最低賃金は「時給いくら」で決まっています。時給で働く人はそのまま比べられますが、月給や日給の人は、自分の給料を時給に直さないと比べられません。2026年10月24日には宮崎県の最低賃金が1,085円に上がり、ほかの県でも11月〜12月に上がるところが続きます。給与明細で確かめる手順を、厚生労働省の説明にそってまとめました。
先に結論
- ✓ 月給の人は、月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間で時給に直す
- ✓ 通勤手当・家族手当・精皆勤手当・残業代・ボーナスは入れない
- ✓ 直した額が、働く場所の県の最低賃金より低ければ下回っている
給料の形ごとの計算のしかた
厚生労働省は、賃金を時給に直してから、最低賃金(時給)と比べるように説明しています。直し方は給料の形で変わります。
| 給料の形 | 時給への直し方 |
|---|---|
| 時給 | そのまま比べる |
| 日給 | 日給 ÷ 1日の所定労働時間 |
| 月給 | 月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 |
| 出来高払い(歩合) | その期間の賃金の合計 ÷ その期間に働いた時間の合計 |
| 組み合わせ(日給+月ぎめの手当など) | それぞれを時給に直して足す |

「1か月の平均所定労働時間」の出し方
所定労働時間は、残業を入れない、会社が決めた働く時間のことです。月によって日数がちがうので、1年ぶんをならして1か月あたりにします。
1か月の平均所定労働時間 = 1年の所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12
たとえば、1年に245日、1日8時間働く決まりなら、245 × 8 ÷ 12 = 約163.3時間です。1年の所定労働日数は、就業規則や会社のカレンダーで分かります。年間休日が120日なら、365 − 120 = 245日です。
読者
うちの会社のカレンダーなんて、もらっていないわ。
雇われたときの労働条件通知書に、働く時間と休みの日が書いてあるはずよ。見つからなければ、会社に「年間の休日は何日ですか」と聞けば計算できるわ。
入れない手当
月給の中には、最低賃金と比べるときに入れないものがあります。厚生労働省があげているのは次のとおりです。
- 結婚手当など、臨時に払われるもの
- ボーナスなど、1か月をこえる期間ごとに払われるもの
- 残業代(時間外の割増賃金)、休日出勤の割増賃金
- 夜10時〜朝5時の深夜の割増のうち、ふだんの時給をこえる部分
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当
入れるのは、基本給と、毎月決まって払われる職務手当・資格手当などです。給与明細の「支給」の欄から、上の手当を引いた額で計算します。
計算してみる(宮崎県の1,085円で)
宮崎県で、次のような給与明細の人を例にします。1年に245日、1日8時間働く決まりとします。
| 明細の項目 | 金額 | 計算に |
|---|---|---|
| 基本給 | 150,000円 | 入れる |
| 職務手当 | 10,000円 | 入れる |
| 通勤手当 | 8,000円 | 入れない |
| 家族手当 | 5,000円 | 入れない |
| 残業代 | 12,000円 | 入れない |
| 比べる額 | 160,000円 |
- 1か月の平均所定労働時間=245 × 8 ÷ 12 = 約163.3時間
- 時給に直すと 160,000 ÷ 163.3 = 約980円
- 宮崎県の最低賃金1,085円より約105円低いので、下回っている
明細の支給額の合計は185,000円ありますが、入れない手当を引くと足りません。同じ働き方で最低賃金に届くには、比べる額が 1,085 × 245 × 8 ÷ 12 = 約177,217円以上いります(編集部の計算)。
日給の人は、たとえば日給7,000円で1日7時間なら、7,000 ÷ 7 = 1,000円で、宮崎県の1,085円を下回ります。
下回っていたら
最低賃金より低い賃金で合意していても、その部分は無効になり、最低賃金と同じ額で決めたものとみなされます。足りないぶんは払ってもらう必要があります。まず会社に計算のしかたを確かめ、話がまとまらなければ、働く場所の労働局や労働基準監督署に相談できます。
働く場所の県ごとの額と、上がる日は、一覧の記事にまとめています。宮崎県が上がったニュースは、こちらです。
出典と写真
出典:厚生労働省「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」、厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」、宮崎労働局「宮崎県の最低賃金」。計算例の給与明細は説明のための例です。
アイキャッチはイメージ写真(Pexels)。
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