「お米は炊飯器で保温の状態だと何日もちますか?」。2008年のこの質問が、いまも12万7623回読まれています。答えがまだ落ち着いていない、ということでもあります。
検索すると「5〜6時間まで」「12時間まで」「24時間まで」と数字がそろいません。そろっていないのは解説記事だけでなく、メーカーの公式表記そのものが割れています。
象印の最上位機、炎舞炊き NX-AB10は「40時間までおいしく保温」とうたっています。その取扱説明書では、同じ1台の中で上限が三つに分かれていました。
象印マホービン
圧力IH炊飯ジャー 炎舞炊き NX-AB10-BZ(黒・5.5合炊き)
5.5合炊き極め保温40時間6つの底IHヒーター
象印の炊飯器の最上位モデルです。運営者は購入していません。実際に使った人の記事と、公式の表記・取扱説明書を突き合わせました。
画像:Amazon.co.jp の商品ページより(クリックでAmazonの商品ページが開きます)
この記事でわかること
- ✓ 「40時間までおいしく保温」は、白米の一部メニューに限った数字であること。
- ✓ 保温の上限が、公式表記で5〜6時間から40時間まで割れていること。
- ✓ 40時間保温したときの電気代を、公式の数字から計算した値。
まず商品を確認したい方のために、リンクを置いておきます。
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「40時間保温」と書いてあるのは、メニューの一部だけ
象印の商品ページには「ごはんのパサつきを抑え、40時間までおいしく保温。」とあります。その直後に小さく「※メニューによって異なります。取扱説明書をご確認ください。」という注記が付いています。
取扱説明書の25ページに、その内訳がありました。

表の上には「下の表に記載されている保温時間は必ず守ってください。」、続けて「『×』のメニューは保温をしないでください。腐敗やいやなにおいの原因になります。」とあります。
炊きこみご飯やおかゆは、炊き上がると自動で保温に入るのに、取扱説明書では「保温しないでください」の側です。まかせていると、してはいけない保温が勝手に始まります。
40時間を使えるのは、白米と無洗米の炊き分けセレクト、わが家炊き、熟成、急速、特急、冷凍ごはん、エコ炊飯などです。「高め保温」にすると、この組も12時間までです。
この炊飯器を取り上げたきっかけ
このなかで、筆者の雪か企画氏は保温したご飯も食べています。
12時間後までは、保温したご飯とは思えない、みずみずしい食感と味わいをキープ。24時間後は多少の変化を感じたものの、黄ばみやパサつきなどはほとんど見られませんでした。
同じ記事は、この機種の保温を「白米の場合、最長40時間の保温に対応」と紹介し、メニューごとの違いには触れていません。そこを確かめたのが出発点です。
公式の「保温の上限」は5〜6時間から40時間まで割れている
各社の公式ページにある数字を、そのまま並べます。
| 象印 極め保温(NX-AB型) | 40時間までおいしく保温(※メニューによる) |
|---|---|
| 象印 うるつや保温(別シリーズ) | 30時間おいしく保温できる(※メニューによる) |
| 日立 | 高めの温度は12時間、低めは24時間、機種により40時間 |
| パナソニック | 96時間継続するが、24時間以上の保温はしないでください |
| 三菱電機 | 24時間までの保温がお勧め |
| タイガー魔法瓶 | 一般的な炊飯器で5〜6時間ほど |
各社の公式ページ・公式のよくある質問の表記(2026年9月21日に確認)。お使いの機種の取扱説明書が優先されます。
同じ「保温」で、5〜6時間から40時間まで開いています。象印は自社の中でも40時間と30時間で別です。パナソニックは、機械が止まらないことと食べてよいことを分けて書いています。
アイリスオーヤマの公式のよくある質問は接続できず、保温時間を確認できませんでした。象印が別の数字を出しているかどうかも、確認できませんでした。
「保温できる時間」と「安全に食べられる時間」は別
読者
二日ぐらい保温してたご飯たべたら何か固かったので、食べたら悪いのかなと思いました。
冒頭の質問の本文です。固さは見ればわかりますが、傷んでいるかは見てもわかりません。ここは国民生活センターがテストしています(2018年6月14日公表)。
炊飯直後では大半のモニターが正常なご飯のにおいと回答したのに対し、24時間保温時では全員が異常なにおいと回答しました。
保温中の65℃前後では腐敗臭の原因になる好熱性細菌が増殖しうること、24時間保温時点のご飯から多数の好熱性細菌が検出されたことが書かれています。
これは相談を受けた特定の1台のテストで、炎舞炊き NX-AB10でも同じことが起きるという意味ではありません。
同センターは、保温が長くなりそうなら冷ましてから冷蔵するか、なるべくなら冷凍するとよい、とまとめています。この機種の「冷凍ごはん」メニューは、そこに向けた機能です。
40時間保温すると、電気代はいくらになるか
保温をやめる理由としてよく挙がるのが電気代です。公式の仕様表に数字があるので、そのまま計算できます。

保温は1時間17.2Wh、炊飯はエコ炊飯で1回148Wh。148÷17.2で約8.6なので、保温を8時間半続けた時点で、もう1回炊けるだけの電気を使っています。
金額はどうか。全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価は1kWhあたり31円です。17.2Wh×40時間=688Whなので、40時間つけっぱなしでも約21円。電気代は保温をやめる理由としては弱いことになります。
この機種の仕様はAmazonの商品ページでも確認できます。
どんな炊飯器なのか
画像:Amazon.co.jp の商品ページより
公式の商品仕様ページにある主な数字です。
| 炊飯容量(白米) | 0.5〜5.5合 |
|---|---|
| 保温 | 極め保温(40時間)/高め保温/保温なし |
| 炊飯時消費電力量 | 148Wh/回(エコ炊飯) |
| 保温時消費電力量 | 17.2Wh/時間 |
| 外形寸法・質量 | 約26×33×24cm・約8.0kg |
| 希望小売価格 | オープン価格(公式に記載なし) |
象印 炎舞炊きNX-AB型 商品仕様ページ(NX-AB10)より。
炊飯時間は「特急」で約13〜21分。雪か企画氏は特急のご飯を、通常の炊飯に比べて若干甘みと旨みが劣るものの、もっちり弾力のある炊き上がりだった、と書いています。
気になるところ
第一に値段です。公式の仕様ページは「オープン価格」で希望小売価格の記載がありません。ただし公式オンラインストア「象印ダイレクト」では、この黒いモデルが165,000円(税込)でした(2026年9月21日時点)。
その差に見合うのかは意見が割れています。高級炊飯器と安い炊飯器で味が違うのかという知恵袋の質問(2023年)では、次の回答がベストアンサーでした。
8年前から炊飯器は大幅に進化してます。逆に同世代間を比べると本当に微々たる違いで、目隠しして食べたらわかりません。
第二に、保温のにおいと乾燥は両立しません。保温温度は7段階で変えられますが、においが気になるなら高く、乾燥が気になるなら低くで、指示が逆を向いています。
なお、公式ページに発売日の記載はなく、内釜の材質名と保温の温度も確認できませんでした。
買う前に試したい場合、象印は公式のレンタルを用意しています。この機種は新品の月額制プランが月6,300円です(契約先はレンタルパートナーのレンティオ)。
価格と在庫の最新の状況は、商品ページでご確認ください。
こんな人は見てもよさそうです
- 朝に炊いて夜まで、前の晩に炊いて朝まで、という保温が家の習慣になっている人。
- 炊きこみご飯や雑穀米をよく炊く人。上限が12時間か、保温そのものが不可になります。
- 保温をやめて冷凍に切りかえたい人。「冷凍ごはん」メニューの有無が分かれ目になります。
この記事で確認した情報源
商品の詳しい情報と取り扱い状況はこちらで確認できます。
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