佐倉市で土砂災害の危険があるとされている場所は464か所。そのうち264か所は、市が配っている土砂災害ハザードマップには載っていません。
市の地図が間違っているわけではありません。地図を作ったあとに、県が指定を増やしたからです。
2026年9月21日の未明、佐倉市では2か所で崖が崩れました。城内町では空き家が1棟つぶれ、六崎では民家の裏山が崩れて窓ガラスが割れています。どちらの町にも、区域の指定はありました。
この記事でわかること
- ✓ 464か所のうち264か所は、市のハザードマップを作ったあとの指定です
- ✓ 464か所は全部「がけ崩れ」。443か所(95.5%)はレッドゾーンでもあります
- ✓ 21日に崩れた城内町と六崎は、どちらも区域が全部レッドゾーンの町でした
区域の数と1か所ごとの町名・告示日は、千葉県「土砂災害警戒区域等指定箇所一覧」(令和8年8月7日現在・20,661件)を集計しました。被害は千葉県防災危機管理部「令和8年台風第25号について(第1報)」(21日10時30分発表)と、NHK・千葉日報の報道です。地図は国土地理院「重ねるハザードマップ」の配信タイルを地理院タイルに重ねて作りました。
崩れた2か所は、どちらも指定のある町でした

城内町(じょうないちょう)の土砂災害警戒区域は11か所。11か所とも、特別警戒区域(レッド)でもあります。佐倉城址の台地のへりに沿って、帯が切れ目なく続いています。
六崎(むつざき)は19か所。こちらも19か所すべてがレッドゾーンです。21日午前1時半すぎ、民家の裏山が崩れ、住人が「裏山の土砂が自分の家の外壁近くまで来ている」と消防に通報しました。住人は避難していて無事でした。
河川が増水し、氾濫する恐れがあるため、水害に関する警戒レベル4「避難指示」を発令しました。
対象地域は、表町全域、鏑木町2丁目 です。
川の近くにお住いの方は、避難所や自宅の2階など、安全な場所へ避難してください。— 佐倉市防災情報 (@bousai_sakura) 2026年9月21日
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
市のハザードマップは、令和3年5月28日で止まっています
佐倉市は自治会ごとに土砂災害ハザードマップを作っていて、市の公式ページにこう書いてあります。「令和3年5月28日までに千葉県が土砂災害防止法に基づき指定した区域を基に作成しております」。
県の一覧で、その日より後に指定された区域を数えると264か所。いまの464か所の57%が、市の地図より後に増えたものです。とくに2026年2月27日に182か所が一度に指定され、66の町にまたがりました。

21日に崩れた2つの町も、この差の中に入っています。城内町の11か所のうち5か所、六崎の19か所のうち9か所は、2026年2月27日の指定です。市が配った紙の地図だけを見ていた人には、そこは白いままでした。
佐倉市自身も「最新の土砂災害警戒区域等の指定状況や正確な情報が必要な場合については、千葉県印旛土木事務所にお問い合わせください。(電話:043-483-1140)」と案内しています。指定するのは市ではなく県なので、市の地図は作った時点で固定されます。
464か所は全部「がけ崩れ」。95.5%はレッドです

佐倉市の464か所は、全部が「急傾斜地の崩壊」です。土石流も地滑りも1か所もありません。印旛沼へ落ちる台地のへりと、鹿島川・高崎川が刻んだ谷のへりが、そのまま区域の形になっています。
そのうち特別警戒区域(レッド)は443か所で、95.5%。千葉県全体(20,661か所のうち19,545か所=94.6%)より高い割合です。

レッドに入ると、住宅の新築や増改築に構造の基準がかかり、宅地を分けて売るには知事の許可が要ります。佐倉市の場合、イエローだと思って調べたらほぼレッドだった、ということが起こります。
町別に多い順に並べる

いちばん多いのは鏑木町(かぶらきちょう)の31か所。臼井田19、岩富18、六崎16、飯田16と続きます。区域があるのは102の町で、上位12町だけで市内のおよそ4割を占めます。
21日、佐倉市は水害のほうで警戒レベル4「避難指示」を出しました。最初の対象は表町全域と鏑木町2丁目。同じ町の名前が、崖の一覧でも先頭に来ています。低い谷と、その谷を刻んだ崖は、同じ地形の表と裏です。
21日の千葉県で起きていたこと
同じ日の17時44分、銚子地方気象台はレベル4土砂災害危険警報を継続し、県内54市町村のうち50市町村が対象になりました。佐倉市に書かれていた時間は「21日17時から22日6時まで、警戒レベル4相当」です。
雨のピークが過ぎても、地面にしみ込んだ水はすぐには抜けません。崩れるのは降っている最中とはかぎらず、21日に佐倉市で崩れた2か所はどちらも未明でした。
自分の家が入っているか調べる
- 佐倉市の佐倉市土砂災害ハザードマップで、自治会ごとの図面を開く(令和3年5月28日までの指定)
- 千葉県のちば情報マップで、いまの指定を重ねる。ここが最新です
- 境界が微妙なら、千葉県印旛土木事務所(043-483-1140)に聞く
千葉県は指定の基準について「過去の土砂災害の実績により、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形状・形態から決められている」と説明し、あわせて「土砂災害警戒区域等ではない箇所でも土砂災害が発生する可能性もある」と書いています。色がついていないことは、崩れないことの証明ではありません。
同じ手順で調べたほかの市
- 千葉市 土砂災害/745か所は全部がけ崩れ(千葉県) 崩れた町は、市内でいちばん指定が多い町でした
- 千葉 土砂災害/9市町に警戒レベル4(21日0時台の速報)
- 重説 ハザードマップ/中身の説明は義務ではない
- 「ハザードマップ、気にしすぎでしょうか」——色のない場所から、被害報告の55.7%が届きました
この記事のまとめ
佐倉市の土砂災害警戒区域は464か所。全部が「がけ崩れ」で、443か所(95.5%)はレッドゾーンでもあります。町別では鏑木町の31か所が最多です。
いちばん大事なのは、市のハザードマップが令和3年5月28日までの指定でできていることです。その後に増えた264か所は載っていません。2026年9月21日に崩れた城内町と六崎にも、市の地図には無い区域がそれぞれ5か所・9か所あります。紙の地図で白かったから安全、とは言えません。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント