新築の内覧会(施主検査)は、引渡し前に施主が建物を確認できる、実質的に最後の機会です。ここで見落とすと、入居後の補修は「使い方の問題では」と扱われやすくなります。建売でも注文住宅でも、見る場所と伝え方は共通です。
このページの詳しい解説
当日の進め方から鍵を受け取るまでの流れは、次の3記事で詳しく解説しています。
- 当日の流れ|所要時間・持ち物・誰と行くか
- 引渡しまでの流れ|補修・再内覧・残金決済・鍵の受け取り
- 第三者の住宅診断は必要?|同行検査の費用と依頼のタイミング
先に結論:内覧会は「きれいさ」ではなく「記録」を取りに行く
新築は当然きれいです。だからこそ、目で見て納得して終わりにしてしまいがちです。内覧会でやるべきことは、気になる箇所に印をつけ、写真と書面で残し、いつ直すのかを確定させることです。
持ち物
- メジャー(5m以上)
- スマホ(写真・水平器アプリ・懐中電灯)
- マスキングテープ(指摘箇所に貼る)
- 図面一式(平面図・電気配線図・仕様書)
- スリッパと軍手
- 充電器(コンセントの通電確認用)
室内で見るところ
- 床の傾き(水平器アプリを各部屋で当てる)
- 壁紙の継ぎ目の浮き・しわ・汚れ
- 建具の開閉。ドアが自然に動かないか、戸当たりが効いているか
- 窓とサッシの動き、網戸のがたつき、鍵のかかり具合
- コンセントとスイッチの位置が図面どおりか、数は足りているか
- すべてのコンセントに充電器を差して通電を確認する
- 照明・換気扇・インターホンの動作
- 収納の内部(棚板の高さ、可動棚のダボ、内装の仕上げ)
水回りで見るところ
- キッチン・洗面・浴室の水を実際に出し、排水の流れと水漏れを見る
- 食洗機・浴室乾燥機・給湯リモコンの動作
- シンク下・洗面台下の配管まわりの仕上げ
- 便器のぐらつき、便座の動作
外回りで見るところ
- 外壁のキズ、コーキングの切れ、汚れ
- 基礎のひび(ヘアクラックの有無と幅)
- 雨樋の取り付けと排水先
- 玄関ドアと門扉の動作、鍵の本数
- 外部コンセントと水栓の位置・通電
- 駐車スペースの実寸(メジャーで測る。図面と車のサイズを照合する)
- 境界標が図面どおりの位置にあるか
見落としやすい場所
- 小屋裏点検口・床下点検口の中(懐中電灯で覗く)
- 2階の窓から見た屋根と外壁の状態
- 分電盤のアンペア数と回路の割り振り
- 24時間換気の給気口の位置と開閉
指摘の伝え方と記録の残し方
- 指摘箇所にマスキングテープを貼り、その場で写真を撮る
- 指摘リストを作り、担当者と同じ内容を共有する
- いつまでに、どう直すのかを書面で受け取る
- 補修後に再内覧を行い、直っていることを自分の目で確認してから引渡しを受ける
「引渡し後に直します」という口頭の約束だけで引渡しを受けないことが重要です。再内覧の日程まで決めてから進めてください。
建売と注文住宅の違い
建売は完成済みのため、指摘できるのは仕上がりと動作の不具合が中心になります。注文住宅は工事中にも確認の機会があるため、内覧会の前に、上棟時や断熱工事の段階でも写真を残しておくと安心です。いずれの場合も、図面と現物が一致しているかの照合は施主にしかできません。
注意:内覧会は専門調査の代わりではない
内覧会で分かるのは、目に見える範囲の不具合までです。構造や断熱の施工品質が心配な場合は、第三者の住宅診断(内覧会同行)を依頼する方法もあります。費用はかかりますが、引渡し前に指摘できる点が増えます。
無料PDF版(印刷して現地に持っていけます)
当日の確認項目を、チェック欄とメモ欄つきのA4・2ページにまとめました。会員登録もメールアドレスの入力も不要です。
- 1ページ目:持ち物・段取り/室内/水回り/外回り/見落としやすい場所
- 2ページ目:指摘の記録/再内覧/引渡し当日に受け取るもの

コメント