川西市で40坪の土地を買うとき、南部の小戸なら3,304万円、山手の清和台西なら1,040万円です。同じ市内で2,264万円の差がつきます。
どちらも川西市で、能勢電鉄でつながっています。それでも坪単価は3.2倍。国土交通省が公表している川西市の成約118件を町ごとに並べると、市が2つの層に分かれていることがはっきりします。
先に結論
- 川西市の土地は坪34.7万円(中央値・118件)。市の平均は南部にも山手にも当てはまりません
- 南部の小戸は坪82.6万円、山手の清和台西は26.0万円で3.2倍
- 山手のニュータウン5町は、坪20万円台にきれいに揃っています。値段が読める場所です
- 1区画は57.5坪で総額1,937万円。宝塚市の3,150万円の6割で、面積は宝塚より広い
- 中古マンション79件のうち46件が築21〜30年。1㎡27.8万円で、70㎡なら1,946万円です
南部82.6万円、山手のニュータウン26.0万円。同じ市内で3.2倍
取引が3件以上あった15の町を、坪単価の高い順に並べました。川西市はこの記事で扱った市のなかで町数が最も多く、市内の勾配がいちばん細かく見えます。
川西市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
自分の町の相場を調べる
川西市は南部か山手かで3倍以上変わります。候補地が決まっているなら、住所を入れてその町の実勢で計算してください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上位の火打・小戸・南花屋敷・加茂は、川西能勢口駅と川西池田駅の周辺にある平地です。下位の錦松台・清和台西・向陽台・水明台・緑台は、能勢電鉄の沿線に開かれた山手の住宅地で、町名がすべて「台」で終わります。
比べるときは件数の多い町どうしにします。小戸は7件で坪82.6万円、清和台西は6件で26.0万円。3.2倍です。いちばん上の火打といちばん下の錦松台で計算すると4.0倍になりますが、どちらも取引が3件から4件で、1件の影響が大きい数字です。
40坪に直すと、小戸3,304万円、清和台西1,040万円。土地代だけで2,264万円の差です。
山手のニュータウンは坪20万円台に揃う。値段が読める場所です
山手の5町を並べると、緑台32.1万円、清和台東27.8万円、水明台27.6万円、向陽台27.4万円、清和台西26.0万円。5町すべてが坪20万円台から30万円台前半に収まります。
これは区画が整えられた造成地の特徴です。同じ時期に同じ規模で分譲されているので、値段のばらつきが小さくなります。緑台は5件が坪30.7万円から36.4万円、水明台は6件が22.8万円から33.1万円。町の中でも幅が狭い。
買う側から見ると、相場からいくら離れているかをその場で判断できるということです。売り出し価格が坪40万円と言われたら、山手のニュータウンでは高いと分かります。南部の火打のように坪8.6万円から135.5万円まで開いている町では、同じ判断ができません。
1区画57.5坪で1,937万円。宝塚の6割です
区画の広さと総額でも並べておきます。
| 市 | 土地の坪単価 | 1区画の広さ | 1区画の成約総額 | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 西宮市 | 112.4万円 | 46.9坪 | 3,990万円 | 171件 |
| 伊丹市 | 79.3万円 | 37.8坪 | 3,200万円 | 97件 |
| 宝塚市 | 62.8万円 | 54.5坪 | 3,150万円 | 103件 |
| 尼崎市 | 76.0万円 | 33.3坪 | 2,810万円 | 212件 |
| 川西市 | 34.7万円 | 57.5坪 | 1,937万円 | 118件 |
| 三田市 | 23.5万円 | 69.6坪 | 1,672万円 | 47件 |
川西の57.5坪は宝塚の54.5坪より広く、総額は1,937万円で宝塚の6割です。阪急宝塚線と能勢電鉄でつながっている隣どうしの市で、これだけ違います。
広い区画が安く出るのは山手のニュータウン側です。南部の平地は坪単価が高いぶん、同じ総額なら面積が縮みます。予算2,000万円を土地に当てるなら、南部で24坪か、山手で76坪かという選び方になります。
中古マンションは79件のうち46件が築21〜30年
川西市の他の種別も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 34.7万円/坪 | 118件 |
| 中古戸建て | 116.5万円/坪(延床) | 61件 |
| 新築戸建て | 130.6万円/坪(延床) | 36件 |
| 中古マンション | 28.2万円/㎡ | 79件 |
| 賃貸 | 1,824円/㎡ | 10,160件 |
中古マンション79件を築年数で分けると、築21〜30年が46件で全体の58%です。この帯の成約は1㎡27.8万円なので、70㎡なら1,946万円。築31〜40年まで下げると15.1万円で、70㎡で1,057万円になります。
築21〜30年は1996年から2005年に建った物件です。川西市の山手のニュータウンが育った時期と重なっていて、市場の主力がここにあります。
70㎡で1,946万円という水準は、土地だけで1,937万円かかる区画とほぼ同じ金額です。土地を買って建てる案と、築25年前後のマンションを買って中を作り直す案が、出発点で並びます。工事費を入れて総額で比べる場面です。
工事費が分かると、土地を買って建てる案と総額で比べられます
隣の猪名川町はさらに広くて安い。ただし数字の読み方に注意がいります
川西市の北に接する猪名川町は、同じ能勢電鉄・日生中央からの生活圏です。この町の宅地取引は1区画125.5坪と、川西の2倍以上の広さでした。
ただし猪名川町の数字は、そのまま予算に使えません。取引が16件しかないうえ、坪単価の幅が広く、宅地以外の性格の土地が混じっている可能性があります。町全体の中央値をこの記事では出しません。
比較的まとまっているのは日生ニュータウンの白金で、4件が坪8.3万円から16.2万円でした。中央値は坪8.3万円で、川西の山手のニュータウンのさらに3分の1です。候補に入れるなら、この4件だけを手がかりにして、あとは現地の売り出し価格で確かめてください。
私はこう見ています
川西市の地価公示(住宅地36地点)の中央値は坪25.0万円で、実際の成約価格の中央値は34.7万円。38.8%高い水準です。伊丹市の33.3%より大きく、この連載で見てきたなかでは最大になります。
私はこのずれを、南部と山手が1つの市の数字に混ざっていることの表れだと考えています。公示地点36か所は市域に散っていますが、実際に売れているのは南部の平地に寄ります。安い山手が公示地点として拾われ、高い南部が成約件数として拾われれば、成約側が高く出ます。
これは私の読みで、データが理由まで語ってくれるわけではありません。ただ、川西市を1つの数字で語ると必ずどちらかを外す、という点は町別の表がそのまま示しています。市の中央値である坪34.7万円に当てはまる町は、15町のうち大和東・平野・緑台の3町くらいしかありません。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 南部か山手かを先に決める。 坪単価が3.2倍違うので、この選択で予算の桁が変わります。市の中央値から入ると、どちらの検討にも使えません。
2. 山手を選ぶなら、坪20万円台を基準に持つ。 山手のニュータウン5町は坪26.0万円から32.1万円に収まります。この幅を知っていれば、売り出し価格が妥当かどうかを自分で判断できます。
3. 土地とマンションを同じ土俵に乗せる。 土地1区画1,937万円と、築21〜30年のマンション70㎡の1,946万円はほぼ同額です。建物代と工事費を入れた総額で並べないと、どちらが安いかは決まりません。
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隣の市の同じ数字は宝塚の土地は尼崎より坪17%安いのに1区画では340万円高くつきますと伊丹の土地は公示価格より33%高く成約していますにまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地118件、中古戸建て61件、新築戸建て36件、中古マンション79件
- 猪名川町のみ集計期間が2024年第4四半期から2025年第2四半期で、宅地16件です
- 坪単価・区画の広さ・成約総額は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。3つを掛け算しても一致しません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。件数が少ない町の中央値は1件の影響を受けやすいので、本文では7件と6件の町どうしで比較しています
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定。築年数は2026年を基準に数えています。築41年以上の区分は7件と少ないため本文では扱っていません
- 地価公示:国土交通省の地価公示。川西市内の住宅地36地点の中央値。他市も同じ条件で集計しています


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