先週の9月8日の夜、小山市に県内でいちばん早く大雨警報が出ました。20時11分のことです。
このとき小山で観測された雨は、1時間あたり53.0ミリ。翌朝までに市町道8か所が通行止めになり、車が5台水没しました。
いっぽう、市が内水のハザードマップで置いている雨は1時間153ミリです。想定の3分の1の雨で、8か所が止まったことになります。
この記事でわかること
- ✓ 国の一覧に載っている小山市の箇所は6か所。5つに「おやまアンダー1」から「5」まで番号が振ってある
- ✓ 2026年9月8日は1時間53.0ミリで、市町道8か所が通行止め・車両5台が水没
- ✓ 内水の地図が置いている1時間153ミリは、1999年に千葉県香取市で実際に降った日本記録の雨
9月8日の数字は栃木県 危機管理防災局「令和8(2026)年9月8日大雨による被害について(第2報)」(9月9日1時00分現在)から取りました。箇所数は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【栃木県】」(令和8年6月1日更新)の111か所を1行ずつ数えたものです。
国の一覧に名前があるのは6か所です
| 通称 | 路線 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|
| おやまアンダー1(羽川アンダー) | 主要地方道 小山環状線 | 羽川町 | 47.6m |
| おやまアンダー2(喜沢架道橋) | 市道13号線 | 大字喜沢 | 42.3m |
| おやまアンダー3(第一結城架道橋) | 市道15号線 | 大字喜沢 | 42.3m |
| おやまアンダー4(城南高校通り架道橋) | 市道236号線 | 西城南1丁目 | 34.2m |
| おやまアンダー5(小山南通り架道橋) | 市道45号線 | 西城南7丁目 | 32.7m |
| 間々田アンダー | 主要地方道 明野間々田線 | 東間々田一丁目 | 29.2m |
管理者は市道の4か所が小山市役所土木課、県道の2か所が栃木県。警察は6か所とも小山警察署で、消防は小山市消防本部です。
県内のほかの市と違うところが、2つありました。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
5つに番号が振ってあり、かっこの中は橋の名前です
ひとつめは番号です。「おやまアンダー1」から「5」まで通し番号が付いていて、栃木県の111か所でこういう番号があるのは小山市のこの5つだけでした。宇都宮市は「中央卸売市場アンダー」、日光市は「本町アンダー」と、どこも場所の名前です。
番号が振ってあると、市民にとっても呼びやすくなります。「アンダー4が冠水している」と言えば場所が伝わるからです。ただし6つめの間々田アンダーには番号がありません。いちばん南の間々田だけ、別扱いになっています。
ふたつめは、かっこの中身です。喜沢架道橋、第一結城架道橋、城南高校通り架道橋、小山南通り架道橋。番号が付いた5つのうち4つが「架道橋」で終わっています。
架道橋とは、鉄道が道路をまたぐときに架ける橋のこと。つまりこの4か所は、上を鉄道が通っていて、その下を道がくぐっています。残るおやまアンダー1だけが県道の「羽川アンダー」です。
住所を見ると、おやまアンダー2と3は同じ「大字喜沢」。同じ町内に2か所並んでいます。
先週、53ミリの雨で市内8か所の道が止まりました
2026年9月8日の夜、栃木県南部に強い雨が降りました。20時11分、小山市にレベル3の大雨警報。県内でいちばん早い発表で、20時29分に下野市と野木町、20時31分に宇都宮市と真岡市が続きます。
この日のアメダスの記録は、小山が1時間53.0ミリ・24時間106.5ミリ。宇都宮は1時間29.0ミリ・24時間64.0ミリなので、県庁所在地の倍近い雨が小山に降っていたことになります。9日1時までにわかった被害は、こうでした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 市町道 | 小山市 通行止め6箇所 → 8箇所 |
| 県道 | 大山アンダー(下野市)全面通行止め → 解除 |
| 車両水没 | 小山市5台、野木町6台 |
| 避難者 | 小山市の自主避難所3箇所に5名 |
| 鉄道 | JR水戸線 小山駅〜下館駅間で運転見合わせ |
| 人的・住家被害 | なし |
県の被害報には、通行止めになった8か所がどこかは書かれていません。国の一覧の6か所と同じかどうかもわかりません。
目を引くのは、住家の被害がゼロなのに、車だけが11台水に浸かっていることです。家は無事で、道が水没した夜だったということになります。

「1時間153ミリ」は、よその県で1回だけ降った雨です

小山市の内水ハザードマップは、こう説明されています。
想定している降雨は、1999年(平成10年)10月27日に千葉県香取市で実際に降った1時間当たりの最大降雨量153mmを対象としてシミュレーションを行いました
1999年10月27日、千葉県の香取。気象庁の歴代全国ランキングを見ると、この日の153.0ミリが1時間降水量の全国1位です。1982年7月23日の長崎県長浦岳と同着です。つまりこの地図は、日本でいちばん強く降った1時間をそのまま小山市に置いてみたもの、ということになります。
この153ミリは小山市が選んだ数字ではありません。国土交通省が全国を降り方の似た15の地域に分けて決めていて、関東は1時間153ミリ・24時間690ミリ。いちばん大きいのは四国南部の160ミリ、いちばん小さいのは東北東部の120ミリです。大阪や堺のある近畿は147ミリ、岐阜や名古屋のある中部も147ミリ。
同じ「想定される最大の雨」でも、住んでいる地域によって33ミリの差があります。
栃木県111か所のうち、小山は6か所です

県全体で見ると、いちばん多いのは宇都宮市の20か所。栃木市18、日光市15、那須塩原市11と続いて、足利市8、鹿沼市6、小山市6、下野市6の順です。
種別は市道71、県道19、国道(県が管理)13、町道5、認定外道路3。国が直接管理する国道は、栃木県には1か所もありません。小山市の6か所も市道4と県道2で、問い合わせ先は市役所か県庁です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
6か所の標高を並べてみました

羽川町47.6メートル、喜沢42.3メートル、西城南1丁目34.2メートル、東間々田29.2メートル。いちばん低いところでも29メートルあります。
同じ手順で調べた足立区の7か所は全部2メートル未満で、千住旭町は海面より低いマイナス0.3メートルでした。土地の高さだけ見れば、小山はまったく違う場所です。
それでも冠水注意箇所になるのは、まわりが高くても、鉄道をくぐるために掘り下げた部分だけが低くなるから。水はその窪みに集まります。
この住所は浸水しやすい場所ですか
洪水、内水、土砂災害。見る資料はそれぞれ別の場所に置かれています。1枚ずつ探すのは手間なので、住所を入れるだけでまとめて確認できるページを用意しました。
8月に国が全国のアンダーパスを点検しています

令和8年8月13日、千葉市中央区村田町の国道16号のアンダーパスが冠水し、車に乗っていた人が亡くなりました。国土交通省によると、原因は非常用電源設備の不作動です。停電したときに非常用電源が立ち上がらず、排水ポンプが動いていませんでした。
翌14日から、全国の直轄国道102か所が点検されています。異常が見つかったのは3か所。関東地方整備局の対象は48か所で、村田町を除いて異常はありませんでした。
ただ、この点検の対象は国が直接管理する国道だけです。栃木県には直轄国道の冠水注意箇所が無いので、小山市の6か所はどれも対象に入っていません。
もし車で水に入ってしまったら

9月8日に水没した11台も、入るまでは深さが見えなかったはずです。たまった水は上から見ると平らで、底の形がわかりません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市区も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 足利市 冠水 どこが危ないの?(栃木県) 同じ県の8か所。5つの呼び名が「地下道」で、県内でここだけです
- 足立区 冠水 どこが危ないの?(東京都) 7か所とも標高2メートル未満、千住旭町は海面より下です
- 郡山市 冠水 どこが危ないの?(福島県) 内水の地図が2枚あって、74ミリ版と120ミリ版で数字が違います
この記事のまとめ
小山市で道路が冠水しやすい場所として国が名前を出しているのは6か所。うち5つには「おやまアンダー1」から「5」まで番号が振ってあり、4つはかっこの中が鉄道の架道橋の名前です。
内水の地図が置いている1時間153ミリは、1999年に千葉県香取で降った日本記録の雨。ところが2026年9月8日は、その3分の1の53.0ミリで市町道8か所が通行止めになり、車が5台水没しました。
公式出典
- 国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【栃木県】」111か所(令和8年6月1日更新)と箇所ごとの説明表
- 栃木県 危機管理防災局「令和8(2026)年9月8日大雨による被害について(第1報・第2報)」
- 小山市「小山市内水ハザードマップについて」(更新日 2026年4月1日)
- 気象庁「歴代全国ランキング(最大1時間降水量)」
- 国土交通省 水管理・国土保全局「浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法」(平成27年7月)
- 国土交通省「国道16号村田町アンダーパス冠水事案を踏まえた緊急点検結果及び今後の取組について」別紙1(令和8年8月21日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API
- JAF ユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか」「何を使えば窓が割れるのか」
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント