべり防止区域も、国土交通省所管12、林野庁所管13、農林水産省所管3の計28区域あります(市の計画)。国土交通大臣が指定した県内の32区域のうち、12区域が南房総市です。増間の500ヘクタールは、その中で最も広い区域です。

危ない地形:丘陵のふちの集落と、崩れやすい表層

市の計画は、地質が「やや軟質で表層が崩れやすい傾向がある」とし、「丘陵地周縁部に発達した市街地や集落付近では急傾斜地崩壊危険箇所が数多く存在する」、地区別では「丸山地区、三芳地区が多く」と書いています。

年月日 できごと(市の計画の記録)
1971年9月 台風25号(今年とは別の台風)。富山で河川・道路20か所が一部流出
1989年7月31日 大雨。富山地区全域で崖崩れの被害大
1996年9月22日 台風17号。富山地区全域で土砂崩れによりJR・道路の被害大

前兆に気づいたら、すぐ市に知らせる

土砂崩れの前ぶれ8つを並べた図
政府広報オンラインの「主な前兆現象」をもとに作成

市の計画は、警戒区域の住民について「前兆現象などに注意し、異常を察知した場合は直ちに市に連絡する」と定めています。連絡先は市の消防防災課(0470-33-1052)です。

市は、区域に指定されていない危険箇所も「指定区域における対応に準じた警戒避難体制の整備に努める」としています。区域の外でも、前ぶれは同じように見てください。

避難のタイミング:夜のレベル4に備える

土砂災害の情報と市の避難情報の対応を示した図
2026年5月29日から、土砂災害警戒情報は「レベル4土砂災害危険警報」に名前が変わりました

図のとおり、ふだんはレベル3土砂災害警報で高齢者等避難、レベル4土砂災害危険警報で避難指示が目安になります。20日の南房総市は、県の資料でレベル3土砂災害警報と高齢者等避難の欄が空欄のまま、夜11時すぎにレベル4と避難指示が出ました。

夜に雨が強まる予報の日は、暗くなる前に避難先を決めておくのが目安です。自分の字の危険度は気象庁「キキクル(土砂災害の危険度分布)」で見られます。

自宅が区域に入っているか調べる

  1. ちば情報マップの「防災情報」→「土砂災害警戒区域等」で、いまの指定を見る
  2. 市のWEB版防災ハザードマップで、避難所と道を確かめる
  3. 境界が微妙なら、市も案内している千葉県安房土木事務所管理課(0470-22-4342)に聞く
!
千葉県は区域の決め方を「過去の土砂災害の実績により、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形状・形態から決められている」と説明し、あわせて「土砂災害警戒区域等ではない箇所でも土砂災害が発生する可能性もあります」と書いています。色がついていないことは、崩れないことの証明ではありません。

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南房総市のほかの災害リスク・ほかの市

この記事のまとめ

南房総市の土砂災害警戒区域は1,490か所で千葉県2位。山名・宮下・沓見に多く、地すべりの区域48か所も県内2番目です。

2026年だけで318か所が告示されています。市の計画の数(1,184か所)より後の指定もあるので、自宅の場所はちば情報マップで番地まで寄せて確かめてください。

出典(すべて2026年9月23日に確認)

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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