三木市で実際に売れた土地は、1坪5.0万円でした。ただしこの数字だけを見て「安い市」と決めると、予算の組み方を外します。
三木市の1区画の面積は365㎡、坪に直すと110.4坪です。坪単価の中央値と面積の中央値を掛けた概算総額は547.5万円になります。坪単価が安く出ているのは、1区画がそれだけ広いからです。
この記事の数字は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」に載っている三木市の土地の成約48件と、地価公示の住宅地9地点です。坪単価の順に町を並べるだけでは買う人の役に立たないので、総額の話と、安すぎる町の中身の話まで書きます。
先に結論
- 三木市の土地は坪5.0万円(中央値・48件)。1区画は365㎡=110.4坪で、概算の総額は547.5万円
- 1区画の広さは、この連載で同じ方法で集計してきた兵庫の市町のなかでも広い方です
- 町別は福井2.9万円と加佐1.5万円で1.9倍。件数が5件以上ある町どうしで比べた倍率です
- 坪1.1万円の別所町のような町は、農地や山林、市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。住宅地の相場として同じ土俵に乗せられません
- 実際の成約5.0万円は地価公示8.4万円より40.7%低い数字です。母集団が違うだけで、値下がりを意味しません
1区画は365㎡。坪単価の安さは広さの裏返しです
三木市の土地48件のうち、1区画の面積の中央値は365㎡でした。坪に直すと110.4坪です。この連載で同じ集計方法をかけてきた兵庫の市や町のなかでも、広い方に入ります。
坪単価の中央値5.0万円と面積の中央値110.4坪から概算すると、1区画の総額は547.5万円です。 ただしこの2つは別々に取った中央値なので、547.5万円という値札の土地が実在するわけではありません。あくまで概算として、桁を掴むための数字です。
家を建てて駐車場を取っても庭が残る、という広さです。分譲地で見慣れた区画の感覚のまま現地に立つと、境界の杭が思ったより遠くにあります。買うときには得ですが、坪単価が安いから総額も安い、という順番で読むと足をすくわれます。安いのは1坪あたりの値段で、払う金額は面積を掛けたあとに決まります。
町別の坪単価は福井2.9万円と加佐1.5万円で1.9倍
取引が3件以上あった5つの町を、坪単価の高い順に並べました。
三木市の土地の成約価格(坪単価の中央値・万円/坪・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上と下を単純につなげば、大塚20.8万円と加佐1.5万円で13.7倍になります。ただし大塚は3件です。3件の中央値は、たまたま条件のよい1区画が入っただけで跳ねます。
見出しに使ったのは、件数が5件以上ある町どうしの比較です。 福井の5件が2.9万円、加佐の12件が1.5万円で1.9倍。三木市のなかで住宅地として動いている土地の幅は、この1.9倍の方が実際の姿に近いと私は見ています。13.7倍という見出しの方が目を引きますが、それは母数3件の話です。
坪1.1万円の町を「一番安い町」として選ばない
5町のうち別所町の1.1万円は、三木市の中央値5.0万円の4分の1を下回っています。ここには農地や山林、市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。
市街化調整区域は、市街化を抑えるために線引きされた区域です。ここで住宅を新しく建てるには許可が要り、誰でも自由に建てられる場所ではありません。農地であれば転用の手続きも別に要ります。土地の値段が住宅地よりずっと安く出るのは、そもそも用途が違うからです。
市の中央値から大きく外れて安い坪単価は、住宅地の相場としては使えません。 三木市の土地48件の坪単価は0.5万円から27.4万円まで散らばっています。この0.5万円の側と、志染町東自由が丘の7.3万円を、同じ「三木市の土地」として並べても、買う人の判断材料にはなりません。
坪1.1万円は住宅地の相場ではなく、別の使い道の土地の値段が混ざった数字だと私は見ています。不動産のポータルで極端に安い土地を見つけたときは、値段を喜ぶ前に、その土地が市街化調整区域か、地目が何かを先に見てください。売主も仲介会社も隠しているわけではなく、資料の端に小さく書いてあります。
地価公示は坪8.4万円。成約の5.0万円との差は値下がりではありません
三木市の地価公示は、住宅地9地点の中央値が坪8.4万円です。実際の成約の中央値5.0万円は、これより40.7%低い数字になります。
この差を「三木の土地が値下がりしている」と読むのは間違いです。地価公示は住宅地の標準地、つまり住宅地として整った場所を選んで評価した価格です。一方の成約48件には、加佐や別所町のように住宅地とは言い切れない土地が混ざります。混ざっている方の中央値が低く出るのは当たり前で、時系列の変化を見ているわけではありません。
母集団が違う2つの数字を引き算しても、値上がりも値下がりも分かりません。分かるのは、公示価格を予算の目安に使うと三木では合わないということだけです。三木では、地価公示の8.4万円を土地の予算の基準に置かない方が安全です。住宅地として買うつもりなら、大塚や志染町東自由が丘のような、住宅地とみられる町の成約を見た方が実態に近づきます。
広い土地に古家が残っていたら、更地にする費用が総額に乗る
概算547.5万円というのは、土地そのものの数字です。現地に行くと家が建ったまま売りに出ていることがあります。110.4坪の区画に古い木造の家と物置とブロック塀が残っていて、資料には現況渡しと書いてある。よくある形です。
このとき、土地の総額とは別に、更地にする費用が乗ります。 建物が大きければ費用も上がりますし、重機が入れない道づけなら手壊しの手間が増えます。三木市の1区画は広い方なので、狭い区画のつもりで解体費用を見積もると差が出ます。土地の値段だけで比べて「安い方」を選んだあとに、この費用が後から出てくると計算がひっくり返ります。
解体費用は工事会社によって開きが出る費目です。売主が段取りした1社の見積もりだけで判断せず、自分でも複数社の金額を並べてから、土地の総額に足してください。
更地にする金額が分かると、土地の総額で並べて比べられます
更地にしたあとの税金の扱いまで含めた話は、実家の解体費用と固定資産税の落とし穴にまとめています。買う側でも、古家つきを更地にする段取りは同じです。
建てる以外の選択肢の数字も並べておきます
三木市の他の種別も、同じ期間で集計しました。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 5.0万円/坪 | 48件 |
| 中古戸建て | 71.0万円/坪(延床) | 30件 |
| 新築戸建て | 102.5万円/坪(延床) | 16件 |
| 賃貸 | 1,688円/㎡ | 3,430件 |
中古戸建ての71.0万円は、下位25%が54.4万円、上位25%が102.5万円まで開きます。新築戸建ては16件で中央値102.5万円、74.8万円から120.3万円の幅です。件数が16件しかないので、新築の数字は1件の影響を受けやすいと見てください。
戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った数字です。土地の坪単価とは分母が違うので、5.0万円と71.0万円をそのまま引き算して建物代を出すことはできません。土地を買って建てる案と中古を買う案は、最後は総額どうしで並べるしかありません。
110.4坪を持ち続けられるか。私はここが分かれ目だと見ています
三木市で土地を買う判断は、坪単価の比較ではなく、110.4坪という広さを自分が扱えるかどうかで決まると私は考えています。
買うときには広さは値引きのように働きます。同じ総額でも面積が取れるので、平屋も庭も駐車場も入ります。一方で、その面積は買ったあとずっと自分のものです。草は生えますし、外構は面積に比例して費用がかかります。将来売るときも、広い区画をそのまま欲しい買い手と、狭くていいから安く買いたい買い手では、探している層が違います。
日曜の朝に草刈り機を出す生活が想像できるなら、三木の広さは得です。想像できないなら、坪単価の安さは意味を持ちません。ここは数字ではなく、暮らし方の話として先に決めてください。
三木で土地を買う前にやる3つのこと
1. 坪単価ではなく総額で並べる。 三木市の概算は547.5万円です。他の候補地と比べるときは、坪単価どうしではなく、面積を掛けたあとの金額どうしで比べてください。
2. 極端に安い町は、区域と地目を先に確かめる。 別所町の1.1万円のような数字は、市街化調整区域や農地が混ざっている疑いがあります。住宅を建てられる土地かどうかは、値段より先に決まる条件です。
3. 古家つきなら解体費用を土地代に足してから比べる。 現況渡しの物件は、土地の値段が総額ではありません。
三木市の学区を町名から調べる
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地48件、中古戸建て30件、新築戸建て16件
- 土地48件のうち1件は、坪単価が極端な値だったため集計から除いています
- 坪単価と1区画の面積は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。掛け合わせた547.5万円は概算であって、実在する1件の成約価格ではありません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。3件や4件の町の中央値は1件の影響を受けやすいので、記事の見出しには件数5件以上の町どうしの倍率を使っています
- 別所町は市の中央値の4分の1を下回っており、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。住宅地の相場としては読まないでください
- 地価公示:国土交通省の地価公示。三木市内の住宅地9地点の中央値。地価公示は住宅地の標準地を鑑定評価した価格で、実際に売れた土地を集めた成約価格とは母集団が違います
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 賃貸は募集賃料から算出した1㎡あたりの中央値です
- 三木市の中古マンションは、集計期間内の成約データがなかったため扱っていません


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