豊中市で50㎡台から60㎡台の中古マンションを見ているなら、市の相場として出てくる1㎡46.0万円は、そのまま持ち込むと高すぎる数字です。50〜70㎡だけを集めた成約の中央値は1㎡41.5万円で、市全体の中央値より下にあります。
逆に70㎡台から80㎡台を探している人は、46.0万円では足りません。70〜90㎡の中央値は1㎡49.3万円。豊中市でいちばん取引の集まっている帯なのに、市全体の数字より上に出ています。
国土交通省が公表している豊中市の中古マンション成約275件を、専有面積で並べ直しました。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期までです。件数の偏りまで見ると、どの数字を自分の予算に使えばいいかがはっきりします。
先に結論
- 豊中市の中古マンションは1㎡あたり46.0万円(中央値・275件)
- 275件のうち133件が70〜90㎡。この帯は1㎡あたり49.3万円で、市全体の中央値より上です
- 50〜70㎡は108件で41.5万円、90㎡以上は22件で39.3万円。どちらも市全体より下です
- 30㎡未満は100.0万円で帯としては最も高い。ただし11件しかありません
- 築年帯は築21〜30年(1996〜2005年築)が100件で最多、1㎡あたり44.0万円
豊中市の中古マンションを広さ別に並べた1㎡あたりの価格
275件を専有面積で分けたとき、集計表に出てきた帯は4つでした。いちばん下は市全体の中央値で、比べるための参考値として置いています。
豊中市の中古マンション成約価格(1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・275件を専有面積で分けたもの)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
広くなるほど1㎡が下がる、という並びにはなっていません。30㎡未満の100.0万円から50〜70㎡の41.5万円へ大きく落ちて、70〜90㎡でいったん49.3万円まで戻り、90㎡以上でまた39.3万円へ下がります。50〜70㎡の41.5万円より、70〜90㎡の49.3万円のほうが1㎡あたり高くなっています。
件数もあわせて見てください。70〜90㎡が133件、50〜70㎡が108件、90㎡以上が22件、30㎡未満が11件です。11件の帯の中央値は、成約が1件入れ替わるだけで別の数字になります。30㎡未満の100.0万円を予算の根拠には使えません。
30〜50㎡の帯は、この集計表に出ていません。豊中市で30㎡台や40㎡台の部屋を見ている人には、この記事のどの帯も自分の帯ではない、ということです。前後に並ぶのは30㎡未満の100.0万円と50〜70㎡の41.5万円で、開きが大きいので、あいだを取るような読み方もできません。
豊中市の取引は50〜70㎡と70〜90㎡に集まっています
| 面積帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡未満 | 11件 | 100.0万円 |
| 50〜70㎡ | 108件 | 41.5万円 |
| 70〜90㎡ | 133件 | 49.3万円 |
| 90㎡以上 | 22件 | 39.3万円 |
豊中市で売買されている中古マンションは、50〜70㎡と70〜90㎡に寄っています。 133件と108件で、件数が3桁あるのはこの2つだけです。市全体の中央値46.0万円は、その2つの帯のあいだに挟まった位置にあります。
ここが、店頭で聞いた数字をそのまま持ち帰れるかどうかの分かれ目になります。「豊中は1㎡46万円くらいですね」と言われたとき、その46.0万円と重なる帯は4つのなかにありません。70㎡台を見ている人には低く、50㎡台を見ている人には高い数字です。
物件情報サイトで豊中市を3LDKに絞って眺めている人がいるとします。並んでくるのは70㎡台が中心で、その帯の実際は49.3万円です。46.0万円で住宅ローンの事前審査の金額を決めると、候補がそろった段階で予算の枠を作り直すことになります。逆に2LDKで探している人が46.0万円で計算すると、実際の41.5万円より高く見積もったまま話を進めることになります。同じ市の同じ期間の取引で、ずれる向きが逆になります。
90㎡以上の22件と30㎡未満の11件は、3桁ある2つの帯と同じ精度では読めません。数字を信頼して使えるのは、70〜90㎡の133件と50〜70㎡の108件の2つです。
1㎡が安い帯を選んでも、支払う総額は増えます
1㎡あたりの単価は「1㎡いくらか」を示す数字で、請求される金額ではありません。90㎡以上は39.3万円で4つの帯のいちばん下にありますが、それは1枚あたりの値段の話です。買う㎡数そのものが増えるので、総額の話にはなっていません。
住宅ローンの審査に出るのも、毎月引き落とされるのも総額のほうです。1㎡あたりの単価は割高かどうかを見分ける道具であって、支払う金額そのものではありません。
内見の帰り道に「90㎡台のほうが1㎡あたり安かったから得だね」という会話になったら、そこで一度止まってください。豊中市の90㎡以上は確かに39.3万円で、70〜90㎡の49.3万円より下です。ただし比べたのは1㎡の値段だけで、総額でも毎月の支払いでもありません。
1㎡あたりの単価が働くのは、同じくらいの広さの候補が2つ並んだときです。75㎡の部屋どうしなら、49.3万円より上か下かで割高かどうかを判定できます。広さの違う物件を並べるときは、総額と、管理費・修繕積立金を足した毎月の支出で比べてください。予算の枠そのものは年収と家族の人数でわかる家賃・住宅ローンの早見表で先に決めておくと、内見の順番が組みやすくなります。
築年数で分けると築11〜20年と築21〜30年のあいだに段差があります
同じ275件を築年数で分けます。
| 築年帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 築0〜10年 | 24件 | 90.3万円 |
| 築11〜20年 | 69件 | 72.3万円 |
| 築21〜30年 | 100件 | 44.0万円 |
| 築31〜40年 | 41件 | 29.3万円 |
| 築41年以上 | 41件 | 30.7万円 |
築11〜20年の72.3万円から築21〜30年の44.0万円へ、大きな段差が出ています。豊中市で値段が大きく変わるのは、築20年と築21年のあいだです。
件数がいちばん多いのは築21〜30年の100件です。豊中市で実際に売買されている中古マンションの中心はこの帯で、1㎡44.0万円。市全体の中央値46.0万円より少し下にあります。
築年数はこの集計を作った2026年を基準に数えた区分です。 西暦に直すと、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。物件広告に書かれた築年数とこの表の帯がずれることがあるので、気になる部屋は建築年を西暦で確認してください。
築31〜40年が29.3万円、築41年以上が30.7万円。古いほど安いという並びは、ここで止まっています。1982年より前に建ったマンションは、元データの段階で除かれています。築41年以上の41件も、1982年以降に建った建物だけです。それより古い建物を見に行くなら、この表の数字は目安になりません。
私は、この2つの帯が並んでしまうのは除外の効き方だと見ています。築41年以上という区分でも、実際に入っているのは1982年以降に建った建物に限られるので、区分の幅が狭くなり、築31〜40年との差がつきにくくなるからです。
新築マンションは8件で1㎡102.5万円でした。築0〜10年の中古が90.3万円なので、両者は近い位置にあります。ただし8件は1件の成約で中央値が動く件数なので、幅を持って読んでください。
もうひとつ、面積帯と築年帯は、それぞれ独立に中央値を取った集計です。「70〜90㎡で築25年ならいくらか」という数字は、このデータからは出てきません。
買う前に、同じ広さを借りたらいくらかを見ておく
豊中市の賃貸は募集賃料の中央値が1㎡あたり2,046円です。 70,620件から取った数字なので、売買の275件よりはるかに厚みがあります。
買う話を先に進める前に、同じ広さの部屋を借りたらいくらになるかを一度見ておいてください。特に30㎡未満や90㎡以上を検討している人は、11件と22件しかない帯を相手にすることになります。集計期間ぜんぶでその件数という規模は、探し始めてもすぐには候補が並ばない、という意味でもあります。
借りる案の家賃が手元にあると、条件の合わない物件を無理に追いかけずに済みます。内見の帰り道に「今決めないと次がない気がする」と焦る場面でも、待つか決めるかを自分の数字で選べます。
買う案と借りる案を、同じ広さで並べて比べられます
家賃の水準がこの10年でどう動いてきたかは家賃はこの10年でどれだけ上がったのかにまとめています。
豊中市の土地・戸建ての成約価格と、公示価格との差
同じ期間・同じ豊中市の成約価格を、種別ごとに並べました。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 中古マンション | 46.0万円/㎡ | 275件 |
| 新築マンション | 102.5万円/㎡ | 8件 |
| 宅地(土地) | 92.6万円/坪 | 148件 |
| 中古戸建て | 154.7万円/坪(延床) | 146件 |
| 新築戸建て | 177.5万円/坪(延床) | 75件 |
| 賃貸 | 2,046円/㎡ | 70,620件 |
単価の分母は種別ごとに違います。 土地は土地面積(坪)あたり、戸建ては建物の延床面積(坪)あたり、マンションは専有面積(㎡)あたりです。縦に並んでいますが、種別をまたいだ引き算はできません。土地の92.6万円と中古戸建ての154.7万円の差が建物代だ、とは読めないということです。
比べられるのは分母が同じものどうしだけです。中古戸建ての154.7万円と新築戸建ての177.5万円、中古マンションの46.0万円と新築マンションの102.5万円。この2組が比較できる組み合わせになります。
土地は148件で坪92.6万円。坪単価が極端な3件を除いた集計で、除外後でも坪20.2万円から198.3万円まで開いています。1区画の面積の中央値は123㎡、坪に直すと37.2坪でした。この2つを掛け合わせた概算は3444.0万円ですが、面積と坪単価は別々に取った中央値なので、実在する1件の価格ではありません。
町ごとの差も出ています。町別に坪単価を出せたのは成約3件以上の21町でした。件数が5件以上ある町どうしで見ると、上野西が5件で坪102.5万円、庄内幸町が6件で坪57.9万円。上下で1.8倍です。件数を3件まで下げるともっと開きますが、3件の町は成約1件で順位が動くので、この1.8倍のほうを市内の開き方の目安にしてください。
地価公示にも触れておきます。豊中市の住宅地は57地点で坪74.0万円、実際の土地の成約148件は坪92.6万円で、差は+25.0%です。ただし公示は住宅地の標準地を選んで評価した価格、成約は実際に売れた土地の値段で、そもそも数えているものが違います。この差を「値上がりした」とは読まないでください。
土地から探している人にとっては、ここが効いてきます。公示価格は自治体の資料やニュースで目にしやすい数字なので、それを土台に予算の枠を組むと、実際に売買が動いている水準には届きません。豊中市で土地を見るなら、出発点は74.0万円ではなく92.6万円のほうです。
中古戸建ては146件で延床坪154.7万円、下位25%が115.7万円、上位25%が189.8万円です。新築戸建ては75件で延床坪177.5万円、25%から75%は145.1万円から220.9万円でした。
私はこう見ています
事実は、豊中市の中古マンション275件のうち133件が70〜90㎡で、その帯が1㎡49.3万円、108件ある50〜70㎡が41.5万円、市全体の中央値が46.0万円だということです。
私は、豊中市で「市の相場」として出回る46.0万円は、そのままでは誰の予算にも使えない数字だと見ています。件数が3桁ある2つの帯のどちらとも一致せず、両方のあいだに落ちているからです。市全体の中央値が最多の帯とそのまま重なる市もありますが、豊中市はそうなっていません。
そのうえで、70〜90㎡の49.3万円が両隣より高いことには意味があると考えます。取引がいちばん集まっている帯が、単価でも上に出ているからです。買い手の集まる帯は値段が下から支えられる、という読み方をすると、この形は説明がつきます。
買主が誰なのか、なぜ70〜90㎡に取引が寄っているのかは、この成約データからは分かりません。国土交通省が公表しているのは面積・築年・価格までで、買主の属性は入っていないからです。ここで言えるのは、帯によって値段の出方が違うという事実までです。
豊中市でマンションを見に行く前にやる3つのこと
- 自分が住む広さの帯で数字を持つ。50〜70㎡なら41.5万円、70〜90㎡なら49.3万円が出発点です。市全体の46.0万円から入ると、どちらの帯を見ている人もずれます。
- 建築年を西暦で確認する。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。1982年より前の建物はこの集計に入っていません。
- 総額と月々の支出で並べる。1㎡あたりがいちばん安いのは90㎡以上の39.3万円ですが、買う㎡数が増えれば総額は上がります。管理費と修繕積立金まで足した金額で、候補どうしを比べてください。
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豊中市の種別ごとの成約価格は豊中市の不動産相場ページにも一覧でまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション275件、新築マンション8件、宅地148件、中古戸建て146件、新築戸建て75件
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件に限定し、取引総額を専有面積で割った1㎡あたりの価格です。築年数は2026年を基準に数えた区分で、1982年より前の物件はこの集計に入っていません
- 面積帯別と築年帯別は、それぞれ独立に中央値を取った集計です。2つを組み合わせた数字はこの記事にはありません
- 面積帯として集計表に出たのは30㎡未満11件、50〜70㎡108件、70〜90㎡133件、90㎡以上22件の4つです。30〜50㎡の帯は表に出ていません。30㎡未満と90㎡以上は件数が少なく、1件の成約が中央値を動かす規模です
- 宅地148件は、坪単価が極端な3件を除いた集計です。除外後の坪単価は坪20.2万円から198.3万円まで開いています
- 1区画の概算3444.0万円は、坪単価の中央値と面積の中央値を掛け合わせた値です。実在する1件の価格ではありません
- 町別の集計は成約3件以上の町のみで、該当したのは21町でした。本文の1.8倍は、そのうち成約5件以上の町に絞った上野西(5件・坪102.5万円)と庄内幸町(6件・坪57.9万円)の比較です
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うので、そのまま引き算はできません
- 地価公示:国土交通省の地価公示。豊中市内の住宅地57地点の坪単価の中央値で74.0万円。成約148件の中央値92.6万円との差は+25.0%ですが、公示は標準地を選んで評価した価格、成約は実際に売れた土地で母集団が違います。値上がり率ではありません
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(70,620件)


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