神戸市中央区で70〜90㎡の中古マンションを探しているなら、区の相場として出てくる1㎡80.0万円という数字はいったん外してください。70〜90㎡だけを集計した成約の中央値は1㎡70.7万円で、区全体の中央値を下回ります。広い部屋を探している人ほど、区の相場を基準にすると高い方へずれます。
差が出るのは取引の中身です。国土交通省が公表している成約データで、中央区の中古マンションは2024年第4四半期から2025年第4四半期までに567件。兵庫県内で最も取引が多い区です。ところが、そのうち257件は30㎡未満でした。
30㎡未満の成約は1㎡86.7万円で、5つの面積帯のなかで最も高い水準です。区全体の中央値80.0万円は、この帯に引き上げられた数字ということになります。中央区のマンションは、面積帯で切り直さないと自分が探している部屋の話になりません。
先に結論
- 中央区の中古マンションは567件で兵庫県内最多。うち257件が30㎡未満です
- 30㎡未満の成約は1㎡86.7万円。5つの面積帯のなかで最も高い
- 70〜90㎡は1㎡70.7万円で、区全体の中央値80.0万円より下です
- 築年帯では築21〜30年(1996〜2005年築)が1㎡65.4万円、築31〜40年(1986〜1995年築)が36.3万円
- 土地の成約は1年で22件だけ。中央区で住まいを探す話は、ほぼマンションの話になります
中央区の中古マンションを面積帯で分けた成約価格
567件を5つの面積帯に分けて、1㎡あたりの成約中央値を並べました。
神戸市中央区の中古マンション成約価格(1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・567件を面積帯で分けたもの)
30㎡未満から50〜70㎡までは、広くなるほど1㎡あたりが下がります。86.7万円、77.8万円、66.7万円。そこから70〜90㎡で70.7万円、90㎡以上で76.7万円と、また上がります。底になるのは50〜70㎡の66.7万円です。
90㎡以上は15件しかありません。1件の成約で中央値が動く件数なので、この帯の76.7万円は目安としてだけ使ってください。件数が3桁あるのは30㎡未満の257件、50〜70㎡の127件、70〜90㎡の101件の3つです。
30㎡未満が257件。中央区の取引の半分近くがこの帯です
| 面積帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡未満 | 257件 | 86.7万円 |
| 30〜50㎡ | 67件 | 77.8万円 |
| 50〜70㎡ | 127件 | 66.7万円 |
| 70〜90㎡ | 101件 | 70.7万円 |
| 90㎡以上 | 15件 | 76.7万円 |
567件のうち257件が30㎡未満です。半分近くが、家族で住む広さとは違う帯で成約しています。しかもこの帯の単価がいちばん高い。567件を1本の中央値にまとめると、この257件の値段が全体の数字に混ざります。
誰がこの257件を買っているのかは、成約データからは分かりません。国土交通省が公表しているのは面積と価格で、用途も買主も入っていないからです。ここで言えるのは、30㎡未満と70〜90㎡が別々の値段で動いている、という事実までです。
中央区で3LDKを探している人が「中央区は1㎡80万円らしい」と聞いて予算を組むと、実際に見る帯より高い基準で計算することになります。逆に30㎡前後の部屋を見ている人が同じ80.0万円を基準にすると、今度は安く見積もることになります。同じ区の同じ期間の取引で、ずれる向きが逆になります。
家族で住む70〜90㎡の相場は1㎡70.7万円です
70〜90㎡は101件で、1㎡70.7万円。区全体の中央値80.0万円より低い水準です。件数が3桁あるので、1件の高額な成約で跳ねる数字ではありません。
隣の帯と並べると、50〜70㎡が127件で66.7万円。70〜90㎡の70.7万円との差は、面積が広がるほど1㎡が上がる向きに出ています。この2つの帯は件数もどちらも3桁で並びます。
90㎡以上は15件で76.7万円。広さの上限を伸ばすと1㎡単価は上がる側へ戻りますが、件数が少ないので、この帯を予算の根拠にはできません。
築年帯で見ると1996〜2005年築が1㎡65.4万円になります
面積帯で切ったあとに、築年帯を見ます。順番を逆にすると、30㎡未満の257件が混ざったままの数字を築年で割ることになるので、話が始まりません。
| 築年帯 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 築0〜10年 | 154件 | 90.0万円 |
| 築11〜20年 | 196件 | 81.8万円 |
| 築21〜30年 | 156件 | 65.4万円 |
| 築31〜40年 | 36件 | 36.3万円 |
| 築41年以上 | 25件 | 28.6万円 |
築年帯は2026年を基準に数えています。西暦に直すと、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。段差が出ているのはこの2つの帯の間で、65.4万円から36.3万円へ落ちます。1995年築と1996年築のあいだに線が引かれている形です。
もう1つ、この集計には1982年より前に建った物件が入っていません。新耐震基準より前の物件が元データから除かれているためで、築41年以上の25件も1982年以降に建った物件だけです。古い物件を含めた「中央区のすべてのマンション」の数字ではない、ということです。
件数の分布も見ておきます。築11〜20年が196件、築21〜30年が156件、築0〜10年が154件。3つの帯に固まっていて、築31〜40年は36件、築41年以上は25件です。
中央区で70㎡台を予算に収めるときの組み方
事実として、70〜90㎡は1㎡70.7万円、築0〜10年は90.0万円、築21〜30年(1996〜2005年築)は65.4万円です。面積帯と築年帯は別々の集計なので、「70〜90㎡で築0〜10年」の数字はこのデータにはありません。
そのうえで私は、この区で広さを優先すると候補が築年数の古い方へ寄っていくと見ています。70〜90㎡の70.7万円という中央値が、築0〜10年の90.0万円より低い位置にあるからです。新しさと広さの両方を同じ予算に載せると、数字の上では届きにくくなります。
広さを取るなら、内装をやり直す費用まで含めて総額を組むことになります。物件を決めてから工事の見積もりを取ると、予算の枠を作り直すことになります。候補を絞る前に工事側の金額を並べておく方が、順番として楽です。
工事費の見当がつくと、築年の古い候補も同じ土俵で比べられます
中央区の土地の取引は1年で22件しかありません
中央区の宅地(土地)の成約は22件です。中古マンションの567件と並べると、探しても出てこない区だという言い方になります。中央区で住まいを探す話がほぼマンションの話になるのは、このためです。
22件の坪単価の中央値は150.4万円。ただし坪62.8万円から991.7万円まで幅があり、1件で中央値が動く件数です。取引が3件以上あった町は熊内町の1町だけで、4件で坪109.1万円でした。
1区画の面積の中央値は128㎡(38.7坪)です。坪単価の中央値と掛け合わせた概算は5,824万円になりますが、2つの中央値は別々に取った値なので、実在する1件の価格ではありません。
中央区の地価公示は住宅地21地点で、坪単価の中央値は136.2万円。実際の成約22件の150.4万円は、これより10.4%高い位置にあります。ただし公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で、母集団が違います。この差を「値上がりした」「値下がりした」とは読めません。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 中古マンション | 80.0万円/㎡ | 567件 |
| 新築マンション | 100.7万円/㎡ | 8件 |
| 宅地(土地) | 150.4万円/坪 | 22件 |
| 中古戸建て | 145.0万円/坪 | 22件 |
| 新築戸建て | 173.0万円/坪 | 8件 |
| 賃貸 | 2,548円/㎡ | 51,750件 |
単価の分母は種別ごとに違います。土地は土地面積(坪)あたり、戸建ては建物の延床面積(坪)あたり、マンションは専有面積(㎡)あたりです。縦に並んでいますが、種別をまたいだ引き算はできません。
新築マンションは8件、新築戸建ても8件で、どちらも1件で中央値が動きます。中古戸建ては22件で坪145.0万円、25%から75%の幅は104.6万円から174.6万円でした。
私はこう見ています
事実は、中央区の中古マンションの中央値が1㎡80.0万円で、面積帯に分けると30㎡未満が86.7万円、70〜90㎡が70.7万円だということです。
私は、この区の相場を1つの数字で語ると、住む部屋を探している人には合わないと考えています。567件のうち257件が30㎡未満で、その帯がいちばん高い単価で動いているからです。区の中央値は「中央区の部屋の値段」ではなく、性格の違う取引を1本にまとめた数字だと見ています。
誰が30㎡未満を買っているのかは、繰り返しになりますがこのデータからは分かりません。ここで言えるのは、面積帯を決めてから数字を見ないと、同じ区の中でずれた基準を持つことになる、という点までです。
中央区でマンションを見るときの3つの手順
1. 面積帯を先に決める。 30㎡未満は86.7万円、50〜70㎡は66.7万円、70〜90㎡は70.7万円です。どの帯を見るかで基準が変わるので、区の中央値80.0万円から入らないようにします。
2. そのあとで築年帯を見る。 築11〜20年が196件、築21〜30年が156件、築0〜10年が154件。中央区の在庫はこの3つの帯に固まっています。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件で、1㎡65.4万円です。
3. 広さを優先するなら工事費を先に置く。 70〜90㎡の70.7万円は築0〜10年の90.0万円より下の水準です。内装をやり直す前提なら、物件価格と工事費を足した総額で並べ直します。
このサイトのページです。登録も入力も要りません
神戸市全体で家がいくらで売れているかは神戸市の中古戸建ては実際いくらで売れたかに、町ごとの土地の値段の開き方は西宮は高くて無理と外す前ににまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション567件、新築マンション8件、宅地22件、中古戸建て22件、新築戸建て8件
- 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定しています。築年数は2026年を基準に数えた区分です
- 面積帯別と築年帯別は、それぞれ独立に中央値を取った集計です。2つを組み合わせた数字はこの記事にはありません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。中央区で該当したのは熊内町(4件)の1町だけです
- 1区画の総額5,824万円は、坪単価の中央値と面積の中央値を掛けた概算です。実在する1件の価格ではありません
- 地価公示:国土交通省の地価公示。中央区内の住宅地21地点の中央値
- 賃貸:募集賃料をもとにした1㎡あたりの中央値で、集計母数は51,750件です


コメント