🗨️「ガソリン、いつになったら下がるんですか」
9月14日の全国平均は169.9円ですが、これは1リットルあたりの補助を足して引いたあとの数字です。補助を外すと205.9円。しかも9月17日から補助は36.0円から51.0円に増えていて、それでも店頭は170円程度のままです。来週22日に調整されている日米首脳会談ではイラン情勢が議題に入ると報じられていますが、話し合うことと、店頭の数字が下がることは別です。
[経済] この記事の要点
2026年9月19日 発表
- 車で通勤・送迎していて、毎月まとまった量を給油している人
- 灯油ストーブやファンヒーターを使う家庭
- 配送や現場移動で軽油・ガソリンを使う自営業の人
169.9円は、51円を足してから引いた値段
資源エネルギー庁が毎週出している数字を、そのまま並べます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 9月14日のガソリン全国平均 | 169.9円/L(前週比−0.1円) |
| 補助が無かった場合の価格 | 205.9円/L |
| 9月14日時点の支給単価 | 36.0円/L |
| 9月17日以降の支給単価 | 51.0円/L(軽油・灯油・重油も同額) |
| 航空機燃料の支給単価 | 40.8円/L |
店頭で見ている169.9円は、素の値段ではありません。205.9円から36.0円を引いた結果が169.9円です。つまり、いま安く見えているぶんは、そのまま国が出しています。
灯油も同じ補助の対象です
ガソリンと同額の補助が灯油にも入っています。ストーブを出す前にそろえておくと、いちばん寒い週に慌てずにすみます。
灯油も同じ補助の対象です。値段が動く前に買い足す家庭が増えると、店頭の缶から先に無くなります。JISマーク付きは中身の色が見える白と、日光を通さない赤で用途が分かれます。
満タンで止まる自動停止つきです。あふれさせると床材と手が灯油臭くなり、拭き取りにかかる手間のほうが高くつきます。
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補助が15円増えたのに、店頭は170円のまま
ここが今週いちばん大事なところです。9月17日から、支給単価は36.0円から51.0円へ、15円増えました。ふつうに考えれば、店頭も15円下がりそうなものです。
下がりません。支給単価の計算式が公表されていて、そこにこう書かれています。
支給単価=翌週の想定ガソリン小売価格(今週の価格169.9円+前週の支給額36.0円+原油価格の変動分15.1円)-基準価格170.0円
足されている15.1円が、原油価格の上昇ぶんです。補助を15円増やしたのは、値下げのためではなく、上がった15.1円を打ち消して170円に留めるためでした。補助の額が増えたというニュースを見て給油を待った人は、待っただけになります。

仕組みは「170円を超えた分を全額」
この補助は「イラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」といいます。2026年3月11日の総理指示で決まり、3月19日出荷分から始まりました。資源エネルギー庁の説明資料には、こう書いてあります。
ガソリンについては、全国平均小売価格が、170円程度を超える見込みとなった場合には、その水準を超えないよう、170円を超える部分について10/10の補助を行う
10分の10は全額という意味です。だから原油が上がるほど補助の額も増えますが、読者が払う値段は170円のあたりで動かない。逆にいえば、この仕組みが続くかぎり、店頭価格が170円を大きく割り込むこともありません。
制度が始まったときの会見で、高市首相はこう話しています。原油は1バレル120ドルに迫る局面があり、「ガソリン価格が1リットル当たり200円を超える水準となる可能性も否めません」。また、就任前の1年間はガソリンの小売価格が平均178円だった、とも述べています。170円という数字は、その178円より少し低いところに置かれています。
終わりの日付は、資料のどこにも書いていない
「補助はいつまで」がもうひとつの検索語ですが、公表資料に終了日はありません。書かれているのはこれだけです。
中東情勢の動向やそれを受けた原油価格の水準も見極めながら、事態が長期化した場合には、今後とも支援の在り方を柔軟に検討する
日付が無いということは、いつ終わるかは中東情勢しだいということです。補助が細れば、店頭の数字はその週から動きます。
来週22日の日米首脳会談、議題にイラン情勢
高市首相は9月21日から24日までニューヨークを訪問し、国連総会で一般討論演説を行う予定です。あわせて現地時間22日にトランプ大統領と会談する方向で最終調整に入った、と9月18日に各社が報じました。政府が発表した日程は訪米のほうで、会談そのものは調整段階です。
報じられている議題は、日米同盟の確認、イラン情勢、安全保障、それに24日の米中首脳会談を前にした対中政策の擦り合わせです。イラン情勢が入っている以上、原油の話が出る可能性はあります。ただし、会談で何かが決まっても、店頭の数字に効くまでには距離があります。それは3月に一度確かめられています。
3月の会談で決めたことは、どれくらい届いたか
3月19日の会談後の会見で、高市首相は次のように説明しました。ホルムズ海峡の航行の安全とエネルギーの安定供給に向けて日米で意思疎通を続けること。米国産エネルギーの生産拡大に共に取り組むこと。そして「日本において、米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したい」とトランプ大統領へ伝えたこと。調達先を増やすのが狙いです。
では、実際に何が届いたか。共同通信によると、アラスカ産原油の第1船は73万バレルで、6月6日に千葉県袖ケ浦市の富士石油袖ケ浦製油所へ到着する予定でした。同じ時期に南スーダン産が23万バレル。73万バレルという量は、記事の表現では1日の国内需要の3割程度です。
会談で合意し、船が着き、それでも1日ぶんの3割。半年かけてその規模だった、というのが3月から今日までに起きたことです。来週の会談も、同じ距離感で見ておくのが現実的だと思います。
灯油も同じ51円の対象
見落とされがちですが、この補助はガソリンだけではありません。軽油・灯油・重油もガソリンと同額の51.0円、航空機燃料は40.8円です。灯油は18リットル缶で買う家庭が多いので、1缶あたり918円ぶんが補助されている計算になります。
暖房を使い始める前に、缶とポンプの状態だけ見ておくと、いちばん寒い週に慌てずにすみます。値段が動くのは、補助が動いた週です。
生活・仕事にどう効くか
- 毎月の給油:月に100リットル入れる人なら、51.0円の補助は月5,100円ぶん。補助が無くなれば同じ量で約5,100円増える計算になる。
- 冬の暖房:灯油もガソリンと同額の51.0円が補助されている。18リットル缶なら1缶あたり918円ぶんにあたる。
- 仕事:軽油も同額の補助対象。運送・建設の燃料費は、支給単価が動いた週にそのまま仕入れ値へ跳ね返る。
結局どうすればよいか
- 行きつけのスタンドの表示価格が、全国平均169.9円とどれだけ離れているかを一度見る
- 支給単価は毎週更新される。翌週いくらになるかは資源エネルギー庁の定額引下げサイトで確認する
- 灯油も同じ補助の対象。ストーブを出す前に缶とポンプの状態を見ておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 資源エネルギー庁「イラン情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置について」(仕組み・開始日・総理ぶら下がり発言)(2026年3月11日発表)
- 資源エネルギー庁「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」(2026年9月17日以降の支給単価)(2026年9月16日発表)
- 資源エネルギー庁「ガソリン全国平均価格の推移」(9月14日の全国平均・補助なし価格)(2026年9月16日発表)
- 首相官邸「日米首脳会談についての会見」(2026年3月の会談で確認した内容)(2026年3月20日発表)
- FNNプライムオンライン「高市総理 トランプ大統領と来週22日に会談で調整 国連総会にあわせアメリカ訪問」(2026年9月18日発表)
- 共同通信(アラスカ産原油の第1船・73万バレル)(2026年6月5日発表)
更新履歴
- 2026年9月19日 初版を公開。支給単価と全国平均価格は資源エネルギー庁の公表資料、3月の会談の内容は首相官邸の会見録、来週の会談日程は9月18日時点の報道にもとづく。会談は調整段階で、正式発表ではない。
※本記事は2026年9月19日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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