🗨️「借りている部屋が雨漏りして、ひと部屋が使えません。管理会社に言っても直してくれないのですが、家賃は下げてもらえるのでしょうか」
下がります。民法611条は、借りている人のせいでなく一部が使えなくなったら、その割合に応じて家賃は「減額される」と定めています。業界団体の目安では雨漏りは5〜50%で、最初の7日は計算に入れません。額は貸主との話し合いで決めるので、通知と記録を先に残します。
[不動産] この記事の要点
2026年10月12日 発表
- 雨漏りで部屋の一部が使えなくなっている賃貸の借主
- 管理会社に連絡したのに、修理の日程が決まらない人
- 家賃をいくら下げてもらえばいいか分からない人
家賃は「下げてもらう」ものではない
民法611条1項は、借りている物の一部が使えなくなり、それが借主のせいでないときは、使えなくなった部分の割合に応じて家賃は減額されると定めています。2020年4月の改正前は「請求できる」でしたが、いまは条文の上では当然に下がる扱いです。
ただし、何%下がるかは条文に書いていません。国交省の賃貸住宅標準契約書も、減額の程度や期間は貸主と借主が協議して決めるとしています。そこで目安として使われているのが、日管協のガイドラインです。
乾かすときと、次の雨の前に
床上でも床下でも、乾かすのに約1か月かかります。そのあいだ風を送り続ける道具と、次の雨で水を玄関から入れないための道具です。
床をはがしたあとの床下や壁の中は、窓を開けるだけでは空気が動きません。床の開口部に向けて風を送り続けると、乾くまでの1か月を短くできます。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
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雨漏りの目安は5〜50%
ガイドラインは、電気・ガス・水が使えない場合を先に見て、当てはまらないときに雨漏りやトイレなどの項目を見る順番にしています。雨漏りは「雨漏りによる利用制限」として、減額割合5〜50%、免責日数7日です。
免責日数は、業者を手配して直すまでに普通かかる日数として、計算から外す日数です。7日以内に直れば、目安の計算では0円になります。
幅が5〜50%と広いのは、天井にしみが出た程度と、寝室が使えなくなった場合とで重さが違うからです。どこに置くかの基準はガイドラインにありません。民法611条のとおり、使えなくなった部分の割合で考えると話が進めやすくなります。
家賃7万円・20日間使えなかったときの試算です。計算は「家賃×割合×(使えなかった日数−7日)÷30日」です。
| 雨漏りの程度(例) | 割合 | 減額の目安 |
|---|---|---|
| 収納や廊下の一部が濡れる | 10% | 約3,033円 |
| 広さの4分の1ほどの部屋が使えない | 25% | 約7,583円 |
| 部屋の半分ほどが使えない | 50% | 約15,167円 |
| 7日以内に直った | — | 0円 |
程度と割合の組み合わせは、計算の考え方を示すための例です。ガイドラインに法的な拘束力はなく、日管協も状況に応じて調整できる目安だとしています。

エアコンや給湯器など、ほかの設備が壊れたときの割合と計算例は、家賃減額 ガイドライン/エアコンは10%に変更にまとめています。
直してくれないなら、そのぶん家賃を払わなくてもいいですよね?
勝手に止めるのはやめましょう。いくら下がるかは話し合いで決まるので、払わないと滞納として扱われるおそれがあります。払いながら、減額を書面で求めるのが安全です。
直してくれないときは自分で直せる
雨漏りの修理は貸主の義務です(民法606条)。一方で借主にも、修理が必要だと遅れずに知らせる義務があります(民法615条)。知らせずに放っておいて傷みが広がると、話がこじれます。
民法607条の2は、次のどちらかのとき、借主が自分で修理できると定めています。
- 知らせた(または貸主が知っていた)のに、相当の期間内に直してくれない
- 台風の最中で天井から水が落ちているなど、急ぐ事情がある
貸主が払うべき修理代を立て替えたときは、すぐに返してもらうよう請求できます(民法608条1項)。ただ、業者や工事の範囲で後から揉めないよう、見積もりを貸主に見せてから頼むのが無難です。
連絡先の順番や、持ち家で雨漏りしたときの頼み先は、雨漏りしたらどこに連絡するの?で整理しています。
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住めないほどなら契約を解除できる
民法611条2項は、残った部分だけでは借りた目的を果たせないとき、借主は契約を解除できるとしています。部屋のほとんどが使えない状態が続くなら、減額ではなく退去を選ぶ道もあります。
濡れた家具や家電は、建物の保険ではなく借主自身の家財の保険の話になります。部屋と家財で保険が分かれる仕組みは、賃貸 浸水/部屋は大家、家財は自分の保険を見てください。
減額を求める前にそろえるもの
- 雨漏りの写真:天井・床・濡れた物を、日付が分かる形で撮る
- 連絡の記録:管理会社や貸主にいつ知らせたかを、メールや書面で残す
- 使えなかった日数:使えなくなった日と直った日をメモする
- 契約書:修繕や減額の条文、設備の欄を読み直す
生活・仕事にどう効くか
- 減額の幅:日管協の目安で5〜50%。使えなくなった部分の割合で考える
- 7日以内に直った:雨漏りの免責日数は7日。目安の計算では減額0円になる
- 直してくれない:通知したのに相当の期間がたっても直らないときは、借主が修理して費用を請求できる
結局どうすればよいか
- 雨漏りの場所と日付を写真で残し、管理会社か貸主へメールなど記録が残る形で知らせる
- 使えなくなった部屋と日数を数え、目安の割合で減額の額を出してみる
- 家賃は止めずに払い、減額は書面で話し合って決める
- 家財が濡れたときは、自分の火災保険(家財)の水濡れ補償を確かめる
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 民法 606条・607条の2・608条・611条・615条(e-Gov法令検索)(2026-10-12確認発表)
- 日本賃貸住宅管理協会「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」(令和6年10月4日)(2026-10-12確認発表)
- 国土交通省「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版)(2026-10-12確認発表)
更新履歴
- 2026年10月12日 初版を公開(民法の条文はe-Gov、目安の割合と日数はガイドラインのPDFで確認)
※本記事は2026年10月12日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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