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宇都宮市の土地は町によって坪単価が7.3倍ちがいます

宇都宮市で土地を買うとき、市全体の相場である1坪19.7万円で予算を組むと、江曽島本町では坪36.4万円なので届かず、中里町では坪5.0万円なので余ります。同じ市内、同じ1坪で7.3倍の開きです。

宇都宮市には2024年10-12月から2025年10-12月までに434件の土地取引があり、成約3件以上の町だけで58町ぶん並びます。1つの市で58町。ここまで細かく分かれると、「宇都宮市の相場はいくら」という1つの数字は、どの町の予算づくりにも使えません。

国土交通省が公表している実際の成約価格を、町ごとに並べ直しました。候補地がどのあたりに立っているかを先に見てください。

先に結論

  • 宇都宮市の土地は1坪19.7万円(中央値・434件)。1区画は240㎡=72.6坪が中央値です
  • 成約5件以上の町どうしで比べると、江曽島本町36.4万円と中里町5.0万円で7.3倍。市の1つの数字はどの町にも当てはまりません
  • 坪単価が市の中央値の4分の1を下回る町が8つあります。農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあり、住宅地の相場として読めません
  • 「宝木町」と「宝木本町」、「駒生」と「駒生町」のように、よく似た町名が別の行で並びます。数字は大きく離れます
  • 建物込みなら中古戸建て90.3万円/坪、新築戸建て108.2万円/坪(どちらも延床面積あたり)。2つの価格帯は重なっています
目次

宇都宮市の土地は1坪19.7万円。1区画72.6坪で概算1,428万円

2024年第4四半期から2025年第4四半期までに宇都宮市で成約した土地の坪単価は、中央値で19.7万円でした。坪単価が極端に外れた26件を除いたうえでの434件です。除いたあとでも、幅は1坪1.9万円から155.4万円まで開いています。

1区画の面積の中央値は240㎡、坪にすると72.6坪です。坪単価の中央値をこの広さに当てると、土地代は概算で1,428万円になります。ただし坪単価と面積は別々に取った中央値なので、この金額で売れた1件が実在するわけではありません。予算の当たりをつけるための概算として使ってください。

窓口で「宇都宮の土地は坪19.7万円くらいですね」と言われたとします。434件の真ん中を指す言葉としては外れていません。ただし候補地が江曽島本町なのか中里町なのかで、同じ72.6坪でも土地代はまったく別の金額になります。予算の話をするときは、市名ではなく町名まで下ろしてから計算してください。

町別に並べると江曽島本町36.4万円と中里町5.0万円で7.3倍

成約3件以上の町は58あります。58本の棒を並べると読めなくなるので、成約が7件以上あった13町を抜き出しました。

江曽島本町36.4万
東峰町27.6万
宝木町24.8万
道場宿町23.1万
石井町20.5万
鶴田町19.8万
雀の宮19.7万
西川田本町18.7万
中岡本町18.2万
清原台16.7万
宝木本町10.9万
駒生町9.3万
新里町4.6万

宇都宮市の土地の成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。成約3件以上の58町から、成約が7件以上あった13町を抜き出しました。抜き出しの基準は取引件数だけで、坪単価の高さは見ていません。色の薄い1本は農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いのある町です

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは58町のうち13町だけなので、候補地の住所で確かめてください。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

宇都宮市の土地相場を住所から調べる(無料)

見出しに出した7.3倍は、成約5件以上の町どうしの比較です。上端が江曽島本町の36.4万円(7件)、下端が中里町の5.0万円(5件)。中里町は5件なのでグラフの13本には入っていませんが、倍率の基準にはこちらを使っています。

58町の端どうしを取れば、宿郷の49.6万円と中里町の5.0万円で10.0倍まで開きます。ただし宿郷は3件です。3件の中央値は1件の外れ値で動くので、資金計画の基準にするなら7.3倍のほうを使ってください。

成約数が最も多いのは鶴田町の21件で19.8万円。市全体の19.7万円とほぼ重なります。2番目に多い宝木町は20件で24.8万円、3番目の駒生町は13件で9.3万円でした。取引が集まっている町の中でも、これだけ離れます。

市全体の19.7万円は、58町のどこかにぴったり当てはまる数字ではありません。雀の宮の8件がちょうど19.7万円で並びましたが、これは市の中央値と同じ値になった町がたまたま1つあった、というだけです。

坪5万円を下回る8つの町を「安い住宅地」と読まない

坪単価が市の中央値19.7万円の4分の1を下回る町が8つあります。上籠谷町4.7万円(4件)、新里町4.6万円(7件)、竹下町3.1万円(3件)、平出町3.0万円(3件)、松風台2.9万円(3件)、下栗町1.8万円(5件)、山本1.8万円(3件)、下田原町0.8万円(4件)です。

この8町の数字には、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。市街化調整区域は市街化を抑えるための区域で、家を建てるには原則として自治体の許可が要ります。農地であれば転用の手続きが挟まります。

坪4.6万円は安い住宅地の値段ではなく、住宅地として使えない土地が混ざった数字です。

この記事が「宇都宮市でいちばん安い町」を見出しに置いていないのは、そのためです。グラフの13本のうち新里町だけ色を変えてあるのも同じ理由になります。売り出し中の土地でこの水準の坪単価を見かけたら、値段より先に地目と都市計画上の区分を確かめる順番です。市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。

「宝木町」と「宝木本町」が別の町として並んでいる

宇都宮市の町別集計には、名前のよく似た町が別の行で並びます。同じ地区だと思って読むと、坪単価を丸ごと取り違えます。

件数 坪単価の中央値
宝木町 20件 24.8万円
宝木本町 7件 10.9万円
駒生 4件 15.9万円
駒生町 13件 9.3万円
上戸祭町 3件 21.8万円
上戸祭 3件 7.9万円

「町」が付くかどうかで、坪単価は別物になります。

西川田も4つに分かれます。西川田21.5万円(5件)、西川田町18.8万円(6件)、西川田本町18.7万円(8件)、西川田南14.5万円(4件)。江曽島も3つで、江曽島本町36.4万円(7件)、江曽島町26.4万円(5件)、江曽島18.5万円(3件)です。同じ「江曽島」でも、本町かどうかで数字が変わります。

物件情報に書かれた町名を、記憶にある似た町名で置き換えて読まないでください。江曽島と江曽島本町を取り違えたまま72.6坪の土地代を見積もると、資金計画がまるごとずれます。件数が3件や4件の行は1件の取引で中央値が動くので、そこも合わせて見てください。

公示の22.2万円と成約の19.7万円。これは値下がりではない

宇都宮市の地価公示は住宅地84地点で、坪単価の中央値は22.2万円です。実際に成約した土地の中央値19.7万円との差は-11.5%でした。

この差を「値下がりした」と読むのは間違いです。公示は住宅地として選ばれた標準地の評価額、成約は実際に売れた土地の価格で、数えている対象が違います。宇都宮市の434件には、先に見た農地や山林が混ざる町の取引も入っています。母集団の違う2つを引き算しても、時間の変化は出てきません。

公示価格は、候補地の周辺に標準地があるときの目安として使う数字です。予算そのものは、候補の町の成約価格で組むことになります。

中古戸建て90.3万円と新築戸建て108.2万円。直して住むという道

建物まで含めて買う場合の宇都宮市の数字を並べます。

種別 成約価格(中央値) 件数
土地 19.7万円/坪(土地面積あたり) 434件
中古戸建て 90.3万円/坪(延床面積あたり) 226件
新築戸建て 108.2万円/坪(延床面積あたり) 115件

この3行は、同じ「坪」でも割っている面積が違います。土地は成約総額を土地面積で割った値、戸建ては成約総額を建物の延床面積で割った値です。19.7万円と90.3万円を引き算しても建物代は出てきません。並べて比べられるのは、中古戸建てと新築戸建ての2行だけです。

中古戸建ては下位25%が69.2万円、上位25%が112.2万円。新築戸建ては91.9万円から126.2万円です。中古の上位25%は、新築の下位25%を上回っています。 2つの価格帯は重なっていて、坪単価だけでは新旧が分かれません。

中古を買って直す道を選ぶと、坪単価の低いほうから入って、直す費用の側を自分で決められます。ただし工事費は物件ごとに変わるので、成約価格の表からは出てきません。とくに屋根は足場を組む工事で、入居してから外壁と別々の時期にやると足場代を二度払うことになります。買う前に見積りを取っておくと、土地を買って建てる案と総額で並べられます。

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工事費が出てはじめて、新築と総額で並べられます

マンションは築年で数字が変わる

宇都宮市の中古マンションは112件で、中央値は1㎡あたり28.8万円でした。築年帯で分けると景色が変わります。

築年帯 件数 中央値
0-10年 12件 53.8万円/㎡
11-20年 29件 41.5万円/㎡
21-30年 33件 28.6万円/㎡
31-40年 36件 14.3万円/㎡

この築年は2026年を基準にした区切りです。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。

件数が最も集まっているのは築31-40年の36件で、1㎡あたり14.3万円。市の中央値28.8万円とは別の水準です。広さで分けると、70〜90㎡が33.8万円/㎡(40件)、50〜70㎡が27.3万円/㎡(55件)、30㎡未満が12.0万円/㎡(12件)でした。新築マンションは4件で52.1万円/㎡ですが、4件では傾向として読めません。借りる側の相場は1㎡あたり1,825円です。

私はこう見ています

「宇都宮市の相場は坪いくらですか」という質問は、答えを聞いても予算づくりには使えません。江曽島本町と中里町で7.3倍、宝木町24.8万円のとなりに宝木本町10.9万円、そして58町のうち8町は住宅地の数字として読めない。434件を町別に割ると、そういう形が出てきます。

私は、市の中央値は「自分の候補地がその線の上か下か」を確かめるためだけの数字だと考えています。線そのものを予算にすると、江曽島本町では候補が出てこず、中里町では土地に払いすぎます。宇都宮市のように58町ぶんのデータが並ぶ市では、平均像を1つ出すこと自体が判断を鈍らせる方向に働くと見ています。

ここは私の読みなので、根拠にした数字のほうを持ち帰ってください。

予算を決める前にやる3つのこと

1. 町名まで決めてから坪単価を当てる。 市の19.7万円ではなく、候補の町の数字で計算します。グラフに出した13町以外でも、住所を入れれば周辺の実勢から出ます。

2. 似た町名を取り違えていないか確かめる。 宝木町と宝木本町、駒生と駒生町、上戸祭町と上戸祭。物件情報の町名を1字ずつ照らし合わせてください。

3. 土地から建てる案と、中古を買って直す案を総額で並べる。 土地は坪19.7万円(土地面積あたり)、中古戸建ては坪90.3万円、新築戸建ては坪108.2万円(どちらも延床面積あたり)。分母が違うので、比べるのは総額どうしです。

宇都宮市の学区を町名から調べる
宇都宮市の土地相場を住所から調べる(無料)

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市全体をならした数字は宇都宮市の不動産相場にまとめています。同じやり方で町別に並べ直した記事は姫路市の町別の坪単価にもあるので、読み方の手順だけ先に見たい人はどうぞ。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地434件、中古戸建て226件、新築戸建て115件、中古マンション112件、新築マンション4件
  • 土地の集計では、坪単価が極端に外れた26件を除いています。除いたあとの幅は1坪1.9万円から155.4万円です
  • 1区画の面積の中央値240㎡(72.6坪)と坪単価の中央値19.7万円は別々に取った値です。掛け合わせた1,428万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 町別の集計は成約3件以上の町のみで58町。3件の町の中央値は1件の取引に動かされるため、見出しの7.3倍は成約5件以上の江曽島本町(7件)と中里町(5件)で取っています
  • グラフに出したのは58町のうち成約7件以上の13町です。抜き出しの基準は取引件数だけで、坪単価の高低では選んでいません
  • 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価(土地面積あたり)とは分母が違うため、引き算はできません
  • 中古マンションの築年帯は2026年を基準にした区切りです。1982年より前に建った物件は元データから除外されています
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。宇都宮市内の住宅地84地点の中央値。成約価格とは母集団が違うため、両者の差は値上がり・値下がりを示すものではありません
  • 賃貸:宇都宮市の73,280件から算出した1㎡あたりの中央値
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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