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定期借家 途中解約/転勤なら1か月前でできる

🗨️「定期借家で2年の契約をしたのに、1年で転勤が決まりました。途中で解約できないと聞いていて、残りの家賃を払わされないか心配です」

解約できます。住まいとして借りた床面積200㎡未満の部屋なら、転勤・療養・親族の介護などで住めなくなったとき、借地借家法38条7項により1か月前の申入れで終わります。これより借主に不利な特約は無効です。理由が自己都合なら、契約書の解約の条文しだいです。

[不動産] この記事の要点

発表日・更新日

2026年10月12日 発表

影響を受ける人
  • 定期借家の契約中に、転勤や介護で引っ越すことになった人
  • 契約書に「途中解約不可」と書かれていて不安な人
  • これから定期借家の部屋を借りるか迷っている人
目次

法律が認める途中解約の条件

借地借家法38条7項は、次の条件がそろうと、借主から解約を申し入れられると定めています。契約は申入れの日から1か月たつと終わります。

条件中身確かめる場所
住まいとして借りている店舗併用でも、生活の本拠なら当たる(国交省の質問と答え)契約書の使用目的
床面積が200㎡未満部屋の一部を借りている場合は、その部分の面積契約書の頭書
やむを得ない事情転勤・療養・親族の介護など辞令や診断書など
住めなくなったその部屋を生活の本拠として使うのが難しい引っ越し先の事情

ふつうの賃貸の部屋は、ほとんどが200㎡より狭いので、面積で外れることはまずありません。分かれ目になるのは、引っ越す理由がやむを得ない事情に当たるかどうかです。

売る・継ぐ・片付ける、を決めるときに読むもの

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不利な特約は無効になる

同じ38条の8項は、7項に反する特約で借主に不利なものは無効としています。国交省の質問と答えも、1か月より長い申入れ期間を特約で決めても無効だとしています。

つまり転勤で出る場合、契約書に「解約は3か月前」「途中解約不可」と書いてあっても、1か月前の申入れで終えられます。違約金の条文がある場合の扱いは質問と答えに書かれていないので、契約書を持って消費生活センターや弁護士に相談してください。

?
読者

家を買ったので出たい、のような自分の都合でも1か月前で大丈夫ですか?

おかあさん

そこは契約書しだいです。法律が守ってくれるのは、やむを得ない事情のときだけです。自己都合の解約は、契約書の解約の条文が決めます。

自己都合なら契約書の条文を見る

国交省の質問と答えは、「やむを得ない事情がなくても借主は解約できる」という特約は借主に不利ではないので有効だとしています。その場合、申入れから解約までを3か月と決めても有効です。ただし法律の条件に当たる事情があれば、1か月前の申入れで終えられます。

国交省のひな型は理由を問いません。定期賃貸住宅標準契約書の第11条は、借主は少なくとも1か月前に申し入れれば解約できるとしています。解説には、法律の事情があるかどうかにかかわらず借主の途中解約を認めた条文だと書かれています。

1か月を待たずに出たいときは、申入れの日から1か月分の家賃を払えば、その間いつでも解約できます。標準契約書の解説の例では、9月10日に申し入れて9月30日に出る人は、10月9日までの家賃(賃料相当額)が要ります。

反対に、長く住む前提で家賃を下げた部屋などでは、解約を法律の事情に限る書き方も記載例として示されています。手元の契約がどちらの型かは、解約の条文を読めば分かります。

鍵を手渡す手元
申入れから1か月後を、鍵を返す日の目安にします(イメージ・Pexels)

貸主からは途中で解約できるか

38条には、貸主から期間の途中で解約できるという定めはありません。貸主に求められているのは、期間が1年以上の契約で、満了の1年前から6か月前までに「期間が来たら終わります」と知らせることです(38条6項)。この通知がないと、貸主は期間満了で終わったと借主に主張できません。

期間が来たら出なければならない点や、子どもの学校をどうするかは、定期借家 更新できない/中2の子を転校させたくないで書いています。

半分以上の人が制度を知らない

国交省の住宅市場動向調査(令和6年度)で、民間賃貸住宅に住み替えた世帯に定期借家制度を知っているか聞いた結果です。

年度知っている名前だけは知っている知らない
令和2年度12.5%23.6%62.9%
令和4年度12.3%25.5%61.3%
令和6年度15.8%24.7%57.9%

同じ調査で、住み替えた世帯の契約のうち定期借家は2.1%でした。数は少ないぶん、契約するときに「更新がない」「途中解約の条文はどうなっているか」を自分で読む人も多くありません。

解約を申し入れる前に、次の4つを確かめておきます。

  • 契約書の解約の条文:理由を問わない型か、法律の事情に限る型かを見る
  • 申入れの方法:書面で、申し入れた日が残る形にする
  • 事情の書類:辞令・診断書・介護の事情が分かるものを用意する
  • 退去費用:原状回復で何を払うかは、契約書の条文と国交省のガイドラインで見る

退去のときに何を払うかは、賃貸の退去費用は誰が払う?にまとめています。

生活・仕事にどう効くか

  • 転勤・療養・介護:住まい用で200㎡未満なら、申入れから1か月で契約が終わる
  • 3か月前に申し入れる特約:法律の条件に当たる解約には効かない。自己都合の解約なら有効
  • 標準契約書のひな型:理由を問わず1か月前の申入れで解約できる条文になっている

結局どうすればよいか

  • 契約書の「解約」の条文と、特約の欄を読む
  • 床面積と、住まいとして借りているかを契約書の頭書で確かめる
  • 転勤の辞令など、住めなくなった事情が分かる書類を手元に置く
  • 申入れは日付が残る書面で行い、1か月後を退去日の目安にする

公式出典

更新履歴

  • 2026年10月12日 初版を公開(条文はe-Gov、Q&Aと標準契約書は国交省の原文で確認)

※本記事は2026年10月12日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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