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松山市の土地は町によって坪単価が2.8倍ちがいます

松山市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪26.4万円で予算を組むと、竹原では坪38.0万円なので届かず、中須賀では坪13.4万円なので余ります。同じ市内の同じ1坪で2.8倍の開きです。

松山市には2024年10-12月から2025年10-12月までに477件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで62町ぶん並びます。ここまで町が並ぶと、「松山市の相場はいくら」という1つの数字は、どの町の予算づくりにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。候補地がこの並びのどのあたりに立つのかを先に見てください。

先に結論

  • 松山市の土地は1坪26.4万円(中央値・477件)。1区画は180㎡=54.5坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、竹原38.0万円と中須賀13.4万円で2.8倍。市の1つの数字はどの町にも当てはまりません
  • 成約3件の町まで含めると三番町221.5万円と北条9.3万円で23.9倍まで開きます。ただし3件の中央値は1件の取引で動きます
  • 柳原5.0万円と下難波3.6万円は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません
  • 地価公示(住宅地49地点)の中央値は32.0万円/坪。成約の26.4万円との差は-17.4%ですが、母集団が違うので値下がりの話ではありません
  • 建物込みなら中古戸建て89.1万円/坪、新築戸建て99.2万円/坪(どちらも延床坪)。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
目次

松山市の土地は1坪26.4万円。1区画54.5坪で概算1,440万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに松山市で成約した土地の坪単価は、中央値で26.4万円でした。坪単価が極端に外れた13件を除いたうえでの477件です。残った477件の幅は、1坪2.8万円から221.5万円まであります。

1区画の面積の中央値は180㎡、坪にすると54.5坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で1,440万円になります。坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として読んでください。

不動産会社で「松山市の土地はだいたい坪26.4万円ですね」と言われたとします。市全体で見れば外れていない一言です。ただし候補地が竹原にあるのか中須賀にあるのかで、同じ54.5坪でも土地代は2.8倍ちがいます。金額の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると竹原38.0万円と中須賀13.4万円で2.8倍

成約3件以上の町は62あります。62本を1度に並べると読めなくなるので、成約9件以上の9町に、見出しに使った竹原と中須賀を足した11町を抜き出しました。位置をつかむために市全体の中央値も入れています。

竹原38.0万
山越33.1万
南斎院町30.6万
北斎院町27.8万
鷹子町27.1万
南久米町27.1万
市全体の中央値26.4万
東垣生町24.8万
西垣生町21.5万
南吉田町18.3万
堀江町15.9万
中須賀13.4万

松山市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の62町のうち、成約9件以上の9町と、見出しに使った竹原・中須賀を抜き出しました。色の薄い1本は町ではなく市全体の中央値です

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは62町のうち11町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

松山市の土地相場を住所から調べる(無料)

この11町でいちばん高いのは竹原の38.0万円(5件)、いちばん安いのは中須賀の13.4万円(6件)で、2.8倍の差です。どちらも成約が5件以上あるので、1件の取引で中央値が跳ねる町ではありません。

市全体の26.4万円で予算を組むと、竹原では届かず、中須賀では土地に払いすぎます。市の中央値26.4万円とぴったり同じ数字が並ぶ町も1つあります。水泥町(6件)の26.4万円です。ただしその隣には保免上26.1万円(5件)、鷹子町27.1万円(9件)が続いていて、この線の前後に町がびっしり詰まっているだけの話です。

取引件数の多い町どうしでも、上下に分かれます。成約がいちばん多いのは南斎院町の16件で30.6万円、同じく16件の南吉田町は18.3万円。11件ある北斎院町は27.8万円、同じく11件の西垣生町は21.5万円です。成約が二桁ある4町だけを見ても、市の中央値の上と下に散っています。

端どうしなら23.9倍。それでも見出しに2.8倍を使う理由

62町の端どうしを比べると、三番町の221.5万円と北条の9.3万円で23.9倍まで開きます。この差のほうが目を引きますが、この記事が見出しに置いたのは2.8倍のほうです。

理由は成約件数です。三番町も北条も3件しかありません。3件の町の中央値は、1件の取引で簡単に動きます。広い土地が1つ、狭い区画が1つ混ざるだけで、翌四半期には別の数字になります。資金計画の基準にするなら、竹原と中須賀の2.8倍のほうを使ってください。

高い側の町ほど件数が薄い、という形もあります。坪単価が50万円を超えるのは三番町221.5万円、石手56.2万円、岩崎町52.9万円の3町ですが、いずれも成約は3件です。いっぽう西長戸町は8件で36.4万円、居相は8件で36.2万円と、件数と単価の両方がそろっています。松山市の高いほうの相場を知りたいなら、この2町を目印にするほうが確かです。

坪3.6万円の町を「安い住宅地」と読まない

62町のうち、市の中央値26.4万円の4分の1を下回る町が2つあります。柳原の5.0万円(3件)と下難波の3.6万円(5件)です。

この2町の数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪3.6万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

物件情報でこの水準の坪単価を見つけたときは、値段を喜ぶ前に地目と都市計画上の区分を確かめる順番になります。地目と区分は、市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。この記事が「松山市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。

安い側でも、住宅地として読める町は別に並んでいます。北条9.3万円(3件)、中須賀13.4万円(6件)、北条辻14.2万円(6件)、堀江町15.9万円(9件)、三津16.9万円(3件)、南吉田町18.3万円(16件)。このうち成約が5件以上あるのは中須賀・北条辻・堀江町・南吉田町の4町です。

公示価格32.0万円と成約26.4万円。この差は値下がりではありません

松山市の地価公示は住宅地49地点で、坪単価の中央値は32.0万円です。実際に成約した477件の中央値26.4万円との差は-17.4%でした。

この差を「松山市の土地が下がった」と読むことはできません。公示は住宅地として選ばれた標準地を鑑定した価格、成約は実際に売れた土地の値段で、数えている対象が違います。松山市の477件には、形や間口の事情を抱えた土地も、農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

そのうえで、差の向きには使い道があります。松山市は公示のほうが成約より高い側に出ています。私は、候補地の近くに公示の標準地があっても、その坪単価をそのまま予算に置くと実勢より高めの見積もりになりやすいと見ています。公示は出発点、町別の成約価格は着地点、という順で使ってください。

中古戸建て89.1万円と新築戸建て99.2万円。土地の坪単価とは分母が違います

建物まで含めて買う場合の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数 単価の分母
土地 26.4万円/坪 477件 土地面積
中古戸建て 89.1万円/坪 151件 建物の延床面積
新築戸建て 99.2万円/坪 79件 建物の延床面積

表のいちばん右の列を先に見てください。土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値で、割っている相手が違います。この2つを引き算しても、建物代は出てきません。「89.1万円から26.4万円を引いた分が建物ぶん」という読み方は成立しません。並べて比べてよいのは、中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。

その中古と新築を比べると、中古戸建ての25%〜75%は62.9〜101.0万円/坪、新築戸建ては91.6〜108.0万円/坪でした。中古の上位25%の入口である101.0万円は、新築の下位25%の入口である91.6万円を上回っています。2つの価格帯は重なっていて、延床の坪単価だけでは新旧が分かれません。

いっぽう入口どうしは離れています。中古の下位25%は62.9万円、新築の下位25%は91.6万円。同じ延床1坪でも、安いほうから入ったときの水準がここまで違います。私は、この62.9万円の側に、買ってから手を入れる前提の物件が集まっていると見ています。

中古を買って直す道を選ぶと、坪単価の低いほうから入って、直す費用の側を自分で決められます。とくに屋根と外壁は足場を組む工事なので、入居してから別々の時期にやると足場代を二度払うことになります。買う前に工事費を見ておくと、土地から建てる案と総額で並べられます。1社の見積もりだけでは、その金額が高いのか安いのかも判定できません。

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工事費が出てはじめて、中古を買って直す案と土地から建てる案を総額で並べられます

松山市の中古マンションは1㎡22.9万円。築30年を境に落ちます

松山市の中古マンションは122件で、専有面積1㎡あたりの中央値は22.9万円でした。築年帯で分けると、下のように分かれます。

築年帯 件数 中央値
0-10年 13件 46.2万円/㎡
11-20年 19件 33.7万円/㎡
21-30年 30件 27.5万円/㎡
31-40年 54件 13.3万円/㎡
41年以上 6件 9.4万円/㎡

築21〜30年の27.5万円/㎡までは段差がゆるやかですが、築31〜40年だけ13.3万円/㎡まで落ちます。しかも件数がいちばん集まっているのがこの帯の54件です。松山市の中古マンションで数が動いているのは、市全体の中央値22.9万円/㎡を大きく下回る価格帯だということになります。

この築年は2026年を基準にした区切りで、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。41年以上の帯は6件しかないので、傾向として見るだけにしてください。

広さで分けると、70〜90㎡が45件で26.7万円/㎡、50〜70㎡が32件で24.6万円/㎡、30㎡未満が22件で12.0万円/㎡、90㎡以上が15件で20.0万円/㎡、30〜50㎡が8件で32.2万円/㎡でした。件数が最も集まっているのは70〜90㎡の45件です。30〜50㎡は8件しかないので、この帯の32.2万円/㎡を基準にはできません。

新築マンションは4件で53.7万円/㎡でした。4件では相場として読めないので、新築を検討している人はこの数字を基準にしないでください。借りる側の相場は、松山市の79,350件から出した1㎡あたり1,666円です。

私はこう見ています

「松山市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。竹原と中須賀で2.8倍、端どうしなら23.9倍、そして62町のうち2町は住宅地の数字として読めない。477件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値26.4万円は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、竹原では候補が出てこず、中須賀では土地に払いすぎます。

もう1つ、松山市のデータで目を引くのは62町という数の多さです。町が多いということは、候補地のまわりだけを見て「このあたりの相場」を決めた判断が、市全体の中央値からいくらでもずれうるということでもあります。私は、松山市では市の1つの数字を見るより、候補の町とその隣を2つ3つ並べたほうが実態に近いと読んでいます。ここは私の読みなので、持ち帰ってほしいのは62町という数のほうです。

予算を決める前にやる3つのこと

  1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。市の26.4万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した11町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。
  2. 極端に安い町は、値段の理由を先に確かめる。坪5.0万円や3.6万円のような水準は、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。安さの理由が土地の使い道にあるなら、それは予算の話ではありません。
  3. 中古戸建てと新築戸建ては、同じ土俵で比べる。中古89.1万円/坪と新築99.2万円/坪はどちらも延床坪の単価なので並べられます。土地の26.4万円/坪だけは分母が違うので、総額で比べてください。

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市全体をならした数字は松山市の不動産相場にまとめています。候補を2つか3つの町に絞ったら、松山市の学区一覧で町名から通学先も確かめておくと、あとで町を選び直さずに済みます。同じやり方で町別に並べ直した記事は明石市の町別の坪単価にもあります。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地477件、中古戸建て151件、新築戸建て79件、中古マンション122件、新築マンション4件
  • 土地の集計では、坪単価が極端に外れた13件を除いています。除いたあとの幅は1坪2.8万円から221.5万円です
  • 町別の集計は成約3件以上の62町のみ。見出しに使った2.8倍は、成約5件以上ある竹原(5件)と中須賀(6件)で取りました。3件・4件の町の数字は1件の取引に動かされるので、傾向として読んでください
  • 1区画の広さの中央値180㎡(54.5坪)と坪単価の中央値26.4万円は別々に取った値です。掛け合わせた1,440万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 柳原(3件・5.0万円)と下難波(5件・3.6万円)は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあるため、住宅地の相場としては扱っていません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。中古マンション・新築マンションは専有面積1㎡あたりの値です。どちらも土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算はできません
  • マンションの築年帯はデータ作成時点の2026年を基準にした区切りです。1982年より前に建った物件は元データから除外されています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。松山市内の住宅地49地点の坪単価の中央値は32.0万円です。成約価格とは母集団が違うため、成約の中央値との差-17.4%は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:松山市の79,350件から算出した1㎡あたりの中央値1,666円
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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