🗨️「警察に相談したら、何をしてもらえるんですか」
警察庁が今年3月に出した集計では、令和7年の禁止命令等は3,037件で法施行後いちばん多く、うち1,840件は加害者の言い分を聞く前に出す緊急のものでした。警告を先に出さなくても禁止命令が出せるようになったのは平成29年からです。相談件数そのものは22,881件で、前年より3,314件増えています。
[事件・事故] この記事の要点
2026年9月15日 発表
- つきまとい・待ち伏せ・無言電話などの被害を受けている人
- 別れた相手に住所を知られている人
- 引っ越しを考えているが、理由を人に言いにくい人
警告と禁止命令は、別のもの
ここを混ぜると、相談窓口での話が噛み合いません。警察庁の集計は、この2つを別々に数えています。
| 年 | 警告 | 禁止命令等 | うち緊急禁止命令等 |
|---|---|---|---|
| 令和2年 | 2,146 | 1,543 | 729 |
| 令和4年 | 1,868 | 1,744 | 946 |
| 令和6年 | 1,479 | 2,415 | 1,466 |
| 令和7年 | 1,577 | 3,037 | 1,840 |
5年で、警告は減って禁止命令は約2倍になりました。警告は「やめなさい」と注意するもの、禁止命令は行政処分で、違反すれば処罰の対象になります。平成29年6月14日から、警告を先に出さなくても禁止命令を出せるようになり、緊急時にはその場で出せる仕組みも加わりました。令和7年の3,037件のうち1,840件(約6割)が、その緊急のほうです。
相談は22,881件。誰が誰から受けているのか
相談等件数は令和7年で22,881件、前年より3,314件(16.9%)増えました。中身は次のようになっています。
| 区分 | 令和7年 | 割合 |
|---|---|---|
| 被害者が女性 | 19,880 | 86.9% |
| 被害者が20歳代 | 7,993 | 35.6% |
| 加害者が交際相手(元を含む) | 8,910 | 39.0% |
| 加害者が知人友人 | 3,059 | 13.4% |
| 加害者が勤務先同僚・職場関係 | 2,757 | 12.1% |
| 面識なし | 2,021 | 8.8% |
いちばん多いのは、元の交際相手です。面識のない相手からの被害は8.8%にとどまります。つまり典型は「知らない誰かに突然つけられる」ではなく、相手がこちらの生活をもともと知っているという形です。住所も勤務先も、すでに知られている状態から始まります。
だから住所の話になる
相手が住所を知っている以上、対処の中心は「知られている状態をどう変えるか」になります。引っ越したとしても、住民票をたどられれば新しい住所は分かります。
これを防ぐ手続きが、市区町村の窓口にある住民基本台帳の閲覧制限(支援措置)です。申し出が認められると、住民票の写しや戸籍の附票の交付が制限されます。警察や配偶者暴力相談支援センターの意見を付けて申し出る形が一般的で、期間は1年ごとに更新します。
令和6年3月からは、禁止命令等を受けた加害者へ警察が連絡する取組も始まっています。令和7年の実施は1,698件、カウンセリングや治療につながった人は233人でした
生活・仕事にどう効くか
- 相談したあと:警告を先に出さなくても、警察が加害者へ直接「やめろ」と命令できる。緊急の場合は言い分を聞く手続きの前に出せる。
- 住まい:住所を知られている状態を変えるのが対処の中心になる。転居先を知られない手当てが要る。
結局どうすればよいか
- つきまといの日時・場所・内容を、記録に残してから相談する
- 警察には「警告」だけでなく「禁止命令」という手段があることを知っておく
- 転居するなら、住民票の閲覧制限(支援措置)を市区町村に相談する
公式出典
- 警察庁 生活安全局人身安全・少年課「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」(2026年3月19日発表)
- 警察庁 報道発表「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況」(2026年3月19日発表)
更新履歴
- 2026年9月15日 初版を公開。
※本記事は2026年9月15日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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