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【近日公開】AIが物件資料からSUUMO・at homeの入稿文を作成「入稿メイト」|先行登録受付中(無料)

入稿は外に出せます。ところが責任は出せません 「駅まで0m」を選んだのはシステム

「入稿を外に出しているのだから、表示が間違っていても自分の責任ではない」。この考え方は通りません。首都圏不動産公正取引協議会は2025年度の事業報告で、こう書いています。表示規約が適用されるのは、その表示をした不動産事業者であり、表示責任に過失の有無を問わない。

しかも、この一文が出てきた場面が問題です。違反表示を選んだのは人ではなく、入稿システムの自動選択機能でした。

誰が入力したか、悪気があったかどうかは、表示規約の判定に入りません。入るのは「その広告を出したのは誰か」だけです。

この記事でわかること

  •  2025年度の調査対象は732件(前年度比+230件)。うちおとり物件は126件で17.2%
  •  措置を講じた206件のうち190件・92%超がインターネット広告
  •  「目新しい違反」として挙がったのは、システムが自動で選んだ周辺施設の表示3種
  •  表示規約が適用されるのはその表示をした不動産事業者。過失の有無を問わない
  •  代行に出しても社内に残る確認工程が3つある。依頼前に決めておく
目次

2025年度に何件が調べられ、何件が処分されたか

公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会の「2025年度 事業報告」(2025年4月1日〜2026年3月31日)から、実数を並べます。

項目 2025年度 2024年度
調査対象となった物件数 732件 502件
うち、おとり物件数 126件 146件
おとり物件数の割合 17.2% 29.1%
違約金課徴 14件 13件
警告 69件 82件
事案処理件数の合計 252件

調査対象が230件増えた内訳は、賃貸住宅が262件から488件へ226件増えたことによるものです。協議会は、一部の地域で規約違反の疑いのある賃貸住宅の広告についての申告が増えたためと説明しています。

そして、この記事の読者にいちばん効く数字がここです。広告媒体別に見ると、措置等を講じた206件のうち190件・92%超がインターネット広告でした。紙のチラシではなく、ポータルサイトに入稿した画面が処分の対象になっています。会員制交流サイト(SNS)での広告についても、必要な表示事項の不足などで6件の注意が出ました。

読者

うちは元付の資料をそのまま流しているだけです。それでも対象になりますか?

おかあさん

事業報告は、違反物件の大半が「広告をした加盟事業者が所有・管理していたり、直接、媒介等の依頼を受けたりしている物件ではなく、他の不動産事業者等が取り扱う物件」——いわゆる先物物件だったと書いています。手元にない物件ほど確認が甘くなる、という当たり前のことが実数に出ています。

人ではなくシステムが選んだ、3つの違反

学校まで200m・スーパーは閉店済み・駅まで0mの3つの違反と、表示責任に過失の有無を問わないという規約の適用範囲

2025年度に「目新しい違反」として挙げられたのが、この3つです。いずれも物件の内容にかかる不当表示にあたります。

  • 「○○小学校(小学校)まで200m」と表示していたが、その小学校は公立で学区域が指定されており、実際にはその物件から通えなかった
  • 「(スーパー)□□」「(ドラッグストア)××」と表示していたが、広告の時点ですでに閉店しており、実際には利用できなかった
  • 「周辺情報 ◇◇駅(◆◆線)(その他)まで0m」と表示していたが、物件から駅までの実際の道路距離は500mあった

協議会の説明はこうです。物件周辺の施設をシステムが自動で地図上から選び、候補の中から事業者が選択できる便利な機能があった。ところがその地図データが古く、施設が実在するか、学区が正しいかの確認を怠ったために違反になった——。

そのうえで、地図データが古いものを提供している事業者にも一因はあるとしながら、表示規約が適用されるのはその表示をした不動産事業者であり、表示責任に過失の有無を問わないと続けています。便利な機能を信じたことは、免責の理由になりませんでした。

!
この構造は、入稿を代行に出したときとまったく同じです。入力したのが自社の社員でも、外部の代行でも、システムの自動選択でも、広告を出したのは自社です。「代行が間違えた」は、規約の判定に持ち込めません。

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学区は「いちばん近い学校」ではない

3つのうち、いちばん気づきにくいのが学校です。地図上で最も近い小学校が、その住所から通う小学校とは限りません。公立小中学校の通学区域は市区町村の教育委員会が線を引いていて、道路1本、番地1つで分かれます。距離では決まりません。

当サイトは全国の学区データを整理していますが、市区町村の中で通学区域の境界が住居表示の途中を通る例はいくらでもあります。「近いから、たぶんこの学校」で入稿した1行が、違反表示になります。

閉店の確認も同じ構造です。入稿の時点でその店が営業しているかは、地図アプリの登録情報ではなく、店の営業実態でしか分かりません。地図データの更新は、こちらの入稿の速さに追いついてくれません。

読者

学区なら、市のホームページを見れば分かりますよね?

おかあさん

分かります。ただし引くのは町名ではなく、物件の住所です。通学区域の境界は番地の途中を通ることがあるので、町名だけで引くと境界にかかる区域を取り違えます。入稿の資料に「確認済みの学校名」を書いて渡すところまでを、自社の仕事にしてください。

代行に出しても、社内に残る3つの工程

工程 誰がやるか 決めておくこと
周辺施設・学区・距離の裏取り 自社(依頼者) 代行に「地図の候補をそのまま採らない」と伝え、確認済みの施設名を資料で渡す
成約・申込後の掲載停止 自社(依頼者) 成約の連絡から掲載停止までの担当と期限。代行は成約の連絡を受け取れない
公開前の画面確認 自社(依頼者) 本登録の前にスクリーンショットで確認する段取り。誰が見て、いつまでに返すか

代行に出すと消えるのは入力の手間で、確認の責任ではありません。逆に言えば、この3つを依頼の前に決めておけば、代行に出したほうが事故が減ることもあります。人の目が2組になるからです。

発注の手順そのものはSUUMO・アットホームの物件入稿は外注できる|相場1,500〜5,000円と事故らない依頼のコツ5つに、掲載の鮮度が読者にどう見えているかはSUUMOの反響が落ちたのは掲載順位のせいではありません 選ばれた理由の1位は「写真の点数」に書きました。レインズ側の登録で起きる違反はレインズ登録でやりがちな違反6つ|隠語・重複登録・登録直後の削除はどう見られるかが別にあります。

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宅建業法のほうにも同じ線が引かれている

公正競争規約は業界の自主ルールですが、法令の側にも同じ向きの規定があります。宅地建物取引業法32条の誇大広告等の禁止です。所在・規模・形質・環境・交通の利便・価格などについて、著しく事実と相違する表示や、実際より著しく優良・有利だと誤認させる表示を禁じています。

違反すると、業務停止処分(65条2項2号)と罰則の対象になります。ここでも見られるのは「誰が入力したか」ではなく「誰が広告をしたか」です。

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罰金額や懲役の年数は、一次情報で確認できたところまでしか書いていません。数値が必要なときは、宅地建物取引業法の条文そのもの(81条ほか)を確認してください。

私の見方:便利な機能ほど、確認の工程を先に消す

私はこの事例を、地図データが古かった話ではなく「確認の工程が、機能の便利さで消えた話」だと読んでいます。

候補が自動で出てくる欄は、埋めるのが速くなります。速くなった作業は、誰も確認しなくなります。手で入力していたころは「この小学校でいいんだっけ」と一度は考えていた欄が、候補をタップするだけになった瞬間に、考える場面ごと消えました。3つの違反はどれも周辺情報の欄から出ていて、物件そのものの欄からは出ていません。

だから私は、入稿を効率化するときほど「速くなった工程に、確認を1つ足す」という順番をすすめています。代行に出すのも、システムを入れるのも、社内でパートに任せるのも同じです。速さと引き換えに何の確認が抜けたかを書き出しておかないと、抜けたことに気づくのが協議会からの連絡になります。

よくある質問

Q. 代行業者との契約で、責任を代行側に負わせられませんか。

代行との間の損害の負担をどう決めるかは当事者間の話です。ただ、表示規約と宅建業法が見ているのは広告をした宅建業者なので、協議会や行政に対して「代行が間違えた」を主張しても判断は変わりません。

Q. おとり広告はどのくらい見つかっていますか。

2025年度の一斉調査では、賃貸721件のうち19件(2.6%)、売買391件のうち30件(7.7%)でおとり広告が認められました。おとり広告が認められた32社(賃貸11社・売買21社)のうち、1社に違約金課徴、31社に警告の措置が講じられています。

Q. 周辺情報は書かないほうが安全ですか。

書かない選択もありますが、読者が物件情報以外に必要だと答えた情報の1位は周辺情報です。消すのではなく、確認したものだけを載せる形をおすすめします。

出典

  • 公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会「2025年度 事業報告」(対象期間2025年4月1日〜2026年3月31日)。調査物件数・事案処理件数・違反概要・おとり広告の一斉調査。https://www.sfkoutori.or.jp/
  • 宅地建物取引業法32条(誇大広告等の禁止)、65条2項2号(業務停止)。
  • 周辺情報の順位は、不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)「不動産情報サイト利用者意識アンケート」第23回(2025年10月27日公表)。
  • 本文の違反事例は事業報告の記載に沿ったものです。事業者名は同報告でも匿名で書かれており、当サイトでも特定しません。
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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