藤沢市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は13か所です。神奈川県内では横浜市の28か所に次いで2番目に多い数です。
「藤沢市 冠水」と調べると、いちばん先に出てくるのは「藤沢市 冠水 どこ」。場所を知りたい人が多い言葉です。ところが市が持っている浸水の記録は、ネットでは4種類しか見られません。
この記事でわかること
- ✓ 13か所のうち10か所の呼び名が「地下道」。県道4か所と市道9か所に分かれます
- ✓ 市道9か所の説明表には、備考欄に緯度経度が書いてあります
- ✓ 市は「以下以外には記録がないため、確認することはできません」と断ったうえで、4種類の資料だけを公開しています
箇所の数・種別・住所・緯度経度は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【神奈川県】」119か所と箇所ごとの説明表から、浸水の記録は藤沢市「過去の浸水履歴について」と「下水道の浸水対策について」から取りました。標高は国土地理院の標高APIです。
13か所は県内で2番目に多い数です
国土交通省の一覧には神奈川県内の119か所が載っています。市町別に数えると横浜市28、藤沢市13、伊勢原市12、相模原市11、川崎市10、平塚市9、小田原市9の順でした。
藤沢市の13か所は、県道が4か所、市道が9か所。県道4か所は藤沢土木事務所、市道9か所は藤沢市土木維持課が管理していて、問い合わせ先が2つに分かれます。
| 管理番号 | 種別 | 路線 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 神奈川県-02-013 | 県道 | 県道308号(辻堂停車場辻堂) | 湘南辻堂地下道 | 辻堂新町1丁目〜辻堂1丁目 | 12.7m |
| 神奈川県-02-014 | 県道 | 県道22号(横浜伊勢原) | 高倉小田急アンダー | 高倉〜下土棚 | 38.3m |
| 神奈川県-02-015 | 県道 | 県道42号(藤沢座間厚木) | 葛原地下道 | 葛原 | 42.2m |
| 神奈川県-02-016 | 県道 | 県道30号(戸塚茅ヶ崎) | 小田急線高架下 | 鵠沼〜鵠沼神明1丁目 | 11.1m |
| 神奈川県-02-030 | 市道 | 村岡小塚線 | 小塚地下道 | 村岡東1丁目19 | 8.3m |
| 神奈川県-02-031 | 市道 | 鵠沼海岸引地線 | 高山地下道 | 辻堂新町4丁目2 | 9.4m |
| 神奈川県-02-032 | 市道 | 中学通り線 | 中学通り線高架下 | 本町3丁目1 | 9.6m |
| 神奈川県-02-033 | 市道 | 土棚石川線 | 湘南台第一地下道 | 湘南台2丁目30 | 27.1m |
| 神奈川県-02-034 | 市道 | 高倉遠藤線 | 湘南台地下道 | 湘南台5丁目1 | 26.4m |
| 神奈川県-02-035 | 市道 | 土棚石川線 | 湘南台第二地下道 | 湘南台5丁目27 | 34.0m |
| 神奈川県-02-036 | 市道 | 藤沢436号線 | 西富地下道 | 西富2丁目16 | 13.1m |
| 神奈川県-02-037 | 市道 | 明治137号線 | 城南地下道 | 城南2丁目8 | 17.9m |
| 神奈川県-02-038 | 市道 | 藤沢38号線 | 藤沢駅北口地下道 | 藤沢460 | 13.7m |
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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13か所のうち10か所が「地下道」です

名前を並べると、「地下道」が10、「高架下」が2、「アンダー」が1。ほとんど1つの言葉に固まっています。
これは市によってかなり違います。北九州市は26か所すべてが「アンダーパス」か「トンネル」、川口市は「ガード」と「地下道」、三郷市は5か所が「隧道」でした。市の資料を探すときは、その市で使われている言葉で検索したほうが早く着きます。
湘南台には3か所が集まっています。湘南台2丁目の第一地下道、湘南台5丁目の第二地下道、同じ湘南台5丁目の高倉遠藤線湘南台地下道。1つの町名の中に3つ並ぶのは、13か所のなかでここだけです。
市道9か所には、緯度経度が書いてあります

箇所ごとの説明表を開くと、市道9か所の備考欄に数字が2つ並んでいます。「35.336151 139.50303」という形で、これは緯度と経度です。
説明表に座標が入っている市は、このシリーズで初めてでした。住所が「村岡東一丁目19」のような町名までしか無くても、この2つの数字を地図アプリに入れれば、その場所にまっすぐ着きます。
標高もこの座標から引けます。いちばん低いのは小塚地下道の8.3メートル、いちばん高いのは葛原地下道の42.2メートル。海に近い側(小塚・高山・中学通り線)が8メートルから9メートル台、北の台地側(葛原・高倉)が38メートルから42メートルでした。

市の浸水の記録は、4種類しか見られません

藤沢市の「過去の浸水履歴について」というページには、こう書いてあります。「以下以外には記録がないため、確認することはできません。ご了承ください」。
そして並んでいるのは4種類の資料だけです。
| 資料 | いつの記録か |
|---|---|
| 神奈川県アボイドマップ(自然災害回避地図)南部版・北部版 | 昭和34年〜昭和61年 |
| 水害発生状況図 | 平成15年3月1日・5月31日 |
| 台風第22号・第23号 被害状況図 | 平成16年10月9日・10月20日 |
| 台風第18号による被害状況図 | 平成26年10月5〜6日 |
アボイドマップは神奈川県が昭和63年度から平成元年度に発行したもので、市も「作成後30年以上経過し、調査時点と状況が異なっている場合があります」と添えています。
このあと市が把握した被害はどうなっているか。市の案内はこうです。「防災政策課執務室の前(本庁舎7階)、市民相談情報課市政情報コーナー(本庁舎4階)で確認することができます」。つまり、続きは市役所に行かないと見られません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
1時間77ミリで、既往最大が塗り替わった日
4種類のうち最も新しい平成26年10月5〜6日は、静岡県に上陸した台風18号の日です。
市の下水道のページによると、この日御所見の観測点で1時間あたり77ミリを記録し、藤沢市の既往最大降雨を塗り替えました。床上浸水57棟、床下浸水73棟。市は平成15年・16年・26年に甚大な浸水被害が発生した、と書いています。
藤沢市が浸水対策の下水道事業を始めたのは昭和26年です。これまでに辻堂・羽鳥・藤沢・鵠沼・善行の5つの地区で雨水をためる貯留管を整備してきました。国の一覧の13か所のうち、辻堂・鵠沼・藤沢の3つの地区には、その対策が入っている場所があります。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
内水の地図は、区域図と別のページにあります

藤沢市は令和6年度に内水氾濫ハザードマップを作っています。大雨のときに下水道などからあふれる浸水を想定した地図です。
これとは別に、水防法に基づく「雨水出水浸水想定区域」も指定して公表しています。地図と区域図が別々のページに置かれているので、探すときは2か所を見る必要があります。
洪水のほうは「藤沢市土砂災害・洪水ハザードマップ」(令和5年度作成)にまとまっています。1つの冊子で全部が見られる市とは、たどり方が違います。
もし車で水に入ってしまったら

13か所は、どれも線路か道路の下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 横浜市 冠水 どこが危ないの? 30か所のうち6か所は、標高60メートルより高い場所です(神奈川県) 県内でいちばん多い市です
- 川崎市 冠水 どこが危ないの? 12か所のうち10か所は鉄道の下、北の3区にはありません(神奈川県)
- 柏市 冠水 どこが危ないの?(千葉県) こちらは3か所とも県道で、市の水害履歴が1,795件あります
この記事のまとめ
藤沢市で道路が冠水しやすい場所は13か所。神奈川県内では横浜市に次ぐ数です。県道4か所と市道9か所に分かれ、13か所のうち10か所の呼び名が「地下道」。湘南台に3か所が集まっています。
標高は8.3メートルから42.2メートル。市道9か所の説明表には緯度経度が書いてあり、地図アプリにそのまま入れられます。いっぽう市の浸水の記録はネットで4種類しか見られず、続きは市役所の本庁舎でしか確認できません。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【神奈川県】」119か所と箇所ごとの説明表
- 藤沢市「過去の浸水履歴について」(神奈川県アボイドマップ/平成15年・16年・26年の被害状況図)
- 藤沢市 道路下水道部 下水道計画業務課「下水道の浸水対策について」
- 藤沢市「内水氾濫ハザードマップ(令和6年度作成)」
- 国土地理院 標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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