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稲美町と播磨町は坪単価の差ほど総額が開きません

稲美町と播磨町を1坪あたりの値段だけで比べると、稲美町の土地代を実際より安く見積もることになります。1坪あたりは稲美町が20.2万円、播磨町が31.4万円。ところが実際に売買された1区画の広さは、稲美町が63.5坪(210㎡)、播磨町が48.4坪(160㎡)で、稲美町のほうが広いからです。

坪単価の中央値と面積の中央値を掛けた概算の総額は、稲美町が1,281万円、播磨町が1,520万円。1坪あたりでは20.2万円と31.4万円で大きく開いて見えた差が、1区画の値段になると縮みます。安い土地を広く買えば、その広さのぶんを支払うことになる、というだけの話です。

数字は国土交通省が公表している成約価格です。ただし稲美町は15件、播磨町は27件しかありません。とくに稲美町は数件動くだけで中央値が変わる規模なので、その前提で読んでください。

先に結論

  • 土地の坪単価の中央値は稲美町20.2万円、播磨町31.4万円(2024年4Q〜2025年4Q)
  • 1区画の広さの中央値は稲美町63.5坪、播磨町48.4坪。稲美町のほうが広い区画が動いています
  • 坪単価×面積の概算総額は稲美町1,281万円、播磨町1,520万円。概算であって、実在する1件の価格ではありません
  • 件数は稲美町15件、播磨町27件。稲美町は数件動くだけで中央値が変わる規模です
  • 町名別では播磨町の上野添46.3万円と北本荘19.8万円で2.3倍。町を決めてから予算を組んでください
目次

町名別の坪単価を6町ぶん並べる

棒は町名の単位でそろえています。2町の平均どうしではなく、取引が3件以上あった町だけを稲美町と播磨町から合わせて6町ぶん抜き出しました。

上野添(播磨町)46.3万
西野添(播磨町)39.7万
二子(播磨町)29.8万
国岡(稲美町)26.1万
中村(稲美町)24.8万
北本荘(播磨町)19.8万

稲美町・播磨町の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町のみ)

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は町全体の中央値です。表に出せたのは取引3件以上の6町だけなので、候補地が決まっているなら住所を入れて周辺の実勢で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

稲美町・播磨町の土地相場を住所から調べる(無料)

上に来たのは播磨町の町でした。上野添が坪46.3万円、西野添が39.7万円。稲美町の国岡26.1万円と中村24.8万円は、播磨町の二子29.8万円より下に入ります。

開き方も2町で違います。播磨町は上野添46.3万円と北本荘19.8万円で2.3倍、稲美町は国岡26.1万円と中村24.8万円で1.1倍。播磨町は町を変えると値段が動き、稲美町は動きません。

ただし稲美町のこの1.1倍は、そのまま「町による差が小さい町」と読める数字ではありません。稲美町で取引が3件以上あったのは国岡5件と中村3件の2町だけで、比べられる相手が2つしか見えていない状態です。表に出てこなかった町がどこにいるかは、この6本からは分かりません。

坪単価・1区画の広さ・概算総額を2町で比べる

粒度を町の単位に戻して、3つの数字を並べます。

土地の坪単価 1区画の広さ 概算の総額 件数
稲美町 20.2万円 63.5坪(210㎡) 1,281万円 15件
播磨町 31.4万円 48.4坪(160㎡) 1,520万円 27件

概算の総額は「坪単価の中央値×面積の中央値」で出した数字です。2つの中央値は別々に取った値なので、この金額で売買された1件が実在するわけではありません。目安として置いた数字だと思ってください。

そのうえで、1坪あたりの20.2万円と31.4万円という並びと、1,281万円と1,520万円という並びは、開き方が違います。稲美町は1坪では安く、そのかわり広い区画を買うことになる。播磨町は1坪では高く、そのかわり狭い区画で足りる。総額はその2つが打ち消し合った後の数字です。

広い区画は、土地代を払い終わったあとにも効いてきます。63.5坪を庭や駐車場として残すなら維持の手間が付いてきますし、その広さを使い切る家を建てるなら建築費のほうが伸びます。土地代だけで2町を比べて終わりにできないのはここです。

稲美町の15件、播磨町の27件をどう読むか

稲美町の土地の集計は15件です。2024年4Q〜2025年4Qという1年余りの期間で15件なので、数件が動くだけで中央値の位置が変わります。播磨町の27件も多い部類ではありません。

レンジを見ると、その振れ幅の大きさが分かります。稲美町は坪2.0万円から32.1万円、播磨町は坪9.3万円から49.6万円。坪単価が極端な取引を各1件ずつ除いたうえで、これだけ開いています。

坪20.2万円という数字を持って稲美町の土地を見に行くと、坪30万円台の区画にも、坪一桁の区画にも当たります。中央値は15件を安い順に並べたときの真ん中の1件であって、どの土地にも付いている値札ではありません。

件数が少ないときの読み方はひとつです。中央値を「この町の値段」として使うのをやめて、「この町ではこのあたりも成立した」という1点として使う。そのうえで、候補地が決まったら住所単位で引き直す。上の相場検索はそのために置いています。

中古戸建ては稲美町82.6万円、播磨町101.7万円

ここから先の坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。ここまで見てきた土地の坪単価は土地面積で割った値なので、分母が違います。土地の坪単価と戸建ての坪単価を引き算しても、その差が建物の値段になるわけではありません。そのため、この表には戸建てだけを載せています。

種別(延床坪あたり) 稲美町 播磨町
中古戸建て 82.6万円/坪(5件) 101.7万円/坪(18件)
新築戸建て 84.5万円/坪(3件) 110.2万円/坪(13件)

稲美町は中古戸建ての82.6万円と新築戸建ての84.5万円がほとんど並びます。ただし件数は5件と3件です。この2つの数字だけで「稲美町では中古と新築が同じ値段」と決めるには、材料が足りません。

播磨町は中古101.7万円に対して新築110.2万円。件数は18件と13件で、稲美町よりは厚みがあります。どちらも延床坪あたりの数字なので、この2つは並べて比べられます。

効いてくるのは中古の下振れのほうです。播磨町の中古は25%〜75%が83.2〜115.1万円で、下に寄った物件なら坪83.2万円。同じ延床坪で新築は110.2万円です。稲美町も中古の25%〜75%は62.6〜84.5万円で、下に寄れば坪62.6万円。新築は84.5万円です。

中古の安いほうを引けたときの新築との開きが、直す予算の原資になります。そこに工事費を乗せて、はじめて新築と総額で比べられます。工事費の側を先に確かめておくと、上の表の数字が予算として使えるようになります。

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工事費が分かると、土地を買って建てる案と総額で比べられます

もうひとつ、借りるときの数字も置いておきます。こちらは㎡あたりの募集賃料で、これまでの坪単価とはまた別の物差しです。そのうえで2町の開き方だけを見ると、土地には20.2万円と31.4万円という差があるのに、賃料は稲美町1,690円、播磨町1,680円でほぼ並びます。件数も840件と2,250件あって、土地の15件・27件よりはるかに厚い。買う側の数字と借りる側の数字は、別々に見たほうがよさそうです。

地価公示との差。私はこう見ています

稲美町の地価公示は住宅地4地点で坪18.8万円、成約の中央値は20.2万円。差は+7.1%です。播磨町は5地点で坪27.1万円、成約は31.4万円で+16.0%。両方ともプラスです。

これを「値上がりしている」と読むことはできません。公示価格は住宅地の標準地に付けた値段で、成約価格は実際に売れた土地の値段です。母集団の違う2つを引き算しているだけなので、差がプラスでも上がった証拠にはなりません。

私は、この2町については公示との差そのものを予算の材料にしないほうがいいと考えています。根拠は数の少なさです。稲美町の住宅地の公示は4地点、播磨町は5地点。成約は15件と27件。どちらの側も1地点・1件の重みが大きく、+7.1%や+16.0%という値は、地点や取引が入れ替わるたびに動きます。

事実として言えるのは、両町とも公示価格より高い水準で成約が付いている、というところまでです。そこから先の理由をデータは語っていません。

予算を決める前にやる3つのこと

1. 1坪ではなく1区画で比べる。 稲美町20.2万円と播磨町31.4万円という1坪の差ほど、1,281万円と1,520万円という概算総額の差は開いていません。坪単価の表を見て稲美町に決めるなら、63.5坪ぶんを買う前提で組んでください。

2. 町名まで決めてから計算する。 播磨町は上野添46.3万円と北本荘19.8万円で2.3倍あります。町を1つ変えるだけで、土地代の前提が変わります。

3. 稲美町の数字は幅を持って使う。 15件の中央値です。坪2.0万円から32.1万円まで実際に成約しているので、20.2万円をそのまま予算に入れると、上振れも下振れもします。

稲美町の学区を町名から調べる
播磨町の学区を町名から調べる

どちらもこのサイトのページです。登録も入力も要りません

同じ集計方法で隣の市を見たい人は、明石市の土地を町名別に並べた記事もどうぞ。稲美町・播磨町より取引の多い市なので、町ごとの差がどう出るかを比べる材料になります。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期
  • 土地の件数は稲美町15件、播磨町27件。どちらも坪単価が極端な取引を各1件ずつ除いて集計しています
  • 中古戸建ては稲美町5件・播磨町18件、新築戸建ては稲美町3件・播磨町13件。件数が少ないので中央値は幅を持って読んでください
  • 坪単価・1区画の広さ・概算の総額は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。概算の総額は坪単価の中央値と面積の中央値を掛けたもので、実在する1件の価格ではありません
  • 町名別の集計は取引3件以上の町のみ。稲美町は2町、播磨町は4町しか表に出せていません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価は土地面積で割った値で、分母が違います。この2つを並べて引き算することはできないため、記事でも比較していません。比べているのは中古戸建てと新築戸建て(どちらも延床坪あたり)の間だけです
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。住宅地の中央値で、地点数は稲美町4地点、播磨町5地点。成約価格とは母集団が異なるため、差を値上がり・値下がりとしては扱っていません
  • 賃貸:㎡あたりの募集賃料の中央値。稲美町840件、播磨町2,250件
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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