未完成の物件に別の建物の写真を使うなら、撮影元と販売物件の仕様を照合し、写真のすぐそばに施工例であることを示します。外観なら異なる箇所も明示します。画像フォルダに「施工例」と付いていても、外壁や窓が違うと知らずに入稿すれば、問い合わせの時点で買主が思い描く建物が変わります。
他の建物を載せる条件
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第9条第22号の原則は、取引する物件の写真や動画を使うことです。工事完了前などで対象の建物の写真を使えない事情があり、その建物を施工する者が過去に手掛けた建物であれば、外観と室内それぞれの条件に沿って掲載を検討できます。
| 確認する項目 | 表示・確認のしかた |
|---|---|
| 外観 | 構造・階数・仕様が同じで、規模・形状・色などが類似。別の建物である旨と相違する部位を表示 |
| 室内 | 写真・動画に写る部分の規模・仕様・形状などが同じ。別の建物である旨を表示 |
| 共通 | 対象の写真を使えない事情があり、対象と同じ施工者が過去に施工した建物であること |
たとえば外観が似た2階建てでも、別の施工会社が建てた家の写真や、構造や仕様が異なる物件の写真は、この例外の条件を満たしません。同じ分譲地の別棟を流用するときも、棟番号を確認し、施工者と仕様を突き合わせます。建物ごとに資料を分けておくと、同じ分譲地という理由だけで写真を選ぶことを防げます。
室内は写っている範囲で確認します。キッチンだけの写真なら、採用する設備の仕様や形状を仕様書・設備表で確認します。隣の収納や窓まで写っているなら、その部分も対象です。写っている設備の変更がまだ協議中であれば、写真の掲載判断をいったん保留し、仕様が確定した時点で照合します。

写真の出典
写真の注記と記載見本
写真はその写真に接する位置、動画は画像中に、別の建物であることが分かる表示を入れます。外観の場合は、対象の建物と違う部位も明示します。外観の仕様等が例外の条件に合っていても、施工例を大きく掲載するなど、取引対象そのものと誤認されるおそれのある見せ方は避けます。
広告の記載見本(架空例)
施工例|同じ施工者が以前に建てた別の建物です。
販売する建物とは、外壁の色と窓の位置が異なります。
記載見本は、同じ施工者の過去物件で、規則が求める外観の条件を満たし、相違点が確認できている場面を想定しています。「同仕様」「イメージ」だけで済ませると、画像の出どころと買主が確認できる違いが残りません。外壁の色や窓の位置に違いがあると確認できたら、相違点を写真のそばで読める言葉にします。
ポータルによっては、画像を一覧カード、詳細ページ、全画面ギャラリーに分けて表示します。詳細ページの下に施工例と入れても、一覧では写真だけが出る場合があります。施工例を先頭の画像に設定した時と、現地写真を先頭にした時の見え方をそれぞれ確認し、表示場所によって誤認を招くなら写真の順番や使う画像を変えます。
完成予想図の扱い
完成予想図やコンピューターで作った画像は、実写の施工例とは区別して表示します。施行規則第9条第23号では、コンピューターグラフィックスや見取図、完成予想図などを使うときは、その種類を明示し、周辺状況を描く場合は現況に反する表示をしないよう求めています。
たとえば、建物本体は設計図どおりでも、隣地の建物や目の前の道路を省くと、現地より開放的に見えることがあります。制作担当から画像を受け取ったら、建物だけでなく画像に写る周辺の扱いも確認します。画像の加工と広告の確認を別の人が担当する場合は、どの要素を追加・変更したかを引き継ぎます。
画像台帳と差し替え
- 撮影元 元の物件番号と施工者を控え、出稿先で利用できる画像かを確認する。
- 照合結果 外観と室内を分け、販売物件の資料の版、同じ仕様、異なる箇所を記録する。
- 掲載位置 公開した写真と注記の対応を、一覧、詳細、ギャラリーで確認する。
- 入れ替え 工事の進捗と撮影日を追い、完成後の写真に替えた箇所を媒体ごとに記録する。
画像台帳は「画像名・撮影元の棟・広告する棟・確認資料・注記・承認者」の順に列を置くと、同じ画像を別物件にも転用したときに確認履歴を追えます。画像名だけだと、ダウンロード時に連番へ変わったり、トリミング後のファイルが別名になったりします。元画像と加工画像の対応も控えておくと、媒体側で先頭画像が変わったときに判断しやすくなります。
引渡し前に完成写真を受け取ったら、差し替えた写真に施工例の注記が残っていないかも確認します。現地の写真と別棟の施工例が同じギャラリーに混ざると、買主から写真の部屋を見たいと言われても、どちらを見たか確認するところから始まります。私は、施工例を使った案件は、完成写真の受領までを入稿担当の確認表に入れておくと引き継ぎやすいと見ています。
施工例の写真を見て、買主が実際に付く設備かどうか心配することもあります。問い合わせを受けた人が仕様表と写真の注記をすぐ照合できるよう、掲載した画像と注記の組み合わせを物件の記録に残します。電話で案内した内容と公開ページが揃っていれば、内見や打ち合わせへの引き継ぎも進みます。
画像のファイル名、棟番号、注記を揃えて引き渡すと、どの写真をどの媒体に載せるかを共有できます。
\掲載する項目とお渡しいただく資料/
出典
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