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八代市 冠水 どこが危ないの?

八代市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は22か所です。熊本県でいちばん多い市です。

この22か所を住所で並べ直すと、1つの町の名前が9回出てきます。坂本町です。市域の広さから見れば、かなりの偏りです。

この記事でわかること

  •  22か所のうち9か所が坂本町。1本の県道だけで6か所あります
  •  国道3号の2か所には「冠水履歴:令和7年8月」と国が書いています
  •  排水ポンプがあると書かれているのは、22か所のうち1か所だけです
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箇所の数・種別・住所・備考は国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所」熊本県と、箇所ごとの説明表22枚から数えました。豪雨の被害は八代市「令和2年7月豪雨 被害の状況」、令和7年8月の大雨は市の防災サイトの記録です。
目次

22か所のうち9か所が、坂本町にあります

八代市の22か所を町ごとに数えた図
9か所が坂本町に集まっています

道の種類で分けると、国道が4、県道が8、市道が10です。この22か所の説明表に書かれた住所を見ていくと、坂本町が9回出てきます。中谷、中津道、鎌瀬、葉木、川嶽、そして坂本。

役所の欄にも同じ偏りが出ます。坂本町の箇所は、消防の欄が八代消防署坂本分署になり、市道の管理者の欄も「八代市(坂本建設地域事務所)」に変わります。市の中に、そこだけ別の連絡先を持つ地域があるということです。

残りの13か所は、八代市街とその周りに散っています。毘舎丸町、上片町、東片町、川田町西が2つ、鏡町上鏡、田中西町。市道の「地下道」と名の付くものは、この平地側に5か所そろっています。

道の下をくぐる区間が水に浸かり、手前に通行止めの標識が立っている様子
道の下をくぐる区間が水に浸かり、手前に通行止めの標識が立っている様子(写真: Pexels)

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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1本の県道に、6か所が並んでいます

管理番号 地先名 住所
熊本県-02-029 JR肥薩線下 坂本町大字中谷字川口295
熊本県-02-030 JR肥薩線下 古麓町869-2
熊本県-02-032 中津道地区 坂本町大字中津道895
熊本県-02-034 鎌瀬地区 坂本町大字鎌瀬279
熊本県-02-035 葉木地区 坂本町大字葉木3645
熊本県-02-037 中谷地区 坂本町大字中谷い〜中谷ろ

6か所とも一般県道中津道八代線。住所は説明表に書かれたものです。

一般県道中津道八代線という1本の道に、6か所が集まっています。1本の県道に6か所が並ぶのは、この連載でここだけです。

この6つのうち4つは、説明表に貼られた写真の見出しが「冠水状況」になっています。ほかの箇所は「写真①」「写真②」ですから、実際に水が出たときの様子がそのまま資料に入っている、ということです。

坂本町の2か所(川嶽の瀬戸石地区)は、説明表の位置図に球磨川が描かれています。川ぞいを走る道が、そのまま冠水注意箇所になっているかたちです。JR肥薩線の下をくぐる箇所が3つあるのも、線路と道と川が同じ谷に並んでいるからです。

国が「令和7年8月に冠水した」と書いた道が2か所あります

八代市の22か所のうち備考の欄が埋まっている3か所を並べた図
冠水履歴が書かれているのは国道3号の2か所だけです

九州の説明表には、ほかの地方の様式には無い欄が2つあります。「冠水履歴」と「関連設備」です。八代市の22か所でここが埋まっているのは、国道3号の2か所だけでした。

岡町谷川地区と平山新町地区。どちらも書かれている中身は同じで、「冠水履歴:令和7年8月 関連設備:監視カメラ」。令和7年8月は2025年の8月です。

これが市の記録とつながります。八代市の防災サイトには「令和7年8月 大雨情報」という区分があり、2025年8月11日の第1回から、9月・10月まで災害対策本部会議が20回以上開かれています。被災者生活再建支援金、被災中小企業者再建支援補助金、そして災害の検証結果の中間報告。どれもこの雨のあとに作られたページです。

つまり国の資料に1行だけ書かれた「令和7年8月」は、市が半年以上かけて後始末をした雨と同じものを指しています。

\住所を入れると、その場所の水のリスクがまとめて出ます/

八代市の住所で調べてみる ›

洪水・内水・土砂・津波・高潮を1画面で

排水ポンプがあると書かれているのは、1か所だけです

設備のほうを見ると、もっと少なくなります。備考に「排水ポンプ設備有」と書かれているのは、市道の上鏡架道橋(鏡町上鏡)だけです。22か所のうち1か所。

気をつけたいのは、書かれていない箇所に設備が無いとは限らないことです。欄が空だ、というだけです。それでも、同じ様式で作られた資料の中で1か所しか埋まっていないのは、県によって差があります。鹿児島県は142件中75件、大分県は32件中16件が埋まっていました。

この欄は、道が使えるかどうかを自分で判断する材料になります。ポンプがあると書いてあれば水は抜かれる見込みがあり、何も書いていなければ雨がやむのを待つしかない。同じ「注意箇所」でも、水が引くまでの時間は同じではありません。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。



5年前、この市で何が起きたか

八代市に起きた大雨とその被害を並べた年表
国の説明表の「令和7年8月」は、市が本部を置いた月と同じです

2020年7月の豪雨で、八代市は大きな被害を受けました。市が2020年11月1日の時点でまとめた数字は、死者4人、重傷者2人、軽傷者19人、行方不明者1人。建物は全壊522件、床上浸水455件です。

熊本県が公開している「八代市 坂本町復興計画」には、この雨で球磨川が氾濫し、宅地や農地に土砂や流木が流れ込んだこと、坂本支所や鉄道、病院、郵便局といった生活の拠点が被害を受けたことが書かれています。国の一覧で坂本町に9か所が並ぶ理由は、ここにあります。

復旧はまだ続いています。市は坂本地域の災害復旧の状況を、いまも工事ごとに一覧で出しています。

市の内水の地図は、2021年に作られました

木立のあいだの道が茶色い水に浸かっている様子
木立のあいだの道が茶色い水に浸かっている様子(写真: Pexels)

八代市には内水ハザードマップがあります。地図面と情報面の2枚で、2021年に作られました。内水(ないすい)は、川からあふれる水ではなく、下水道や道路の側溝、水路から水があふれるほうを指します。

市の説明に、この連載で何度も出てくる一文が入っています。「河川から離れた場所でも発生するため、低い土地やアンダーパス、地下通路などは注意が必要です」。国が数えた22か所は、まさにその「アンダーパス、地下通路」にあたる場所です。

もうひとつ。「内水は外水(洪水)と比較すると被害が比較的小さい傾向にありますが、発生頻度が高く、被害発生までの時間が短い特徴があります」。川があふれるより先に、道が浸かるということです。逃げる時間の長さが違います。

水に入ってしまった車から出るまで

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です
冠水した道路で標識の足もとまで水に浸かっている様子
冠水した道路で標識の足もとまで水に浸かっている様子(写真: Pexels)

八代市の22か所のうち、鉄道の下をくぐるものが4つ、市道の地下道が5つあります。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。

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車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。

この記事のまとめ

八代市で道路が冠水しやすい場所は22か所で、熊本県内でいちばん多い市です。うち9か所が坂本町にあり、一般県道中津道八代線という1本の道だけで6か所を占めます。鉄道の下をくぐる箇所が4つ、市道の地下道が5つ。坂本町の箇所は消防も市の窓口も坂本の事務所に変わります。

国道3号の岡町谷川地区と平山新町地区には「冠水履歴:令和7年8月」と書かれていて、2025年8月の大雨で市が20回以上の災害対策本部会議を開いた時期と重なります。備考に排水ポンプがあると書かれているのは上鏡架道橋の1か所だけです。市の内水ハザードマップは2021年に作られ、低い土地やアンダーパス、地下通路に注意するよう市が書いています。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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