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取手市 冠水 どこが危ないの?

取手市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は7か所です。

7か所を並べると、場所の欄がほとんど同じでした。「国道6号藤代バイパス下」「国道6号藤代バイパス下」「国道6号藤代バイパス下」。7か所のうち6か所が、国道6号がらみです。

この記事でわかること

  •  7か所のうち5か所が、国道6号藤代バイパスの下をくぐる市道です
  •  市の記録は430件・47地区。そのうち321件、4分の3が道路冠水です
  •  記録がいちばん多い双葉・椚木・桜が丘には、国の一覧が1つもありません
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箇所の数・種別・住所は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【茨城県】」63か所と箇所ごとの説明表から、浸水の記録は取手市「内水実績一覧(平成25年から令和8年8月まで)」を自分で数えました。標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIです。
目次

7か所のうち6か所が、国道6号がらみです

取手市の7か所が何の下をくぐるのかを数えた図
5か所が国道6号藤代バイパスの下です

国土交通省の一覧で茨城県内を数えると63か所。日立市11、水戸市8、取手市7と続きます。取手市は県内で3番目に多い市です。

その7か所の中身が、ほぼ1本の道路に集まっています。国道6号藤代バイパスの下をくぐる市道が5か所、国道6号そのものの小浮気(こぶけ)交差点が1か所、そして関東鉄道常総線の下をくぐる市道が1か所。

管理番号 種別 路線 場所 標高
(一覧のみ) 国道(国管理) 国道6号 小浮気交差点
茨城県-02-018 市道 2-3268号線 新川 国道6号藤代バイパス下 6.3m
茨城県-02-019 市道 2-3271号線 新川 国道6号藤代バイパス下 6.3m
茨城県-02-020 市道 2-3066号線 大曲 国道6号藤代バイパス下 4.5m
茨城県-02-021 市道 2-3098号線 大曲 国道6号藤代バイパス下 4.5m
茨城県-02-022 市道 0219号線 小浮気 国道6号藤代バイパス下 小浮気隧道 3.4m
茨城県-02-023 市道 0114号線 白山5丁目 関東鉄道常総線下 11.9m

いちばん上の小浮気交差点は国が管理していて、地図側の一覧に説明表がありません。

名前が付いているのは「小浮気隧道(ずいどう)」の1つだけ。ほかは何の下かしか書かれていません。管理者は6か所とも取手市、警察署も6か所とも取手警察署、消防も6か所とも取手市消防本部。ほかの市では分かれることが多い欄が、取手市では1つも割れませんでした。

標高は3.4メートルから11.9メートル。藤代バイパスの下が3.4メートルから6.3メートルで、常総線の下だけが11.9メートルと高くなります。参考に取手駅前を引くと4.4メートル、藤代が4.9メートルでした。

高架の下をくぐる交差点
高架の下をくぐる交差点(写真: Pexels)

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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市は430件の記録を、番地まで載せて公開しています

取手市の430件を被害の種類で分けた図
321件、4分の3が道路冠水です

取手市の安全安心対策課は「取手市内水実績ハザードマップ」とあわせて、内水実績の一覧をPDFで公開しています。平成25年から令和8年8月まで。数えると430件・47地区ありました。

この一覧は、被害場所を番地まで書いています。「青柳54付近」「井野1-7付近」。ほかの市では末尾を伏せることが多いのですが、取手市はそのまま載せています。そのぶん、自分の家の近くかどうかがすぐ分かります。

被害の区分は4つ。道路冠水が321件、床下浸水が61件、床上浸水が42件、土砂災害が8件。4分の3が「道路が浸かった」記録です。1つの場所に2つ以上の印がつくことがあるので、足すと430を少し超えます。

記録が多い地区に、国の一覧が1つもありません

取手市の記録を地区別に数えた図
上位3地区に国の一覧は1つもありません

地区別に数えると、順位がはっきり出ました。双葉が82件で突出していて、2位の椚木(くぬぎ)が42件、桜が丘が32件、谷中が28件、宮和田が24件と続きます。

ここで国の一覧と突き合わせると、妙なことに気づきます。上位3つの双葉・椚木・桜が丘には、国の道路冠水注意箇所が1つもありません。逆に国の一覧にある地区を市の記録で引くと、白山が12件、小浮気が4件、新川が1件。そして大曲は、国の一覧に2か所あるのに市の記録が1件もありませんでした。

これは矛盾ではなく、数えているものが違うからです。国が数えているのは「掘り下げられた道路の構造」で、市が数えているのは「住民から通報があった場所」。同じ市の中に、答えが2つあります。両方見ないと、自分の家のあたりが入っているかどうか分かりません。

くぐる道は、構造としてかならず水がたまります。だから雨が降るたびに同じ場所が浸かり、住民はもう通らなくなります。通らなければ通報も減ります。いっぽう平らな住宅地は、ふだんは何ともないのに、排水が追いつかない日だけ水が出ます。驚いた人が市に電話をかけるので、記録として残りやすくなります。

双葉の82件という数字は「取手市でいちばん危ない地区」という意味ではなく、「いちばん多く通報が上がった地区」です。ただ、13年で82回も電話がかかっているという事実は、それはそれで重たい数字だと思います。

この住所は浸水しやすい場所ですか

ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。

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2023年6月2日の2日間だけで、115件

雨に濡れた夜の路面
雨に濡れた夜の路面(写真: Pexels)

日付で数え直すと、もっと極端でした。令和5年度の6月2日から3日の大雨だけで115件。430件の27%が、この2日間に集中しています。

次が令和3年度7月11日の61件、平成30年度7月11日の55件、10月25日の大雨の54件、平成27年度9月10日の台風18号で39件、平成25年度10月15日の台風26号で34件。

おもしろいのは、同じ日を隣の県でも見つけたことです。千葉県流山市の記録では、2023年6月2日の台風2号で33件。取手市と流山市は利根川をはさんで20キロほどしか離れていません。県境をまたいで、同じ日に同じことが起きていました。

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市は「水防法に基づくものではありません」と断っています

取手市の内水実績ハザードマップには、注意書きが付いています。「取手市で作成している内水実績ハザードマップは、水防法に基づく『雨水出水(内水)ハザードマップ』ではありません。」

不動産を買ったり借りたりするとき、水害ハザードマップでその物件がどこにあるかを説明することが義務づけられていますが、対象は水防法に基づいて作られた地図だけです。取手市の内水の地図は、その対象ではありません。

読み方の注意も丁寧でした。「被害状況は、災害対策本部等の設置時において、住民等からの通報に基づき安全安心対策課が把握しているものであり、この一覧に履歴がないことが実際の被害の有無を示すものではありません。」記録がない場所が安全という意味ではない、と市自身が書いています。

もう1つ、「区画整理等により地形が変化している場合もあります」とも添えられています。10年前に浸かった場所が、いまは造成されて高くなっていることがある、ということです。古い記録を読むときは、その間に土地がどう変わったかも見る必要があります。

地図は10年分、一覧は13年分です

取手市の資料を読むときに、1つ気をつけたいところがあります。地図と一覧で、対象にしている期間が違います。

内水実績ハザードマップのほうは「過去(平成24年度から令和3年度の10年間)に市内で内水はん濫が発生したと通報のあった場所など」を示したものです。いっぽう一覧表のタイトルは「平成25年から令和8年8月まで」。一覧のほうが3年ぶん新しく、地図に描かれていない最近の記録まで入っています。

実際、件数がいちばん多かった令和5年度の6月2日から3日(115件)は、地図の対象期間(令和3年度まで)の外です。地図だけを見て「うちの近くには印がない」と判断すると、いちばん大きかった日を見落とすことになります。

一覧には「ページ」という列もあって、地図の何ページ目にあたるかが書かれています。一覧で自分の地区を見つけてから、そのページの地図を開く。そういう順番で読むようにできています。

もし車で水に入ってしまったら

水に入ってしまった車から出るまでの手順
水深30センチほどでドアは開かなくなります。割るのは横の窓です

7か所は、どれも上を国道か線路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。標高3.4メートルの小浮気隧道は、その典型です。

JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。

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水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。

\何センチでドアが開かなくなるのか/

JAFの実験の中身を読む ›

窓を割れたのは脱出用ハンマーだけでした

ほかの市はどうなっているか

同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。

この記事のまとめ

取手市で道路が冠水しやすい場所は7か所。そのうち5か所が国道6号藤代バイパスの下をくぐる市道で、1か所が国道6号の小浮気交差点、1か所が関東鉄道常総線の下です。名前が付いているのは小浮気隧道の1つだけ。標高は3.4メートルから11.9メートルで、藤代バイパスの下が低くなります。

市は平成25年から令和8年8月までの内水実績を430件・47地区ぶん公開していて、そのうち321件が道路冠水です。記録がいちばん多い双葉・椚木・桜が丘には、国の一覧が1つもありません。国は道路の構造を、市は住民の通報を数えているからです。両方見てください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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