練馬区で中古マンションを探すと、1㎡あたり108.0万円の部屋と63.9万円の部屋が同じ検索結果に並びます。同じ広さの部屋でも、どちらを選ぶかで支払う総額が変わります。この差を作っている最大の要素が築年数です。
国土交通省が公表している練馬区の中古マンションの成約は663件(2024年4Q〜2025年4Q)。全体の中央値は1㎡あたり93.3万円です。ただし、この93.3万円がそのまま当てはまる部屋は限られます。築5年の部屋にも築45年の部屋にも、この数字は使えません。
練馬区は築年帯ごとの件数が揃っています。築0〜10年が156件、築11〜20年が196件、築21〜30年が144件、築31〜40年が127件。どの帯にも100件以上の成約があるので、築年数ごとの水準を並べて比べられます。
先に結論
- 練馬区の中古マンションは1㎡あたり93.3万円(中央値・663件)。築年帯で分けないと使えない数字です
- 築0〜10年は108.0万円、築11〜20年は100.0万円。最初の20年は下がり方が小さいです
- 築21〜30年は84.6万円、築31〜40年は70.0万円、築41年以上は63.9万円。落ち方が変わるのは築20年を過ぎてからです
- 築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です(2026年基準)
- 取引がいちばん多いのは30㎡以下の331件で1㎡あたり100.0万円。50〜70㎡は170件で83.2万円です
練馬区の中古マンションを築年数で並べた1㎡あたりの値段
663件を築年数の帯で分けて並べました。
練馬区の中古マンション成約価格(1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・全663件)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は練馬区全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため区全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
新しい側から古い側へ、順番どおりに下がります。途中で順序が入れ替わる帯はありません。築年数がそのまま1㎡の値段に効いている形です。
練馬区は築0〜10年から築31〜40年まで、どの帯にも127件以上の成約があります。 件数が揃っているので、1件の取引で帯の数字が跳ねる状態ではありません。件数が少ないのは築41年以上の40件だけです。
築0〜10年は1㎡あたり108.0万円、築41年以上は63.9万円です。同じ練馬区の同じ1㎡で、これだけの幅があります。60㎡くらいの部屋を見ているつもりでも、どの帯を見ているのかを確かめないまま予算を組むと、内見に行ける物件が最初からずれます。
値段の下がり方が変わるのは築20年を過ぎてから
帯と帯の間隔を見ます。築0〜10年の108.0万円から築11〜20年の100.0万円までは、下がり方が小さいところです。下がり幅がいちばん大きいのは、築11〜20年の100.0万円から築21〜30年の84.6万円へ移るところです。
そこから先も、築31〜40年で70.0万円、築41年以上で63.9万円と下がり続けます。練馬区の中古マンションで値段の落ち方が変わるのは、築20年を過ぎたあたりです。
私は、練馬区で予算を組むときの分かれ目は築20年だと見ています。理由は2つあります。1つは、築0〜10年と築11〜20年の間が、帯のなかでいちばん段差の小さい場所であること。もう1つは、築11〜20年に196件と最も取引が集まっていて、比べる相手が揃っていることです。築15年の部屋を見て「そこそこ古い」と感じても、練馬区の数字の上では新しい側に入ります。
築41年以上の40件についても書いておきます。この40件は、1982年(新耐震基準)以降に建った物件だけです。それより前の建物は元のデータから除外されています。練馬区で売られている古いマンションのすべてが、この40件に入っているわけではありません。1982年より前の建物を見ている場合、この記事の数字は当てはまらないと考えてください。
「築25年」は何年に建った物件か。西暦に直して確かめる
帯の境目は西暦で覚えた方が早いです。この記事の築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。
物件情報に「築25年」と書いてあれば2000年前後の建物で、1㎡あたり84.6万円の帯に入ります。「築33年」なら1990年代前半の建物で、70.0万円の帯です。物件広告の築年数をそのまま帯に当てはめる前に、西暦に直して確かめてください。 広告の築年数は建物の完成年から数えるので、この記事の帯と1年ずれることがあります。
境目をまたぐと、見るべき水準が84.6万円から70.0万円へ移ります。同じ広さの部屋を比べていても、帯が1つ違えば総額の前提が変わるということです。売主の希望価格が高いか安いかを判断するときは、まず相手の帯を確かめてから数字を当ててください。
取引がいちばん多いのは30㎡以下。広さで1㎡の値段はこう動く
同じ663件を、今度は部屋の広さで分けます。
| 広さ | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡以下 | 331件 | 100.0万円 |
| 30〜50㎡ | 56件 | 84.7万円 |
| 50〜70㎡ | 170件 | 83.2万円 |
| 70〜90㎡ | 93件 | 78.8万円 |
| 90㎡以上 | 13件 | 73.9万円 |
663件のうち331件が30㎡以下の部屋です。5つの帯を足すと663件になるので、練馬区の中古マンションの取引は、ちょうど半分ほどが30㎡以下ということになります。
そしてその30㎡以下の1㎡あたりが100.0万円で、5つの帯のなかで最も高い数字です。広い部屋ほど1㎡が高い、という関係にはなっていません。90㎡以上は73.9万円で、表のなかで最も低くなります。
練馬区全体の93.3万円は、663件のうち331件が30㎡以下という構成のうえで出た中央値です。 家族で住む広さにあたる50〜70㎡は83.2万円、70〜90㎡は78.8万円で、どちらも全体の93.3万円より低い水準です。
私は、練馬区全体の93.3万円を家族向けの部屋の目安に使うべきではないと考えています。50〜70㎡を探している人が93.3万円で計算すると、実際の成約水準より高い前提で予算を組むことになるからです。見るべき数字は83.2万円の方です。
30〜50㎡が56件、90㎡以上が13件と少ないのも練馬区の形です。この2つの帯を狙う場合、近い条件の成約と見比べる材料が足りません。売り出し価格が妥当かどうかは、現地に出ている売り出し価格を自分で集めて判断することになります。
築年帯の表と広さの表は、同じ663件を別々の切り口で分けたものです。築21〜30年の144件のなかにも30㎡以下の部屋は入っています。「築25年で60㎡ならいくら」という数字は、この2つの表を掛け合わせても出てきません。
築31〜40年を選ぶなら、工事費を足した総額で比べる
築31〜40年の70.0万円と築11〜20年の100.0万円を並べると、古い側を選ぶ理由は分かりやすく見えます。ただし物件の値段が下がるぶん、内装や設備に手を入れる前提になります。給湯まわりや水まわりは、建物と一緒に年を取っています。
築31〜40年の70.0万円は物件の値段であって、住める状態にするまでの金額ではありません。 工事費を足した総額で並べ直したときに初めて、築21〜30年の部屋を買って軽く直す案と、築31〜40年の部屋を買って大きく直す案のどちらが安いかが決まります。
順番としては、気になる部屋を2つか3つに絞ってから見積もりを取るのが早いです。間取りと設備の状態で金額が変わるので、物件が決まっていない段階の概算はあまり当たりません。
工事費が分かると、築年数の違う部屋を総額で比べられます
予算の上限そのものは、年収から先に決めておくと物件選びが速くなります。年収別の目安は年収と家族の人数から住宅ローンの上限を出す早見表にまとめています。
練馬区の土地・戸建て・賃貸の数字。分母が違うので引き算はしない
マンション以外の数字も並べておきます。ただし単価の分母が種別ごとに違うので、先に断っておきます。
- 土地:246件・1坪あたり168.6万円(成約総額 ÷ 土地面積)。1区画の面積の中央値は115㎡=34.8坪
- 中古戸建て:467件・1坪あたり242.4万円(成約総額 ÷ 建物の延床面積)
- 新築戸建て:339件・1坪あたり251.9万円(成約総額 ÷ 建物の延床面積)
- 中古マンション:663件・1㎡あたり93.3万円(成約総額 ÷ 専有面積)
- 新築マンション:12件・1㎡あたり132.0万円(成約総額 ÷ 専有面積)
土地の坪単価と戸建ての坪単価は分母が違うので、引き算できません。 「戸建ての方が坪単価が高いから、その差が建物の値段」という読み方は成立しません。比べてよいのは中古戸建てと新築戸建て(どちらも延床坪)、中古マンションと新築マンション(どちらも専有㎡)の間だけです。
その範囲で見ると、中古戸建ての242.4万円に対して新築戸建ては251.9万円。中古戸建ての真ん中50%は203.6万円から279.1万円、新築戸建ては220.9万円から292.8万円に入ります。中古戸建ての高い側は、新築戸建ての安い側と同じ価格帯で成約しているということです。
新築マンションの132.0万円は12件の数字です。663件の中古マンションと同じ精度では読めません。数件の取引で動く水準として扱ってください。
土地は1区画34.8坪、1坪168.6万円なので、総額は概算で約5,865万円になります。これは坪単価の中央値と面積の中央値を別々に取って掛けた概算で、実在する1件の価格ではありません。坪単価そのものも25.8万円から528.9万円まで開いています。
地価公示の住宅地103地点で見ると、坪単価の中央値は165.6万円。実際の成約の168.6万円との差は+1.8%です。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で、母集団が違います。この差を値上がりや値下がりとして読むことはできません。
貸す側の数字も1つ置いておきます。練馬区の募集賃料の中央値は1㎡あたり2,933円です(174,260件)。㎡単価で賃料が相場から外れていないかを確かめる手順は募集賃料を㎡単価で検証する4手順の記事にあります。
練馬区で中古マンションを見に行く前に決める3つのこと
ひとつめ。築年帯を先に決めます。1㎡あたり108.0万円から63.9万円まで動くので、予算から入ると築年帯が定まらず、値段の理由が読めないまま候補だけが増えていきます。
ふたつめ。広さの帯で数字を選び直します。全体の93.3万円ではなく、30㎡以下なら100.0万円、50〜70㎡なら83.2万円、70〜90㎡なら78.8万円。自分が探している広さの数字を使ってください。30〜50㎡の56件と90㎡以上の13件は、比べる相手が少ない帯です。
みっつめ。築31〜40年を候補に入れるなら、工事費を足した総額で並べます。70.0万円は物件の値段だけの数字です。工事の見積もりが出るまで、築21〜30年の部屋とどちらが安いかは決まりません。
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション663件、新築マンション12件、土地246件、中古戸建て467件、新築戸建て339件
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件に限定。1982年より前の物件は元データから除外されています
- 築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です
- 築年帯の中央値と面積帯の中央値は、同じ663件を別々の切り口で分けて取った値です。全体の中央値である1㎡あたり93.3万円と足し引きしても一致しません
- 築41年以上の40件、90㎡以上の13件、新築マンションの12件は件数が少なく、数件の取引で動きます。幅を持って読んでください
- 土地の総額の約5,865万円は、坪単価の中央値168.6万円と面積の中央値34.8坪を掛けた概算です。実在する1件の価格ではありません
- 地価公示:住宅地103地点の坪単価の中央値165.6万円。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で母集団が違います
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。マンションの1㎡単価や土地の坪単価とは分母が違うので、そのまま比べられません
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(174,260件)


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