八王子市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は12か所です。東京都内で最も多い市です。
12か所の住所を標高の資料に当てると、いちばん低いところで95.6メートル、いちばん高いところで360.8メートルでした。同じ日に調べた三郷市の7か所は1.3メートルから3.0メートル。数字の桁が2つ違います。
この記事でわかること
- ✓ 東京都153か所のうち八王子市が12か所で最多。大田区・板橋区・練馬区の10か所より多いです
- ✓ 5か所の名前が「架道橋(かどうきょう)」。立体が3、高架下が1、アンダーボックスが1です
- ✓ 市の被害状況一覧は2,070件。水の記録と土砂の記録が1つの表に並び、土砂がらみが478件あります
箇所の数・種別・住所は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【東京都】」153か所と箇所ごとの説明表から、被害の記録は八王子市「被害状況一覧(浸水履歴等)」(平成2年以降・2026年4月1日更新)から取りました。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIです。
東京都で最も多い12か所です
国土交通省の一覧には東京都内の153か所が載っています。区市別に数えると、八王子市が12か所で最多。次が府中市の9か所で、23区では大田区・板橋区・練馬区の10か所が最も多い数です。
種別は国道3か所、都道1か所、市道8か所。市道が3分の2を占めます。国道3か所の管理者は相武国道管理第二課、市道8か所は八王子市です。
| 管理番号 | 種別 | 路線 | 名称 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都-02-020 | 直轄国道 | 国道16号(八王子バイパス) | 中央線立体 | 北野町 | 96.3m |
| 東京都-02-021 | 直轄国道 | 国道16号(八王子バイパス) | 大和田八高線高架下 | 大和田町1丁目 | 95.6m |
| 東京都-02-126 | 直轄国道 | 国道20号 | 南浅川アンダーボックス | 南浅川町 | 360.8m |
| (地図側に無い) | 都道 | 都道173号 | 打越町土入立体 | 打越町 | 124.9m |
| (地図側に無い) | 市道 | 幹線1級46号線 | 毘沙門架道橋 | みなみ野2丁目 | 126.1m |
| 東京都-02-083 | 市道 | 幹線1級23号線 | 明神架道橋 | 明神町1丁目 | 101.7m |
| 東京都-02-084 | 市道 | 幹線1級23号線 | 浅川架道橋 | 北野町 | 96.3m |
| 東京都-02-085 | 市道 | 幹線1級24号線 | 横山架道橋 | 明神町3丁目 | 107.3m |
| 東京都-02-086 | 市道 | 幹線1級35号線 | 散田立体 | 散田町5丁目 | 149.4m |
| 東京都-02-087 | 市道 | 八王子895号線 | 大星教会入口 | 石川町 | 115.7m |
| 東京都-02-088 | 市道 | 八王子902号線 | 大星教会入口先 | 石川町 | 115.7m |
| 東京都-02-089 | 市道 | 幹線1級31号線 | 桜横町立体 | 台町4丁目 | 128.4m |
関東地方整備局の資料は、県ごとのPDFと地図で見られる一覧で件数が違います。八王子市はPDFが12か所、地図側が10か所。打越町土入立体と毘沙門架道橋は地図側に無いので、箇所ごとの説明表が開けません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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5か所の名前が「架道橋」です
12か所の名前を並べると、「架道橋(かどうきょう)」が5つ。鉄道が道路をまたぐ橋の正式な呼び名で、この言葉を使う市はほかにあまりありません。
残りは「立体」が3、「高架下」が1、「アンダーボックス」が1、名前が付いていないものが2つ。同じ埼玉県でも川口市は「ガード」と「地下道」、倉敷市は32か所とも「地下道」でした。自分の街の資料は、その街で使われている言葉でしか出てきません。
1つ気をつけたいのは、散田町5丁目の箇所です。PDFでは「散田架道橋」、地図側の一覧では「散田立体」と書かれていて、名前が食い違っています。
12か所とも、標高95メートルより上です

いちばん高いのは国道20号の南浅川アンダーボックスで360.8メートル。これまでこのシリーズで調べたなかで、いちばん高い場所にある冠水注意箇所です。
いちばん低い大和田町1丁目でも95.6メートル。参考に八王子駅の南(子安町4丁目)を引くと113.7メートル、高尾町は423.2メートルでした。市そのものが山の上にあります。

高いところにあるのに、なぜ水がたまるのか。答えは単純で、まわりより低く掘り下げてあるからです。地面全体の高さと、その1点のくぼみは別の話になります。
市の一覧は、番地まで載っています
八王子市は「被害状況一覧(浸水履歴等)」を公開しています。平成2年以降に防災課へ報告があった被害の記録で、町丁目の五十音でPDFが8本に分かれています。
列は「年月日/被害町丁目/被害番地/被害状況/被害原因となる災害」。番地が伏せ字になっていません。「暁町1丁目 12-9 床下浸水」という形でそのまま並びます。個人情報の観点から番地の末尾を伏せる市が多いなかで、これはめずらしい出し方です。
市は「掲載している情報は市民からの通報や、関係機関からの報告内容をそのまま掲載しております」「住所・地番が混在している可能性があります」と断っています。数えると2,070件、151の町丁目、117の日付にまたがり、平成10年1月15日から令和7年9月5日までが入っていました。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
水の記録と土砂の記録が、同じ表に並びます

被害状況の欄は自由に書かれていて、数えると284通りの書き方がありました。
多い順に床下浸水339、床上浸水208、雨水流入204、道路冠水176。そのあとに土砂流出147、土砂崩れ110、土砂流入95が続きます。「用水路があふれている」「排水管及びグレーチング詰まり」といった、その場を見たままの記録も混ざります。
土砂がらみを足すと478件。八王子市では、大雨のときに気にするものが水だけではありません。低い土地の市とは、備え方そのものが変わります。

台風19号の596件は、山側に集まりました

日付で数えると、令和元年10月12日が614件で飛び抜けています。うち台風19号と書かれているのは596件で、2,070件のおよそ3割が、この1つの台風に入っています。
町別では高尾町73、下恩方町66、上恩方町58、小宮町42、西浅川町24。どれも山に近い町です。2番目に多い日は平成20年8月末豪雨の185件、3番目が平成29年の台風21号の160件でした。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
国の12か所がある町には、市の記録もあります
国の一覧に名前が出てくる町を、市の被害状況一覧で引いてみます。
石川町47件(うち冠水11件)、南浅川町37件(同3件)、打越町26件(同5件)、北野町16件(同4件)、散田町5丁目12件(同4件)、大和田町1丁目10件(同1件)。10の町すべてに記録がありました。
いっぽう道路冠水だけを町ごとに数えると、散田町12、横川町12、石川町11、川口町10、犬目町9の順。散田町と石川町には国の一覧の箇所がありますが、横川町と川口町と犬目町にはありません。2つの資料は重なる場所と重ならない場所があります。
もし車で水に入ってしまったら

12か所は、どれも上を鉄道か道路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 世田谷区 冠水 どこが危ないの?(東京都) 7か所とも標高31メートルより高い台地の上です
- 練馬区 冠水 どこが危ないの?(東京都) 10か所とも標高28メートルより高い武蔵野台地の上にあります
- 大田区 冠水 どこが危ないの?(東京都) 4つが空港と港のトンネルです
この記事のまとめ
八王子市で道路が冠水しやすい場所は12か所で、東京都では最多です。5か所の名前が「架道橋」、種別は国道3・都道1・市道8。標高は95.6メートルから360.8メートルで、市そのものが山の上にあります。
市の被害状況一覧は2,070件で、番地まで載っています。床下浸水339件・道路冠水176件のとなりに土砂流出147件・土砂崩れ110件が並び、土砂がらみが478件。令和元年の台風19号の596件は、高尾町・下恩方町・上恩方町という山側の町に集まりました。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【東京都】」153か所と箇所ごとの説明表
- 八王子市「被害状況一覧(浸水履歴等)」平成2年以降・2026年4月1日更新(町丁目の五十音別PDF8本)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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