豊川市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道として国が挙げているのは9か所です。そのうち6か所が御津町(みとちょう)に集まっています。御津町は、2008年1月に豊川市へ編入された旧宝飯郡御津町の区域です。
9か所の名前を並べると、8つが「ガード」で終わります。平井ガード、北浦ガード、玉袋ガード、梨野ガード、久呂下ガード、23号ガード、入浜ガード、場正免ガード。残る1つだけ名前がなく、一覧には「豊川市小坂井町(こざかいちょう)」とあります。国道1号です。
この記事でわかること
- ✓ 御津町に市の道路カメラは1台もなく、御津川の水位も市のリンク集に入っていません
- ✓ 市の確認ページでは、水防法第14条の2に基づく図のほうが水害ハザードマップに載っていません
- ✓ 市の浸水センサは42か所。路面から10センチの水が10分続くと検知します
箇所の数・種別・路線名・住所・管理者・警察署・消防署は、国土交通省 中部地方整備局「道路冠水注意箇所」の愛知県分(Webマップから開ける一覧の版で262か所・48市町村)と、1か所ごとの説明表から取りました。標高は国土地理院の標高データで、国土交通省「位置参照情報(大字・町丁目レベル)」の代表点を引いた値です。市の資料は、豊川市「『不動産取引時の重要事項説明』の対象項目の確認方法について」、「豊川市雨水出水浸水想定区域図についての説明」、「豊川市水害ハザードマップ2026」、「ワンコイン浸水センサ表示システム(実証実験中)の公開について」、「河川・道路監視カメラ」、「河川情報(カメラ画像・水位情報・雨量情報等)」から取りました。
9か所のうち6か所が、御津町に集まっています
国の道路冠水注意箇所は、愛知県で262か所、48の市町村にまたがります。多い順に名古屋市40、豊橋市19、田原市15、小牧市と安城市が14、豊田市13、あま市12、清須市11、津島市と飛島村が10。豊川市は9か所です。内訳は、国の道が1か所、県の道が1か所、残る7か所が市の道です。
| 管理番号 | 名称 | 種別 | 路線 | 説明表の住所 | 標高 | 地図 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 愛知県-02-160 | 平井ガード | 県道 | (一)前芝小坂井停車場線 | 豊川市平井町 | 3.4m | 開く |
| 愛知県-02-161 | 北浦ガード | 市道 | 下佐脇上佐脇1号線 | 豊川市御津町下佐脇九作44-2番地先 | 2.7m | 開く |
| 愛知県-02-162 | 玉袋ガード | 市道 | 九作玉袋2号線 | 豊川市御津町下佐脇玉袋164-26番地先 | 4.4m | 開く |
| 愛知県-02-163 | 梨野ガード | 市道 | 西方御馬1号線 | 豊川市御津町西方梨野25-7番地先 | 6.7m | 開く |
| 愛知県-02-164 | 久呂下ガード | 市道 | 久呂下仲田線 | 豊川市御津町泙野久呂下75番地先 | 8m | 開く |
| 愛知県-02-165 | 23号ガード | 市道 | 新屋敷浜新田線 | 豊川市御津町泙野新浜新田17-7番地先 | 4.7m | 開く |
| 愛知県-02-166 | 入浜ガード | 市道 | 大草西方線・入浜4号線 | 豊川市御津町西方入浜52-5番地先 | 2.4m | 開く |
| 愛知県-02-204 | 場正免ガード | 市道 | 為当場正免仲上線 | 豊川市為当町仲上150番地先 | 9.3m | 開く |
| 愛知県-02-238 | 豊川市小坂井町 | 国道 | 国道1号 | 豊川市小坂井町 | 2.9m | 開く |

地図の番号と同じ順です
① 平井ガード
県道 (一)前芝小坂井停車場線
愛知県豊川市平井町 / 標高3.4メートル
管理: 東三河建設事務所(0532-52-1334) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 消防指令センター(0532-52-0119)
② 北浦ガード
市道 下佐脇上佐脇1号線
愛知県豊川市御津町下佐脇九作44-2番地先 / 標高2.7メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
※ 説明表の住所は「御津町下佐脇九作44-2番地先」。九作までは検索で出ないので下佐脇の代表点
③ 玉袋ガード
市道 九作玉袋2号線
愛知県豊川市御津町下佐脇玉袋164-26番地先 / 標高4.4メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
④ 梨野ガード
市道 西方御馬1号線
愛知県豊川市御津町西方梨野25-7番地先 / 標高6.7メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
⑤ 久呂下ガード
市道 久呂下仲田線
愛知県豊川市御津町泙野久呂下75番地先 / 標高8メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
⑥ 23号ガード
市道 新屋敷浜新田線
愛知県豊川市御津町泙野新浜新田17-7番地先 / 標高4.7メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
※ 説明表の住所は「御津町泙野新浜新田17-7番地先」。新浜新田は検索で別の小字が返るので泙野の代表点
⑦ 入浜ガード
市道 大草西方線・入浜4号線
愛知県豊川市御津町西方入浜52-5番地先 / 標高2.4メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
⑧ 場正免ガード
市道 為当場正免仲上線
愛知県豊川市為当町仲上150番地先 / 標高9.3メートル
管理: 豊川市(0533-89-2111) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防本部(0533-89-0119)
⑨ 豊川市小坂井町
国道 国道1号
愛知県豊川市小坂井町 / 標高2.9メートル
管理: 名古屋国道事務所(052-853-7324) / 警察: 豊川警察署 / 消防: 豊川市消防署(0533-89-0119)
Googleマップのリンクは、資料に書かれた住所を国土地理院の住所検索にかけた緯度経度で開きます。町丁目や街区の代表点なので、構造物そのものの位置とは数十メートルずれることがあります。現地の名前で検索し直すと、より正確な場所が出ます。
地図のピンは、説明表の住所を国土地理院の住所検索にかけた地点で、構造物そのものの位置ではありません。9か所とも備考欄は空欄で、排水のポンプや水位計があるかどうかは国の資料からは読み取れません。警察署は、9か所とも豊川警察署です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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8か所の名前が「ガード」で、そろっていない欄が2つあります
ガードは、鉄道や別の道の下をくぐる構造の呼び名です。くぐる道は、手前から見ると水面が平らに見えて、いちばん深い底が見えません。
町ごとに数えると、御津町が6か所。下佐脇に2か所(北浦・玉袋)、西方に2か所(梨野・入浜)、泙野(なぎの)に2か所(久呂下・23号)と、3つの大字に2か所ずつ並びます。残りは為当町(ためとうちょう)、平井町、小坂井町に1か所ずつです。

そろっていない欄が、名前のほかにもう1つあります。消防署です。市道の7か所は「豊川市消防本部」、国道1号は「豊川市消防署」で、番号はどちらも0533-89-0119。県道の平井ガードだけ「消防指令センター 0532-52-0119」と別の番号です。管理者も市・東三河建設事務所・名古屋国道事務所の3者に分かれていて、1枚の表に見えて連絡先は同じではありません。
標高2.9メートル以下の6つのうち、4つが御津町です
豊川市の町丁目は320あります。標高はいちばん低い御津町新田の0.5メートルから、いちばん高い上長山町の145.5メートルまで、幅は145.0メートル。0メートルを下回る町丁目はなく、5メートルに届かない町丁目が15あります。
低いほうから並べると、御津町新田0.5、御津町御馬1.6、御津町下佐脇2.7、御津町御幸浜2.9、小坂井町2.9、正岡町2.9、下長山町3、御津町佐脇浜3、平井町3.4、御津町大草3.7。単位はメートルです。10のうち6つが御津町で、そこに小坂井町と平井町が入ります。

この標高は、町丁目の代表点1点を引いた値です。道路の底の高さではありません。ガードは周りの地面より掘り下げてくぐる構造なので、表の場正免ガードが9.3メートルと出ていても、その下に掘った道へ水は集まります。
市の確認ページでは、法に基づく図のほうが載っていません
豊川市に「『不動産取引時の重要事項説明』の対象項目の確認方法について」というページがあります。重要事項説明で出てくる図が、市のどのマップに載っているかを整理した一覧です。内水まわりの2行を、市の書き方のまま引きます。
「内水浸水想定区域図」は、水害ハザードマップの欄が〇。ただし括弧つきで「水防法第14条の2には基づいていません」。
「雨水出水浸水想定区域図」は同じ欄が×で、「水防法第14条の2に基づいています。水害ハザードマップには掲載していませんが、ホームページ内には掲載しています」。
法に基づいているほうの図が、市のハザードマップには載っていないという並びです。置き場所も分かれていて、水害ハザードマップは危機管理課、雨水出水の図は上下水道のページにあります。
市がここで書いているのは「重要事項説明の対象かどうか」ではなく、対象項目がうちのマップに載っているかどうかです。それでも、市のハザードマップを1枚もらって終わりにすると、法に基づく図を見ないまま家を買うことになります。私は、豊川市で最初に開くのはこの2行だと考えています。

この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
想定は1時間147ミリで、市は「2023年6月の豪雨の約2.0倍」と書いています
その雨水出水の図がどんな雨を前提にしているかは、市の説明PDFに書かれています。「近年の大雨であった2023年6月の豪雨の約2.0倍の雨」「想定し得る最大規模の降雨(1時間降水量147mm)」。
147ミリは1時間の雨量です。同じ愛知県でも、岡崎市は同じ1時間147ミリ、豊田市は24時間総雨量836ミリと単位そのものが違います。数字だけ並べても比べられません。
市は令和5年6月2日の大雨を「本市において観測史上最大の降水量となる記録的な大雨となり、市内各地に様々な被害をもたらしました」と書いています。自分の市で起きたことを物差しにして、その2倍で図を描いた、ということです。
図の見方を左右する1行もあります。「公共下水道等の排水区域(赤枠)ではない区域は、下水道の雨水排水施設がないため、雨水出水浸水想定の対象範囲外となっています」。色が塗られていない場所には、浸からない場所と、そもそも計算していない場所の2種類があります。
もう1行。「排水先の河川や三河湾の水位を想定される最高水位に設定しています」。三河湾が満ちていて水が抜けない条件で描かれた図だ、と市自身が説明しています。
浸水センサ42か所は、10センチの水が10分続くと知らせます
豊川市は令和6年度から国土交通省の実証実験に参加していて、「浸水センサは、道路端の防護柵等支柱に42か所設置しています」と書いています。しきい値もはっきりしていて、「道路が10cm、10分間継続して冠水すると浸水検知をし、データが送信され、浸水センサ表示システムに表示される」。
10センチ、10分。水がたまった瞬間ではなく、たまったまま引かない状態になってから点が灯ります。データは国のワンコイン浸水センサ表示システムで公開されていて、実証実験の最中である旨の注意書きも付いています。
42か所がどこかは、市のページに書かれていません。一覧表が無く、表示システムの地図で市域を拡大して数えるしかない形です。
「冠水する道」の一覧は3種類あって、答えている問いが違います
ここまでで、性格の違う資料が3つ出てきました。同じ「冠水」でも、答えている問いが違います。

1つ目は国の道路冠水注意箇所で、市内は9か所。道路を管理する立場から「ここは気をつける」と登録した箇所で、全国どの県でも同じ形で公開されています。2つ目は市の想定図で、1時間147ミリが降ったら浸かる範囲。道の一覧ではありません。3つ目が、いま浸かっているかを見るものです。
その3つ目にあたる市の監視カメラは15か所で、河川が12、道路が3。道路の3か所は、文化会館入口交差点、蔵子(ぞうし)一丁目交差点、小田渕(おだぶち)町三丁目です。令和7年度に追加されたのも、裏大橋(西古瀬川)と小田渕町三丁目でした。
御津町に、市の道路カメラは1台もありません。あるのは御津橋(御津川)の河川カメラ1台だけです。市の河川情報のリンク集で水位が見られるのも豊川・豊川放水路・音羽川・佐奈川で、御津川は入っていません。冠水注意箇所が6か所ある町の道は、映像でも水位でも追えない形になっています。
載っていない=安全、ではありません。国の9か所は道路管理者が把握している箇所で、冠水する場所を全部集めたものではありません。市の想定図にも「雨の降り方によってはこの図に示されていない場所でも浸水する可能性があり、浸水深も深くなる場合があります」と書かれています。

水に入ってしまった車から出るまで

豊川市の9か所は、8か所までが何かの下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓で、フロントガラスは合わせガラスなので脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 豊橋市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 隣の市で19か所、県内2番目です
- 岡崎市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 想定は同じ1時間147ミリ、観測史上最大は1時間146ミリです
- 津島市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 10か所のうち9か所が海面より低い場所です
- 名古屋市 冠水 どこが危ないの?(愛知県) 40か所で県内最多です
この記事のまとめ
豊川市で道路が冠水しやすい場所として国が挙げているのは9か所、うち6か所が御津町です。下佐脇・西方・泙野に2か所ずつ並び、残りは為当町・平井町・小坂井町に1か所ずつ。名前は8か所が「◯◯ガード」で、1か所だけ名前がなく国道1号の「豊川市小坂井町」と書かれています。市内320の町丁目のうち標高2.9メートル以下は6つで、うち4つが御津町。残りが小坂井町と正岡町です。ただしこの標高は代表点の値で、道路の底の高さではありません。
市の側では、重要事項説明の確認ページで、水防法第14条の2に基づく雨水出水浸水想定区域図のほうが水害ハザードマップに載っていません。想定降雨は1時間147ミリで、市はこれを「2023年6月の豪雨の約2.0倍」と説明しています。いま浸かっているかを見るなら、10センチの水が10分続くと検知する浸水センサ42か所と、監視カメラ15か所。ただし道路カメラ3台は市街地側で、御津町には1台もありません。
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