我孫子市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は6か所です。
6か所を調べているうちに、道そのものより先に伝えたいことが出てきました。我孫子市では、道路が冠水する場所に住んでいると、浸水を防ぐ工事に市から助成が出ます。上限は30万円です。
この記事でわかること
- ✓ 6か所のうち3か所がJR常磐線の下をくぐる道です
- ✓ 2か所は資料によって住所が違い、標高が最大8.6メートル変わります
- ✓ 「道路冠水実績がある箇所」に住んでいると、浸水防止工事の費用の半分・上限30万円の助成を受けられます
箇所の数・種別・住所は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【千葉県】」95か所と箇所ごとの説明表から、助成制度は我孫子市「浸水防止工事の助成制度のご案内」から、内水の扱いは我孫子市「想定最大規模降雨による内水浸水想定区域図の公表」から取りました。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIです。
6か所のうち3か所が、JR常磐線の下です

国土交通省の一覧で千葉県内を数えると95か所。千葉市16、松戸市10、船橋市9と続き、市原市・市川市・流山市・我孫子市が6か所で並びます。
我孫子市の6か所を呼び名で分けると、ガードが3つ、隧道(ずいどう)・ランプ・アンダーが1つずつ。そのガード3つが、どれもJR常磐線をくぐる道でした。第4浜街道ガード、船取ガード、久寺家ガードです。
| 管理番号 | 種別 | 路線 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 千葉県-02-033 | 国道(県管理) | 356号 | 第4浜街道ガード | 本町1丁目/説明表は本町2丁目 | 13.2m/18.4m |
| 千葉県-02-034 | 県道 | 船橋我孫子線 | 船取ガード | 泉/説明表は栄 | 10.5m/19.1m |
| 千葉県-02-035 | 市道 | 00-011号線 | 利根山隧道 | 柴崎台1丁目 | 18.0m |
| 千葉県-02-083 | 県道 | 船橋我孫子線 | 天王谷ランプ | 柴崎 | 7.2m |
| 千葉県-02-086 | 県道 | 千葉竜ケ崎線 | 布佐アンダー | 布佐 | 9.7m |
| (一覧のみ) | 市道 | 00-007号線 | 久寺家ガード | 久寺家 | 8.7m |
いちばん下の久寺家ガードは、県の一覧には載っていますが地図側の一覧に無く、個別の説明表もありません。
標高は7.2メートルから19.1メートルまで。低いのは手賀沼に近い天王谷ランプ、高いのは台地の上の柴崎台です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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資料によって住所が違い、標高が8メートル変わります

表を見ていて引っかかったのが、住所が2つ書いてある行です。
第4浜街道ガードは、県の一覧が「本町1丁目」、個別の説明表が「本町2丁目」。船取ガードは、一覧が「泉」、説明表が「栄」。同じ箇所を指しているのに、住所が1つずれています。
これを標高の資料に当てると、差が見えてきます。本町1丁目は13.2メートル、本町2丁目は18.4メートル。泉は10.5メートル、栄は19.1メートル。住所が1つ違うだけで、標高が8.6メートル変わりました。
どちらが正しいかは、この2つの資料からは決められません。名前の書き方にも同じことが起きていて、利根山隧道は一覧が「隧道」、説明表が「隋道」。布佐アンダーの種別は一覧も説明表も「主張地方道」と書かれています(正しくは主要地方道です)。資料の数字をそのまま地図に落とすのではなく、名前で現地を確かめたほうが確実です。

冠水情報板がある2か所は、柏市と同じ文言でした
説明表には備考の欄があります。我孫子市の場合、埋まっているのは2か所だけでした。第4浜街道ガードと船取ガードに「アンダーパスの前後に、冠水情報板あり」。
この文言には見覚えがあります。隣の柏市の3か所が、3か所とも同じことを書いていました。管理者を見ると理由が分かります。我孫子市のこの2か所も、柏市の3か所も、管理しているのは千葉県柏土木事務所です。同じ事務所の管内だから、同じ設備が同じ言い方で入っています。
裏を返すと、市道の久寺家ガードと利根山隧道、それに布佐アンダーと天王谷ランプには、その記載がありません。手前で止められる仕組みがある場所とない場所がある、ということです。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
道路が冠水する場所に住んでいると、工事に助成が出ます

ここからが、我孫子市でいちばん大きい話です。
市は浸水防止工事の助成制度を持っていて、その対象者をこう書いています。「過去に浸水被害に見舞われて、市が被害状況を把握している方」。そしてもう1つ、「あびこハザードマップの浸水実績がある区域又は道路冠水実績がある箇所にお住まいの方」。
「冠水どこ?」の答えが、そのまま補助金の線引きになっています。これまで20を超える市を同じ手順で調べてきましたが、冠水の記録が金額に直結する書き方をしていた市は、我孫子市が初めてでした。
出る額は、対象になる工事の経費の2分の1で、上限30万円。対象の工事が複数あるときは合算して数えます。
対象になる工事は6種類。あとから作った地下駐車場は外れます
市が挙げている対象は6つです。給湯器・エアコン・温水器などのかさ上げ(本体の交換は除く)、駐車場のコンクリートや砂利によるかさ上げ、建物の基礎のかさ上げか敷地の盛土、玄関先や店舗内など床面のかさ上げ、防水板など浸水を防ぐ設備の設置、敷地内へのブロック壁の設置です。

実際に助成を受けた例も公開されています。浸透マスの取り付け、給湯器のかさ上げ、駐車場内の物置きのかさ上げ、排水路の新設、配管のコーキングとモルタル充填。かなり細かい工事まで通っています。
注意したいのは条件のほうです。申し込みは必ず工事の前で、あとからは申請できません。1度助成を受けると、翌年から3年たつまで次の申請ができません。そして対象から外れるものが1つ明記されています。要綱が施行された日より後に作った地下・半地下の駐車場は、対象になりません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
内水の地図は、水防法に基づいて作られています
我孫子市は、下水道事業計画区域について「想定最大規模降雨による内水浸水想定区域図」を公表しています。水防法に基づく地図です。令和8年3月からは、国土交通省の「重ねるハザードマップ」でも見られるようになりました。
市は令和7年10月1日から、自治会と管理組合の代表者を対象に説明会を開いています。地図を出して終わりではなく、説明して回っている、ということです。
読むときの注意も書かれています。「シミュレーションの実施にあたっては、洪水によるはん濫等を考慮していません」。川があふれる分は入っていないので、この地図で色が付いていない場所でも、利根川や手賀沼の側では別の話になります。地盤の高さに使ったデータも平成19年から平成28年の測量で、いまの地形と違うことがあると添えられています。
この地図とは別に、下水道の排水区ごとの浸水想定区域図が5地区ぶん用意されています。市全体の1枚だけでなく、住んでいる地区の紙が別にある、という作りです。
不動産屋さん向けのページが、別に用意されています
我孫子市のサイトには「宅地建物取引業者の方へ」というページがあります。あびこハザードマップについての案内です。
不動産を買ったり借りたりするとき、水害ハザードマップでその物件がどこにあるかを説明することが義務づけられています。市が業者向けの入り口を別に作っているのは、その説明に使ってほしいからです。逆にいうと、部屋を借りる側・買う側は、契約のときにこの地図を見せられる可能性が高いということになります。
あびこハザードマップは令和7年2月に作られた新しい版です。利根川の洪水、液状化のしやすさ、そして内水の浸水実績が1冊にまとまっています。助成金の対象を決める「浸水実績がある区域」も、この地図で線が引かれています。
契約の前に見せられて初めて知るより、先に自分で開いておくほうが、聞きたいことを整理できます。市役所の窓口でも配っています。
もし車で水に入ってしまったら

6か所は、どれも上を線路か道路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 柏市 冠水 どこが危ないの?(千葉県) 3か所とも県道で、3か所とも冠水情報板があります
- 松戸市 冠水 どこが危ないの? 市の想定が1時間71ミリから153ミリに変わりました(千葉県)
- 千葉市 冠水 どこが危ないの? 16か所のうち11か所が中央区で、進入を止められるのは4か所だけです(千葉県)
- 船橋市 冠水 どこが危ないの? 市の記録には、総雨量11ミリで浸かった日があります(千葉県)
- 市川市 冠水 どこが危ないの?(千葉県)
この記事のまとめ
我孫子市で道路が冠水しやすい場所は6か所。そのうち3か所がJR常磐線の下をくぐる道です。標高は7.2メートルから19.1メートルで、手賀沼側が低く、台地の上が高くなります。第4浜街道ガードと船取ガードには冠水情報板があり、管理は柏市の3か所と同じ千葉県柏土木事務所です。
2か所は県の一覧と個別の説明表で住所が1つずれていて、標高が最大8.6メートル変わります。そして「道路冠水実績がある箇所」に住んでいると、浸水防止工事の費用の半分・上限30万円の助成を受けられます。申し込みは工事の前です。
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