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和歌山市の土地は町によって坪単価が5.4倍ちがいます

和歌山市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪17.9万円で予算を組むと、堀止西では坪43.0万円なので届かず、杭ノ瀬では坪7.9万円なので余ります。同じ市内の同じ1坪で5.4倍の開きです。

和歌山市には2024年10-12月から2025年10-12月までに320件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで42町ぶん並びます。候補の町が決まらないうちは、「和歌山市の相場はいくら」という1つの数字は予算づくりのどこにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。候補地がこの並びのどのあたりに立つのかを先に見てください。

先に結論

  • 和歌山市の土地は1坪17.9万円(中央値・320件)。1区画は200㎡=60.5坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、堀止西43.0万円と杭ノ瀬7.9万円で5.4倍。市の1つの数字はどの町にも当てはまりません
  • 成約3件の町まで含めると吹上69.4万円と中6.3万円で11.1倍まで開きます。ただし3件の中央値は1件の取引で動きます
  • 古屋の坪2.4万円は市の中央値の4分の1を下回ります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場としては読めません
  • 地価公示(住宅地50地点)の中央値は17.4万円/坪。成約の17.9万円との差は+2.8%で、公示を予算の出発点に置ける水準です
  • 建物込みなら中古戸建て71.5万円/坪、新築戸建て92.0万円/坪(どちらも延床坪)。土地の坪単価とは分母が違うので引き算できません
目次

和歌山市の土地は1坪17.9万円。1区画60.5坪で概算1,080万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに和歌山市で成約した土地の坪単価は、中央値で17.9万円でした。坪単価が極端に外れた21件を除いたうえでの320件です。残った320件の幅は、1坪1.7万円から135.5万円まであります。

1区画の面積の中央値は200㎡、坪にすると60.5坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で1,080万円になります。坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として読んでください。

不動産会社で「和歌山市の土地はだいたい坪17.9万円ですね」と言われたとします。市全体で見れば外れていない一言です。ただし候補地が堀止西にあるのか杭ノ瀬にあるのかで、同じ60.5坪でも土地代は5.4倍ちがいます。金額の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると堀止西43.0万円と杭ノ瀬7.9万円で5.4倍

成約3件以上の町は42あります。42本を1度に並べると読めなくなるので、成約6件以上の10町に、見出しに使った堀止西と杭ノ瀬を足した12町を抜き出しました。位置をつかむために市全体の中央値も入れています。

堀止西43.0万
西高松33.7万
畑屋敷29.4万
中之島24.1万
栄谷21.7万
岩橋18.2万
市全体の中央値17.9万
直川17.5万
秋月16.7万
府中16.2万
冬野13.2万
西庄11.9万
杭ノ瀬7.9万

和歌山市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の42町のうち、成約6件以上の10町と、見出しに使った堀止西・杭ノ瀬を抜き出しました。色の薄い1本は町ではなく市全体の中央値です

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは42町のうち12町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

和歌山市の土地相場を住所から調べる(無料)

この12町でいちばん高いのは堀止西の43.0万円(5件)、いちばん安いのは杭ノ瀬の7.9万円(5件)で、5.4倍の差です。どちらも成約5件あるので、1件の取引で中央値が跳ねる町ではありません。

市全体の17.9万円で予算を組むと、堀止西では届かず、杭ノ瀬では余ります。市の中央値17.9万円は、岩橋の18.2万円と直川の17.5万円のあいだに落ちる数字です。市の真ん中に位置する町がどのあたりかは、この2町を目印にすると分かります。

取引の件数が多い町どうしでも、上下に分かれます。栄谷は13件で21.7万円、西庄は11件で11.9万円、岩橋は10件で18.2万円。成約が二桁ある3町だけを見ても、市の中央値の上と下に散っています。

端どうしなら11.1倍。それでも見出しに5.4倍を使う理由

42町の端どうしを比べると、吹上の69.4万円と中の6.3万円で11.1倍まで開きます。この差のほうが大きいのに、この記事が見出しに置いたのは5.4倍のほうです。

理由は成約件数です。吹上も中も3件しかありません。3件の町の中央値は、1件の取引で簡単に動きます。広い土地が1つ、狭い旗竿地が1つ混ざるだけで、翌四半期には別の数字になります。資金計画の基準にするなら、堀止西と杭ノ瀬の5.4倍のほうを使ってください。

上のほうの町は、そもそも成約が少ないという事情もあります。坪単価が30万円を超えるのは吹上69.4万円、堀止西43.0万円、黒田41.3万円、太田39.7万円、北出島38.8万円、西高松33.7万円、有家30.6万円の7町ですが、このうち成約が5件以上あるのは堀止西と西高松の2町だけです。高い町の数字ほど、少ない件数の上に乗っていることになります。

坪2.4万円の町を「安い住宅地」と読まない

古屋は5件で坪2.4万円です。42町のうち、市の中央値17.9万円の4分の1を下回るのはこの町だけでした。

この数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪2.4万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

物件情報でこの水準の坪単価を見つけたときは、値段を喜ぶ前に地目と用途地域を確認する順番になります。地目と都市計画上の区分は、市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。この記事が「和歌山市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。

安い側でも、住宅地として読める町は別に並んでいます。坪7.9万円には狐島(3件)、杭ノ瀬(5件)、布施屋(4件)の3町が並び、その上に有本8.4万円(4件)、善明寺8.6万円(5件)が続きます。中の6.3万円(3件)はこれより下ですが、成約3件の数字です。

公示価格17.4万円と成約17.9万円。和歌山市はこの差が小さい市です

和歌山市の地価公示は住宅地50地点で、坪単価の中央値は17.4万円です。実際に成約した320件の中央値17.9万円との差は+2.8%でした。

この差を「和歌山市の土地が上がった」と読むことはできません。公示は住宅地として選ばれた標準地を鑑定した価格、成約は実際に売れた宅地の値段で、数えている対象が違います。和歌山市の320件には、形や間口の事情を抱えた土地も、農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

そのうえで、2つの数字がほぼ同じ水準に並んだこと自体には使い道があります。公示価格をそのまま予算の目安にできるかどうかは市によって違い、公示と成約が大きく離れる市では、公示を見て組んだ予算が売り出し価格と噛み合いません。和歌山市はその差が小さい側だと私は見ています。候補地の近くに公示の標準地があるなら、その坪単価を予算の出発点に置いても、市全体の実勢から大きくは外れません。

ただしこれは市全体をならした話です。50地点の公示を見ても、堀止西43.0万円と杭ノ瀬7.9万円の5.4倍は埋まりません。公示は出発点、町別の成約価格は着地点、という順で使ってください。

中古戸建て71.5万円と新築戸建て92.0万円。土地の坪単価とは分母が違います

建物まで含めて買う場合の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数 単価の分母
土地 17.9万円/坪 320件 土地面積
中古戸建て 71.5万円/坪 108件 建物の延床面積
新築戸建て 92.0万円/坪 42件 建物の延床面積

表の右の列を先に見てください。土地の坪単価と戸建ての坪単価は引き算できません。 土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値で、割っている相手が違います。「71.5万円から17.9万円を引いた分が建物代」という読み方は成立しません。比べてよいのは、中古戸建てと新築戸建てのあいだだけです。

その中古と新築を比べると、中古戸建ての25%〜75%は41.0〜95.9万円/坪、新築戸建ては76.3〜124.9万円/坪でした。中古の上位25%の入口である95.9万円は、新築の下位25%の入口である76.3万円を上回っています。2つの価格帯は重なっていて、延床の坪単価だけでは新旧が分かれません。

中古戸建ての下位25%は延床坪41.0万円です。私はこの価格帯に、そのまま住むより建て替えたほうが早い状態の物件が混ざっていると見ています。建て替えるなら購入価格のほかに解体費が乗りますが、解体費は建物の造りと前面道路の広さで変わるので、成約価格の表からは出てきません。1社の見積もりだけでは高いのか安いのかも判定できないところです。

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和歌山市の中古マンションは1㎡25.9万円。築30年を境に景色が変わる

和歌山市の中古マンションは72件で、専有面積1㎡あたりの中央値は25.9万円でした。築年帯で分けると、下のように分かれます。

築年帯 件数 中央値
0-10年 9件 47.1万円/㎡
11-20年 14件 34.1万円/㎡
21-30年 26件 25.8万円/㎡
31-40年 20件 9.5万円/㎡

築21〜30年の25.8万円/㎡までは段差がゆるやかですが、築31〜40年だけ9.5万円/㎡まで落ちます。この築年は2026年を基準にした区切りで、築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。

広さで分けると、50〜70㎡が34件で20.1万円/㎡、70〜90㎡が28件で27.9万円/㎡、90㎡以上が5件で35.0万円/㎡でした。件数が最も集まっているのは50〜70㎡の34件です。90㎡以上は5件しかないので、傾向として見るだけにしてください。

新築マンションは1件で46.3万円/㎡でした。1件では相場として読めないので、新築を検討している人はこの数字を基準にしないでください。借りる側の相場は、和歌山市の36,950件から出した1㎡あたり1,654円です。

私はこう見ています

「和歌山市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。堀止西と杭ノ瀬で5.4倍、端どうしなら11.1倍、そして42町のうち1町は住宅地の数字として読めない。320件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値17.9万円は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、堀止西では候補が出てこず、杭ノ瀬では土地に払いすぎます。

もう1つ、和歌山市のデータで気になるのは件数の薄さです。成約3件以上の町が42あるのに対して、5件以上ある町は17しかありません。つまり25町は3件か4件の上に中央値が乗っています。私はこれを、和歌山市では町別の数字を1つ見て決めるのではなく、候補の町とその周辺をまとめて眺めたほうが実態に近いという意味だと読んでいます。ここは私の読みなので、持ち帰ってほしいのは件数のほうです。

予算を決める前にやる3つのこと

1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。 市の17.9万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した12町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。

2. 極端に安い町は、値段の理由を先に確かめる。 坪2.4万円のような水準は、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。安さの理由が土地の使い道にあるなら、それは予算の話ではありません。

3. 中古戸建てと新築戸建ては、同じ土俵で比べる。 中古71.5万円/坪と新築92.0万円/坪はどちらも延床坪の単価なので並べられます。土地の17.9万円/坪だけは分母が違うので、総額で比べてください。

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市全体をならした数字は和歌山市の不動産相場にまとめています。同じやり方で町別に並べ直した記事は明石市の町別の坪単価にもあります。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地320件、中古戸建て108件、新築戸建て42件、中古マンション72件、新築マンション1件
  • 土地の集計では、坪単価が極端に外れた21件を除いています。除いたあとの幅は1坪1.7万円から135.5万円です
  • 町別の集計は成約3件以上の42町のみ。見出しに使った5.4倍は、成約5件以上ある堀止西と杭ノ瀬で取りました。3件・4件の町の数字は1件の取引に動かされるので、傾向として読んでください
  • 1区画の広さの中央値200㎡(60.5坪)と坪単価の中央値17.9万円は別々に取った値です。掛け合わせた1,080万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。中古マンション・新築マンションは専有面積1㎡あたりの値です。どちらも土地の坪単価とは分母が違います
  • マンションの築年帯はデータ作成時点の2026年を基準にした区切りです。1982年より前に建った物件は元データから除外されています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。和歌山市内の住宅地50地点の坪単価の中央値は17.4万円です。成約価格とは母集団が違うため、成約の中央値との差+2.8%は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:和歌山市の36,950件から算出した1㎡あたりの中央値1,654円
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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