国と東京都の想定では、中川があふれると、葛飾区の高砂一丁目と東立石三丁目は、町・字の中心が2階まで浸かる3〜5mの区域に入ります。
ただし町・字の中心が3m以上の区域に入るのはこの2か所だけで、中川で目立つのは深さより、浸水が続く長さです。
先に結論
- ✓ 町・字の中心268か所で、0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く想定。うち葛飾区74か所、三郷市58か所、吉川市56か所など
- ✓ 中川の戦後最大の洪水は1958年9月の狩野川台風。流域で41,544戸が浸水した(中川・綾瀬川流域水害対策計画)
- ✓ 首都圏外郭放水路と三郷放水路は2019年、吉川の水位を約30cm下げたと国は想定。それでも吉川は当時の氾濫危険水位を超えた
中川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は中川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国の区間は、中川・綾瀬川流域に48時間で596mmの雨が降る想定です。色は北葛飾郡松伏町の南から吉川市・三郷市・葛飾区を通り、江戸川区まで途切れずに続きます。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
町・字の中心が区域に入るのは796か所で、足立区180か所、江戸川区171か所、葛飾区148か所などです。葛飾区は155か所のうち148か所が入ります。
1階が浸水する0.5〜3mは566か所で、葛飾区128か所、江戸川区116か所、足立区88か所、三郷市81か所、吉川市68か所などです。
吉川市の大字中島や木売一〜三丁目、三郷市の彦沢などが入ります。

3日〜1週間続く町・字の中心は、越谷市にも35か所、足立区にも31か所あります。1〜2週間続く区域も、松伏町と吉川市に小さくあります。
河口に近い江戸川区は、171か所のうち74か所が12時間未満です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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中川の過去の水害と最近の大雨

1958年の狩野川台風では、下流の低い土地から雨水が川へ流れ出せず、「低平地水田一帯を池沼のごとく湛水し」、湛水は数日間に及びました(中川・綾瀬川河川整備計画)。
1947年9月のカスリーン台風で利根川が決壊したのは、埼玉県東村(今の加須市)です。
内閣府の広報誌は、葛飾区などで浸水の深さが3mになり、「湛水期間が半月に達した地域もあった」と書いています。

今の水位を見る場所

国の洪水予報は吉川市の吉川、埼玉県の中川中流部の洪水予報は春日部市の牛島が基準地点です。足立区・葛飾区・江戸川区で見るのも吉川の水位です。
葛飾区の高砂観測所には、避難判断水位と氾濫危険水位がありません。
2026年9月の台風第25号では、21日11時20分に「中川レベル2氾濫注意報」が出て、22日4時に解除されました。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、この間の吉川は避難判断水位に届いていません。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「外郭放水路があるから中川は氾濫しない」は本当か
「首都圏外郭放水路があるから中川は氾濫しない」とは言い切れません。吉川は2019年10月の東日本台風でも、2023年6月の台風第2号でも、当時の氾濫危険水位を超えました。
首都圏外郭放水路は、国道16号の地下50mを通る長さ約6.3km・内径約10mのトンネルです。4台のポンプをフル稼働させると、1秒間に200m³を江戸川へ排水します。
2019年は三郷放水路とあわせて吉川の水位を約30cm下げ、氾濫危険水位を超えた時間を、施設が無い場合の28時間から4時間に縮めたと国は想定しています。
それでも中川は勾配が約4,200分の1とゆるく、中川・綾瀬川流域水害対策計画は、洪水のときは川の水位が「宅地等堤内の地盤より高くなり」流域に水がたまると書いています。
2026年9月の台風第25号でも、首都圏外郭放水路に水が流れ込みました。
江戸川河川事務所は、中川・綾瀬川流域のポンプ稼働が今年度7回目で、施設完成後の年間稼働回数の記録を更新したと書いています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む葛飾区 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む吉川市冠水 どこが危ないの? ›
- 三郷市 冠水 どこが危ないの?
- 足立区 冠水 どこが危ないの?
- 江戸川区 冠水 どこが危ないの?
- 越谷市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは3か所だけ、うち2か所は地下道ですらない
- 八潮市冠水 どこが危ないの?
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
ここで扱った浸水想定は、国と東京都が中川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 国土交通省「利根川水系中川・綾瀬川河川整備計画【大臣管理区間】」(令和5年11月)
- 国土交通省ほか「中川・綾瀬川流域水害対策計画」(令和7年3月)
- 江戸川河川事務所「洪水浸水想定区域図」(中川・綾瀬川ほか)
- 内閣府「特集 風水害に備える カスリーン台風から75年」
- 江戸川河川事務所「令和元年10月 台風第19号(令和元年東日本台風)出水概要 江戸川・中川・綾瀬川」
- 江戸川河川事務所「江戸川・中川・綾瀬川 令和5年6月台風第2号 出水速報(第1報)」
- 江戸川河川事務所「首都圏外郭放水路 トンネル」
- 江戸川河川事務所「首都圏外郭放水路 排水機場」
- 江戸川河川事務所「R8.09.20 台風第25号に伴う体制」
- 埼玉県「洪水予報河川・水位周知河川の指定」
- 気象庁「防災情報XML」指定河川洪水予報(中川、2026年9月21〜22日)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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