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品川区 冠水 どこが危ないの?

「品川区で水が出るのは、目黒川沿いの五反田あたり」。家を探していると、そんな話を聞くことがあります。

区が平成元年から付けている浸水の記録を読むと、その話は平成10年までのものでした。西五反田1・2丁目は平成10年までに614件の浸水があり、令和7年9月11日の大雨では2件。同じ日、平成10年まで1件しか記録の無かった二葉1〜4丁目では、合わせて307件でした。

品川区で「どこが危ないか」を調べるなら、国の一覧と区の記録を分けて読む必要があります。この2つは、まったく別の場所を指しています。

この記事でわかること

  •  国の「道路冠水注意箇所」に品川区は3か所。百反隧道・八ツ山アンダーパス・東京港トンネルです
  •  区の浸水記録は130町丁目の表で6,314件。令和7年9月11日は1,182件で、平成11年以来の規模でした
  •  浸水の中心は目黒川沿いの低地から、代表点の標高が14〜19メートルの二葉・中延へ移っています
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箇所の数は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」東京都の一覧と説明表、件数は品川区「町丁別浸水実績一覧」(令和8年9月現在・3地区のPDF)を自分で数えました。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIで引いています。
目次

国の一覧に、品川区は3か所あります

国土交通省の関東地方整備局は、大雨のときに水がたまるおそれがある道を「道路冠水注意箇所」として挙げています。東京都の一覧は153か所。品川区はそのうち3か所です。

A の百反隧道(ひゃくたんずいどう)は大崎1丁目、B の八ツ山アンダーパスは北品川1丁目。どちらも区道で、管理しているのは品川区です。C の東京港トンネルは国道357号の海底トンネルで、江東区と品川区の2区にまたがって載っています。住所の代表点の標高はAが4.3メートル、Bが4.7メートルでした。

品川区の道路冠水注意箇所と浸水の記録が多い町丁目の地図
A〜Cが国の冠水注意箇所、1〜17が区の浸水記録の多い町丁目。2つはほとんど重なりません

地図の番号と同じ順です

A 百反隧道

区道 幹線二級16号線

東京都品川区大崎1丁目 / 標高4.3メートル

管理: 品川区 / 警察: 大崎警察署 / 消防: 品川消防署

A をGoogleマップで開く

B 八ッ山アンダーパス

区道 Ⅱ-92号線

東京都品川区北品川1丁目 / 標高4.7メートル

管理: 品川区 / 警察: 品川警察署 / 消防: 品川消防署

B をGoogleマップで開く

C 東京港トンネル

直轄国道 357号

東京都品川区東八潮(一覧の市区町村欄は江東区・品川区)

※ この箇所には1か所ごとの説明表が付いていないため、管理者・警察・消防の欄はありません

C をGoogleマップで開く

Googleマップのリンクは、説明表の住所と構造物の名前から道路地図(OpenStreetMap)で位置を合わせた緯度経度で開きます。合わせられなかった箇所は町丁目の代表点なので、数百メートルずれることがあります。標高は住所を国土地理院の住所検索にかけた代表点の値で、道路の底の高さではありません。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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区の表は130町丁目・6,314件

品川区は「町丁別浸水実績一覧」を、品川・大崎、大井・荏原(1)、荏原(2)・八潮の3地区に分けてPDFで出しています。平成元年8月1日から令和7年9月11日まで、48回の大雨や台風で、どの町丁目の建物が床下・床上まで浸かったかの件数です。

足し上げると、床下浸水2,464件、床上浸水3,850件。合わせて6,314件になります。区は公開の範囲を町丁目までとしていて、番地は窓口でも出していません。

品川区の主な浸水の記録(件数)
令和7年9月11日の1,182件は、平成11年8月29日の2,751件に次ぐ多さ

いちばん多いのは平成11年8月29日の集中豪雨で2,751件。区の資料では、このときの雨は時間最大77ミリです。その後、平成25年7月23日の豪雨は時間最大74ミリとほぼ同じ強さだったのに、被害は約60棟まで減りました。区は「被害件数が約60棟と大幅に減少しました」と書いています。

ところが令和7年9月11日、区内は再び1,182件、92の町丁目に被害が出ました。気象庁はこの日の15時37分、「15時30分 品川区付近で約120ミリ」とする記録的短時間大雨情報(解析による値)を出しています。

読者

平成11年の半分ほどの件数ですね。減ってはいるんですね。

おかあさん

全体ではそうです。ただ、町ごとに見ると減った町と増えた町がはっきり分かれます。

浸水の中心は、五反田から二葉へ移りました

品川区自身が、令和5年9月の資料にこう書いています。「平成10年までは五反田駅周辺を中心とした目黒川沿いに浸水被害が集中していました」。その後は「戸越銀座周辺や三ツ木通り、立会川(暗渠化された区間を含む)周辺」に移った、と。

西五反田と二葉の浸水件数の比較
西五反田1・2丁目は614件から2件へ。二葉1〜4丁目は1件から307件へ

数字で見ると、差ははっきりしています。西五反田1・2丁目の代表点の標高は3.2〜3.4メートル。目黒川沿いの低地です。二葉1〜4丁目の代表点は14〜17.6メートルです。令和7年9月11日に件数が多かった上位10町丁目は、どれも標高6.8メートル以上でした。

区は平成25年の浸水を「戸越地区等のくぼ地での局所的な浸水被害」と書いています。そして平塚・戸越・西品川地区で「第二戸越幹線」という太い下水道管を令和12年度まで工事しています。

No. 町丁目 合計 平成11年 令和7年 標高 地図
1 西五反田二丁目 421 114 2 3.4m 地図で開く
2 西五反田一丁目 406 91 0 3.2m 地図で開く
3 西品川一丁目 372 164 49 6.8m 地図で開く
4 二葉一丁目 277 142 110 14m 地図で開く
5 中延六丁目 252 135 34 17.8m 地図で開く
6 二葉三丁目 243 131 84 17.5m 地図で開く
7 南大井四丁目 237 116 4 3m 地図で開く
8 中延五丁目 224 127 57 19m 地図で開く
9 西大井四丁目 219 87 7 12.5m 地図で開く
10 西品川二丁目 202 79 32 13.1m 地図で開く
11 二葉二丁目 201 117 68 14.5m 地図で開く
12 西五反田三丁目 192 79 4 5.7m 地図で開く
13 東大井三丁目 159 86 33 11.6m 地図で開く
14 大井一丁目 156 100 18 11.6m 地図で開く
15 東五反田二丁目 151 29 0 3.4m 地図で開く
16 平塚二丁目 147 67 49 23.6m 地図で開く
17 二葉四丁目 83 37 45 17.6m 地図で開く
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件数は床下浸水と床上浸水の合計。区は「区への報告に基づいた現地調査による実績となり、区内のすべての浸水被害を示すものではありません」としています。標高は町丁目の代表点1点の値で、町全体の高さではありません。

国の3か所の町は、建物の浸水がほとんどありません

国の冠水注意箇所がある町を区の記録で引くと、大崎1丁目は平成元年からの合計で8件、北品川1丁目は4件でした。道がくぼんだ構造で水がたまる場所と、建物が浸かる場所は、品川区では別の町です。

海側の埋立地も同じです。勝島1〜3丁目、八潮1〜5丁目、東八潮は、区の記録が1件もありません。

つまり、車で通るときに気をつける場所は国の3か所、住む家を選ぶときに見る場所は区の130町丁目の表、と使い分けることになります。

内水のハザードマップは、重要事項説明の対象です

品川区は、ハザードマップの問い合わせ資料で「雨水出水」を「☑有」としています。水防法にもとづく内水のハザードマップがある、ということです。

もとになっているのは、東京都下水道局が令和8年3月25日に指定した「城南地区河川流域 雨水出水浸水想定区域図」。想定している雨は1時間最大153ミリ、24時間で690ミリです。区はこれをもとに「品川区雨水出水浸水ハザードマップ」を作り、品川区防災地図の26・27ページに載せました。

同じ東京都でも、足立区のように案内のページが「内水氾濫=非該当」のままの区もあります。品川区の表は、すでに「☑有」です。

読者

半地下の部屋は避けたほうがいいですか?

おかあさん

区が名指しでお願いしています。浸水のあった土地や坂の下・窪地では「できるだけ半地下家屋や地下室を設置しないように」と書いています。

止水板は、費用の5分の4まで区が出します

品川区の止水板設置等助成は、区内のすべての建物が対象です。住民登録のある個人なら設置費用の5分の4、上限100万円。法人は5分の3・上限150万円です。脱着式と簡易止水板が対象で、工事の前に申請が要ります。

隣の目黒区は個人10分の9・上限100万円まで引き上げています。賃貸の1階や半地下に住んでいるなら、大家さんに制度があることを伝えるだけでも意味があります。

自分の家の前が危ないかを調べる3つ

  • 区の「町丁別浸水実績一覧」で、自分の町丁目の行を見る。平成11年と令和7年の列に数字があるかどうか
  • 品川区防災地図の26・27ページで、内水(雨水出水)の色を見る。洪水のページとは別です
  • 雨の日に、家の前の道のいちばん低いところと、集水ますの位置を見に行く

二葉や中延のように目黒川から離れた町の浸水は、川からの距離では判断できません。3つ目がいちばん効きます。

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よくある質問

国の一覧に載っていない町なら安全ですか

いいえ。国の一覧はアンダーパスやトンネルのように構造からして水がたまる道が中心です。品川区で建物の浸水が多い二葉・中延・西品川は、国の一覧に1か所も入っていません。

西五反田はもう浸水しないのですか

そこまでは言えません。令和7年9月11日に件数が少なかったのは事実ですが、雨の降り方で被害の出る場所は変わります。平成11年には西五反田1・2丁目で205件の記録があります。

区の表に載っていなければ大丈夫ですか

区は「区内のすべての浸水被害を示すものではありません」と書いています。区に報告がなかった浸水は載りません。載っていないことは、浸水しないことの証明にはなりません。

ほかの区はどうなっているか

公式出典

この記事の数値は公表資料を集計したものです。避難や通行の判断は、必ず区と東京都の最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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