函館市で津波の浸水が想定されているのは、函館山のふもとの西部から駅前・港町までの港沿いと、大森浜・湯の川の海沿い、亀田半島の海岸です。北海道の2021年7月の想定(最大クラス)を町の代表点で読むと、207のうち52が範囲に入り、14は5〜10mです。
ただし、市の津波避難計画は、函館駅前・大門から港町まで、大森浜側の大森町・宇賀浦町も含む23の町・丁目を、全域が「避難困難地域」としています。津波が来るまでに、浸水域の外まで歩いて出るのが難しい地域です。
先に結論
- ✓ 海岸線の最大津波高は標高8.7m(北海道 2021年)。別の計算の内閣府2022年の市町村別一覧では10m
- ✓ 第1波がいちばん高くなるまで最短26分(北海道)。内閣府2022年の一覧(別の計算)では、1mの津波まで最短18分
- ✓ 津波のときに使える避難ビルは77か所、緊急避難所は64か所(2026年7月15日現在)
いま津波警報・注意報が出ているなら
この記事は平時に読む想定の地図です。いま出ている警報と予想の高さは気象庁の津波情報(予報区「北海道太平洋沿岸西部」)、避難指示は市の防災情報で確かめてください。海や川の近くにいるなら、読むより先に高い所へ。
函館市で津波が来る範囲

5〜10mの14は、函館駅前の若松町・大手町から、市役所のある東雲町、新川町・海岸町・吉川町・北浜町・港町三丁目などで、大森浜側の東川町・栄町も入ります。恵山地区の日ノ浜町も5〜10mです。
3〜5mは22で、西部の弁天町・大町・末広町・宝来町、大門の松風町・千歳町、大森浜側の大森町・宇賀浦町、湯の川の湯川町一・二丁目まで入ります。

市の津波避難計画は、東川町・大手町・若松町・松風町・東雲町から港町一〜三丁目まで、大森浜側の大森町・宇賀浦町を含む23の町・丁目を、全域が「避難困難地域」としています。
市の基準は、避難対象地域の外まで歩いて450m以上ある地域です。歩くのが難しい人の秒速0.5mで、津波が来るまでの26分から避難を始めるまでの10分を引いた16分に歩ける480mを、450mとしています。
市はこうした地域の人が一時的に逃げ込む建物として、津波避難ビルを指定しています。
| 町・字 | 想定の深さ(代表点) |
|---|---|
| 旭町 | 5〜10m |
| 大手町 | 5〜10m |
| 大縄町 | 5〜10m |
| 海岸町 | 5〜10m |
| 北浜町 | 5〜10m |
| 栄町 | 5〜10m |
| 東雲町 | 5〜10m |
| 新川町 | 5〜10m |
| 豊川町 | 5〜10m |
| 東川町 | 5〜10m |
| 日ノ浜町 | 5〜10m |
| 港町三丁目 | 5〜10m |
| 吉川町 | 5〜10m |
| 若松町 | 5〜10m |
| 浅野町 | 3〜5m |
| 宇賀浦町 | 3〜5m |
| 追分町 | 3〜5m |
| 大町 | 3〜5m |
| 大森町 | 3〜5m |
| 上新川町 | 3〜5m |
| 亀田町 | 3〜5m |
| 亀田港町 | 3〜5m |
| 古武井町 | 3〜5m |
| 末広町 | 3〜5m |
| 千歳町 | 3〜5m |
| 八幡町 | 3〜5m |
| 万代町 | 3〜5m |
| 弁天町 | 3〜5m |
| 宝来町 | 3〜5m |
| 松風町 | 3〜5m |
| 松川町 | 3〜5m |
| 港町一・二丁目 | 3〜5m |
| 宮前町 | 3〜5m |
| 湯川町一・二丁目 | 3〜5m |
| 入舟町 | 0.5〜3m |
| 大川町 | 0.5〜3m |
| 金堀町 | 0.5〜3m |
| 亀田本町 | 0.5〜3m |
| 昭和町 | 0.5〜3m |
| 高盛町 | 0.5〜3m |
| 中島町 | 0.5〜3m |
| 広野町 | 0.5〜3m |
| 古川町 | 0.5〜3m |
| 堀川町 | 0.5〜3m |
| 湯川町三丁目 | 0.5〜3m |
| 湯浜町 | 0.5〜3m |
| 白鳥町 | 0.5〜3m |
| 日乃出町 | 0.5〜3m |
| 的場町 | 0.5〜3m |
深さは、国土交通省「位置参照情報」の町・字の代表点(およその中心)1点で、重ねるハザードマップの津波浸水想定(北海道 2021年7月・最大クラス)を読んだ値です。湯の川より東の志海苔町や、亀田半島の新浜町・古部町などは、代表点が山側にあり、海沿いに色があっても表に出ません(ハザードマップで色がない場所の意味)。
市の津波ハザードマップは、浸水深に、建物に当たったせり上がりを足した「基準水位」を載せています。避難ビルは、基準水位より高い所に逃げ込める場所があることが条件です。
揺れた瞬間に、部屋の中で起きることを減らすもの
地震のけがの3〜5割は、屋内の家具類の転倒・落下・移動によるものです(東京消防庁)。壁にネジを打てない部屋でもできる手から並べます。
東京消防庁の実験では、L型金具で壁に直接ネジ止めするのが最も効果が高いとされています。賃貸で壁に穴を開けられない部屋での代わりがこれです。家具の両端の側板部を、できるだけ奥で突っ張ります。天井側にも強度が要ります。
突っ張り棒だけだと効きが落ちます。同じ資料が、ポール式にはストッパー式や粘着マット式の併用をすすめています。マット単独でも効果は小さいので、上の棒と2つで1組と考えてください。
お湯でも水でも作れて、袋のままおにぎりの形になります。断水すると鍋も食器も洗えません。洗い物の出ない形を先に入れておくと、水の減り方が変わります。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
何メートルの津波が何分で来るか
北海道の想定は、国の日本海溝モデル(マグニチュード9.1)と千島海溝モデル(同9.3)に、日本海側の断層モデルも加えた計算です。函館市の最大は日本海溝(三陸・日高沖)のモデルです。
道の日本海沿岸の想定(2017年)は稚内市から松前町までが対象で、函館市は入っていません。津軽海峡に面した函館の法定の想定は、太平洋沿岸の1本です。
海岸線の最大津波高は標高8.7mで、海面が20cm上下し始めるまでが最短2分、第1波がいちばん高くなるまでが最短26分です。
道の代表地点では、亀田半島の東の恵山漁港・椴法華港の27分がいちばん早く、港の奥の市街地ほど遅くなります。
| 代表地点 | 最大津波高 | 第1波がいちばん高くなるまで | 最大の波まで |
|---|---|---|---|
| 大手町 | 7.1m | 65分 | 65分 |
| 函館漁港 | 5.3m | 62分 | 62分 |
| 住吉漁港 | 6.9m | 49分 | 49分 |
| 宇賀浦町 | 7.6m | 49分 | 50分 |
| 松倉川河口 | 7.9m | 48分 | 67分 |
| 古武井町 | 7.5m | 31分 | 31分 |
| 恵山漁港 | 5.2m | 27分 | 27分 |
| 椴法華港 | 5.6m | 27分 | 27分 |
| 鹿部町との境 | 8.7m | 43分 | 43分 |
「港の奥の駅前は津波が遅いから余裕がある」とは言い切れません。大手町は第1波のピークこそ65分後ですが、海面が20cm上がり始めるのは12分後で、町の全域が避難困難地域です。
内閣府の2020年4月の想定(道の想定とは別の計算)では、函館市役所付近の最大浸水深は4.3mです。30cmの浸水が47分、1mが48分、いちばん深くなるのは68分後です。
内閣府が2022年3月にまとめた市町村別一覧では、市内の海岸で1mの津波になるまで最短18分、最大津波高は10mです。道の表とは計算も時間の定義も別です。
北海道の注記:「地震の震源が想定より陸域に近いなど、条件が異なる場合には、ここで表した時間よりも早く津波が来襲する可能性があります。」
函館市に来た過去の津波

市の記録(1948年から)で浸水家屋がいちばん多い津波は、1960年5月のチリ地震津波の1,473棟です。函館港で207cm、椴法華で269cmを記録しました(市の地域防災計画)。
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震では、市の記録で函館の津波は239cm、死者1人、住家の床上浸水94棟、非住家の床上浸水481棟です。
気象庁の2011年4月の速報値では、函館の最大の波は237cmで、地震から約9時間後の23時35分に来ています。
日本海側の1993年の北海道南西沖地震では、奥尻町で遡上高29mに達しましたが、函館は35cmでした。国土地理院の自然災害伝承碑は市内に1基で、津波の碑は0基です。
逃げる場所と、いま出ている情報
市が津波のときに使える場所として指定しているのは、2026年7月15日現在で172か所です(市の一覧の列を数えた値)。
内訳は津波避難ビル77か所、学校などの緊急避難所64か所、高台や公園などの緊急避難地46か所です。避難ビルと緊急避難所を兼ねる施設があるため、足すと172を超えます。
市の計画は徒歩での避難を基本とし、避難場所まで相当遠い場合などに限って車を認めています。避難指示は、津波警報でも大津波警報でも同じ避難対象地域に出します。
海沿いで強い揺れか、長くゆっくりした揺れを感じたら、警報や避難指示を待たずに逃げることも、市の地域防災計画に書かれています。
- 市の「函館市津波ハザードマップ」(2022年9月作成)で、自宅の色と基準水位を見る。おもて面が函館市街、うら面が戸井・恵山・椴法華・南茅部
- 自宅の町が避難困難地域かどうかを、市の津波避難計画(2022年7月修正)の表で確かめる。避難ビルの最新の一覧は市の「避難所について」(2026年7月15日現在)
- 市の防災メール(市のページ「防災メールの配信」から登録)か、緊急速報メールで避難指示を受ける。防災無線が聞き取れなかったら「防災無線確認ダイヤル」0120-36-7676
- 住所から探すなら「函館市防災ハザードマップWeb(ウェブ)版」。津波浸水想定区域と津波災害警戒区域を地図で重ねられる
津波警報は気象庁が予報区「北海道太平洋沿岸西部」に出します。市単位では出ません。函館市内の津波災害警戒区域(イエローゾーン)は、北海道が2022年2月18日に指定しています。
函館市の注意:「このハザードマップで色がついていない場所は,計算上では浸水しない場所ですが,地震の規模や地震による海岸施設の被害状況によっては色がついていない場所でも浸水する可能性があり,基準水位も高くなる場合がありますので注意してください。」
函館市のほかの災害リスク・ほかの市
- 函館 冠水 どこが危ないの?
- 津波 到達時間/南海トラフは最短2分
- 北海道の活断層 いちばん高いのは黒松内低地断層帯
- ハザードマップ 色なし うちは安全ってこと?
- 静岡市 津波 どこまで来るの? (静岡県)
- 仙台市 津波 どこまで来るの? (宮城県)
- 浜松市 津波 どこまで来るの? (静岡県)
- 高知市 津波 どこまで来るの? (高知県)
- 千葉市 津波 どこまで来るの? (千葉県)
- 横浜市 津波 どこまで来るの? (神奈川県)
- 大阪市 津波 どこまで来るの? (大阪府)
- 徳島市 津波 どこまで来るの? (徳島県)
- 大分市 津波 どこまで来るの? (大分県)
- 那覇市 津波 どこまで来るの? (沖縄県)
- 小田原市 津波 どこまで来るの? (神奈川県)
- 館山市 津波 どこまで来るの? (千葉県)
- 八戸市 津波 どこまで来るの? (青森県)
- 宇和島市 津波 どこまで来るの? (愛媛県)
- 宮崎市 津波 どこまで来るの? (宮崎県)
- 釧路市 津波 どこまで来るの? (北海道)
- 和歌山市 津波 どこまで来るの? (和歌山県)
- 苫小牧市 津波 どこまで来るの? (北海道)
- 鎌倉市 津波 どこまで来るの? (神奈川県)
- 新潟市 津波 どこまで来るの? (新潟県)
- 鹿児島市 津波 どこまで来るの? (鹿児島県)
- 室蘭市 津波 どこまで来るの? (北海道)
函館市の津波は、函館駅前から港町までの中心街で5〜10m、西部や大森浜・湯の川で3〜5mの想定です。第1波のピークは市内で最短26分、駅前の大手町で65分後です。
自宅や職場の町が表にあるなら、ハザードマップで基準水位を見て、避難困難地域かどうかを津波避難計画の表で確かめてください。
避難困難地域なら、基準水位より高い階に上がれる避難ビルを、歩いて着ける距離で1つ決めておくところまでが準備です。
出典(すべて2026年10月10〜11日に確認)
- 北海道「北海道太平洋沿岸における津波浸水想定の公表について」(令和3年7月19日)・解説書(第二版 令和5年2月)・津波浸水想定区域図「函館市」・参考資料4「北海道沿岸市町村別津波浸水想定データ一覧」
- 北海道「北海道日本海沿岸における津波浸水想定の公表について」(平成29年2月9日)
- 北海道「津波災害警戒区域の指定について」(函館市 北海道公報第283号 令和4年2月18日)
- 内閣府「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」概要報告 北海道(三陸・日高沖モデル)(令和2年4月21日)PDF
- 内閣府 同検討会 概要報告 本文(令和2年4月21日)PDF
- 内閣府 同検討会 最終報告「市町村別一覧(津波高・津波到達時間・浸水面積・最大震度)」(令和4年3月22日)PDF
- 函館市「津波ハザードマップについて」(函館市津波ハザードマップ 令和4年9月作成)
- 函館市「津波対策について」
- 函館市「函館市津波避難計画」(令和4年7月修正)
- 函館市「避難所について」(指定緊急避難場所 令和8年7月15日現在)
- 函館市「函館市地域防災計画について」(令和7年8月改訂)・参考資料10「過去の災害状況」(令和8年8月1日時点)
- 函館市「防災ハザードマップWeb版」
- 函館市「防災メールの配信」
- 函館市「防災無線」
- 函館市「災害・緊急情報」
- 気象庁「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」(2011年4月)PDF
- 気象庁「津波予報区について」
- 国土地理院「自然災害伝承碑」
- 地図:国土地理院「重ねるハザードマップ」(津波浸水想定)・地理院タイル
- 町・字の代表点:国土交通省「位置参照情報」(2025年版)
- 気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」
- アイキャッチ:地理院タイル(全国最新写真)を加工して作成
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント