🗨️「手賀沼(てがぬま)の水位が危ないと聞いたけど、沼でも氾濫するの?」
21日12時50分の観測で、手賀沼は氾濫危険水位の段階にあります。全国で氾濫危険水位に達している観測所は2か所しかなく、そのうち1つがこの沼です。しかも直近10分の変化は0メートル。上がってはいませんが、下がってもいません。
[災害] この記事の要点
2026年9月21日 発表
- 我孫子市・柏市で手賀沼の近くに住んでいる人
- 手賀沼に流れ込む川(大津川・大堀川など)の周りに家がある人
- これから我孫子市・柏市で家を探す人
全国で氾濫危険水位は2か所。1つが沼です
21日12時50分の観測で、全国の水位観測所のうち氾濫注意水位以上になっているのは90か所ありました。その中身を段階ごとに分けるとこうなります。
| 段階 | 観測所の数 |
|---|---|
| 氾濫危険水位 | 2か所 |
| 避難判断水位 | 1か所 |
| 氾濫注意水位 | 16か所 |
| 水防団待機水位 | 71か所 |
いちばん上の2か所は、君津市の中島(小糸川/こいとがわ)と、我孫子市の手賀沼です。観測所の位置を国土地理院の逆ジオコーディングにかけると、手賀沼の観測所は我孫子市の曙橋(あけぼのばし)付近にあります。
川の名前がずらりと並ぶ中に、沼の名前が1つだけ混じっている形です。
住まいのリスクに対する備え
土地の履歴やリスクを知ったら、次は「起きたときにどうするか」です。最低限そろえておくと動けるものを挙げます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
断水で最初に困るのがトイレです。備蓄で見落とされやすい一方、代用が効きません。
停電時は懐中電灯より、部屋全体を照らせるランタンの方が使えます。電池でも充電でも点くものだと、どちらが尽きても止まりません。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品は、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。Amazonのアソシエイトとして、おかあさんのおうちは適格販売により収入を得ています。
10分間、1センチも動いていない
もう1つの氾濫危険水位である中島と並べると、性格の違いがはっきり出ます。
| 観測所 | 場所 | 段階 | 直近10分の変化 |
|---|---|---|---|
| 中島 | 君津市(小糸川) | 氾濫危険水位 | +0.03メートル |
| 手賀沼 | 我孫子市 | 氾濫危険水位 | 0メートル |
中島はまだ上がっています。手賀沼は上がってもいないし、下がってもいません。雨が小さくなっても、たまった水がそのまま居すわっている状態です。
川は流れて下流へ出ていきますが、沼はまず「たまる場所」です。だから雨がやんだあとの動き方も違います。水が引くのを待つ時間が、川より長くなりやすいということです。
90メートル隣の観測所は、1段下だった
手賀沼の観測所のすぐそばに、もう1つ観測所があります。
| 観測所 | 座標 | 段階 |
|---|---|---|
| 手賀沼 | 北緯35.85139/東経140.06500 | 氾濫危険水位 |
| 新曙橋(しんあけぼのばし) | 北緯35.85083/東経140.06583 | 氾濫注意水位 |
座標の差は緯度で0.00056度、経度で0.00083度。直線でおよそ90メートルしか離れていません。それでも段階は2つちがいます。観測しているものが沼そのものと、沼に入る水路とで別だからです。
ここが「自分の家は大丈夫か」を考えるときに効いてきます。同じ地区の中でも、沼に面した側と、少し内陸に入った側では話が別ということを、この90メートルが示しています。
同じ沼のほとりで、我孫子と柏の記録は正反対
手賀沼は我孫子市と柏市にまたがっています。この2つの市の建物の浸水被害を、国土交通省の水害統計から出しました。
| 市 | 被害が出た年(9年中) | 床上浸水 | 床下浸水 | 被害額の累計 |
|---|---|---|---|---|
| 我孫子市 | 4年(2016・2019・2021・2023) | 30棟 | 69棟 | 約6.2億円 |
| 柏市 | 0年 | 記録なし | 記録なし | — |
同じ沼のほとりで、ここまで分かれます。我孫子市は全国954市区町村のうち床上浸水の多さで295位。とくに2023年の1年だけで床上19棟・床下33棟・被害額およそ4.3億円が出ています。
柏市の「0年」は、建物の浸水被害が統計に記録されていないという意味です。水害統計に行としては載っているので、道路や農地の被害はあった可能性があります。柏市が安全だという意味ではありません。
集計条件はこのとおりです。
国土交通省「水害統計調査」の市区町村別水害被害(表-3)を2015年から2023年まで集計。棟数は建物の被災棟数、被害額はその年の価格。2024年以降は確報が未公表のため含まない。
どの地区で水がたまりやすいのかは、市の単位で考えても分かりません。場所で見たほうが早いです。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
沼のそばで家を探すときに見るところ
今日の話から離れて、住まいの話を1つだけ書いておきます。
沼や池のまわりは、地形としてはまわりより低い場所です。水が集まってくるから沼になっているわけで、順番が逆ではありません。そのうえ沼から水が出ていく先は限られているので、下流がいっぱいになると沼の水は行き場を失います。
だから見るのは、市の名前ではなくこの3つです。
- その土地が、沼の水面からどれくらい高いか
- 沼に入ってくる川(大津川・大堀川など)の下流側にあたるか
- 過去に浸水の記録がある地区かどうか
いずれも住所を入れれば地図で確かめられます。雨が降っていない日に一度見ておくほうが、降り出してから探すよりずっと楽です。
いま確認すること
最後に、いま我孫子市・柏市で読んでいる人向けに。
氾濫危険水位というのは、市が避難指示を出すかどうかを決めるときの目安になる水位です。国のデータがこの段階になっていることと、自分の地区に避難情報が出ていることは別の話なので、市の防災情報を直接見てください。
なお、21日12時50分時点で、手賀沼で氾濫が発生したという情報や、けが人・住宅の浸水の発表は確認できていません。分かっているのは「氾濫危険水位の段階にあり、10分間動いていない」というところまでです。
生活・仕事にどう効くか
- 今日の行動:氾濫危険水位は、市が避難指示を出すかどうかを判断するときの目安になる水位。市の避難情報が出ていないか、自分の地区で直接確認する。
- 水が引くまでの時間:沼は川と違って水がたまる場所なので、雨がやんでからも段階がすぐには下がらないことがある。道路の冠水も同じ理屈で長引きやすい。
- 住まい探し:同じ手賀沼のほとりでも、我孫子市は9年のうち4年で建物の浸水被害が出ている一方、柏市は同じ9年で建物の浸水被害の記録がない。市の名前ではなく、地区と土地の高さで見る必要がある。
結局どうすればよいか
- 我孫子市・柏市の防災情報で、自分の地区に避難情報が出ていないかを直接確認する
- 沼や川に近い道は、暗くなってから通らない(深さが分からなくなる)
- 半地下・地下の駐車場にある車は、道路が冠水する前に動かすかどうかを先に決める
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
ほかに使える無料ツール
- 住所まるごとチェック — 住所の表記ゆれ・実在をまとめて確認する
- 不動産相場検索 — 市区町村ごとの土地・戸建て・マンション相場を見る
公式出典
- 国土交通省「川の防災情報」水位観測所の超過情報(2026-09-21 12:50観測発表)
- 国土交通省「水害統計調査」市区町村別水害被害(表-3)(e-Stat)(2015〜2023年収録分発表)
- 国土地理院 逆ジオコーディング(観測所の所在地確認)(2026-09-21取得発表)
- アイキャッチ写真 Pexels(2026-09-21取得発表)
更新履歴
- 2026年9月21日 初版を公開
※本記事は2026年9月21日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント