国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、神奈川県内に128か所。そのうち川崎市は12か所です。
12か所には、それぞれ「何の下をくぐるのか」が書いてあります。数えると10か所が鉄道の下でした。JR線が8つ、東急東横線が2つ。残る2つは国道1号のガード下と、浮島町の交差点付近です。
そして、この12か所は市の南東側に固まっています。宮前区・多摩区・麻生区には、1か所も出てきません。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は神奈川県128か所、川崎市は12か所
- ✓ 12か所のうち10か所が鉄道の下(JR線8・東急東横線2)
- ✓ 川崎区6・幸区2・中原区3・高津区1で、北の3区はゼロ
箇所数は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水箇所リスト【神奈川県】」(令和8年6月1日作成)を1行ずつ数えたものです。番号1から128まで欠番も重複もありませんでした。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、その地点そのものの高さではありません。
12か所は南東の4区に固まっています

| 区 | か所数 | 場所と、くぐる相手 |
|---|---|---|
| 川崎区 | 6 | 本町・駅前本町(JR線と京浜急行)/鋼管通に2つ(JR貨物線)/小田(JR南武支線)/浮島町 |
| 中原区 | 3 | 小杉町(JR南武線)/木月と木月伊勢町(東急東横線) |
| 幸区 | 2 | 大宮町(JR線)/東古市場(国道1号) |
| 高津区 | 1 | 末長(第三京浜とJR南武線) |
| 宮前区・多摩区・麻生区 | 0 | — |
12か所の標高を並べると、川崎区は1.2メートルから2.8メートル、いちばん内陸の高津区は44.4メートル。多摩川の河口側が低く、北西へ行くほど高くなります。12か所は全部、低いほうの4区にあります。
ただし「北の3区は安全」という話ではありません。このリストに載るのは、鉄道や道路の下をくぐるために掘り下げた道です。坂の多い区にそういう箱が少ないのは、地形の結果にすぎません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
川崎区の6か所は、全部が標高3メートル未満です

12か所の住所を標高データに通しました。いちばん低いのは川崎区小田一丁目の1.2メートル、いちばん高いのは高津区末長の44.4メートルです。
3メートルより低い場所は7か所。そのうち6か所が川崎区で、残る1つが幸区大宮町でした。鋼管通の2か所はどちらも1.3メートル、駅前本町は1.8メートルです。
いっぽう中原区の小杉町は8.2メートル、木月は6.7メートル。高津区末長は44.4メートルあります。標高が高くても、線路の下をくぐるために掘れば、そこは周りより低い箱になります。

京浜急行が絡むのは2か所だけです
くぐる相手の内訳を、もう少し細かく見ておきます。
- JR線と京浜急行(同じ場所で両方の下をくぐる) 2か所 川崎区本町二丁目・駅前本町
- JR貨物線 2か所 川崎区鋼管通五丁目に2つ
- JR南武支線 1か所 川崎区小田一丁目
- JR線 1か所 幸区大宮町
- JR南武線 1か所 中原区小杉町三丁目
- 第三京浜とJR南武線 1か所 高津区末長
- 東急東横線 2か所 中原区木月三丁目・木月伊勢町
- 国道1号 1か所 幸区東古市場
- 交差物件なし 1か所 川崎区浮島町(浮島公園前交差点付近)
道の種類では、市道8・県道(市管理)2・国道(市管理)1・国道1。国が直接管理しているのは、浮島町の国道409号の1か所だけです。川崎区本町の国道409号は、同じ路線でも市が管理しています。
市の内水の地図は、水防法に基づいていません
川があふれる洪水の地図と、下水道が追いつかなくなる内水の地図は別ものです。川崎市は7区すべてに内水ハザードマップ(令和8年5月版)を作っていますが、市はその位置づけをこう書いています。
川崎市の内水ハザードマップは、水防法に基づかないハザードマップになります
法律に基づいて指定した区域ではなく、市が自分の判断で作って公開している地図です。だから、全国のハザードマップをまとめて見られる国の地図サイトには載りません。内水の区域が載っているのは全国63市町村だけで、神奈川県からは横須賀市・平塚市・綾瀬市の3つです。
家を借りたり買ったりするときの説明にも、これは効いてきます。市はこう続けています。
川崎市の内水ハザードマップは水防法施行規則の規定に基づく地図ではありませんが、宅地又は建物の取引の際には、取引の相手方が当該宅地又は建物の所在地の水害リスク情報を活用することができるよう、内水ハザードマップについての情報提供をお願いいたします
つまり、重要事項説明で必ず出てくる地図ではない。説明されなかったからといって、そこが内水で浸からないという意味にはなりません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は「非常用電源設備の不作動」。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど102か所が緊急点検されました。関東地方整備局の対象は48か所で、異常はありませんでした。
ただし対象は国が直接管理している国道だけです。川崎市の12か所のうち11か所は、市が見ています。
この住所は浸水しやすい場所ですか
川崎市では、洪水・内水・高潮・土砂で見る資料が分かれています。1枚ずつ確かめるのは手間なので、住所を入れるだけで洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

アンダーパスに共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

川崎で実際に浸かったのはどこか
この記事で並べたのは「くぐる道」の一覧です。実際に建物が浸かった記録は、また別に調べてあります。
- 川崎市 浸水履歴 10年2,974棟の9割は2019年の1年 床上まで来た49町丁の最多は高津区久末です
- 多摩川 氾濫 水はどこから入ってくる? 2019年に川崎を浸したのは堤防の決壊ではなく、閉めた水門の上と管理通路の水抜き穴でした
- 大阪市 冠水 どこが危ないの? 65か所のうち43か所に「冠水実績あり」と書いてあります
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの? 104.5ミリが降った千種区は、40か所に1つもありません
この記事のまとめ
川崎市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは12か所。うち10か所が鉄道の下で、JR線が8つ、東急東横線が2つです。川崎区6・中原区3・幸区2・高津区1で、宮前区・多摩区・麻生区には1か所もありません。
標高は1.2メートルから44.4メートルまで。3メートルより低い7か所のうち6か所が川崎区でした。市が作っている内水の地図は水防法に基づかないので、重要事項説明で必ず出てくるとは限りません。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水箇所リスト【神奈川県】」128か所(令和8年6月1日作成)
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
- 川崎市上下水道局「内水ハザードマップで水害(内水氾濫)のリスクを知ろう」
- ハザードマップポータルサイト「内水浸水想定区域 掲載状況一覧」63件
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント