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登米市 冠水 どこが危ないの?

宮城県登米市で、国の「冠水想定箇所」に載っているのは2か所です。佐沼の住宅地を通る市道「新大東幹線」と、中田町石森の田んぼの中を通る市道「長根・夏川線」で、説明表の写真はどちらも、何かの下をくぐる形ではない平らな道です。

市が公開している大雨・台風などの被害記録20回分(2011〜2022年)を読むと、新大東幹線のある大東・新大東の市道が通行止めや通行規制になった回が9回あり、そのうち6回は理由に「冠水」と書かれていました。

検索候補に出る「佐沼」で、市の記録や議会の答弁に冠水の場所として繰り返し出てくるのは、この大東と、迫庁舎のある中江です。

この記事でわかること

  •  2019年の台風19号では、佐沼で市道32路線が冠水で一時通行止めになりました(市長の答弁)
  •  2025年5月31日は「時間雨量15ミリ程度の雨が3時間降り続いた状態」で中江の道路が冠水しました(市の建設部次長の答弁)
  •  迫川の佐沼観測所は、2022年7月17日に4.85メートル。氾濫危険水位の4.70メートルを超えました
目次

雨の日に「今通れない道」を見る公式ページ

市のメール配信サービスの「防災情報」は、市の案内では道路規制(全面通行止め)も対象です。ただ、公開されている過去のお知らせのうち2024年8月25日〜2026年9月20日の700件に、冠水や通行止めの配信は見当たりませんでした。市のトップページと防災のページにも、X(旧Twitter)のアカウントの案内は見当たりません。

国の一覧は2か所、どちらも市道

国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は、宮城県で32か所です。登米市は2か所で、どちらも市が管理する市道。説明表の「アンダーパス等名称」の欄は、2か所とも空いています。

A の新大東幹線の位置図は、迫川の西側で、「新大東」の文字の横の曲がった道に赤い線を引いています。

B の長根・夏川線は、A から北北東へ約6.5キロ。夏川の橋から東へ延び、田んぼの中を南東へ向かう道です。2014年3月の市議会で議員が「石森の白地にずっと通っているそよかぜライン」の冠水を取り上げ、市の用地専門監は「長根夏川線のことだと思います」と答えました。

登米市佐沼の国の冠水想定箇所と、冠水・通行止めの記録がある地区の地図
Aが国の冠水想定箇所、1〜8が市の記録に出てくる地区(位置は代表点)

国の一覧のA・B

A 新大東幹線

市道(国の一覧 宮城県-02-422)

登米市 迫町佐沼字新大東

管理: 登米市 0220-22-2111 / 警察: 佐沼警察署 / 消防: 登米市消防署

※ 市の2022年7月の記録は、通行止めの区間を「登米合同庁舎~大東公園」と書いています

A をGoogleマップで開く

B 長根・夏川線

市道(国の一覧 宮城県-02-423)

登米市 中田町石森字新藤ヶ崎

管理: 登米市 0220-22-2111 / 警察: 佐沼警察署 / 消防: 登米市消防署

※ 佐沼の地図の範囲の外で、Aから北北東へ約6.5キロ。夏川の橋から南東へ延びる田んぼの中の道です

B をGoogleマップで開く

Googleマップのリンクは、説明表の位置図と国土地理院の地図を突き合わせて読み取った位置で開きます(説明表の住所に番地はありません)。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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大東・新大東の市道は、被害記録20回のうち9回

市の防災情報のページには、2011年から2022年7月まで、大雨・台風などの被害状況が20回分並んでいます。

日付 大雨・台風 記録の路線名 理由の欄 時間
2011年9月21日 台風15号 大東幹線 記載なし 17時45分〜翌5時30分
2013年7月26日 大雨 新大東幹線 冠水 17時30分〜翌4時
2013年10月16日 台風26号 新大東幹線 冠水 9時30分〜13時
2014年10月6日 台風18号 新大東幹線 冠水(通行規制) 14時45分〜16時
2016年8月30日 台風10号 大東官幹線 冠水 14時30分〜15時35分
2017年9月12日 大雨 新大東幹線 冠水 4時30分〜7時30分
2017年10月23日 台風21号 大東幹線 冠水 7時30分〜11時
2019年10月12日 台風19号 新大東幹線 記載なし 22時50分〜14日13時
2022年7月16日 大雨 新大東幹線 記載なし 6時40分〜翌17時
大東・新大東の市道が通行止めになった時間
赤は記録の理由の欄に「冠水」とある回

「冠水」と書かれた6回は、1時間ほどから10時間半で解除されています。長かったのは理由が書かれていない2019年と2022年で、それぞれ38時間と34時間でした(2019年は、同じ記録の別の行に「12日から15日まで」の通行止めもあります)。

市の上下水道部長は2023年9月の議会で、大東は「従来ですと、中江よりも冠水の程度はひどい場合が多い」と話し、冠水すると「五、六十センチは冠水したりする」と答えています。

市は大東公園のまわりを「豪雨時に道路冠水が頻発する」場所として、2016年度から雨水排水路の事業を進めてきました。市長は令和7年度(2026年3月まで)の完了を目指すと答えていましたが、完了したかどうかは確かめられませんでした。

中江は2019年と2022年に約2日間冠水(市の答弁)

迫庁舎や迫公民館がある中江について、市長は2023年2月の議会で、2019年の台風19号と2022年7月の大雨のとき「公共施設周辺においても約2日間冠水が発生」したと答えています。

2019年の台風19号について市長は、佐沼地区で冠水により市道32路線が一時通行止めになったと答えました。中江と大網は、排水先の長沼川と大網排水路が満水になって水を出せず、大網排水機場の付近から水中ポンプ4台で延べ3日間、水をくみ出したといいます。市のサイトの通行規制の一覧でも、萩洗・中江・天神前・新町・南佐沼・新大東などの31路線が、10月12日から15日まで通行止めでした。

市の建設部次長は2026年3月の議会で、2025年5月31日の大雨では「時間雨量15ミリ程度の雨が3時間降り続いた状態」で中江の道路が冠水したと答えました。冠水する場所としては、迫庁舎の裏の市道北方中田線の、佐沼葬儀社前の交差点、ダイシャリン交差点付近、むつごろう付近を挙げています。同じ答弁によると、中江の道路の排水は今、すべて長沼川に流れ込みます。市は冠水の原因を「長沼川の水位の上昇による内水の滞留と長沼川からの逆流」と想定しています。

No. 地区 記録(出どころ) 地図
1 中江 北方中田線や中江の市道が2011・2013・2017・2019・2022年に通行止め(2013・2017年は冠水)。2025年5月31日も冠水(建設部次長の答弁) 地図で開く
2 萩洗 2019年10月、萩洗の名前の市道5路線が12〜15日に通行止め 地図で開く
3 天神前 2019年10月、天神前の名前の市道3路線が12〜15日に通行止め 地図で開く
4 下田中 2013年7月26日、下田中線が冠水で通行止め 地図で開く
5 小金丁 2013年7月26日、小金丁線が冠水で通行止め 地図で開く
6 南佐沼 2019年10月、南佐沼3〜5号線が12〜15日に通行止め 地図で開く
7 大網 2019年10月、大網下江線などが通行止め。長沼川と大網排水路が満水になり、ポンプで3日間くみ出し(市長の答弁) 地図で開く
8 東佐沼 2012年5月4日、佐沼大橋・菜園線が冠水で通行止め 地図で開く
i
1〜8の位置は住所を国土地理院の住所検索にかけた代表点で、冠水した地点そのものではありません。

読者

佐沼の町なかの冠水は、迫川からあふれた水なんですか?

おかあさん

中江について市が想定しているのは、道の雨水がたまる「内水の滞留」と「長沼川からの逆流」です。2012年5月3〜4日の大雨では、市道錦佐沼高校線で「迫川増水により樋管から逆流し、側溝から水溢れ」と市の記録にあります。

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迫川の水位は、2022年7月に氾濫危険水位を超えた

検索候補の「迫川 水位 佐沼」にあたるのが、県の佐沼観測所です。市の記録によると、氾濫危険水位は4.70メートル。2019年の台風19号では10月13日に4.58メートル、2022年7月の大雨では17日に4.85メートルまで上がりました。

迫川の佐沼観測所の基準の水位と、2019年・2022年の最高水位
2022年7月17日は氾濫危険水位の4.70メートルを超えた

市の建設部長は2026年3月の議会で、「迫川が一定程度水位が上がると、もう排水規制がかかって排水できなくなりますよ、なおかつ逆流します」と話しています。県の説明では、迫川の「排水調整」は、水位が基準に達しそうなとき、水防管理者の市長が排水施設の運転停止を要請するものです(2021年の市長答弁)。

読者

長沼川の工事が終われば、中江は冠水しなくなるんですか?

おかあさん

市は「大幅に軽減される」ことを期待しています。建設部長は2025年9月、県の放水路1.54キロは2026年3月に完成、大雨のときの調整池は2027年3月に完成する予定と答えていました(放水路が完成したかどうかは確かめられていません)。それでも市は、中江の排水を北方排水路へ変えられないか、2026年度に調べるとしています。

佐沼の外で、冠水の記録がある道

2019年の台風19号では、市全体で、市道などの被害1,058件のうち「冠水」が85件でした。東和町29件、迫町20件、登米町10件、豊里町・南方町・津山町が8件ずつ、米山町2件です(市の被害状況)。

日付 場所 記録
2013年7月26日 県道 築館登米線 迫町新田字岩ノ崎 冠水で全面通行止め、29日5時45分まで(市)
2013年7月26日 県道 新田米山線 迫町新田字大浦 冠水で全面通行止め(市)
2017年10月23日 三陸道の側道の市道 豊里町福沢・土府 冠水で全面通行止め、翌日11時30分まで(市)
2017年10月23日 市道 大萱線・外の峯線・久保小金沢線 津山町横山 冠水で全面通行止め(市)
2019年10月13日 国道45号 津山町横山 1時15分から12時まで通行止め(市)。危機管理監は「45号線が冠水」と答弁
2026年8月2日 県道 河南登米線 豊里町鴇渡船場〜登米町下り松(3.6キロ) 路面冠水で全面通行止め、17時30分から(県)
2026年8月2日 県道 東和薄衣線 東和町錦織字馬口窪〜東和町二良根(5.0キロ) 同じく路面冠水、17時30分から(県)
2026年8月2日 県道 東和登米線 東和町楼台〜登米町下羽沢(1.8キロ) 同じく路面冠水、17時30分から(県)
i
(市)は登米市の被害状況、(県)は宮城県の被害報(8月4日14時現在の最後の発表)です。

国の一覧のB、長根・夏川線は、2017年9月12日と10月23日に「冠水による」通行止め(10月は一部)が市の記録にあります。2014年に議員は、200〜300メートルほどが冠水し「田んぼよりも低くなっているところがある」と話し、市は「盤上げによる冠水対策」を行うと答えました。盤上げをしたかどうかは確かめられませんでした。

内水の地図はまだ無い。家のまわりを調べる3つ

市のハザードマップのページにあるのは、北上川・旧北上川・迫川・旧迫川などの堤防が決壊した場合の洪水ハザードマップです(2026年9月23日時点)。建設部長は2024年9月、内水ハザードマップには「まだ取り組んでいない」と答えました。2025年3月の市議会の委員会の報告では、迫町の市街地約500ヘクタールの内水の浸水想定を調べ、令和8年度にハザードマップを作って公表する予定とされています。

  • 洪水ハザードマップで、家と避難所までの道の色を見る(内水の地図はまだありません)
  • 家が、中江・大東や、2019年に通行止めが並んだ萩洗・天神前・南佐沼などにあるかを確かめる
  • 雨の日に、家の前の側溝が詰まっていないか、道がどちらへ下っているかを見る

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ほかの市の冠水記事

公式出典

この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず登米市と宮城県の最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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