西宮市で90㎡を超える中古マンションを見ているなら、1㎡あたり42.6万円が出発点です。70〜90㎡の52.9万円、50〜70㎡の52.3万円と比べると下の水準で、同じ市の同じ1年間の成約でも、探している広さによって出発点が変わります。
ただし、これは「広い部屋のほうが安く買える」という話ではありません。買う㎡数そのものが増えるので、1㎡あたりが下がっても支払う総額は上がります。ここを取り違えたまま予算を組むと、内見の段階で計算が合わなくなります。
国土交通省が公表している成約データで、西宮市の中古マンションは2024年第4四半期から2025年第4四半期までに325件。そのうち183件が70〜90㎡でした。市全体の中央値51.4万円が70〜90㎡の52.9万円と近い位置にあるのは、取引の半分以上がこの帯に入っているからです。
先に結論
- 西宮市の中古マンションは1㎡あたり51.4万円(中央値・325件)
- 325件のうち183件が70〜90㎡。この帯は1㎡あたり52.9万円です
- 50〜70㎡は52.3万円で、70〜90㎡とほぼ横並びです
- 90㎡以上は42.6万円(49件)。件数のある3つの帯ではいちばん下です
- 30㎡未満37.3万円と30〜50㎡68.6万円は、10件と7件しかありません
西宮市の中古マンションを広さで分けた1㎡あたりの価格
325件を専有面積で5つに分け、1㎡あたりの成約中央値を並べました。いちばん下は市全体の中央値で、比べるための参考値として置いています。
西宮市の中古マンション成約価格(1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・325件を専有面積で分けたもの)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
広くなるほど順に安くなる、という形にはなっていません。30㎡未満が37.3万円でいちばん下、30〜50㎡が68.6万円で5つの帯のうち最も上にあります。そこから50〜70㎡が52.3万円、70〜90㎡が52.9万円と並び、90㎡以上で42.6万円まで落ちます。50〜70㎡と70〜90㎡はほぼ横並びで、はっきり下がるのは90㎡を超えてからです。
件数の偏りもあわせて見てください。325件の内訳は、70〜90㎡が183件、50〜70㎡が76件、90㎡以上が49件、30㎡未満が10件、30〜50㎡が7件です。30〜50㎡の68.6万円は7件から取った中央値で、1件の成約で動きます。予算の根拠には使えません。30㎡未満の37.3万円も10件です。
数字をそのまま使えるのは、70〜90㎡の183件、50〜70㎡の76件、90㎡以上の49件の3つです。西宮市で家族が住む広さを探しているなら、見るべき帯はこの3つに収まります。
70〜90㎡が183件。西宮市の売買はこの広さに集まっています
| 面積帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡未満 | 10件 | 37.3万円 |
| 30〜50㎡ | 7件 | 68.6万円 |
| 50〜70㎡ | 76件 | 52.3万円 |
| 70〜90㎡ | 183件 | 52.9万円 |
| 90㎡以上 | 49件 | 42.6万円 |
西宮市で成約した中古マンション325件のうち、183件が70〜90㎡です。 半分を超えています。市全体の中央値51.4万円が70〜90㎡の52.9万円と近い位置にあるのは、この帯が全体を引っ張っているからです。
これは使い勝手のいい状態です。不動産会社の店頭で「西宮は1㎡50万円台ですね」と言われたとき、70㎡台や80㎡台を探している人なら、その数字をそのまま持ち帰っても大きくはずれません。
合わなくなるのは別の帯を見ている人です。90㎡台の部屋を見ている人が51.4万円で計算すると、その帯の実際は42.6万円なので高く見積もることになります。30〜50㎡を見ている人は68.6万円なので、逆に低く見積もることになります。同じ市の同じ期間の取引で、ずれる向きが逆になります。
1㎡が安い帯を選んでも、支払う総額は増えます
1㎡あたりの単価は「1㎡いくらか」を示す数字で、請求される金額ではありません。90㎡以上の部屋は70〜90㎡より1㎡が安く出ていますが、それは1枚あたりの値段の話です。1㎡が安い帯を選んでも、支払う総額は増えることがあります。
住宅ローンの審査に出るのも、毎月引き落とされるのも総額のほうです。1㎡あたりの単価は割高かどうかを見分ける道具であって、支払う金額そのものではありません。
内見の帰り道に「90㎡台のほうが1㎡あたり安かったから得だね」という会話になったら、そこで一度止まってください。西宮市の90㎡以上は確かに42.6万円で、70〜90㎡の52.9万円より下です。ただし買う㎡数そのものが増えるので、総額の話にはなっていません。
1㎡あたりの単価が働くのは、同じくらいの広さの候補が2つ並んだときです。85㎡の部屋どうしなら、52.9万円より上か下かで割高かどうかが判定できます。広さの違う物件を並べるときは、総額と、管理費・修繕積立金を足した毎月の支出で比べてください。予算の枠そのものは年収と家族の人数でわかる家賃・住宅ローンの早見表で先に決めておくと、内見の順番が組みやすくなります。
築年帯で見ると1996〜2005年築が167件でいちばん多い
同じ325件を築年数で分けると、並びは素直です。
| 築年帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 築0〜10年 | 28件 | 75.9万円 |
| 築11〜20年 | 65件 | 66.7万円 |
| 築21〜30年 | 167件 | 50.0万円 |
| 築31〜40年 | 47件 | 28.0万円 |
| 築41年以上 | 18件 | 17.1万円 |
新しいほど高く、古いほど安い。件数がいちばん多いのは築21〜30年の167件で、次が築11〜20年の65件、築31〜40年の47件です。西宮市で売りに出ているものは、築20年を超えた建物に寄っています。築0〜10年は28件しかありません。
築年数はこの集計を作った2026年を基準に数えた区分です。 西暦に直すと、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。物件広告に書かれた築年数とこの表の帯がずれることがあるので、気になる部屋は建築年を西暦で確認してください。
もうひとつ、この325件は1982年以降に建った物件だけを集めたものです。1982年より前に建ったマンションは、元データの段階で除かれています。それより古い建物を検討するなら、この表の数字は目安になりません。
新築マンションは2件で1㎡あたり62.4万円でした。ただし2件です。中央値と呼べる規模ではないので、西宮市の新築マンションの相場としては使えません。新築と中古を見比べたいなら、この数字ではなく実際に売り出されている物件の価格を並べてください。
築30年の部屋を見て「ここは水回りを入れ替えたい」と思い始めた時点で、話は物件価格だけでは終わりません。西宮市でいちばん件数の多い築21〜30年は1㎡あたり50.0万円で、築0〜10年の75.9万円より下の水準です。差の分をどこまで工事に回せるかを先に置いておくと、候補を同じ土俵に並べられます。物件を決めてから見積もりを取ると、予算の枠を作り直すことになります。
工事費の見当がつくと、築年の古い候補も同じ土俵で比べられます
西宮市の土地・戸建て・賃貸の成約価格と、公示価格との差
同じ期間・同じ西宮市の成約価格を種別ごとに並べました。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 中古マンション | 51.4万円/㎡ | 325件 |
| 新築マンション | 62.4万円/㎡ | 2件 |
| 宅地(土地) | 122.3万円/坪 | 171件 |
| 中古戸建て | 157.4万円/坪(延床) | 178件 |
| 新築戸建て | 172.9万円/坪(延床) | 92件 |
| 賃貸 | 2,111円/㎡ | 83,150件 |
この表は縦に並んでいますが、種別をまたいだ引き算はできません。 土地は土地面積(坪)あたり、戸建ては建物の延床面積(坪)あたり、マンションは専有面積(㎡)あたりで、割っている分母が違うからです。土地の122.3万円と中古戸建ての157.4万円を引いても、建物の値段は出てきません。比べられるのは中古戸建てと新築戸建ての間、中古マンションと新築マンションの間だけです。
土地は171件で坪122.3万円。坪単価が極端な22件を除いた集計で、除外後でも坪11.6万円から327.3万円まで開いています。1区画の面積の中央値は155㎡(46.9坪)で、坪単価の中央値と掛け合わせた概算は5735.0万円です。ただし2つの中央値は別々に取った値なので、実在する1件の価格ではありません。
町別に坪単価を出せたのは取引3件以上の15町でした。件数が6件ある町どうしで見ると、甲風園が坪180.2万円、上甲東園が坪130.6万円で1.4倍です。件数を3件まで下げると甲子園口の221.5万円と五月ケ丘の64.5万円で3.4倍まで開きますが、どちらも3件なので1件の外れ値で跳ねます。市内の開き方を見るなら1.4倍のほうを使ってください。
15町のうち最も低い数字が出たのは名塩さくら台の坪8.6万円と山口町の坪4.0万円ですが、この2つを「西宮の安い町」として読まないでください。市の中央値の4分の1を下回っていて、市街化調整区域や農地・山林が混ざっている可能性があります。住宅を建てる前提で買える土地の値段ではありません。町ごとの内訳は西宮は高くて無理と外す前に。市内の土地は坪8.6万円の町もありますにまとめています。
地価公示も並べておきます。西宮市の住宅地は99地点で、公示価格の坪単価の中央値は95.5万円。実際に売れた土地171件の中央値は122.3万円で、公示より28.0%高い位置にあります。
土地から探している人にとっては、ここが効いてきます。公示価格は自治体の資料やニュースで目にしやすい数字なので、それを土台に予算の枠を組むと、実際の売買が動いている水準には届きません。西宮市で土地を見るなら、出発点は95.5万円ではなく122.3万円のほうです。
ただし28.0%を「値上がりした」とは読まないでください。公示は住宅地の標準地を選んで評価した価格、成約は実際に売れた宅地171件の値段で、そもそも数えているものが違います。年をまたいだ変化ではなく、同じ時期に別々のものさしで測った2つの数字の開きです。
中古戸建ては178件で延床坪157.4万円、下位25%が129.0万円、上位25%が194.4万円。新築戸建ては92件で延床坪172.9万円、25%から75%は154.0万円から203.9万円でした。件数はどちらもマンションに次いで厚く、戸建てとマンションを並行して見ている人でも、それぞれの中央値を土台にできます。
賃貸は募集賃料の中央値が1㎡あたり2,111円です。83,150件から取った数字で、売買の325件よりはるかに厚みがあります。買う前に、同じ広さを借りたらいくらかを一度見ておくと、待つか決めるかを自分で選べます。
私はこう見ています
事実は、西宮市の中古マンション325件のうち183件が70〜90㎡で、その帯が1㎡あたり52.9万円、隣の50〜70㎡が52.3万円、90㎡以上が42.6万円だということです。
私は、50〜70㎡と70〜90㎡がほぼ同じ1㎡単価で並んでいるのは、この2つの帯が同じ買い手を取り合っているからだと見ています。件数も183件と76件で、市の取引の大半がここに入っています。片方だけが割安のまま残る余地が少ない形です。
一方で90㎡以上の42.6万円は、49件という件数のわりにはっきり下にあります。私は、広い部屋は総額が大きくなって手が届く人が絞られるぶんが、1㎡あたりに出ていると考えます。ただし49件は1年ぶんの成約数です。単価が下だからと90㎡以上に狙いを定めると、候補が並ぶのを待つ時間のほうが長くなります。
買主が誰なのか、なぜ70〜90㎡に取引が寄っているのかは、この成約データからは分かりません。国土交通省が公表しているのは面積・築年・価格までで、買主の属性は入っていないからです。ここで言えるのは、帯によって値段の出方が違うという事実までです。
西宮市でマンションを見に行く前の3つの手順
1. 広さの帯を先に決める。 50〜70㎡は52.3万円、70〜90㎡は52.9万円、90㎡以上は42.6万円です。市全体の51.4万円から入ると、90㎡台を探している人は高く見積もることになります。
2. 建築年を西暦で確認する。 築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。1982年より前の建物はこの集計に入っていないので、古い部屋を見るときは別に相場を調べてください。
3. 総額と月々の支出で並べる。 件数のある3つの帯のうち1㎡あたりが安いのは90㎡以上ですが、買う㎡数が増えれば総額は上がります。管理費と修繕積立金まで足した金額で、候補どうしを比べてください。
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同じ集計方法で隣の市を見た記事は尼崎の中古マンションは築年数で値段が段差になっていますにまとめています。西宮から範囲を広げて探している人はあわせてどうぞ。
西宮市の種別ごとの成約価格は西宮市の不動産相場ページにも一覧でまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション325件、新築マンション2件、宅地171件、中古戸建て178件、新築戸建て92件
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件に限定し、取引総額を専有面積で割った1㎡あたりの価格です。築年数は2026年を基準に数えた区分で、1982年より前の物件はこの集計に入っていません
- 面積帯別と築年帯別は、それぞれ独立に中央値を取った集計です。2つを組み合わせた数字はこの記事にはありません
- 面積帯の内訳は30㎡未満10件、30〜50㎡7件、50〜70㎡76件、70〜90㎡183件、90㎡以上49件。30㎡未満と30〜50㎡は10件と7件で、1件の成約が中央値を動かす規模です
- 新築マンションの62.4万円は2件から取った値です。相場として使える件数ではありません
- 宅地171件は、坪単価が極端な22件を除いた集計です。除外後の坪単価は11.6万円から327.3万円まで開いています
- 1区画の概算5735.0万円は、坪単価の中央値と面積の中央値を掛けた値です。実在する1件の価格ではありません
- 町別に出せたのは取引3件以上の15町です。件数6件どうしの甲風園(坪180.2万円)と上甲東園(坪130.6万円)の1.4倍を、市内の開き方の目安にしています。名塩さくら台(坪8.6万円・11件)と山口町(坪4.0万円・5件)は市の中央値の4分の1を下回り、市街化調整区域や農地・山林が混ざっている可能性があるため、住宅地の相場としては扱っていません
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うので、そのまま引き算はできません
- 地価公示:国土交通省の地価公示。西宮市内の住宅地99地点の坪単価の中央値で95.5万円。成約171件の中央値122.3万円との差は+28.0%ですが、公示は標準地を選んで評価した価格、成約は実際に売れた土地で母集団が違います。値上がり率ではありません
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(83,150件)


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