三田市で実際に売買された土地は、1区画69.6坪で1,672万円でした。宝塚市は54.5坪で3,150万円です。三田のほうが15坪広くて、値段は53%。
「郊外だから安い」だけなら当たり前の話ですが、三田で起きているのはそれだけではありません。町ごとの値段の差が1.4倍しかなく、地価公示との差も2.2%。国土交通省が公表している三田市の成約47件は、値段が読める街の数字になっています。
先に結論
- 三田市の土地は1区画69.6坪・総額1,672万円(中央値・47件)。区画は比べた9市町でいちばん広い
- 宝塚市は54.5坪で3,150万円。三田は15坪広くて53%の値段です
- 町別の差は1.4倍。あかしあ台36.4万円と友が丘25.1万円で、比べたなかでいちばん小さい
- 地価公示との差は+2.2%。芦屋の+0.6%に次いで公示に近く、目安の数字がそのまま使えます
- 中古マンション59件はすべて築21年以上。1990年代前半までに育った街です
1区画69.6坪。比べた9市町でいちばん広い
同じ期間・同じ集計方法で、1区画の広さを並べました。
宅地1区画の面積(中央値・2024年4Q〜2025年4Q)
自分の候補地の相場を調べる
三田市は取引が47件と少なく、町別に出せたのは4町だけです。候補地が決まっているなら、住所を入れて周辺の実勢から確かめてください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
総額と並べると、広さと値段の関係が逆になっていることが分かります。
| 市 | 土地の坪単価 | 1区画の広さ | 1区画の成約総額 | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 芦屋市 | 119.0万円 | 52.9坪 | 7,140万円 | 35件 |
| 西宮市 | 112.4万円 | 46.9坪 | 3,990万円 | 171件 |
| 伊丹市 | 79.3万円 | 37.8坪 | 3,200万円 | 97件 |
| 宝塚市 | 62.8万円 | 54.5坪 | 3,150万円 | 103件 |
| 尼崎市 | 76.0万円 | 33.3坪 | 2,810万円 | 212件 |
| 川西市 | 34.7万円 | 57.5坪 | 1,937万円 | 118件 |
| 三田市 | 23.5万円 | 69.6坪 | 1,672万円 | 47件 |
尼崎の33.3坪と三田の69.6坪では、家の建て方が変わります。36坪の差は、駐車場2台と庭を取ったうえで、まだ余る広さです。
町別の差は1.4倍。値段が読める街です
三田市で取引が3件以上あったのは4町だけでした。
| 町 | 坪単価(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| あかしあ台 | 36.4万円 | 3件 |
| 三田町 | 33.1万円 | 5件 |
| 天神 | 30.7万円 | 4件 |
| 友が丘 | 25.1万円 | 3件 |
上と下で1.4倍です。西宮市の25.8倍、明石市の4.3倍、加古川市の3.3倍、川西市の3.2倍と比べると、けた違いに小さい。三田では町を変えても予算がほとんど動きません。
これは三田ニュータウンの成り立ちによるものだと考えられます。あかしあ台も友が丘も、同じ時期に同じ規模で計画された住宅地です。区画の大きさも道路の幅も揃っているので、値段が揃います。
もうひとつ、地価公示との差が小さいことも同じ話です。三田市の地価公示(住宅地18地点)の中央値は坪23.0万円、実際の成約は23.5万円で、差は2.2%。伊丹の33.3%、川西の38.8%と比べれば、ほぼ一致しています。三田では公示価格をそのまま予算の目安に使えます。これは他の市では成り立ちませんでした。
中古マンション59件は、すべて築21年以上だった
三田市の他の種別も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 23.5万円/坪 | 47件 |
| 中古戸建て | 97.7万円/坪(延床) | 45件 |
| 新築戸建て | 143.7万円/坪(延床) | 11件 |
| 中古マンション | 18.9万円/㎡ | 59件 |
| 賃貸 | 1,967円/㎡ | 7,710件 |
中古マンションの築年数を見ると、59件のうち築21〜30年が16件、築31〜40年が39件でした。築20年以内の成約はゼロです。三田市で売買されているマンションは、1990年代前半までに建ったものに偏っています。
これは買う側にとって、物件価格のあとに来る費用の話につながります。築31〜40年の成約は1㎡16.5万円で、70㎡なら1,153万円。安く買える一方で、外壁・屋根・給湯・配管といった設備が一巡している時期です。
戸建ても事情は近いはずです。三田市の中古戸建ては坪97.7万円で45件成約していますが、下位25%は79.9万円まで下がります。延床30坪で2,397万円。土地を買って建てる案の1,672万円プラス建築費と比べると、こちらも総額で勝負がつく水準です。
物件価格だけで決めず、外壁と屋根にいくらかかるかを先に押さえてください。築30年前後の家では、この工事費が数百万円の単位で効いてきます。
工事費が分かると、築古を買う案を総額で比べられます
私はこう見ています
三田市の数字で目を引いたのは、安さより「揃っていること」でした。町別1.4倍、地価公示との差2.2%。ここまで動かない市は、この連載で見た9市町のなかで三田だけです。
私はこれを、計画的に作られた街のデータだと考えています。三田ニュータウンは面として整備された住宅地なので、区画も建物も年代が揃い、値段の散らばりが生まれにくい。値段が読めるというのは、買う側にとっては騙されにくいということでもあります。
そのうえで正直に書いておくと、この記事の土地の数字は47件しかありません。町別に出せたのも4町だけです。「差が小さい」という結論自体が、件数の少なさから来ている可能性を私は否定できません。1.4倍という数字は、幅を持って読んでください。
その点、中古マンションの59件がすべて築21年以上だったという事実のほうは、件数もあって動かしにくい数字です。三田で中古を買うなら、これが出発点になります。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 69.6坪を前提に家を設計する。 阪神間の33坪から47坪を想定した間取りをそのまま持ち込むと、土地が余ります。庭・駐車場・平屋まで含めて考えたほうが、この広さは活きます。
2. 公示価格を目安に使ってよい数少ない市です。 三田の実勢は公示の+2.2%。伊丹の+33.3%、川西の+38.8%のようなずれがありません。地価公示のニュースで見た数字が、そのまま計算に使えます。
3. 中古を買うなら工事費を先に出す。 売買されているマンションは全部が築21年以上でした。物件価格に外壁・屋根・設備の費用を足した総額で、土地から建てる案と比べてください。
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同じ集計方法で並べた他の市は加古川なら60.5坪の土地が1,350万円と川西の土地は南部82.6万円、山手のニュータウン26.0万円にまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地47件、中古戸建て45件、新築戸建て11件、中古マンション59件
- 坪単価・区画の広さ・成約総額は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。3つを掛け算しても一致しません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。三田市は宅地47件と少なく、4町しか出せていません。1町あたり3件から5件なので、順位も倍率も幅を持って読んでください
- 新築戸建ては11件のみで、1件の影響が大きい数字です
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定。築年数は2026年を基準に数えています
- 地価公示:国土交通省の地価公示。三田市内の住宅地18地点の中央値。他市も同じ条件で集計しています


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