千葉市で土砂災害の危険があるとされている場所は、745か所あります。
その745か所は、全部が「急傾斜地の崩壊」です。土石流も地すべりも、市内には1か所も指定されていません。千葉市の土砂災害は、言いかえると全部「がけ崩れ」です。
山のある町の話だと思った人へ。2026年9月21日の朝に崩れたのは、花見川区の住宅地でした。
この記事でわかること
- ✓ 745か所は全部「がけ崩れ」。土石流と地すべりはゼロです
- ✓ 区でいちばん多いのは若葉区の219か所。美浜区だけが0か所です
- ✓ 9月21日に崩れた花見川区長作町は、市内で指定がいちばん多い町でした
区域の数と1か所ごとの町名は、千葉県「土砂災害警戒区域等指定箇所一覧」(令和8年8月7日現在・20,661件)を集計しました。区別の数は千葉市「千葉市土砂災害ハザードマップ」(令和8年3月31日時点の選定状況)です。地図は国土地理院「重ねるハザードマップ」の配信タイルを地理院タイルに重ねて作りました。
21日に崩れたのは、市内でいちばん指定が多い町でした
9月21日午前8時すぎ、千葉市花見川区長作町で、住宅地の裏にある法面(のりめん)が崩れました。けが人と住宅の被害は確認されていません。同じ日、市内では30人以上が避難しています。

長作町の土砂災害警戒区域は28か所。となりの町にまたがるものを足すと31か所になります。千葉市には216の町に区域がありますが、この町がいちばん多く、次が若葉区加曽利町の27か所です。
地図を見ると、町の真ん中が抜けて、外周をぐるりと黄色が囲んでいます。台地のへりに沿って家が並び、その下が崖になっている形です。崖の上と下に家があって、どちらからも「裏山」には見えません。
31か所のうち14か所は2012年6月5日に指定されたもので、いちばん新しい11か所は2026年1月30日の指定です。9月に崩れる8か月前に、この町の区域は増えていました。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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745か所は、全部が「がけ崩れ」です

土砂災害警戒区域は、原因になる現象で3つに分かれます。千葉県全体では急傾斜地の崩壊が19,829か所、土石流が647か所、地滑りが185か所です。
千葉市の731か所(区をまたぐ分を足して745か所)は、この3つのうち急傾斜地の崩壊だけでした。実際、土石流の区域を配信している地図のデータを千葉市の上空で読みに行くと、1枚も返ってきません。

「土砂災害」と聞いて山あいの沢を思い浮かべると、千葉市の危険は見落とします。ここで起きるのは、高さ5メートル以上・傾き30度以上の斜面が崩れる現象です。台地を削って住宅地にした場所なら、駅から歩ける距離にもあります。
区で分けると、美浜区だけがゼロです

若葉区の219か所が最多で、緑区190、中央区135、花見川区128、稲毛区73と続きます。美浜区だけが0か所です。
美浜区は全域が埋立地で、崩れる斜面そのものがありません。ただし「土砂災害の区域がない」は「災害の心配がない」とは別の話です。低く平らな土地は、水がたまるほうの地図で色がつきます。
イエローの83%は、レッドでもあります

千葉市の745か所のうち、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は622か所。イエローの83%には、レッドが重なっています。
この2つは「注意」と「危険」の段階ではありません。イエローは避難の情報を出す対象になる区域で、建てかたの制限はかかりません。レッドは建物が壊れて中の人に危害が及ぶおそれがある区域で、住宅の新築や増改築に構造の基準がかかり、宅地を分けて売るには知事の許可が要ります。
家を買うとき借りるときは、どちらも重要事項説明で伝える決まりです。契約の場で初めて聞くことになりやすいので、先に調べておくほうが落ち着いて考えられます。
21日は、県内54市町村のうち50に出ていました
9月21日17時44分、銚子地方気象台はレベル4土砂災害危険警報を継続しました。千葉県の54市町村のうち、対象は50市町村。千葉市も入っています。
気象庁の配信データには、報道に出ない一文が入っています。千葉市については「21日17時から22日6時まで、警戒レベル4相当」。雨が弱まっても、朝までは同じ扱いが続く見込みという意味です。
<台風最接近 東京ピーク越え>
台風25号が関東に最接近しています。
東京23区や神奈川県東部の大雨はまもなくピーク越えとなりますが、千葉県や茨城県は21時頃まで大雨が続く予想です。
雨が弱まった後も土砂災害等に警戒し、急斜面や増水した川には近づかないでください。https://t.co/7f1xBDW0Pw pic.twitter.com/X2FiFbGAOV— ウェザーニュース (@wni_jp) 2026年9月21日
出ていなかった4市町村は、浦安市・九十九里町・長生村・白子町です。この4つは、千葉県の区域一覧に「土砂災害警戒区域等はありません」と名指しで書かれている4市町村と、そのまま一致します。警報が出るかどうかは、崩れる斜面があるかどうかで決まっています。
自分の家が入っているか調べる
順番は3つです。
- 千葉市の千葉市土砂災害ハザードマップで、自分の町の図面を開く(令和8年3月31日時点)
- 千葉県のちば情報マップで、最新の指定を重ねて見る
- 境界が微妙なら、千葉県千葉土木事務所(043-242-6104)に聞く
千葉県は指定の基準について「過去の土砂災害の実績により、土砂災害の9割以上をカバーするよう、地形の形状・形態から決められている」と説明し、あわせて「土砂災害警戒区域等ではない箇所でも土砂災害が発生する可能性もある」と書いています。色がついていないことは、崩れないことの証明ではありません。
同じ手順で調べたほかの市
- 佐倉市 土砂災害/57%は市の地図にない(千葉県) 21日に空き家が1棟つぶれた市です
- 千葉 土砂災害/9市町に警戒レベル4(21日0時台の速報)
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 「ハザードマップ、気にしすぎでしょうか」——色のない場所から、被害報告の55.7%が届きました
この記事のまとめ
千葉市の土砂災害警戒区域は745か所で、全部が「がけ崩れ」です。土石流と地すべりは1か所もありません。区別では若葉区219が最多で、埋立地の美浜区だけが0か所。745のうち622か所は特別警戒区域(レッド)でもあります。
2026年9月21日の朝に崩れた花見川区長作町は、28か所と市内でいちばん指定が多い町でした。そのうち11か所は、同じ年の1月30日に増えたばかりです。指定は毎年動くので、手元の紙の地図だけで判断しないでください。
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