西宮市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は21か所です。兵庫県162か所のうち、いちばん多いのが西宮市です。
21か所とも、何かの下をくぐる道。そのうち5か所が1本の県道に並んでいます。南から順に、JR・名神高速・県道・阪急・国道171号をくぐっていく道です。
この記事でわかること
- ✓ 21か所は兵庫県で最多。市道13・県道7・国道1です
- ✓ 市道13か所には13か所とも水位センサーと警報の情報板が付いています
- ✓ 市は「浸水20センチ未満を消した地図」をもう1枚公表しています
箇所の数・種別・住所・関連設備は国土交通省 近畿地方整備局「道路冠水注意箇所」兵庫県162か所と、箇所ごとの説明表21枚から数えました。上を通っているものと通行止めの基準は兵庫県「大雨時は道路アンダーパス部の冠水に注意!!」、内水の地図と20センチの話は西宮市 上下水道局 下水計画課の区域図とQ&A、事前通行規制は市 防災危機管理課の一覧です。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
1本の道が、5回くぐります

にしたかJRアンダー、にしたか名神アンダー、にしたか上武庫アンダー、にしたか阪急アンダー、にしたか171アンダー。5つとも県道114号(一般県道)西宮宝塚線の上にあります。
兵庫県が公表している一覧には「上部交差物件名」という欄があって、何の下をくぐるのかが1行で書いてあります。順に、JR東海道本線、名神高速道路、一般県道西宮豊中線、阪急電鉄神戸線、国道171号。5つとも別のものの下です。
兵庫県が持っている38か所を見ても、同じ路線に5か所並んでいるのはこの県道114号だけでした。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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市道13か所には、全部にセンサーがあります
説明表には「関連設備」という欄があります。排水ポンプ、警報・情報板、水位センサー、CCTV(監視カメラ)。西宮市の21か所を並べると、持ち物がきれいに分かれます。
| 設備 | 箇所数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 水位センサー | 15 | 市道13か所すべて+県道2(久寿川地下道・神祇官地下道) |
| 警報・情報板 | 16 | 水位センサーの15か所+国道171号 |
| 排水ポンプ | 13 | 市道11・県道2。市道で無いのは夙川左岸と武庫川右岸 |
| CCTV(監視カメラ) | 4 | 国道171号・羽衣・高松・北口線 |
| 記載なし | 5 | 「にしたか」の5か所(県道114号) |
国土交通省 近畿地方整備局の説明表21枚に書かれている内容から数えました。
市道13か所は、13か所とも水位センサーと警報・情報板を持っています。市が自分で持っている道には、ひととおり付けてあるということです。いっぽう県道114号の5か所は、5つとも欄が空でした。
市役所のある町に3か所あります

説明表の住所が21か所とも番地まで書かれていたので、標高が細かく出せました。いちばん低いのが武庫川町の0.6メートル、いちばん高いのが羽衣町の15.8メートル。差は15.2メートルです。
5メートル以下が12か所、10メートル以下が18か所。21か所のうち8割以上が標高10メートル以下の平地に並んでいます。
目を引くのは六湛寺町です。市役所前アンダーパス(3.1メートル)、六湛寺東アンダーパス(3.5メートル)、そして国道171号の西宮六湛寺JRアンダーパス(3.7メートル)。西宮市役所の本庁舎は六湛寺町10番3号ですから、市役所のまわりに3か所あることになります。
情報板が変わるのは、5センチと15センチです

兵庫県は、アンダーパスに置いた冠水情報板の表示の基準を公表しています。水深が5センチになれば「通行注意」、水深が15センチになれば「通行止め」。数字がはっきり決まっています。
濁った水では深さがわからないので、県は側壁に最大水深と、通行止めの基準である15センチの位置を表示しているとも書いています。さらに、救助が必要になったときに場所をすぐ伝えられるよう、箇所名や箇所番号を書いた表示板も置いてあります。
車が動かなくなったときは、警察・消防・道路管理者へ連絡し、そのとき箇所名と箇所番号を伝えてほしいと県は書いています。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
20センチで、子どもは歩けなくなります

西宮市は雨水出水浸水想定区域図を2枚公表しています。1枚は全部の浸水深を塗った図、もう1枚は浸水深20センチ未満の区域を消した図です。
なぜ2枚目を出すのか。市のQ&Aに理由が書いてあります。伊勢湾台風のときに避難した人へのアンケートで、成人男性は水深70センチ以下、女性は50センチ以下なら避難できたけれども、小学5・6年生は20センチ以上で避難が難しくなるというデータがあるからだ、と。危ないところだけを見せるために、20センチ未満を消した図を参考として出しているそうです。
大人のひざまで来るのが0.3〜0.5メートルで床下浸水、腰までが0.5〜1.0メートルで床上浸水、3メートル以上で家の1階が水没する。これも同じQ&Aに書かれた目安です。
区域図の根拠は水防法第14条の2第2項で、想定しているのは1時間で最大147ミリ。おおむね1,000年に1度の確率で起きる雨だと市は説明しています。対象は南部地域だけ。北部は浸水履歴が少なく観測データが足りないため、来年春の公開を目指しているそうです。
そして重要事項説明との関係を、市がはっきり書き分けています。「不動産取引時の重要事項説明の際に使用される図面は内水ハザードマップをご覧ください」。区域図ではなく、避難場所や避難経路を書き足した内水ハザードマップのほうが、取引のときに出てくる図面です。
北の山あいは、雨量で先に閉めます
西宮市には、水がたまるのを待たずに閉める道もあります。東六甲山系を通る事前通行規制区間です。市がまとめている一覧には10ルートが載っています。
中国自動車道の宝塚インターから吉川インターまでは連続雨量210ミリ、国道176号の塩瀬町生瀬から太多田橋交差点までは190ミリ。そして西宮市道 山第436号線(船坂小学校前交差点から上盤滝橋までの5.2キロ)も、連続雨量130ミリで通行止めになります。
同じ市の中で、南は水がたまって止まり、北は雨量で先に閉める。西宮市はその両方を抱えています。
水に入ってしまった車から出るまで

21か所とも、くぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。進んだ先が急に深いのが怖いところです。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 神戸市 冠水 どこが危ないの?(兵庫県) 13か所すべてに警報の装置、カメラが付いているのは6か所だけです
- 大阪市 冠水 どこが危ないの?(大阪府) 65か所のうち43か所に「冠水実績あり」と書いてあります
- 東大阪市 冠水 どこが危ないの?(大阪府) 5か所のうち4か所は、大阪市との境の2キロにあります
- 堺市 冠水 どこが危ないの?(大阪府) 18か所とも「地下道」。大阪市とは呼び名が1つも重なりません
- 大津市 冠水 どこが危ないの?(滋賀県) 県内100か所のうち85か所に、排水ポンプがあります
この記事のまとめ
西宮市で道路が冠水しやすい場所は21か所で、兵庫県内では最多です。市道13・県道7・国道1。県道114号 西宮宝塚線の5か所は「にしたか」で始まる名前で、JR東海道本線、名神高速道路、県道西宮豊中線、阪急電鉄神戸線、国道171号を順にくぐります。市道13か所には13か所とも水位センサーと警報・情報板があり、カメラは全体で4か所です。
標高は武庫川町の0.6メートルから羽衣町の15.8メートルまでで、10メートル以下が18か所。市役所のある六湛寺町に3か所あります。兵庫県の基準では水深5センチで「通行注意」、15センチで「通行止め」。市は浸水20センチ未満を消した区域図をもう1枚出していて、小学5・6年生は20センチ以上で避難が難しくなるというデータを理由に挙げています。
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