うるま市で、市が議会でくり返し冠水の場所として答えているのが、江洲(えす)のなかばる公園付近です。2021年6月に「以前より冠水を確認」と答え、2024年6月には、地下の雨水の通り道(赤道第1雨水幹線)の太さが足りず、大雨のときは「グレーチング蓋より雨水が噴き出し」て(グレーチングは側溝の格子のふた)一時的に冠水すると説明しました。
2025年1月24日の豪雨では、市が確認しただけで床上浸水7棟・床下浸水7棟、駐車場の冠水による車の浸水が約70台。冠水被害の多くは江洲・赤道(あかみち)地区でした(市の答弁)。国の道路冠水注意箇所(沖縄県で17か所)に、うるま市の場所は1つもありません。
この記事でわかること
- ✓ 本格的な対策の赤道第1・第3雨水幹線は、概算約40億円の工事の計画段階です。完成の時期は、答弁に出ていません
- ✓ 市の防災ハザードマップ(令和7年3月)には「冠水注意箇所」の印があり、具志川(ぐしかわ)地区の図に14個ありました(当サイトの数え)
- ✓ 内水ハザードマップ(1時間152ミリの想定)でも、なかばる公園のまわりに浸水の色が付いています(当サイトの読み取り)
雨の日に「うるま市の冠水情報」を見るページ
市は、2025年1月の豪雨は大雨警報などの気象情報がないなかで突発的・局所的に降ったと答えています。市のサイトに、道路の冠水を一覧で知らせるページは見つかりませんでした。
- うるま市防災アプリ(防災行政無線の放送を文字で見られ、緊急情報が通知で届く。うるま市のサイトで「防災アプリ」と検索)
- 沖縄県「ハイサイ!防災で~びる」(警報・避難情報・被害情報)
- 気象庁 キキクル(浸水害の危険度)
- 川の防災情報(川の水位)
- 国土交通省「道路情報提供システム」(国が管理する国道の規制)
国の一覧は0か所。市の答弁に残る2つの冠水の日
17か所の中身は那覇市の記事にまとめています。市議会の会議録から、市内の冠水が大きく取り上げられた2つの日を並べます。
| 日 | 市の答弁・報告 | アメダスの最大1時間 |
|---|---|---|
| 2023年5月18日 | 市内の道路冠水27件(災害警戒本部への報告を照合した数)。市長の6月の報告では床上浸水5件・床下浸水6件 | 胡屋(ごや)56.0ミリ |
| 2025年1月24日 | 床上浸水7棟・床下浸水7棟・車の浸水約70台(1月30日時点)。通報31件は主に江洲・赤道から | 胡屋21.5ミリ/宮城島(みやぎじま)8.0ミリ |
2023年5月は、なかばる公園付近の赤道第1、あげな小・中学校付近の安慶名(あげな)第1・第2など、雨水幹線8本で氾濫による床上・床下・車の浸水が確認されました(市の答弁)。

観測所の値は、どちらの日も想定の152ミリを大きく下回っています。胡屋は沖縄市の観測所で、江洲で降った量ではありません。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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「江洲 冠水」:市の答弁に出た場所
2025年1月の被害について、水道部長は2025年3月の議会で場所ごとの数を答えています。
- 江洲じゅうじゅう亭付近:床上浸水6棟、車両浸水約20台
- うるまシティプラザ周辺:床上浸水2棟、車両水没約40台
- サンエー具志川メインシティ:駐車場の冠水、店舗に雨漏り
2か所の床上浸水を足すと8棟で、1月30日時点の市全体の7棟を超えます。答弁の時点は3月13日と1月30日で違い、数が合わない理由を書いた資料は見つかっていません。
防災広報対策部長は、床上浸水や車の水没は「サンエー具志川メインシティ、うるまシティプラザ及び江洲区のなかばる公園付近が特に多く」、罹災証明書の発行もこれらの地区に集中したと答えました。地図の1〜3は、この答弁の3か所です。じゅうじゅう亭は位置を確かめられなかったため、地図に載せていません。

地図の番号と同じ順です
1 なかばる公園付近(江洲)
市の答弁:公園付近の市道6-128号線の冠水。放流先は赤道第1雨水幹線
ピンは公園の中心(OpenStreetMap) / 点の標高49.7メートル
2 サンエー具志川メインシティ
市の答弁:2025年1月24日、駐車場が冠水し、排水ドレーンが流れず店舗に雨漏り
ピンは施設の位置(OpenStreetMap) / 点の標高47.5メートル
3 うるまシティプラザ周辺(市の答弁では赤道地区)
市の答弁:2025年1月24日、床上浸水2棟・車両水没約40台
ピンは施設の位置(OpenStreetMap) / 点の標高46.4メートル
ピンは施設や公園の位置で、冠水した地点そのものではありません。標高はピンの点1か所の値で、江洲全体の高さではありません。
ある議員は、2021年6月14日の雨でなかばる公園前が「水深60センチメートルぐらい」になったと述べています(議員の発言)。
読者
江洲に住んでいたら、どこでも危ないですか?
市は、道路や公園の冠水は「江洲・赤道地区の広範囲」だったと答えています。床上浸水や車の水没が特に多いと名前が出たのが、地図の3か所です。家の前の道は、内水ハザードマップで色が付いていないか確かめてください。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水は出ません)
江洲で水があふれる理由(市の答弁)
水道部長は2023年9月、区画整理で土地の使い方が変わり「降った雨が地下に浸透しにくくなり、雨が短時間で雨水幹線に流れ込む」と答えました。2024年6月には調査の結果として、埋まっているボックスカルバート(高さ2メートル・幅2.75メートル)では「排水能力が不足」していると説明しています。
2023年9月の議会で、議員は、この雨水幹線が沖縄市・嘉手納町を通って比謝川へ流れると述べ、流れを中城湾へ変えるよう提案しました。市は、下流の整備が欠かせないため「変更は大変厳しい」と答えています。2026年3月には、うるま市・沖縄市・県の下水道課と中部土木事務所で、排水能力と雨水の流出抑制の確認を調整していると答えました。沖縄市側の被害は沖縄市の記事に。
対策工事はいつ終わるのか

赤道第1雨水幹線(メインシティ・じゅうじゅう亭周辺が流域)と赤道第3雨水幹線(シティプラザ周辺が流域)は、2025年9月の答弁で、実施設計を2027年度、工事を2028年度から着手する目標とされました。国の補助(補助率60%)の採択に向けて調整中で、概算事業費は約40億円。完成の時期は、答弁に出ていません。
当面の手当てとして、市は2025年3月11日の議会で、赤道第1に水量を減らすバイパス管の工事を「令和7年3月に契約を予定」(工期約4か月)と答え、赤道第3は既設の排水路のかさ上げを2025年度に行う予定だと答えました。2025年6月の委員会でも「バイパス管の設置や貯留施設の計画を検討している」との答弁が報告されています。工事を終えたと答えた記録は、2026年3月までの会議録では見つかりませんでした。
市の災害見舞金は床上浸水などの住居に1件3万円で、事業所は対象外。国や県の補助制度はなく、災害救助法の適用も「困難」だったと市は答えています。
読者
工事が終わるまで、住んでいる人にできることは?
市は、各家庭でできる備えの呼びかけと、排水路をこまめに掃除することを挙げています。内水ハザードマップも、ごみを減らすと側溝の詰まりによる浸水を防げると書いています。
「うるま市 冠水 マップ」の代わりになる2つの地図
市に「冠水マップ」という名前の地図は見つかりませんでした。次の2つは、どちらもうるま市のサイトで名前を検索すると出てきます。
- 内水ハザードマップ(令和5年4月・下水道課):想定しうる最大規模の1時間152ミリの雨で、排水が追いつかずにあふれる水の深さの想定。石川・具志川北・具志川南・与勝・島しょの5枚
- 防災ハザードマップ(令和7年3月・総合防災課):洪水・土砂などの区域に加えて「冠水注意箇所」の印。石川・具志川・与勝・島しょの4地区
内水ハザードマップの「具志川:南地域」を当サイトが見た限り、色がまとまっているのは、なかばる公園のまわりから沖縄市との市境に沿った一帯と、希望の広場のまわりです。多くはいちばん浅い0.1〜0.3メートルの色でした。
防災ハザードマップの具志川地区の図では、「冠水注意箇所」の丸を当サイトが数えると14個で、うち5個がなかばる公園・メインシティ・シティプラザの近くにありました。印を付けた基準は地図に書かれていません。2023年6月の議会では、議員が冠水する箇所を地図に色づけして示せないかと質問し、市は「どのように市民へ分かりやすく伝えられるか検討してまいりたい」と答えていました。
防災ハザードマップは複製が禁じられているため、この記事の地図には冠水注意箇所の位置を写していません。
川の洪水と高潮の浸水想定区域
県の洪水浸水想定区域で、うるま市が関係市町村に入るのは、石川川(2026年3月31日指定)、天願川・川崎川(2024年11月25日更新)、比謝川の3つの水系です。どれも想定しうる最大規模の雨が前提で、県は内水や高潮による氾濫は反映していないと書いています。
高潮浸水想定区域も2026年8月27日に指定され、うるま市が入っています。こちらも想定しうる最大規模の高潮が前提です。区域で何が決まるのかは高潮浸水想定区域の記事に。
住む前・借りる前には、次の3つを確かめてください。
- 内水ハザードマップと防災ハザードマップの両方で、家と通る道の近くに色や冠水注意箇所がないか
- 駐車場が周りより低くないか
- 雨の日に、家の前のグレーチングや側溝の水がはけているか
\内水の地図とは別に、川の洪水の区域も住所で確かめる/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(道路の冠水・内水・高潮は出ません)
ほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 沖縄 冠水 どこが危ないの?
- 那覇市 冠水 どこが危ないの?
- 沖縄市 冠水 どこが危ないの?
- 西原町 冠水 どこが危ないの?
- 豊見城市 冠水 どこが危ないの?
- 糸満市 冠水 どこが危ないの?
- 名護市 冠水 どこが危ないの?(2024年11月の北部の大雨と、旭川の県道72号)
公式出典
- うるま市「うるま市内水ハザードマップ(令和5年4月)」(2023年12月7日更新)/「うるま市防災ハザードマップ」(令和7年3月。2025年4月4日更新)/「うるま市防災アプリ」(市は個別ページへの直接リンクを控えるよう求めているため、トップページへのリンクのみ)
- うるま市議会 会議録(2021年6月24日、2023年6月19日・28日・30日、9月25日、2024年6月18日、2025年3月11日〜14日、6月19日、9月19日、12月10日、2026年3月17日)
- 内閣府 沖縄総合事務局「道路冠水注意箇所リスト【沖縄県】」
- 沖縄県「洪水浸水想定区域」(石川川水系・天願川水系・比謝川水系)/沖縄県「琉球諸島沿岸における高潮浸水想定区域図」(令和8年8月27日指定)
- 気象庁「過去の気象データ」(アメダス胡屋・宮城島の10分間降水量)
- 国土地理院 標高API(標高)/地理院タイル(地図)/施設の位置:OpenStreetMap(オープンストリートマップ/© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料と会議録を集計したものです(2026年9月24日取得)。避難や通行の判断は、必ずうるま市と沖縄県の最新の発表を確認してください。
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