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久留米市 冠水 どこが危ないの? 国のリスト9か所は、全部が線路か道路をくぐる道でした

国が「ここは道路が冠水しやすい」と名前を出している場所は、福岡県内に148か所あります。そのうち久留米市は9か所。福岡市45か所、北九州市26か所に続いて県内3番目です。

この9か所を1つずつ開いてみると、はっきりした共通点がありました。9か所とも、名前に「地下道」「ガード下」「高架下」のどれかが入っています。久留米市で国が名前を出しているのは、全部が線路か道路をくぐる道です。

この記事でわかること

  •  久留米市の9か所は「地下道3・ガード下3・高架下3」できれいに分かれる
  •  久留米市が管理する5か所には、全部に水位センサーが入っている。県が管理する4か所には備考の記載がない
  •  9か所の参考標高は6.6〜14.7メートル。低い土地に集まっているわけではない
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箇所数は国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【福岡県】」を1行ずつ数えたものです。住所・管理者・備考は、リストの⑦列に付いている個別箇所説明表のPDFから1件ずつ読み取りました。標高は住所を国土地理院の標高データで引いた参考値で、冠水地点そのものの標高ではありません。
目次

国のリストに載っている久留米市の9か所

国の道路冠水注意箇所リストに載っている久留米市の9か所と、その住所の参考標高
9か所とも名前に「地下道」「ガード下」「高架下」が入っています(国土地理院 標高API)
名称 道路 住所 管理者 参考標高
高速道路入口地下道 主要地方道久留米筑後線 御井旗崎1丁目 久留米県土整備事務所 14.7m
白山地下道 国道264号 白山町 久留米県土整備事務所 7.0m
梅林寺地下道 市道A1号線 城南町 久留米市 9.6m
大善寺南1丁目西鉄ガード下 市道C453号線 大善寺南1丁目 久留米市 7.5m
津福本町JRガード下 市道C51-1号線 津福本町 久留米市 11.7m
大善寺町宮本西鉄ガード下 市道C444号線 大善寺町宮本 久留米市 6.6m
津福本町JR松崎高架下 市道C176号線 津福本町 久留米市 11.7m
平島高架下 主要地方道久留米柳川線 津福本町 久留米県土整備事務所 11.7m
西牟田高架下 主要地方道三潴上陽線 三潴町西牟田 久留米県土整備事務所 7.5m

並べると、9か所が3つずつに分かれます。地下道が3か所、ガード下が3か所、高架下が3か所です。

ガード下と高架下に出てくるのは、西鉄天神大牟田線とJR鹿児島本線。地下道の3つも、久留米インターの入口、国道264号、市道A1号線と、どれも上を何かが通っています。

読者

9か所しかないなら、久留米はあまり浸からない街ということですか

おかあさん

逆です。このリストは「くぐる道の名簿」に近いもので、くぐる道が少なければ数も少なくなります。久留米市が平成30年と令和元年に浸水対策を始めたのは、この9か所ではなく、金丸川・池町川や下弓削川・江川といった川のまわりの市街地です

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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9か所のうち5か所には、水位を測る機械が入っている

久留米市の9か所の管理者と、個別箇所説明表の備考に書かれている設備
市が管理する5か所には5か所とも水位センサー。県管理の4か所は備考が空欄です

個別の説明表を開くと、備考の欄に設備が書いてあります。ここが、この9か所のいちばん大きな分かれ目でした。

名称 管理者 備考に書かれている設備
梅林寺地下道 久留米市 排水ポンプ・水位センサー有
大善寺南1丁目西鉄ガード下 久留米市 排水ポンプ・情報版・水位センサー有
津福本町JRガード下 久留米市 排水ポンプ・情報版・水位センサー有
大善寺町宮本西鉄ガード下 久留米市 水位センサー有
津福本町JR松崎高架下 久留米市 排水ポンプ・水位センサー有
高速道路入口地下道 久留米県土整備事務所 記載なし
白山地下道 久留米県土整備事務所 記載なし
平島高架下 久留米県土整備事務所 記載なし
西牟田高架下 久留米県土整備事務所 記載なし

久留米市が管理する5か所には、5か所とも水位センサーが入っています。うち4か所には排水ポンプもあり、2か所には表示板もあります。

いっぽう、久留米県土整備事務所が管理する4か所は、備考の欄が空いています。国道264号の白山地下道も、久留米インターの入口の地下道も、平島と西牟田の高架下もそうです。

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備考が空欄なのは「設備がない」と書いてあるという意味ではありません。この説明表に書かれていない、という意味です。ただ、市が管理する5か所には5か所とも設備が書かれているので、書き方の差ではなく実際の差である可能性が高いと考えています。

設備の名前は、久留米市のPDFでは「情報」と書かれています。表ではその表記のまま引きました。

幅の広い道路をまたぐ鉄道の橋と、その下をくぐる車線
幅の広い道路をまたぐ鉄道の橋と、その下をくぐる車線(写真: Pexels)

標高を引くと、「低いから」ではないことが分かる

9か所の住所を国土地理院の標高データで引くと、いちばん低い大善寺町宮本で6.6メートル、いちばん高い御井旗崎で14.7メートルでした。

幅は8.1メートル。参考に、リストに載っていない中央町(8.4メートル)、六ツ門町(11.0メートル)、東町(11.6メートル)も引いてみましたが、9か所はこの街なかの高さとほとんど変わりません。低い土地だからリストに載った、という説明は久留米では成り立ちません。

同じ手順で調べたほかの市と比べると、その意味がはっきりします。静岡県磐田市は12か所だけで2.6メートルから81.0メートルまで散らばり、埼玉県越谷市は市内どこも2.4〜5.9メートルでした。久留米の9か所に共通しているのは高さではなく、「上に何かが通っていて、掘り下げてある」という形のほうです。

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標高は住所検索で得た代表点の値です。同じ町名のなかでも場所によって上下します。津福本町の3か所は同じ町名なので同じ値になっています。⚠️ 国土地理院の住所検索は、入力した地名が見つからないと近い別の場所を黙って返すことがあります。ここでは返ってきた住所が入力と一致したものだけを使っています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。



では、実際に浸かってきたのはどこか

久留米市が浸水対策のページで名前を挙げているのは、この9か所ではありません。

市は「平成30年7月豪雨、令和元年7月大雨による浸水被害を軽減するため」として、3つの区域で対策を進めていると書いています。

  • 金丸川・池町川
  • 下弓削川・江川
  • 筒川流域

このうち金丸川・池町川の総合内水対策計画は令和2年4月1日に策定され、国・県・市が連携してハード対策とソフト対策を一緒に進める形になっています。

つまり、久留米で問題になってきたのは、川からあふれる水よりも、降った雨が川に流れ込めずに市街地にたまる「内水」のほうです。くぐる道の9か所とは、別の話として動いています。

\自分の家がどの色の区域に入っているか/

久留米市のWeb(ウェブ)版ハザードマップを開く ›

洪水・内水・土砂・ため池などをまとめて確認できます

\紙で手元に置いておきたいとき/

紙面版ハザードマップのPDFを見る ›

印刷して冷蔵庫に貼っておける形です

交通量のある道路の上を横切る列車を、真上から見たところ
交通量のある道路の上を横切る列車を、真上から見たところ(写真: Pexels)

くぐる道が危ないのは、水面が平らに見えるから

線路や道路の下をくぐる道に水がたまる仕組みの断面図
たまった水は上から見ると平らです。手前が浅くても、いちばん深いところは分かりません

地下道もガード下も高架下も、まわりより掘り下げてあります。まわりに降った雨が、その一点に落ちてくる形です。

そして、たまった水は上から見ると平らです。手前が5センチでも、いちばん深いところが1メートル以上ということが起こります。入ってみるまで深さが分からない、というのがこの形の道のいちばんの怖さです。

だから、久留米市は5か所に水位センサーを入れ、4か所に排水ポンプを付けています。逆に言えば、機械が付いている場所ほど「実際にたまってきた場所」だということでもあります。

この住所は浸水しやすい場所ですか

久留米市のハザードマップは、洪水・内水・土砂と種類が分かれています。自分の住所がどう指定されているかを1枚ずつ確かめるのは、けっこうな手間です。

住所を入れるだけで、洪水・内水・土砂・地震の指定をまとめて確認できるページを用意しています。

\住所を入れるだけ 5秒で出ます/

災害リスク診断で自分の住所を調べる ›

登録不要・無料。ハザードマップの指定と地盤の強さが出ます

もし車で水に入ってしまったら

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。

割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。ヘッドレストも、小銭を入れた袋も、車のキーも、JAFの試験では全部割れませんでした。

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水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

くわしい実験の中身は、こちらにまとめています。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。市によって答えの形がまったく違うのが、この調べ方のおもしろいところです。

この記事のまとめ

  • 国の道路冠水注意箇所で、福岡県は148か所。久留米市は9か所で県内3番目
  • 9か所は「地下道3・ガード下3・高架下3」に分かれ、全部が線路か道路をくぐる道
  • 久留米市が管理する5か所には、5か所とも水位センサーが入っている
  • うち4か所には排水ポンプ、2か所には表示板もある
  • 久留米県土整備事務所が管理する4か所は、説明表の備考が空欄
  • 9か所の参考標高は6.6〜14.7メートルで、街なかの高さと変わらない
  • 市が浸水対策を進めているのは、この9か所ではなく金丸川・池町川、下弓削川・江川、筒川流域
  • 金丸川・池町川の総合内水対策計画は令和2年4月1日策定

公式出典

  • 国土交通省 九州地方整備局「道路冠水注意箇所リスト【福岡県】」(道路防災情報Webマップ)
  • 同 個別箇所説明表 福岡県-02-137〜145(住所・管理者・警察署・消防署・備考)
  • 久留米市「久留米市が取り組んでいる浸水対策(平成30年7月豪雨・令和元年7月大雨関連)」
  • 久留米市「金丸川・池町川総合内水対策計画」(令和2年4月1日策定)
  • 国土地理院 住所検索API・標高API
  • JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」

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    この記事を書いた人

    ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
    その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
    契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
    実務全般に携わってきました。

    特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
    反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
    自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

    現在は子育てのため一線を退いていますが、
    これまでの実務経験を活かし、
    フリーランスとして不動産会社様向けの
    バックオフィスサポート業務を開始しました。

    現場目線を大切にしながら、
    「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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