淡路市で売買された土地は、1区画81.7坪(270㎡)で坪10.9万円でした。この2つを掛けた概算は891.0万円です。
ただし、この10.9万円だけを持って現地に行くと外します。取引が6件あった久留麻は坪18.2万円、同じく6件の岩屋は8.3万円。件数をそろえて比べても2.2倍ちがいます。
国土交通省が公表している淡路市の成約65件(2024年第4四半期から2025年第4四半期)を町ごとに並べると、「淡路市の相場」という1つの数字が、どの町の予算にも当てはまらないことが見えてきます。
先に結論
- 淡路市の土地は坪10.9万円(中央値・65件)。1区画は81.7坪で、掛け合わせた概算は891.0万円です
- 町別では久留麻18.2万円と岩屋8.3万円で2.2倍。どちらも取引6件の町どうしの比較です
- 8町の幅は坪0.7万円から18.8万円。市の中央値10.9万円を代表する町がありません
- いちばん安い舟木0.7万円は3件で、農地・山林・市街化調整区域が混ざっている疑いがあります
- 中古戸建ては15件だけ。77.1万円/坪は相場ではなく参考値として読んでください
久留麻18.2万円、岩屋8.3万円。同じ市内で2.2倍
取引が3件以上あった8町を、坪単価の高い順に並べました。
淡路市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年第4四半期〜2025年第4四半期・取引3件以上の8町)。濃い緑は取引6件の久留麻と岩屋
自分の町の相場を調べる
淡路市は町によって坪単価が2.2倍ちがいます。候補地が決まっているなら、住所を入れてその町の実勢で確かめてください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上位の佐野・久留麻・野島江崎は坪16万円台から18万円台、下位の尾崎は4.6万円、舟木は0.7万円です。同じ市の名前で呼ばれていても、土地の値段は桁が変わります。
比べるときは、件数の多い町どうしにします。久留麻6件の18.2万円と、岩屋6件の8.3万円で2.2倍。いちばん上の佐野といちばん下の尾崎で計算すると4.1倍になりますが、こちらはどちらも3件です。3件の中央値は、1件の売買で簡単に動きます。
市の中央値10.9万円に近いのは、釜口の9.8万円と志筑の12.4万円だけでした。上位3町も、尾崎と舟木も、中央値からは離れた場所にいます。市の数字を予算に持ち込むと、どの町を見に行っても合いません。
1区画81.7坪。総額は概算で891.0万円
淡路市で売買された土地の面積は、中央値で270㎡、坪に直すと81.7坪でした。坪単価の中央値10.9万円と掛け合わせると891.0万円になります。
この891.0万円は概算です。坪単価と面積は別々に中央値を取った数字なので、実在する1件の成約価格ではありません。
単価の幅も見ておきます。集計した65件のうち、坪単価が極端な8件は幅の計算から外しました。残りの幅は坪1.1万円から39.7万円です。市の中央値10.9万円は、この幅のなかの1点にすぎません。
予算は市の中央値ではなく、候補地の町の坪単価に、自分が買う面積を当てて組んでください。 81.7坪は市全体の中央値であって、売りに出ている区画の広さではありません。
坪4.6万円と0.7万円の町を、そのまま住宅の予算に使わない
いちばん安い舟木の0.7万円は3件で、市の中央値10.9万円の4分の1を大きく下回ります。この水準まで下がる町には、農地や山林、市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。
市街化調整区域や農地は、住宅を建てるまでの手続きが宅地と同じではありません。 値段だけを見て「淡路市には坪0.7万円の土地がある」と受け取ると、買っても住宅を建てられない土地を数えることになります。
尾崎の4.6万円も3件です。安い順に並べたときの先頭の町ほど件数が少なく、土地の性格もそろっていません。予算の軸には、取引が6件ある久留麻・釜口・岩屋の数字を置いたほうが外しません。
地価公示は坪9.7万円。成約との差は+12.6%
淡路市の地価公示は住宅地11地点で、坪単価の中央値は9.7万円でした。実際の成約の中央値10.9万円との差は+12.6%です。
この差を「値上がり」と読まないでください。地価公示は評価のために選ばれた標準地の価格、成約は実際に売れた土地の価格で、そもそも数えている対象が違います。比べているのは同じ土地の時間差ではなく、別々の集まりの中央値どうしです。
使い分けるなら、公示の9.7万円は市全体のあたりを付ける数字、町別の坪単価は候補地の予算を組む数字になります。町どうしで2.2倍ちがう市では、公示の1つの数字で予算は決まりません。
中古戸建ては15件だけ。この数字は参考値です
淡路市の他の種別も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 10.9万円/坪 | 65件 |
| 中古戸建て | 77.1万円/坪 | 15件 |
| 新築戸建て | 96.9万円/坪 | 4件 |
| 賃貸 | 1,443円/㎡ | 2,950件 |
中古戸建ての77.1万円/坪は、下から25%と75%を取ると28.4万円から90.3万円まで開きます。15件は、1件動けば中央値も動く件数です。この記事では相場ではなく参考値として置きます。
新築戸建てはさらに少なく4件でした。中央値96.9万円/坪、25%から75%が83.7万円から102.8万円ですが、4件では個別の事情がそのまま数字に出ます。相場としては扱いません。
件数があるのは賃貸で、2,950件、1㎡あたり1,443円でした。中古マンションは成約のデータが無いため、この記事では扱っていません。
古い家が残っている区画は、片付けの費用が先に来る
土地として売りに出ていても、建物が建ったままの区画があります。広い区画ほど、家財が残っていたときの量が増えます。
家財の処分は、解体工事とは別に費用と日数がかかります。壊す見積もりを取る前に、中身を空にする段取りが要ります。ここを後回しにすると、土地の価格だけで組んだ予算が最初に崩れます。
建物を残したままにしたときの扱いは実家を空き家のまま放置するとどうなるかに、壊して更地にしたときの固定資産税は実家の解体費用と更地にする前の落とし穴にまとめています。
家財の量が決まると、土地代と合わせた総額で比べられます
私はこう見ています
淡路市の数字で引っかかったのは、8町の坪単価が0.7万円から18.8万円まで散らばっていることでした。件数を6件どうしにそろえても2.2倍、端の町どうしなら4.1倍、単価の幅は坪1.1万円から39.7万円です。
私は、この市を「淡路市の土地は坪10.9万円」の1行で語ると、読んだ人がほぼ確実に外すと考えています。中央値の計算そのものは正しくても、その値段で売られている町が見当たらないからです。
事実として置いておきたいのは、1区画81.7坪という広さと、坪10.9万円という単価の2つです。この広さをどう使うか、この単価をどう受け取るかは、建てたい家と土地の使い方で変わります。ここでは数字だけ出しておきます。
買う前にやる3つのこと
1. 町を決めてから坪単価を当てる。 久留麻18.2万円と岩屋8.3万円では、同じ面積でも予算が2倍以上変わります。市の中央値10.9万円から入ると、どちらの検討にも使えません。
2. 安い町の数字を先頭に置かない。 舟木0.7万円と尾崎4.6万円はどちらも3件で、農地や市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。取引が6件ある町の数字を軸にしてください。
3. 建物が残っているなら、片付けと解体を総額に入れる。 土地の891.0万円は概算で、家財の処分費も解体費も入っていません。この2つを足してから、他の候補と比べてください。
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地65件、中古戸建て15件、新築戸建て4件
- 宅地65件のうち、坪単価が極端な8件は幅の計算から除いています
- 坪単価と1区画の面積は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。掛け合わせた891.0万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみで8町。件数が3件の町の中央値は1件の取引で動くため、本文の比較は6件どうしで行っています
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 中古戸建ては15件、新築戸建ては4件と少なく、相場ではなく参考値です
- 地価公示:国土交通省の地価公示。淡路市内の住宅地11地点の中央値
- 賃貸:2,950件、1㎡あたりの賃料の中央値
- 中古マンションは成約データが無いため、この記事では扱っていません


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