🗨️「冠水した道の水って、そんなに危ないの?」
危ないのは深さだけではありません。冠水した水には下水と土が混じっていて、レプトスピラ症や破傷風の原因になる細菌が入ることがあります。どちらも入口は「傷」と「粘膜」です。レプトスピラ症は潜伏期間が5日から14日程度で、重い型になると黄疸や腎障害が起きます。国内に承認されたワクチンはありません。豪雨のあとの水たまりで頭を洗った動画配信者が、高熱と血尿で受診して細菌感染が分かったと公表し、話題になっています。
[暮らし] この記事の要点
2026年9月14日 発表
- 浸水した家の片づけ・泥出しをこれからする人
- 冠水した道を歩いて通勤・通学した人
- ボランティアや仕事で被災地の作業に入る人
冠水した水は「雨水」ではない
冠水した道路の水は、降ってきた雨だけでできているわけではありません。あふれた下水、流れ込んだ土、動物の排せつ物が混じっています。だから危ないのは深さだけではなく、中身のほうでもあります。
| レプトスピラ症 | 破傷風 | |
|---|---|---|
| どこから入るか | 汚染された水・土壌が傷や粘膜に接触 | 土の中の菌が傷口から |
| 出るまでの時間 | 5日〜14日程度 | 3日後以降に神経の症状 |
| 軽いときの症状 | 発熱、筋肉痛などの風邪のような症状 | 口が開けにくくなる(開口障害) |
| 重いとき | 黄疸、出血、腎障害。死亡することもある | 全身のけいれん |
| ワクチン | 国内に承認されたものはない | 定期接種に含まれる |
どちらも入口は「傷」です。飲み込まなくても、皮膚が切れていればそこから入ります。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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ネズミの尿が混じるという話
レプトスピラ症の菌は、ネズミなどのげっ歯類の腎臓にすみついて、尿といっしょに外へ出ます。
げっ歯類などの腎臓に保菌され、尿中に排菌される細菌による感染症で、主にげっ歯類の尿で汚染された水や土壌に、傷や粘膜が接触することで感染する
国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「レプトスピラ症」
大雨で水があふれると、地面にしみていたものが一気に持ち上がって水の中に広がります。町なかの冠水でも同じことが起きています。
長靴で歩いただけなら大丈夫ですよね
皮膚に傷がなければ、そのぶんリスクは下がります。問題は「自分では気づいていない小さな傷」です。ささくれ、靴ずれ、ひげそりの傷、虫刺されをかいたあと。片づけの日は手足のどこかがたいてい切れています。だから長靴とゴム手袋は、汚れ対策ではなく傷をふさぐための道具だと考えるほうが合っています
遅れて出るから、つながらない
この2つの感染症のやっかいなところは、潜伏期間です。レプトスピラ症は5日から14日程度、破傷風は3日後以降に神経の症状が進みます。
片づけをした日に何ともなくても、1週間後に熱が出ます。そのころには「あのとき水に入ったから」とは思いにくくなっています。受診するときに「浸水した水に触れた」と伝えるかどうかで、たどり着く診断が変わります。
茨城県が避難所向けにまとめた資料でも、破傷風・レジオネラ症・レプトスピラ症が災害時に注意を要する感染症として並べられていて、災害からおよそ1週間で感染症が増え始めるとされています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
ワクチンで防ぐ話ではない
破傷風のワクチンは定期接種に入っていますが、レプトスピラ症には国内で承認されたワクチンがありません。感染症情報提供サイトが予防としてあげているのは、水中でけがをしないよう適切な服装を着用することです。
つまり打って備えるのではなく、当日の服装で決まります。長靴、ゴム手袋、長袖長ズボン。暑い日の泥出しでは真っ先に脱ぎたくなる装備が、そのまま予防策になっています。
2026年9月には、豪雨で冠水した水たまりで頭を洗った動画配信者が、その後の高熱と血尿で医療機関を受診し、細菌感染が分かったと公表しました。濁った水に入るのは、水の深さの問題だけではありません。
感染経路・潜伏期間・症状は国立健康危機管理研究機構の感染症情報提供サイトおよび茨城県の避難所向け資料(いずれも2026年9月時点)にもとづきます。症状の判断と治療については医療機関にご相談ください。
生活・仕事にどう効くか
- 入口は傷と粘膜:レプトスピラ症は、汚染された水や土壌が傷や粘膜に接触して感染する。飲まなくても入る。
- 遅れて出る:レプトスピラ症の潜伏期間は5日から14日程度。破傷風は3日後以降に神経の症状が進む。当日元気でも安心材料にならない。
- 防ぎ方はワクチンではない:レプトスピラ症は国内に承認されたワクチンがない。防ぐ手は「水中でけがをしない服装」しかない。
結局どうすればよいか
- 泥出しや片づけに入るときは長靴・ゴム手袋・長袖長ズボンで、素肌を水と泥に触れさせない
- すでに傷がある日は作業に入らない。入るなら防水の絆創膏でふさいでから
- 作業から数日〜2週間のあいだに発熱・筋肉痛・黄疸・尿の色の変化が出たら、「浸水した水に触れた」と必ず伝えて受診する
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くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト「レプトスピラ症」(2026-09発表)
- 厚生労働省検疫所 FORTH(フォース)「洪水と感染症について」(2011-10発表)
- 茨城県「避難所における感染症対策(野外編)」(2026-09発表)
更新履歴
- 2026年9月14日 初版を公開。
※本記事は2026年9月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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