🗨️「地震で壊れた家を直したいけれど、修理代を借りるあてがない。民間の住宅ローンしかないの?」
り災証明書があれば、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資が使えます。2026年8月中に申し込む分は団体信用生命保険つきで年1.45〜1.65%の全期間固定。補修なら最大2,500万円まで、しかも最初の1年は元金の返済を止めて利息だけにできます。
[金利] この記事の要点
住宅金融支援機構が2026年8月分の災害復興住宅融資(一般災害)の適用金利を公表した。団体信用生命保険に加入する場合、返済期間20年以下は年1.45%、21年以上は年1.65%。全期間固定で、2026年8月1日から8月31日までに融資を申し込んだ人に適用される。翌月分の金利は2026年8月28日14時に公表予定。
2026年8月7日 発表
- 令和8年熊本地震でり災証明書の交付を受けた人(八代市・宇城市・氷川町・甲佐町など)
- 半壊以上の判定を受け、住宅の建て替えや買い替えをこれから決める人
- 床上浸水などの被害で、自己資金だけでは補修費が足りない人
- 被災地で修繕や住み替えの相談を受ける不動産会社・工務店の実務者
この記事でわかること
- 2026年8月に申し込む災害復興住宅融資の金利が、団信あり・なしでいくらになるか
- 補修500万円を借りたときの毎月の返済額と、据置期間中の支払い額
- 補修と建て替えで、借りられる上限と返済を止められる期間がどう変わるか
民間ローンとの差は「金利」より「返済を止められること」
住宅金融支援機構が公表した2026年8月分の災害復興住宅融資(一般災害)の金利は、団体信用生命保険に加入する場合で返済期間20年以下が年1.45%、21年以上が年1.65%です。全期間固定なので、借りた後に金利が上がっても返済額は変わりません。同じ8月、大手銀行5行は住宅ローンの固定金利を引き上げており、被災していない人が借りる条件とは水準がまったく違います。
団信に加入しない場合はさらに下がり、20年以下が年1.25%、21年以上が年1.45%です。加入するかどうかで0.20%の差が出ます。
| 返済期間 | 団信に加入する | 団信に加入しない |
|---|---|---|
| 20年以下 | 年1.45% | 年1.25% |
| 21年以上 | 年1.65% | 年1.45% |
デュエット(ペア連生団信)は年1.63%/1.83%、新三大疾病付機構団信は年1.69%/1.89%です。いずれも2026年8月1日から8月31日までに申し込んだ人に適用されます。
500万円を借りると毎月いくらか
床上浸水や屋根・外壁の損傷で、補修に500万円かかったと仮定した試算です。元利均等返済・据置なしの場合の毎月の返済額と、完済までの総額を並べます。
| 条件 | 毎月の返済額 | 総返済額 | うち利息 |
|---|---|---|---|
| 20年・年1.45%(団信あり) | 24,010円 | 約576万円 | 約76万円 |
| 20年・年1.25%(団信なし) | 23,555円 | 約565万円 | 約65万円 |
| 35年・年1.65%(団信あり) | 15,675円 | 約658万円 | 約158万円 |
| 35年・年1.45%(団信なし) | 15,185円 | 約638万円 | 約138万円 |
機構が公表している100万円あたりの返済額(めやす)を5倍した数字です。返済期間を20年から35年へ延ばすと毎月は8,335円軽くなりますが、利息は約82万円増えます。同じ500万円でも、どちらを選ぶかで負担のかたちが変わります。
この融資の要は据置期間だと考えます
金利の低さばかりが目立ちますが、私はこの融資でいちばん効くのは元金の据置期間だと考えています。被災直後は、仮住まいの家賃と工事代金が同時にのしかかります。そこへ新しい返済が始まると、収入が戻る前に家計が詰まります。
据置期間を設定すると、その間は利息だけを払います。500万円・年1.65%なら月6,875円。据置明けの15,675円と比べて8,800円軽く、仮住まいの家賃をもう1か月ぶん払える計算になります。据置期間は補修が最長1年、建設・購入が最長3年です。ただし据置いた分だけ利息の総額は増えますし、完済時の年齢は80歳が上限のままなので、無条件に取るものではありません。
補修と建て替えで条件が変わる
同じ災害復興住宅融資でも、直すのか建て直すのかで上限も据置期間も違います。
| 項目 | 補修 | 建設・購入 |
|---|---|---|
| 融資限度額 | 2,500万円 | 建設は土地を取得する場合5,500万円/取得しない場合4,500万円、購入は5,500万円 |
| 元金据置期間 | 最長1年 | 最長3年 |
| 返済期間 | 最長35年(80歳−申込時年齢のいずれか短いほう) | 同左 |
| り災証明書の要件 | 住宅に被害を受けた旨の記載 | 全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊のいずれか |
補修は門や塀の直し、敷地の整地、被災した住宅の引き方移転の費用も対象に含められます。年収に対する総返済負担率の基準は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下。ほかの借入れの年間返済額も合算して見られるため、自動車ローンなどがあるとここで頭打ちになります。
申し込みの期限は「り災日から2年」が原則
申込受付は原則として、り災日から2年間です。令和8年熊本地震(2026年7月28日発災)なら2028年7月28日が目安になります。ただし被災者生活再建支援法が適用された災害では加算支援金の申請期間の最終日が属する月末まで、災害救助法が適用された場合は応急仮設住宅の供与期間の最終日が属する月末までと、実際にはもっと先に延びます。建築制限がかかっている区域では、解除後6か月以内であれば申し込めます。自分の住まいがどの扱いになるかは、災害専用ダイヤル0120-086-353で確認するのが確実です。
なお、この融資はこれから直す・建てるためのお金です。地震前から返している住宅ローンが払えないという相談は別の制度が用意されています。両方あてはまる場合は、返済中のローンの取り扱いを先に決めてから、新しい借入れの金額を固めてください。
生活・仕事にどう効くか
- 毎月の返済:補修に500万円を35年・年1.65%(団信あり)で借りた場合、毎月の返済額は15,675円。総返済額は約658万円で、利息は約158万円。
- 当面の資金繰り:元金の据置期間を設定すると、その間は利息だけの支払いになる。500万円・年1.65%なら据置中は月6,875円で、据置明けの15,675円より8,800円軽い。補修は最長1年、建設・購入は最長3年まで。
- 申し込む月の選び方:金利は融資を申し込んだ月のものが全期間固定で適用される。9月分は8月28日14時に公表されるため、工事の契約時期しだいで負担が変わる。
- 仕事:被災地の修繕見積りでは、施主の資金調達手段によって工事の着手時期がずれる。融資の申込期限(原則り災日から2年)と据置期間を把握しておくと、工程の組み方が変わる。
結局どうすればよいか
- 先にり災証明書を申請する。この融資は「全壊・大規模半壊・中規模半壊・半壊」などの被害区分の記載が入口になる
- 補修で済ませるか建て替えるかを決める前に、限度額(補修2,500万円/建設・購入5,500万円)と据置期間(補修1年/建設・購入3年)の違いを見比べる
- 団信に加入するかどうかで金利が0.20%変わる。既に加入している生命保険と保障が重ならないか、証券を出して確認する
- 実際の返済額は機構のシミュレーションか、災害専用ダイヤル0120-086-353(9時〜17時・土日も対応)で確認する
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公式出典
- 住宅金融支援機構「災害復興住宅融資金利(個人向け)のお知らせ<一般災害>」令和8年8月(2026年8月1日発表)
- 住宅金融支援機構「災害復興住宅融資(補修)ご利用条件」(2026年8月7日発表)
- 住宅金融支援機構「災害復興住宅融資(建設・購入)ご利用条件」(2026年8月7日発表)
- 住宅金融支援機構「令和8年熊本地震により住宅に被害を受けられた方へのご返済、災害復興住宅融資等に関する相談窓口のご案内」(2026年7月29日発表)
更新履歴
- 2026年8月7日 初版を公開
※本記事は2026年8月7日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。


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