国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、東京都内に153か所。そのうち練馬区は10か所で、八王子市の12か所に次ぐ都内2番目の多さです。大田区も同じ10か所でした。
10か所の住所を標高データに通して、いちばん驚いたのはここです。いちばん低い場所でも28メートル、いちばん高い場所は47.9メートルありました。10か所とも、武蔵野台地の上にあります。
海より低いから浸かるのではありません。台地を掘り下げて線路や道路をくぐらせた、その箱に水がたまります。
この記事でわかること
- ✓ 国の道路冠水注意箇所は東京都153か所、練馬区は10か所で都内2位タイ
- ✓ 10か所の標高は28.0〜47.9メートル、低い場所は1つもない
- ✓ 区の水害ハザードマップは1時間153ミリ・総雨量690ミリの想定
箇所数は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水箇所リスト【東京都】」(令和8年6月15日更新)を1行ずつ数えたものです。番号1から153まで欠番も重複もありませんでした。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、その地点そのものの高さではありません。
10か所とも標高28メートルより高い場所です

| 名称 | 地先 | 参考標高 |
|---|---|---|
| 赤塚アンダー(国道17号バイパス) | 赤塚 | 28.0m |
| 北町アンダー(国道17号バイパス) | 北町 | 28.5m |
| 徳丸アンダー(国道17号バイパス) | 徳丸 | 32.3m |
| 平和台トンネル(都道441号) | 平和台 | 34.7m |
| 小竹トンネル(都道441号) | 小竹町2丁目 | 35.5m |
| 練馬春日町トンネル(都道311号) | 春日町3丁目 | 38.1m |
| 練馬トンネル(都道311号) | 貫井4丁目 | 40.2m |
| 谷原アンダーパス(都道443号) | 高野台4丁目 | 41.4m |
| 長光寺橋アンダーパス(区道) | 南田中3丁目 | 44.6m |
| 大泉学園駅前アンダーパス(区道) | 東大泉5丁目 | 47.9m |
同じ手順で調べた市と比べると、この並びは異様です。大阪市は65か所のうち48か所が標高3メートル未満、川崎市は7か所が3メートル未満でした。練馬区には、20メートルを下回る箇所が1つもありません。
水は、海からの高さではなく、まわりと比べて低いところへ集まります。台地の上でも、掘り下げれば底はできます。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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10か所のうち4つは「トンネル」と名がついています

東京都の153か所を呼び名で数えると、「アンダー」が43、「トンネル」が25、「ガード」が11、「地下道」が5。そして「ずい道」がたった1つです。
練馬区の10か所には、そのトンネルが4つ入っています。練馬トンネル、練馬春日町トンネル、小竹トンネル、平和台トンネル。都内のトンネル25のうち4つが練馬区で、大田区・江東区と並んで最多です。
残る6つは、国道17号バイパスのアンダーが3つ、都道の谷原アンダーパスが1つ、そして区道が2つ。区道の2つは長光寺橋アンダーパスと大泉学園駅前アンダーパスで、どちらも橋のたもとと駅前です。
3か所は板橋区との境にあります
10か所のうち3つは、市町村名の欄が「練馬区・板橋区」と2つ並んでいます。国道17号バイパス、川越街道のバイパスにある北町アンダー、赤塚アンダー、徳丸アンダーです。
地先名を見ると、北町は練馬区の町名ですが、赤塚と徳丸は板橋区側の町名です。道路が区境を走っているので、同じ1か所が両方の区に数えられています。
ちなみに板橋区を先頭で数えると7か所。「練馬区・板橋区」の3つを足すと10になり、練馬区と並びます。区で数えるときは、どちらで数えたかで結果が変わります。
区の想定は1時間153ミリ、高潮はありません
練馬区の水害ハザードマップは東京都の予測をもとに作られていて、置いている雨の量がはっきり書いてあります。
降雨量(時間最大153mm、総雨量690mm)の想定で作成しています
1時間153ミリは、同じ手順で調べた市のなかでは横浜市と並ぶ最大です(東大阪市147ミリ、大津市147ミリ、鳥取市130ミリ、盛岡市120ミリ)。
地図の読み方も区が説明しています。赤枠の中は石神井川・白子川・江古田川があふれたときの区域で、赤枠の外は内水、つまり下水道が受けきれずにあふれるほうです。そして区はこう書き添えています。
高潮のリスクは、練馬区にはありません
なお、全国のハザードマップをまとめて見られる国の地図サイトに内水の区域が載っているのは63市町村だけで、東京都からは昭島市と福生市の2つだけ。23区は1つも入っていません。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、国道16号の千葉市中央区村田町のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は「非常用電源設備の不作動」。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
これを受けて8月14日から、全国の直轄国道にあるアンダーパスなど102か所が緊急点検されました。関東地方整備局の対象は48か所で、村田町を除いて異常はありませんでした。
対象は国が直接管理している国道だけです。練馬区の10か所のうち国道は3つで、残る7つは東京都と練馬区が見ています。
この住所は浸水しやすい場所ですか
洪水・内水・土砂・地震で、見る資料はそれぞれ別に置かれています。1枚ずつ確かめるのは手間なので、住所を入れるだけでまとめて確認できるページを用意しています。
もし車で水に入ってしまったら

アンダーパスに共通しているのは「まわりより低い」ことです。たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さが分かりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの? 国の一覧に名前がある全国52市を1つずつ調べました
- 大田区 冠水 どこが危ないの?
- 川崎市 冠水 どこが危ないの? 12か所のうち10か所は鉄道の下、北の3区にはありません
- 横浜市 冠水 どこが危ないの? 30か所のうち6か所は、標高60メートルより高い場所です
この記事のまとめ
練馬区で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは10か所。都内153か所のうち大田区と並ぶ2位で、標高は28.0メートルから47.9メートルまで、低い場所は1つもありません。
10か所のうち4つは「トンネル」と名がつき、3つは国道17号バイパスで板橋区との境にあります。区の水害ハザードマップは1時間153ミリ・総雨量690ミリの想定で、高潮のリスクは無いと書かれています。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水箇所リスト【東京都】」153か所(令和8年6月15日更新)
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
- 練馬区「練馬区水害ハザードマップ」「浸水履歴」
- ハザードマップポータルサイト「内水浸水想定区域 掲載状況一覧」63件
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
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