「臭くないから安全」は間違い?草津白根山で実際に起きた火山ガス事故と、見えない危険への備え
これまで噴火そのものによる被害を紹介してきましたが、火山地帯には噴火していない時でも注意すべきリスクがあります。今回は「火山ガス」による事故の実例を紹介します。
1. 火山ガスには目に見えない有毒成分が含まれる
火山ガスは主に水蒸気で構成されていますが、二酸化硫黄・硫化水素・二酸化炭素といった有毒な成分も含まれています。中でも硫化水素は無色で「腐った卵」のような特有の臭いを持ちますが、濃度が150〜200ppmを超えると「嗅覚麻痺」という現象が起き、臭いを感じられなくなってしまいます。つまり「臭わないから安全」とは限らず、むしろ高濃度になるほど臭いを感知できなくなるという、直感に反した危険な特性を持っています。
また、火山ガスは空気より重い成分を含むことが多く、風の弱い谷間やくぼ地に滞留しやすいという性質もあります。
2. 草津白根山では過去に複数回、死亡事故が発生している
群馬県の草津白根山では、1971年12月に硫化水素ガスによりスキー客6名が死亡する事故が発生しました。さらに1976年8月には、女子高校生や教師を含む3名が硫化水素ガスにより死亡する事故が起きています。いずれも噴火そのものではなく、火口周辺やくぼ地に滞留したガスを吸い込んだことが原因とされています。
草津白根山に限らず、全国の火山地帯ではくぼ地や谷筋に火山ガスが滞留し、風の弱い日や気圧の低い日に濃度が高まることがあります。登山中に急に気分が悪くなった、頭痛がする、といった症状は、火山ガスの影響である可能性があります。
| 年月 | 場所 | 被害 |
|---|---|---|
| 1971年12月 | 草津白根山 | スキー客6名が硫化水素で死亡 |
| 1976年8月 | 草津白根山 | 高校生・教師含む3名が硫化水素で死亡 |
3. 「観光地だから安全」とは限らない
草津白根山周辺は温泉地・観光地として広く親しまれているエリアです。しかし観光地としての賑わいと、火山ガスのリスクの有無は別問題です。草津白根山以外にも、全国の火山性温泉地では同様のリスクが指摘されており、立ち入り規制がかかっている箇所や、注意看板が設置されている箇所が各地に存在します。
4. 火山ガスの注意情報は現地の看板・気象庁情報で確認できる
火山ガスの発生しやすい箇所には、自治体や環境省・気象庁による注意看板や規制区域の表示が設置されています。登山やハイキングで火山地帯を訪れる際は、こうした現地の表示を必ず確認し、指定された立ち入り禁止区域には近づかないことが基本の対策になります。風の弱いくぼ地や谷筋に長時間とどまらないことも重要です。
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まとめ
1. 火山ガスに含まれる硫化水素は高濃度になるほど嗅覚が麻痺し、「臭わないから安全」とは限らない
2. 草津白根山では1971年・1976年に硫化水素ガスによる死亡事故が発生しており、風の弱いくぼ地に滞留しやすい
3. 観光地であってもガスのリスクはあり、現地の注意看板・規制区域の表示を必ず確認することが基本の対策になる
火山ガスは噴火のような目に見える現象と違い、日常の登山やハイキングの中で見過ごされがちなリスクです。美しい火山の風景を楽しむ際は、見えない危険にも意識を向けておきましょう。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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