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堺市 冠水 どこが危ないの?

国が道路冠水注意箇所として名前を出しているのは、大阪府内に181か所。そのうち堺市は18か所で、大阪市の65か所に次いで2番目に多い市です。

この18か所を並べると、名前に「アンダーパス」と入っているものが1つもありませんでした。11が「地下道」、4が「地下歩道」、2が「高架下」です。

逆に大阪市の65か所を見ると、46が「アンダーパス」で、「地下道」と呼ばれている場所は1つもありません。同じ府内で、呼び名がきれいに分かれています。

この記事でわかること

  •  国の一覧に載っている堺市の箇所は18か所。大阪市65に次いで府内2位
  •  18か所とも「地下道」「地下歩道」「高架下」で、アンダーパスと呼ばれる場所はゼロ
  •  大阪府が公表しているアンダーパス冠水想定箇所25か所に、堺市は1か所も入っていない
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箇所数は国土交通省 近畿地方整備局の道路防災情報Web(ウェブ)マップ「冠水想定箇所(大阪府)」181件を1行ずつ数えたものです。堺市の18か所は説明表がすべて開けたので、住所・管理者・設備はそこから取りました。
目次

国の一覧に名前があるのは18か所です

通称 種別 標高
堺区 向陵地下道 国道310号 18.0m
堺区 JR阪和線高架下 府道 8.8m
堺区 堺東地下道 市道 3.0m
北区 金岡地下道 府道 20.5m
北区 南海高野線高架下 市道
北区 中百舌鳥地下道 府道 23.4m
北区 中百舌鳥地下道 市道 26.6m
北区 中百舌鳥地下歩道 府道 23.4m
北区 東雲地下道 市道
西区 鳳地下道 府道 10.3m
西区 鳳地下道(歩) 市道 17.2m
西区 鳳地下歩道 府道 7.5m
西区 野代地下道 市道 16.0m
西区 野代地下歩道 府道 16.0m
西区 津久野駅地下道 市道 9.8m
西区 上野芝地下歩道 府道 18.8m
西区 (名称の記載なし) 市道 7.2m
中区 小阪地下道 市道 31.0m
堺市の道路冠水注意箇所18か所を区別に数えた内訳
西区8・北区6。南区・東区・美原区には1か所もありません

区でまとめると西区8、北区6、堺区3、中区1。南区・東区・美原区には1か所もありません。種別は市道9、府道8、国道1で、府道8か所のうち4か所は「大阪高石線」という同じ1本の道です。

名前がかぶっているところもあります。「鳳」が3つ、「中百舌鳥」が3つ、「野代」が2つ。同じ「中百舌鳥地下道」という名前が2つあって、片方は府道、片方は市道の別の場所です。野代の2つに至っては、住所が「鳳西町1丁88番地先」でまったく同じでした。

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野代地下歩道だけ、一覧では「府道」、箇所ごとの説明表では「市道」と食い違っています。ここでは一覧のほうで数えました。
地下通路の階段を下りていく人と、壁に映った明かりの反射
地下通路の階段を下りていく人と、壁に映った明かりの反射(写真: Pexels)

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

緊急脱出用ハンマー シートベルトカッター付(JIS規格適合品)

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

TORRAS スマホ防水ケース(IPX8・水中でも操作可・浮く設計)

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

キーホルダー型 LEDライト(充電式・小型)

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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堺市と大阪市で、呼び名が1つも重なりません

堺市18か所と大阪市65か所の道路冠水注意箇所を呼び名で比べた図
堺市に「アンダーパス」はゼロ、大阪市に「地下道」はゼロです

府全体の181か所を呼び名で数えると、アンダーパス56、地下道49、高架下20、ガード13。この2つの市で分けると、きれいに割れていました。堺市の18か所は地下道11・地下歩道4・高架下2でアンダーパスはゼロ、大阪市の65か所はアンダーパス46・高架下14・ガード3で地下道はゼロです。

呼び名は道を管理している人たちが普段使っている言葉が、そのまま欄に入ったもの。統一ルールがあるわけではありません。

だから堺市内の情報を「アンダーパス」で検索すると、市の資料には引っかかりません。「地下道」で探してください。

5か所は、車が通れない歩行者用です

18か所のうち、名前に「歩」が入っているものが5つあります。中百舌鳥地下歩道、上野芝地下歩道、鳳地下歩道、野代地下歩道、そして鳳地下道(歩)。中百舌鳥地下歩道には「中百舌鳥駅地下通路」という注記まで付いていました。駅の下をくぐる、人が歩くための通路です。

冠水しやすい道路の一覧だと思って読んでしまいますが、5か所は歩いて通る場所です。堺市が出している浸水深の目安には、こう書かれています。

5センチメートル 大人の歩行に支障が生じ始める程度

車が止まる水深よりずっと手前で、歩けなくなります。階段を下りた先が見えないなら、引き返すほうが確実です。

大阪府の一覧には、堺市が1つも出てきません

大阪府も別に、アンダーパスの冠水想定箇所を公表しています。こちらは25か所で、冠水情報板と水位計が連動し、水深が一定を超えると「通行注意」「通行止め」が表示される仕組みです。

その25か所を見ると、豊中、吹田、茨木、高槻、摂津、守口、枚方、東大阪、八尾、柏原、富田林、大阪狭山、松原、和泉、高石、泉佐野、泉南。堺市が1か所も出てきません。理由は管理者です。堺市は政令指定都市なので、市内を通る府道も国道も堺市が管理しています。

実際、説明表の管理者欄を見ると18か所のうち17か所が堺市建設局土木部の地域整備事務所でした。国道310号の向陵地下道も、府道の金岡地下道も、問い合わせ先は堺市です。

市の30年の記録と突き合わせました

堺市が集めた30年分の浸水記録を区別に数えた図
287の町で床上171棟・床下2,536棟。半分が堺区に集まります

堺市上下水道局が「過去の浸水被害発生箇所一覧表」というPDFを出しています。記録期間は平成7年4月から令和7年3月の、ちょうど30年ぶん。

数えてみると287の町に記録があり、床上浸水171棟・床下浸水2,536棟。区別では堺区が床下1,293棟で、全体の半分を占めます。日付で見るともっと極端で、2008年9月5日の1日だけで床上77棟・床下816棟・111の町。30年分の3分の1が、この日に集まっています。

市はこの一覧の性質も先に書いています。

掲載対象は、建物内の床上被害、床下被害になります。道路・駐車場・農地など建物内以外の浸水は対象外になります

いっぽう国の説明表には、備考欄に「冠水履歴:有」と書かれている箇所が18か所のうち3つありました。金岡地下道(長曽根町)、南海高野線高架下(白鷺町3丁)、JR阪和線高架下(浅香山町3丁)です。この3つの町を、30年の記録に当てはめてみます。

国の一覧の箇所 床上 床下
浅香山町3丁 JR阪和線高架下 14棟 12棟
長曽根町 金岡地下道 7棟 16棟
白鷺町3丁 南海高野線高架下 記録なし 記録なし

浅香山町3丁の床上14棟は、堺市全体で2番目に多い町です。長曽根町の7棟も5番目。国と市が別々に作った資料が、同じ町を指していました。

白鷺町3丁だけは市の記録に1件もありません。道路は冠水しているのに、建物の中までは水が入っていないということ。市が「道路は対象外」と書いているとおりの結果でした。18か所の町のうち30年の記録に名前が出てくるのは11か所で、床上浸水があったのは4か所だけです。

冠水した幹線道路を、車が水を分けながら走っている
冠水した幹線道路を、車が水を分けながら走っている(写真: Pexels)

この住所は浸水しやすい場所ですか?

住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。



内水の地図が3種類あります

堺市で内水、つまり下水や水路からあふれるほうの地図を探すと、置いている雨が違う3つが出てきます。

資料 対象の雨 位置づけ
内水浸水想定区域図 1時間99ミリ 令和4年9月2日に市内で観測した最大。令和7年9月公表
内水浸水想定区域図 1時間147ミリ 想定しうる最大規模
内水ハザードマップ 1時間93ミリ 平成26年度作成。水防法にもとづくものではない

147ミリは堺市が選んだ数字ではありません。国が全国を15の地域に分けて決めていて、近畿は1時間147ミリ、関東は153ミリ、四国南部は160ミリ。実際に降った99ミリのほうが、生活の実感には近いかもしれません。市も、想定と実績は一致しないと書いています。

浸水想定区域と過去の浸水被害発生箇所は必ずしも一致するものではありません

この住所は浸水しやすい場所ですか

洪水、内水、土砂災害。見る資料はそれぞれ別の場所に置かれています。1枚ずつ探すのは手間なので、住所を入れるだけでまとめて確認できるページを用意しました。

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8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月の全国緊急点検で調べた直轄国道102か所の地方整備局別の内訳
千葉の事案を受けた緊急点検。近畿の対象は10か所でした

令和8年8月13日、千葉市中央区村田町の国道16号のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は非常用電源設備の不作動です。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。

翌14日から、全国の直轄国道102か所が点検されています。異常が見つかったのは3か所。近畿地方整備局の対象は10か所で、うち1か所で異常が見つかり、補修済みです。

堺市の18か所は、国道310号も含めて全部が堺市の管理なので、この点検の対象には入っていません。

もし車で水に入ってしまったら

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

たまった水は上から見ると平らなので、入るまで深さがわかりません。

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。

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水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。

この記事のまとめ

堺市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは18か所。18か所とも「地下道」「地下歩道」「高架下」で、大阪市とは呼び名が1つも重なりません。うち5か所は歩行者用です。

堺市は政令指定都市で、府道も国道310号も市が管理しています。そのため大阪府のアンダーパス冠水想定箇所25か所に、堺市は1か所も入っていません。国が「冠水履歴あり」と書いた3か所のうち2か所は、市が集めた30年の記録でも床上浸水の上位でした。

公式出典

  • 国土交通省 近畿地方整備局「冠水想定箇所(大阪府)」181件と箇所ごとの説明表
  • 大阪府 都市整備部 道路室 道路環境課「アンダーパス冠水想定箇所」25か所(更新日 2026年8月28日)
  • 堺市上下水道局「過去の浸水被害発生箇所一覧表」(記録期間 平成7年4月〜令和7年3月)
  • 堺市上下水道局「内水氾濫への備え」(更新日 2026年9月7日)
  • 国土交通省 水管理・国土保全局「浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法」(平成27年7月)
  • 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
  • 国土地理院 住所検索API・標高API
  • JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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