熊本県玉名市(たまなし)で、2025年8月の大雨について議員の質問に市が答えた3地区の住家の浸水は、六田(ろくた)が床上浸水35件・床下浸水26件でした。同じ答弁で、松木(まつき)は床上12件・床下15件、岱明町大野下(たいめいまちおおのしも)は床上8件・床下3件です(2025年11月末時点)。
国の「道路冠水注意箇所」に、玉名市は5か所が載っています。そのうち1つが、玉名駅の東で線路の下をくぐる市道松木六田線(まつきろくたせん)の「松木JRガード下」です。この市道では2023年7月、遮断機が正常に作動せず、車が冠水した道路に入る事故がありました(市の報告)。
この記事でわかること
- ✓ 雨の日の県道・国道の通行止めとカメラは、県と国のページで見られます。道路冠水の通行止めは数時間で解けることもあり、リアルタイムで伝えるのは課題だと市は答えています(2026年6月の議会)
- ✓ 市の内水(雨水出水)の想定図の対象地区に、六田は入っていません
- ✓ 境川の東側の市道「春出築山小学校線」は「境川の氾濫により冠水することがあります」と市は書いています
雨の日に「今どこが通れないか」を見るところ
- 県が管理する道路の通行止め:熊本県の「防災情報くまもと」の交通規制(県の「道路情報・道路情報カメラ」から)
- 国道3号・57号・208号の様子:熊本河川国道事務所のライブカメラ
- 国やNEXCO(ネクスコ)の道路も入った通行止め:日本道路交通情報センター
- 境川の様子:熊本県の河川カメラと水位の情報(市の「出水期には河川の氾濫で市道が冠水する恐れがあります」のページから)
- 洪水や土砂災害の情報とライブカメラを3Dの地図で:スマート防災ポータル(2025年9月から実証実験)
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
国の一覧は5か所、国道(一覧の表記)1つと市道4つ
国土交通省 九州地方整備局の「道路冠水注意箇所」は、熊本県で156か所です(当サイトで数えた)。一覧に載っていない道が冠水しないわけではありません。
A は、一覧の表記で「国道208号」の玉名市中地区です。説明表の備考は「冠水履歴:平成18年6月」で、写真には信号のある道が一面に水をかぶった様子が写っています。位置図の印は玉名駅の北西、境川の西側です。道路地図(OpenStreetMap〈オープンストリートマップ〉)では、この道は今は県道で、旧国道208号と記録されています。市長は2025年9月の議会で、商工業の被害が特に大きかった所に「境川右岸の旧国道208号線沿いの地域」を挙げました。
B は市道松木六田線の「松木JRガード下」。C は菊池川の玉杵名(たまきな)大橋の西のたもとで、盛り土の下をくぐる道です。D の溝上(みぞのうえ)と E の天水町(てんすいまち)竹崎(たけざき)は、田んぼの中の市道です。

地図の記号と同じ順です
A 玉名市中地区
国道 国道208号(国の一覧の表記)
玉名市中(説明表の住所。番地の記載なし)
管理: 熊本河川国道事務所 山鹿維持出張所(国の一覧の記載) / 警察: 玉名警察署 / 消防: 玉名消防署
※ ピンは説明表の位置図の印の東寄りで、住所の「中」に入る所に当サイトが置いた点です(印の中心はもう少し西)
B 松木JRガード下
市道 松木六田線
玉名市亀甲30-13(説明表の住所)
管理: 玉名市役所 / 警察: 玉名警察署 / 消防: 有明広域行政事務組合消防本部
※ ピンは道路地図(OpenStreetMap)で、JR鹿児島本線の下を南北に通る道と線路が交わる所に当サイトが置いた点。説明表の番地の位置は確かめていません
C 玉杵名大橋右岸アンダー
市道
玉名市青木15-1(説明表の住所)
管理: 玉名市役所 / 警察: 玉名警察署 / 消防: 有明広域行政事務組合消防本部
※ ピンは道路地図の玉杵名大橋の西の端に当サイトが置いた点。説明表の写真は、盛り土の下をくぐる小さな通り道です
D 溝上地区
市道 溝上6号線
玉名市溝上612地先(説明表の住所)
管理: 玉名市 / 警察: 玉名警察署 / 消防: 有明広域行政事務組合消防本部
※ ピンは説明表の位置図を国土地理院の地図と照らし、小川沿いの道に当サイトが置いた目安です
E 竹崎地区
市道 竹崎1号線
玉名市天水町竹崎174-2地先(説明表の住所)
管理: 玉名市 / 警察: 玉名警察署 / 消防: 有明広域行政事務組合消防本部
※ ピンは説明表の位置図を国土地理院の地図と照らし、交差点の手前に当サイトが置いた目安です
市道松木六田線のアンダーパス、路面に「大雨時冠水注意」
市は、市道松木六田線のアンダーパス(JRの架道橋と市道が交差する地点)について「大雨時には冠水する可能性がある」と書いています。路面には「↑大雨時冠水注意」(オレンジ色)と「↑通行止め水位」(赤色)の文字を塗っていて、赤い文字は「冠水していた場合は通行不可」という意味です(市のページ、2026年5月1日更新)。
2024年1月の市議会で、市は2023年7月2日午後11時ごろの事故を報告しました。市道松木六田線で、遮断機が正常に作動しなかったため乗用車が冠水した道路に入り、車は全損、運転していた人がけがをしました。市は損害の80%にあたる16万9,264円を払うとしています(道路賠償責任保険から全額給付)。
読者
遮断機が閉まっていなければ、通っても大丈夫ですか?
2023年の市道松木六田線の事故は、遮断機が正常に作動しなかった例です。市は、少しでも危険を感じたら車で通らず別の道を選ぶよう呼びかけています。水が10センチほどで運転が危なくなり、20センチを超えるとエンジンが止まるおそれが非常に高い、とも答えています(2025年12月)。
2025年8月、六田と松木で床上浸水
2025年8月の大雨について、市長は「市内各所で同時多発的に内水氾濫及び外水氾濫が発生」したと説明し、被害が特に深刻だった所に境川の沿線と「松木アンダーパス周辺」を挙げました(ほかに天水町の1地区。2025年9月の議会)。
市全体の住家被害の報告は、2025年11月末時点で470件(床上浸水203件・床下浸水237件・その他30件)。車の被害の報告は327台で、市外の人が玉名市で遭った分も入っています。
道路冠水や土砂崩れなどで、市は全面・片側を合わせて57か所の通行止めをしました(2026年6月の答弁)。市役所の周りも広い範囲が冠水しました(2026年3月の答弁)。

松木の周りについて市は、雨水を処理する市浄化センターが5基の雨水ポンプ(1時間に3万5,700立方メートル)を最大の能力で動かしても、想定を超える雨が短時間に流れ込んだことが要因の一つ(2025年12月)、主な原因(2026年3月)だと答えています。六田の原因は、答弁では説明されていません。六田の一部では以前から道路が冠水していた、と議員は述べています(2025年12月の議会。市の答弁ではありません)。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
境川があふれると冠水することがある市道
市は、境川の東側の市道「春出築山小学校線」は出水期に境川の氾濫で冠水することがあるとし、「この先大雨時冠水」の看板を置く予定だと書いています(2026年5月1日更新)。市道は、災害のおそれがあるときに前もって全面通行止めにすることもある、とも書いています。
2018年9月の議会で市は、集中豪雨で境川の一部が護岸を越えてあふれ、隣の市道春出築山小学校線などが冠水し、随時交通規制をしていると答えました。2025年8月も、境川の越水で流域の住宅や店舗に大きな被害が出たと説明しています。これは川からあふれた水で、雨水が排水しきれない内水とは別です。
市の地域防災計画の資料編は、県が管理する境川の重要水防箇所として、滑石(なめいし)から六田までの左岸2,150メートルを「堤防高不足」に挙げています。熊本県は、境川の県管理区間の一部で、土砂のしゅんせつや堤防への土のう、河川監視カメラの設置などをしています(2026年6月の市の答弁)。この区間の堤防と2025年8月の六田の浸水との関係を説明した市の資料は見つかっていません。
2025年8月10日、アメダス岱明で1時間108ミリ
気象庁のアメダス岱明では、2025年8月10日の1時間の最大が108.0ミリで、1976年からの観測で1位でした。この日の雨は306.0ミリ、11日は150.5ミリで、2日で456.5ミリ。8月の平年値180.7ミリ(1991〜2020年)の約2.5倍です(合計と倍率は当サイトの計算)。
読者
1時間108ミリは、玉名市のどこでも降ったんですか?
いいえ。岱明の観測所1か所の値です。六田や松木で何ミリ降ったかは、この値からは分かりません。

家と通る道を調べるときは、内水と洪水の地図を分けて見る
市の「雨水出水浸水想定区域図」は、想定最大規模の1時間153ミリの雨で、水路や雨水管からあふれる内水を試算した図です(水防法第14条の2にもとづく。市のページは2026年3月31日更新)。対象は雨水管と合流管がある区域で、市は対象地区を松木・繁根木(はねぎ)・高瀬・永徳寺(えいとくじ)・亀甲(かめのこう)・春出の一部と書いています。六田は対象地区に入っておらず、この図から六田の内水は分かりません。市は対象を順次広げるとし、「ハザードマップではありません」とも断っています。
図では、JR玉名駅の南側に色の付いた所が多く、線路の下をくぐる道の部分は周りより濃い色でした(当サイトが図から読み取った)。
川の洪水や高潮、土砂災害は「玉名市総合防災ハザードマップ」(2024年5月更新)で見ます。市は、色が付いていない所でも、小さな川や水路、内水で災害が起こる可能性があると書いています。
\川の洪水で色が付く場所かを、住所から見る/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
このツールでは、道路の冠水と市の内水の想定は出ません。ツールが重ねる国土地理院の洪水の地図に、境川の県の想定区域が入っているかは確かめられていません。
熊本県のほかの市の冠水の記事
公式出典
- 国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所」熊本県(一覧と説明表 熊本県-02-061・062・063・064・065。2026年9月26日取得)
- 玉名市公式ホームページ(トップページ。市のサイトはリンク先をトップページにするよう求めているため、ページ名を書きます):「大雨時におけるアンダーパスの車両通行は、ご注意ください」(2026年5月1日更新)/「出水期には河川の氾濫で市道が冠水する恐れがあります」(2026年5月1日更新)/「玉名市雨水出水浸水想定区域図」(2026年3月31日更新)/「玉名市総合防災ハザードマップ及び指定避難所の場所について」(令和6年5月更新)/「令和8年度玉名市地域防災(水防)計画書」(令和8年5月改訂・資料編の資料32「市における重要水防箇所」)/「進化した3D防災マップで命を守る!「スマート防災ポータル」」(2026年7月1日更新)
- 玉名市議会 会議録検索システム:平成30年第4回定例会(2018年9月12日)/令和6年第1回臨時会(2024年1月22日)/令和7年第5回定例会(2025年9月1日)/令和7年第8回定例会(12月10日・11日)/令和8年第1回定例会(2026年3月6日)/令和8年第2回定例会(6月17日)
- 熊本県「道路情報・道路情報カメラ」
- 気象庁「過去の気象データ」岱明:観測史上1〜10位の値/2025年8月の日ごとの値/2025年8月10日の時ごとの値/平年値/気象庁「地域気象観測所一覧」(観測所の所在地)
- デジタル庁 アドレス・ベース・レジストリ(町の代表点と読み)/OpenStreetMap(A・B・Cの道路・線路・橋の位置。© OpenStreetMap contributors)
- 国土地理院 地理院タイル(地図)・逆ジオコーダ(町名の確認)
この記事の数値は公表資料を集計したものです。冠水や通行止めは雨のたびに変わります。避難や通行の判断は、必ず玉名市と熊本県、国の最新の発表を確認してください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント