大崎市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は7か所です。
この7か所は、宮城県の一覧の中で市町村別の最多でした。県全体でも32か所しかありません。そしてその32か所に、仙台市の道は1つも入っていません。
この記事でわかること
- ✓ 宮城県の「道路冠水注意箇所」は32か所。大崎市の7か所が市町村別で最も多く、仙台市はゼロです
- ✓ 大崎市の7か所のうち6か所が古川地区。残る1か所は岩出山のJR陸羽東線の下です
- ✓ 市の内水ハザードマップは、水防法に基づくものではないと市が明記しています
箇所の数・種別・住所は国土交通省 東北地方整備局「道路冠水注意箇所」宮城県32か所と、箇所ごとの説明表7枚から自分で数えました。内水の扱い・対象地区・想定した雨は大崎市上下水道部 下水道施設課「内水ハザードマップについて」です。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
宮城県の32か所に、仙台市は1つもありません

宮城県の一覧は32か所です。市町村別に数えると大崎市7、岩沼市5、利府町4の順で、村田町・加美町・登米市・気仙沼市が2ずつ。残る8市町村が1ずつ並びます。
気になるのは、県庁所在地の仙台市がこの表に出てこないことです。32か所には市道が15か所、町道が10か所も入っています。政令市の市道だから載らない、という一覧ではありません。それでも仙台市の道は1か所もありません。
仙台市に近いところでは、岩沼市の「仙台空港下」の県道が入っています。仙台の名前が出てくるのは、この1行だけです。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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大崎市の7か所は、6か所が古川です
大崎市の7か所を住所で並べると、はっきり偏っています。古川浦町、古川栄町、古川旭5丁目、古川清水沢、古川北稲葉3丁目、古川李埣。6か所が古川地区に集まっています。
この6か所は6か所とも市道で、管理者は大崎市、警察署は古川警察署、消防署は古川消防署。3つとも1つも割れません。古川で道に水がたまっているのを見つけたら、連絡先は1本に決まります。
残る1か所が岩出山です。国道457号がJR陸羽東線の下をくぐる場所で、こちらだけ管理者が宮城県の北部土木事務所、警察は鳴子警察署、消防は鳴子消防署になります。同じ市の中で、窓口が完全に分かれています。

「新江合川河床路」が、そのまま1か所になっています
7か所の名前を読んでいて、手が止まったものがあります。市道旧県道線の「古川李埣 新江合川河床路」です。
河床路は、川の中の低いところを通る道のことです。ふだんは通れますが、川の水が増えればそこはもう川底になります。水がたまるかどうかではなく、水が戻ってくる場所です。国の一覧には、こういう道も冠水注意箇所として入っています。
もう1つ、古川清水沢は「自動車道ボックス」。東北自動車道の下をくぐる通路が、そのまま注意箇所になっています。残る4か所は市道の名前と町名だけで、構造が読み取れません。
標高は17メートルから51メートルまで
| 管理番号 | 区分 | 路線名 | 地先名 | 標高 |
|---|---|---|---|---|
| 宮城県-02-418 | 市道 | 旧県道線 | 古川李埣 新江合川河床路 | 17.2m |
| 宮城県-02-415 | 市道 | 簔口沼線 | 古川旭5丁目 | 17.6m |
| 宮城県-02-417 | 市道 | 稲葉飯川線 | 古川北稲葉3丁目 | 18.2m |
| 宮城県-02-414 | 市道 | 古川江線 | 古川栄町 | 18.4m |
| 宮城県-02-413 | 市道 | 西浦一号線 | 古川浦町 | 20.8m |
| 宮城県-02-416 | 市道 | 荒谷真山線 | 古川清水沢 自動車道ボックス | 27.6m |
| 宮城県-02-201 | 国道457号 | 国道457号 | 岩出山 JR陸羽東線下 | 51.0m |
標高は説明表の住所から引いた代表点の値です。くぐる道の底は、これよりさらに低くなります。
古川の6か所は、17.2メートルから27.6メートルのあいだに収まっています。いちばん低い場所といちばん高い場所の差が、10メートルほどしかありません。大崎耕土と呼ばれる平らな土地の上に、市街地がまるごと乗っているからです。
坂がない土地は、雨が降っても水が流れていく先がありません。標高の数字だけ見ると内陸で高そうですが、ここでは平らであることのほうが効いています。
この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
内水の地図はありますが、重要事項説明の対象ではありません

大崎市は内水ハザードマップを出しています。対象は4つの地区で、古川地区が約1,468ヘクタール、松山地区が約270ヘクタール、三本木地区が約292ヘクタール、鹿島台地区が約362ヘクタールです。
ただし、市のページには1行だけ、はっきりした断りが入っています。「大崎市の内水ハザードマップは水防法の規定に基づく内水(雨水出水)ハザードマップではありません」という文です。
この違いは、家を借りたり買ったりするときに効いてきます。宅地建物取引業者が重要事項説明で示す義務があるのは、水防法に基づいて作られた地図です。大崎市の内水の地図は、その義務の対象には入っていません。説明されなかったから見なくていい、ではなく、自分で市のページを開いて確かめる地図だ、という意味です。
7か所のうち岩出山の1か所は、この4地区のどれにも入っていません。国の一覧には載っているのに、市の内水の地図では白いままになります。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
想定しているのは、台風19号のピークを120ミリにした雨です

大崎市の内水ハザードマップが使っている雨の条件は、他の市と少し違います。仙台管区気象台で観測された令和元年台風第19号の降り方をそのまま使い、ピークの1時間降雨量を120ミリに引き伸ばした雨。総雨量は440.5ミリです。
台風19号のときに実際に降った雨も、別に地図にしてあります。古川地区は総雨量183.5ミリ、松山地区は271.5ミリ、三本木地区は293.5ミリ、鹿島台地区は252.5ミリ。同じ市の中で、地区によって100ミリ以上の差がついています。
想定の440.5ミリは、古川で実際に降った183.5ミリの2.4倍です。地図は想定と台風19号の再現の2種類が並びます。「19号のとき大丈夫だった」という記憶は、想定の図では通用しません。
大崎市のシミュレーションは、国土地理院の基盤地図情報(令和2年度更新)の地盤高を使っています。それ以降の造成は反映されていません。水路に土砂がまったく溜まっていない条件なので、実際にはこの図より水が引きにくい場所もあります。川からあふれるほうは「大崎市洪水土砂災害ハザードマップ」で見ます。
もし車で水に入ってしまったら


古川の6か所は、名前からは構造がわかりません。ふだん通っている市道が、雨の日だけ水路の続きになります。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
平らな土地の冠水は、深さがわかりにくいのが厄介です。「下る」感覚がないまま、気づくと水の中に入っています。浅そうに見えて、進んだ先が急に深いのが怖いところです。水深がひざ下でも、流れがあれば大人は歩けません。50センチより深いときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 郡山市 冠水 どこが危ないの? 内水の地図が2枚あって、74ミリ版と120ミリ版で数字が違います(福島県)
- いわき市 冠水 どこが危ないの? 国3か所・県21か所・市140か所。名簿によって数が7倍ずつ変わります(福島県)
- 盛岡市 冠水 どこが危ないの? 県内80か所のうち、国が管理する道は2か所だけです(岩手県)
- 山形市 冠水 どこが危ないの? 15か所は市の一覧と1つ残らず同じでした(山形県)
- 札幌市 冠水 どこが危ないの?(北海道) 国の一覧は12か所、市の浸水履歴は1,206件です
この記事のまとめ
大崎市で道路が冠水しやすい場所は7か所で、宮城県32か所のうち市町村別の最多です。6か所が古川地区の市道で、管理者も警察署も消防署も1つです。残る1か所は岩出山の国道457号がJR陸羽東線の下をくぐる場所で、こちらだけ窓口が県と鳴子に変わります。
標高は17.2メートルから51.0メートルで、古川の6か所は10メートルほどの幅に収まっています。市の内水ハザードマップは古川・松山・三本木・鹿島台の4地区にあり、ピークの1時間降雨量を120ミリにした雨(総雨量440.5ミリ)を想定しています。ただし水防法に基づく地図ではないため、重要事項説明の対象には入りません。
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